平成29年8月9日(水)知事定例記者会見

司会:
 お待たせいたしました。おはようございます。
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきますけれども、本日はまず台風5号に関する被害状況について知事から説明後、「平城京天平祭・夏」についての発表をいたします。
 それでは知事、よろしくお願いいたします。


平成29年台風第5号の被害状況について

知事:
 おはようございます。

 きょうの報道資料は「天平たなばた祭り~平城京天平祭・夏~」でございますが、その前に台風5号が、奈良は通り過ぎましたが被害状況などを、昨日、報道資料で資料を出しましたが、改めまして1枚紙に急遽まとめました。お伝えしなくて申しわけございませんでした。ここに書いてありますように被害の状況は、人的被害、幸いにしてございませんでした。その他、避難の状況はここに書いてあるとおりです。警戒配備もしましたが、このような状況で済んでおりますので、改めてまとめてご報告を申し上げます。

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「天平たなばた祭り~平城京天平祭・夏~」の開催について
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 次に、天平たなばた祭り~平城京天平祭・夏~です。お手元の資料に書いていますが、8月末、25日から27日の3日間、平城宮跡で「たなばた祭り」をいたします。

 チラシのとおりですが、一つだけうんちくを申し上げたいのですが、七夕の発祥はどうも平城宮跡らしいということです。七夕祭りのうんちくを書いた資料があるのですが、旧暦の7月7日を七夕と書いて「たなばた」として、七の夕を書いて、これを「たなばた」と読んできましたが、これは7月7日の夕方ということです。昔は旧暦8月で、この平城宮跡で行っていたといういわれがあります。遣唐使が持ち帰った「乞巧奠(きこうでん)」(陰暦7月7日の行事)と日本の古代習俗「棚機津女(たなばたつめ)」の祭りとが結びついて成立したといういわれがあるようで、棚機津女(たなばたつめ)と、この「たなばた」の字が、棚田の「棚」に、「ばた」は機械の「機」ですね、「つ」は大津の「津」に、女性の「女」と書いて「棚機津女(たなばたつめ)」の祭りと言われた祭りだそうですが、神を迎える乙女が、機織り小屋の中でこもって神の降臨を待っていたというのが七夕の語源だそうです。遣唐使が持ち帰った祭りと古代習俗とで、平城宮跡で七夕というお祭りが始まった。「万葉集」に星の歌が100首以上あるようですが、棚機津女が天の川で会っているらしいというのは柿本人麻呂の歌にもあるということです。平城宮跡の大極殿の「大極」はご存じのように北極星ですので、星を見る場所としては一番良いということで、今年のチラシの中でも星観測のようなものを入れています。チラシの後ろのほうに星めぐりと天体鑑賞。北極星を見ようというようなことです。

 それと、阿倍仲麻呂、遣唐使が持ち帰ったということのいわれもあるので、阿倍仲麻呂は帰ってこなかったのでどの遣唐使が持って帰ったかわからないが、三笠の山の月も、阿倍仲麻呂遣唐1300年が今年ですので、三笠の山の出し月も見てもらおうかという、空を見上げる天平たなばた祭りのような志向で開催します。

 それと、お手元に急遽資料を3部お配りしましたが、奈良の8月のお祭りが、このたなばた祭りの他、3つあります。19回目ですが、「なら燈花会」が、8月5日から14日。「春日大社の万燈籠が8月14日、15日。それから、今年新しく始まる「ぐれーとさまぁーふぇすた☆ならまち遊歩」というお祭りが16日から25日。それでこの「天平たなばた祭り」が25日から27日と、奈良の夕刻、夜が4つの祭りをするということを重ねてでございますが、あわせてご報告申し上げたいと思います。

 ご報告は、以上です。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、発表案件に関するご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答

「天平たなばた祭~平城京天平祭・夏~」の開催について

時事通信:
 「天平たなばた祭り」について、まず1つは、これを開催する上でたくさん人が来てほしいとか、こうしてほしいとか、どういった期待をお持ちか、お話しいただけるでしょうか。

知事:
 観光客をおもてなしするイベントであることは間違いない。イベントの、観光客のおもてなしの仕方というのが実は進化している面もありまして、奈良県は遅れないようにやろうかということでもあります。そのときに、遅れない意味が、一つは飲食サービス、いいとこで、いい部屋で寝るというような普通の観光から、何かこうイベントがあって参加するとか、燈花会などもそうですが、一緒の一体感があるようなお祭りに移行というような、物から事へと言われるほうに観光サービスに乗り遅れないようにしようというのが一つです。

 もう一つは、地域に、なぜ奈良に行くのかというと、奈良のいわれに基づいたお祭りを、今楽しめるお祭りを展開しようというのが基本であろうかと思います。奈良はそういういわれはたくさんあるが、あるらしいなとほったらかしにしてあった。ほったらかしにしてあるのを、このようにお祭りをやり出すといわれが紛々としてくるのですごくおもしろいなと、すごいいわれがあるんだなということで主催するほうが勉強しているような状況ですので、これは知れというよりも、我々が、そういういわれがあることを知って、奈良の七夕は特別なんだぞということをちょっと意識してお祭りをしたいなと思います。

 有名な仙台の七夕祭りは、あんなに大きなお祭りになっていますが、発祥の地の奈良ではすっかり忘れてたと、知らなかったというのは、ちょっと情けない。情けないことはたくさんありますが、そのいわれを大事にして、奈良はいわればっかりがあり過ぎて、観光に利用もできていなかったと改めて思うところがある。燈花会もそういう意味では、灯を、うら盆会という、うら盆会が初めて伝わったのは奈良である。お盆のお祭りは灯明、光をつけて、お盆には先祖が帰ってくる。先祖崇拝です。アンセスター・ウォーシップのお祭りが日本に定着してうら盆会が初めて始まったのは奈良ですが、ご先祖の魂が帰ってくるときに道を間違わないように光をつけようというようなことが、その灯明の一つの効用ですので、それを、そういううんちくを言って楽しむというわけではありませんが、少し意識をして、いわれを知るのもおもしろいことかと思いますので、奈良の最初に伝わったのを発見、掘り起こしながら、観光に来られる人に提供、展示をしていけたらというふうに思っています。

時事通信:
 わかりました。ありがとうございます。

日経新聞:
 知事、燈花会については、毎年90万人ぐらいの観光客があると聞いています。今回初めて4つの光の祭りが揃うことで、県としての入場見込みや経済効果はありますか。

知事:
 そうですね、大体燈花会は献灯されるのでカウントがしやすい。見られるだけの方もおられますが、たなばたも3日で、また無料のケースが多いので、有料が一応入っていると勘定しやすい。冬のお祭りで入場者数を間違ったとか水増ししたとか議会で議論がありましたので、有料で水増しするととても罪になりますが、無料は、水増しはないけどちょっとカウントの間違いがある。大きな差があると問題ですが、現場を見に行くと、とてもにぎわっているのがわかります。にぎわって、そのにぎわいがどれだけあるかというのを数字で出ないと感じが出ないので、数字を出すようにはしてますが、なかなか計りがたいところもありますので、数字、数値目標というのはちょっとあわせて思えば色々な無料で通り過ぎられる方も含めて計測はできたらと思います。滞留と同じように定点観測のように、近鉄奈良駅に降りる人が、この日は増えたよと、そのほとんどが燈花会に行かれる方じゃないかと。この平城宮跡は行きにくいところですので、バスに乗られる人が何人あったよということは観測ができますので、そのそばから観測する技術をもう少し構築していきたいと思います。

 なお、この平城宮跡で間もなく、歴史公園が完成するのですが、来年春開園ですが、ここの通路、朱雀大路ができましたので、ここから後ろのところにあった駐車場がなくなってしまったので駐車場が今はない。この開園前の臨時駐車場として、夏祭のシャトルバスのみに駐車してもらおうかということを先ほど聞きましたので、あわせて、そうするとどのくらいの人が来たのか、確実に計測できる数字はこのぐらいだということは幾つか出てくると思います。そのようなことは把握しながら、全体としてはもう少し多いかもしれないというような計測の仕方もあるのではないかと思っております。

 計測もできるだけ実証的にというか、それはそうだろうなと言われるような計測の仕方をしながら、去年は多かったけど今年は少なかった、もっと増えたとかというのが、計測の仕方が同じだったらトレンドが分かります。増えたならどういう要素で増えたのだろうか、減ったとすれば何なんだろうか。雨だからか、何かの台風が来たからかとか、様子がわかりますので、そのようなことをしたいと思います。

 奈良のこの4つのお祭りで何十万人もくろむと言えば短く記事になりやすいですが、ちょっと計算はまだしていませんでしたので、こんなことを申し上げてしまいましたが、夏は4つとこういうことを今ご紹介いたしました4つのお祭りというふうに申し上げましたので、それぞれ小さなお祭りでありますけど、東北の大きなお祭りとはちょっとまた違いますが、順次奈良の夕方を楽しんでもらえるようなということを定着して、ユニークなお祭りを志しているというとこも、奈良の目標はいわれを大事にしてというようなことで売り出していきたいと思います。

司会:
 発表案件につきましては、よろしいでしょうか。

知事:
 お時間ありましたら、どうぞ奈良で何年、ずっとはおられないでしょうから、この時期の楽しみをぜひご経験してください。

司会:
 それでは、その他の質問につきましてもよろしくお願いいたします。

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東大寺法華堂における落書きについて

NHK:
 昨日、東大寺で落書きが見つかりました。国宝の法華堂です。これをどういうふうに受けとめていますか。何か対策は考えられますか。

知事:
 先ほど報告を受けました。落書きはハングルで人の名前が書いてある。だから一瞬だけども、昔、日本人の修学旅行生がノートルダムに行って、憧れの同級生の名前を落書きすることが流行っていたが、似たようなことかもしれないと思いました。そんな感じもあります。名前がハングルでイ何とかって書いてある、女性の名前らしい。

 それは女優かと聞いたら、そんな名前の女優さんはいないということであった。そういう質問もあろうかと思って、少し興味があって、憧れの女優を書いたのかというふうに、にわか調べだからまだ正確ではないかもしれないが、そういう名前でもないみたいだということです。イ・ヒョンヨンというのを書いてある。

NHK:
 観光客の方とか居合わせたので聞いてみると、非常に悲しいというような、日本が大事にしているものをこうやってされてしまうのは悲しいというようなお話もありましたが、そのあたりの傷つけられたことに対するお気持ちとしてはどうですか。

知事:
 昔もあったから、余り思想的なことはないような、これわかりません。女性の名前だとすればね。修復をすぐするというふうに聞いています。

 ノートルダムでも、報道があったらぞっとしたが、日本語で書いてあったんですね。それは別に向こうに行って友達の名前をフランス語では書かないしということかもしれないですけどね。

NHK:
 そのあたり背景にインバウンドが増えている中で、大事なものってわかってはいると思うのですが、万が一わかってなくて何となく書いちゃっていると。東大寺なんていろんなところに大事なものがあって。

知事:
 まあそちらのほうかなと思います。行ったところの記念に、立派なとこだと、その思いをこの有名なところで書き残しておきたいという心理かなと思ったりもします。

NHK:
 何かそこに対策として、例えばこれは本当に日本が大事にしているものなんだというのを積極的に取り組んでいくとか、何か打てる手はあるんでしょうか。

知事:
 いや、大事にしているものにだけ書いてはいけないということではなく、人の家にも書いてはいけない。こういうものは基本的なマナー。多分これがすごい大事なものだから書いたって、ここが大事なものだっていって案内されたから、日本人がノートルダムで書いても、これはすごいなとわかって書いた日本人の観光客ではなく、案内されたパリの有名なところだったら落書きを一つして思い出を、また今だと写真を撮って名前書いたよといって気持ちを伝えるというような行為かもしれない。これは全く推察だからわかりませんが、そのようなものかもしれないというふうに推理はされるところもありますので、こういうなのは日本人でも外国人でも、いたずら書きはいけませんよという類いではないかなと思う。いたずら書きは、絵馬に書かれるといいですね、いたずら書きでもね。

NHK:
 奉納するということですか。

知事:
 絵馬は知らなかったのかもしれない。絵馬に憧れの女性の名前を書いて奉納すると願いが叶うんじゃないでしょうかね。そのように、そういう風習が、書く人は、絵馬というのがありますよというのをうまく言えばいいかもしれない。絵馬には随分外国語が書いてます。春日大社の絵馬にハングルも多いです。アラブも多い。やはり基本的に願いを天に届けるというのは同じような風習があるのかもしれないと思います。そういう許されたマナーでやってもらうというのが基本だと思います。大事な、有名なところだから書いておこうということだと思います。人の家に書くのもいたずら書きというものの、悪さは同じことだと思う。有名だから書き残すと気持ちが高く上がって伝わるんじゃないかという心理がある、それは万国共通の心理かなと思いますが、日本人も昔はしたことではありますというふうにもあわせて思います。観光が、多くの人が行くとそういうことがいろいろあると思います。

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九州北部豪雨災害調査(森林関係)について

時事通信:
 前々回の知事の会見で、北九州の豪雨災害のときに流木に関する調査をされるとおっしゃっていたと思いますが、その後いかがでしょうか。

知事:
 森林整備課が行ってきて、報告を受けました。北九州の災害、すごく流木が多いので、木がどこから流れてきたのか、木材置き場なのか、山の放置間伐なのか、植わっている木が流れたのか、その3つでどれだったのかを調査してくださいといいました。今回の調査では、放置間伐であれば切った跡があるのではっきりわかるわけですが、量的には、根っこがついている、あるいは根っこが削られても根っこが剥がれたというような、生木が流れた流木が多かったと報告を受けました。その生木が流れた原因はというと、根っこのあるところの土も流れたのかと思われますが、奈良県で起こった深層崩壊ほどではなかったですが、土砂がとれて流れたようです。スギ、ヒノキが多かったようですが、そのときに根っこが浅いから木が流れてしまったのか、根っこが深ければ残ってたのかを、これは森林の環境管理に影響しますので、それを調べてくれという面もありました。それは山のほうへ行かなきゃいけない面もあるし、流れてしまって、混交林は日本にないですから、ある地帯はスギ、ヒノキは根っこが浅くて全て流れた、ということはわかりました。しかし、混交林になると根っこの深い木は残ってたのかというと、混交林がないため、それは(実例が)ないんです。

 だから根っこの深い木を置いておけば残ってたかもしれないという仮説はあります。今回の視察で根っこがしっかりしてたら残っていたという、証拠は一つあります。それはヒノキやスギですが、根っこが岩にまとわりついてたんです。岩が流れると木も流れたと思いますが、大きな岩なので流れなかった。もう実例があったので写真に撮ってきてくれました。だから木が山に残ると流木はもちろん減るわけで、それがまちの近く、水の流れがあるところに多分植林を重ねてきたので、土砂崩れで流れやすい木をたくさん植えたこともあると思いますが、土が流れて木も流れてしまった。根こそぎ流れてしまったというので、あれだけ流木がふえたというように推察できるわけです。

 さて、日本は至るところそういうことがあるため、これから考えなければいけません。スイスのように混交林を推奨するというのも一つだと思います。混交林だと根っこの深いのが間に入ることで、その木が残ると浅い木も一緒に残る可能性も高いということかもしれません。また森林の土砂災害防止の植林の仕方というのは、日本はこれだけの森林があるにもかかわらず研究がされてないということが素人の私にもよくわかりましたので、勉強します。

時事通信:
 スギ、ヒノキが多く根っこが浅いのがわかって、それが原因ではないかと理解しますが、それは奈良県も植林されたスギ、ヒノキがとても多いと思いますので、人ごとではないのではないかなと思いますがいかがでしょうか。今後また、勉強を深めるということですけれども、奈良県内での対策というか、そういったものを打っていかれるおつもりはありますでしょうか。

知事:
 ほかの国ではそういうことを実現されていますので、奈良県内の対策に結びつけたいと思います。森林は時間がかかりますが、方向を間違わなければ強い森林になる。強いの意味は、動物を生かすのに強い、あるいは土砂が流れないようにするのに強いという森林が可能になると思います。

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スイス・リース林業教育センターからの実習生受け入れについて

時事通信:
 スイスからのフォレスターの県実習生の方4人いらっしゃって、報告会をされまして、例えばその時は、日本の林業に関して、防護服着用とかに関する制度が未熟だとか、それから森林での事故に際したときの救急のシステム、搬送システムとかいろいろ改善点や課題点を示されたと思いますが、そのフォレスターの4人の提案から、何かそのあたりから酌み取って採用するご予定はあるでしょうか。

知事:
 報告会の前に懇談会をして、(スイスフォレスター実習生の)4人にいろいろざっくばらんに聞きました。今度の報告会でも、そのおっしゃっていたことを報告書で読みました。おっしゃるように、木材の生産という面で搬送というのは大事だとおっしゃったのと、あんまりはっきりと報告会でおっしゃってなかったみたいですが、山というのはもう多様な機能があるんだから、多様な機能を守るという強い情熱・意思がフォレスターに体現されているという自負がすごく強いと思います。

 日本は、どちらかというと生産一辺倒だったので、その災いが来ているというのが私の感想です。生産はその一つで、ありがたく生産をさせていただくことで、日本のそういう維持の仕方の思想がね、儲かればやれよと言っていたような、儲からなくてもやらなきゃいけないのが自然の管理じゃないかと私は思います。

 そういうことを手を抜いているというわけでないですが、生産だけ、生産が儲かればやる国かと言われたとすればすごく悲しいので、それはどういう制度かで達成しないといけない。今はそういう制度がないですね。それを官民が協働してやる仕組みを日本人は考えなきゃいけないと思います。守るのは公共事業的にやるぞと、稼ぐのは民間がやるよと、官民のその区分けがそういうふうに分けていると、すると官が財政的に弱くなって維持力が低くなってくると、民がやるべきだという声が大きくなるんです。民が儲からないと手を抜くのが実態で放置してきているのが、森林だけじゃない、いろんなところの実態でありますが、これはあまりいい国柄でありません。スイスやドイツの森林管理は、自然をすごくもう情熱を持って大事にされているというのが、スイスのその若い人たちの言葉でもひしひしとわかりました。まず一番の私にとってはインパクトであります。

 それを、そのどういうテクニックがあるかということを、何を学ぶかはその次のように、私はまだ、これから情熱がないと学んでも手先だけというのが日本人は得意ですが、そういうのでなく、その気持ちを、自然、森林を守るんだという気持ちを失ってはいけない、それから学んでいかないといけないというふうに、スイスのフォレスターにいろいろ話を聞いて、若い人がそう情熱を傾けて言ってくれてと思いました。

時事通信:
 そういう奈良県内で情熱を持った若い森林の専門家の方を育成するような何かアイデアとか、お持ちでしょうか。

知事:
 一つは、そういうフォレスターの権限がとても強いんです。いろいろお会いして、スイスのフォレスター、ドイツもオーストリアも同じような制度と聞きます。森の保健師みたいな感じで、この間懇親会で会った若いスイスのフォレスターが、山を見ていると同じようなスギの木があっても、この木は丈夫に育つ、この木は余り育たないとわかるんだそうです。だから、この木は残せと、丈夫に育つ木は、ヘルシーな木は残せ、この木は早く切れと、こう言うんだそうです。そういう権限がフォレスターに与えられているんです。そういうの余り日本の山を守る考え方にはないです。森の健康の判断を委ねているというような印象を受けました。委ねるにはすごい権限を与える森林環境管理という法制度が要るのですが、和歌山県と三重県で、それを条例でつくれないかと勉強を始めました。所有権がとても強い国のため私有林に対して、俺の森を勝手にこの木を切っていい、いかんと言うなという抵抗があります。税金が低いから所有権があれば山を維持する義務があると、思ったりもしますが、その義務は日本にないんです。税金だけ安い制度は、農地もですが、それじゃ守り切れない面があるのかなという印象を持ちます。知恵が要るところと思います。

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第3次安部第3次改造内閣について・全国知事会議について

奈良新聞:
 新内閣ができましたが、これをどう見ておられるかお聞かせお願いします。ちょうど高市大臣もおやめになり、また、この間来年度の予算要望に行った後に改造となりましたのでその感想をお願いします。

 それからもう1点は、この間の全国知事会議で、知事の発言は担当の部署の方から報告もいただき聞かせていただいていますが、特に地方消費税をめぐってのやりとりであるとか、細かなニュアンスみたいなのがわかりにくかったです。

 東京など反対しているらしいなどお聞きはするんですが、例えばそういうことで距離感というのは詰められたのかどうか、また奈良県の提案に対してどのような反応があったのかをお聞かせください。

知事:
 新内閣の顔ぶれに対する感想ですが、私のほうから個人的な感想というのも変な話ですが、私のお知り合いが結構多いです。例えば、自民党の派閥の中で仲よくしていた宏池会から4名入られて、今度、岸田さんは政調会長になられましたが、内閣では林さん、小野寺さん、上川さん、それから松山さん、松山さんは参議院の同期になります。あとは総務大臣の野田さん、江﨑さんもよく知っている方ですので、親しくしている人がたくさん入られたなと感じています。これは全く感想でも返答でも何でもありません。

 そのような中で、今度何か組閣の性格めいたことの印象ですが、よく言われる加計や森友で安倍内閣が傷ついてきていると思います。それを回復する、政治ですから求心力を持たなきゃいけない中で、改造して仕事をしようという方向に向かわれたという印象です。仕事人内閣と自分でおっしゃったとおりだと思います。多分、そうも言っておられるような気がしますが、その仕事の方向が経済活性化ですね。とりわけ地方とバランスのとれた経済をやる国柄として必要になってきていると思います。

 バランスのとれた経済、先進国で発展途上国ではもう既にありませんので、一つの産業がずっと抜きんでれば、それに雇用がまとわりつきその地域が発展するという、昔の繊維や、造船、最近では自動車など、そういうわけにはいきません。全体として経済が安定して持続が必要です。持続力があって、それがグローバル化の中での経済ですので、格差、分裂が生じないようにこうしていかなきゃいけないというのは、弱い者に対する手当てもしていかなきゃいけません。これは財政中心ですが、財政だけでもできないので、民間活力を導入して社会保障をしなければいけないという国柄になっていると思います。その中でキーポイントは日本人の働き方改革であり、それをどのように実行されるのかと私は思っております。

 今までの、加計の前に、共謀法と安全保障法制の話があって、どちらかというと非経済的な政治課題をこなされてきました。僕はあれも重要だと思いますが、経済がまだ比較的安定し始めていたので、それはそれとしてということだったかもしれないですね。今や経済がしっかりしないと日本全体が先行き、持続力の点で心配が生じているというふうに私は思います。地方とのバランスも含めて、地方再生だけで経済もつというわけでないと思いますが、そのバランスをとるのを基本とするとおっしゃっていますので、それを中心とした仕事をしていただく内閣の顔ぶれのように感じます。そのうたい文句どおりのお仕事をしていただく内閣であることを期待いたします。お友達が多いからというわけでありませんが、期待は十分感じられる顔ぶれであるように思います。

 それから、全国知事会の様子ですが、今年は全国知事会のすごく大きなテーマというのはなかったです。北朝鮮のことを言ったり、何か政治的なアクセントがないといかんというのは毎年ありますが、今年はそういうテーマのアクセントは余りなかったように思います。

 もう一つは、小池都知事が、2日フルに来られて、夜の懇親会も二晩おつき合いされて、今までの知事さん、舛添さんは来られてましたが、石原さんはめったに来られませんでした。東京都の課題が日本の地方行政の中で大きなポイントを占めておりますが、小池さんが二晩来られて、オリンピックがある面もありますが、オリンピックのラジオ体操を知事会全員でしましたので、全体の雰囲気はちょっとソフトにはなったように思います。

 すごくアクセントのあるテーマではありませんでしたが、その中でいつも議論が出るテーマの一つが、地方税財政充実強化というテーマです。富山県の石井知事がいつも提案され、分厚い資料が税財政の充実強化は交付税の総額維持のようなことからずっと始まりますが、税制で大きな議題になったと私が思いましたのは、地方消費税の清算基準と森林環境税についてです。どちらかというと森林環境税のほうが意見が多かったです。

まず、森林環境税のほうを申し上げますと、昨年の税制改正大綱で、森林環境税の導入について、この30年度税制改正で結論を得ると書いてありますが、政治的判断をすると結論を得るというのは導入することの決定をするということではまだないようです。そのときの森林環境税の設計は市町村が行っている間伐を強化するために、市町村に税源を持たせることが基本のスタートになっているようです。それに対して都道府県の知事会からは、1つは、今、各都道府県での森林環境税が独自税で、37府県導入されているので、それとの調整が要ること、また国税でされたときは、府県税の独自税はどのようになるのかという、懸念の感想が相次ぎました。

 もう一つは、森林環境管理については、間伐だけでないということです。県あるいは間伐が市町村でできないところは、都道府県が引き受けるとか、広域になれば間伐が市町村の義務であっても、都道府県が広域で引き受けたりしないといけません。市町村の間伐に、都道府県税の森林環境税の使用の仕方は、県が直接実施と補助金交付と、4つほどパターンがありますが、奈良県は市町村に委託料を渡して市町村が実行するという形になっています。それはやり方の話ですが、都道府県税でもそのぐらいのやり方があるので、市町村の間伐を強化するといったときも、能力がないところ、あるいは余り実績のないところというのはどうするのかというので、都道府県が間伐だけでもいろんなことをしなければいけないのではないか。また、奈良県のように森林環境管理を、大きな管理を都道府県で志すところには、何か役割があるのではないか。森林環境税で財源が揺れるとは奈良県は言いませんでしたが、随分発言がありました。税制でありますと都道府県にも役目があるから、市町村だけに使途が限定される税制でないようにという発言でした。

 それから、地方消費税の清算基準は、それに比べますと対立的なぎくしゃくした発言はなかったように私は思います。東京都と大阪府が奪われるほうの立場でありますけれども、東京都の知事さんは、私の見るところ、人口基準ありきというのはおかしいんじゃないかといった類いの発言をされたました、順番に回りましてね。あと、順番に当てられて、滋賀県の三日月知事が、いや、これは知事会の損得じゃなしに税制の立て方の議論だから、それに向けた議論をすべきじゃないかという、奈良県と同じ趣旨の発言をされました。

 大阪府は、松井知事が来られてましたが、知事自身の発言はなくて、その議論のあった前日に副知事の浜田氏が、人口基準ありきじゃおかしい、困るのではないですかといった類いの発言をされました。それも印象的にはあっさりした発言で、私が地方消費税の清算基準の発言したような持論を統計に基づいて言いました。あとは、愛媛県の知事が、従業員基準を残してくれないと困るんだというふうに発言、従業員基準がなくなるとすごく税収が減るんだよと、そういう陳情みたいな発言をされておりました。そのような、ずっと回っていって最後に井戸さんは、地方消費税として残すのは大事なんで、奈良県の言っていることの意味を解釈されまして、要約されて、地方消費税は最終消費地の判断に基づいて配分すべきだと、これはみんなあらがうことはできないですね。

 ところが、そういう統計はどこにもないので、販売統計は販売地はわかりますが、消費地は不明という、極めて致命的な弱点がありますが、販売統計に基づいて配分してきました。しかし、よく見てみると、通販にしろ、家電の持ち帰りにしろ、物流が、どこで注文しても、明日でも、二、三日中に届くものであれば、持ち帰り品もそうですが、全然販売統計が当てになりません。清算基準に使うのにますます当てにならなくなってきている実態があることを、実例を示してそういう理屈で奈良県はアピールしたわけです。そういう当てにならないのは、その部分を取り出して人口基準に代替しようという考え方は合理的だと井戸さんがおっしゃっていました。

 それは皆さん、だんだんそういう認識が深まってきている。今まで販売統計ありきで、納得はしてないのにそうしていた。従業員基準というのも今や経緯だけで根拠はなくなっているということは薄々わかっていても、変える変え方のきっかけがなかったので黙認してきたといったようなのがわかってきました。

 奈良県が切り込んで言うと、そのこと自身について反論は余りなかったと思います。滋賀県の三日月知事がおっしゃいましたように、ここは奪い合いの場じゃないから、税制の理屈を議論する場だといって発言されたのが、奈良県の主張に同調していただいたのかなと思って、私から見たら真っ向反論というのはありませんでした。損得の感想は幾つかありました。東京と大阪についても、奪っていくのか、そんなの損だよと、こういうことをおっしゃったように印象を受けましたが、これだけ調べが進んでくると販売統計に基づいているのが、そもそも何か難しかったように私は思います。奈良県の消費水準は全国4位ぐらいなのに、消費税の清算は46位ぐらいで、何かおかしいことがあるのでないかということをきっかけに勉強し始めて、販売統計に基づいているのはおかしいじゃないかということを累々と言ってきました。最近奈良県で勉強が進んで実証的なデータが、ちょっとおかしいよということまで言い出しましたので、それはそういう面の理解は進んできたように思います。知事会で決めるマターではありません。年末の党の税調で決められるマターでありますので、政治的判断ということになると思いますが、これからは、秋はそういうふうに国のほうへ舞台が移っていくように思いました。

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京奈和自動車道御所南IC~五條北ICの開通について

日経新聞:
 知事、来週、京奈和自動車道が、いよいよ御所南から五條北まで開通するのですが、インバウンドや工場誘致の効果について、ご所見をお願いします。

知事:
 奈良県は28年が32件、それまで20件台で、10年間で261件工場を誘致できました。これは主に京奈和自動車道のおかげです。昔、郡山の昭和工業団地や葛城の薑の工場団地がありまして、これからは旧24号線があったから。バイパスができて、そこから京奈和自動車道、西名阪自動車道ができて、物流がよくなった。内陸でも物流がよくなったので工場が来たと思います。

 京奈和自動車道の御所南から五條北ができますと、郡山下ツ道ジャンクションから関西空港までが高速道路で行けますので、関西空港の物流の出入りは随分あると思います。人の流れもあると思いますけれども、そのような状況の中で五條とか御所の工場立地が今まで以上に盛んになると思います。また、この工場立地の勢いが、28年は全国12位の工場立地件数で、近畿で2位ということでありますので、この調子が続きますようにということを期待しています。

 北のほうの、大和のほうの道路の整備、あとは橿原高田の高架化と、郡山ジャンクションから奈良インターまでの道路と、奈良インターから京都の京奈和までのトンネルと、この3つが大きなところが残っておりますので、それをNEXCO化して有料道路を一部入れて早期の開通につなげたいというのが奈良県の希望であります。これができますと、経済の基盤という意味ではとても大きな意味になります。

 日本の経済の基盤、先ほどの内閣の経済課題とも重複しますが、地方で経済、働く場を作るためには、やはり高速道路があることが大きいと思います。グローバル化とモジュール化は随分一体のように進んできておりますので、中国でも港湾でしか物が生産できないというわけではなく、内陸でも物流があれば生産できます。大港湾が近いと高速道路で港湾まで、湾岸道路なり内陸道路が走っていくのが常であります。大きなものを、モジュールでも大量に移動するものはコンテナに入れて運びますので、大コンテナ港が要るわけです。上海とか高雄など、アジアで大コンテナ港が建設されて、日本は大コンテナ港というのはもう余りなくなりましたが、高価なものは、IT等は航空物流で運ぶ。そのためには内陸から拠点になる空港と港湾へのアクセスというのは工場立地の必要条件だと思いますので、そういう意味で京奈和自動車道と工場立地、工場立地と地方の働く場の確保というのはもう連動していますので、まだ奈良は高速道路が回ってくるので、幹線へのアクセス、拠点へのアクセスがまだあるのでありがたいことだと思います。ネットワークでつながる道路ができなかった、遅れていたことは残念でありますけれども、今、道路をつくるのに必死であります。

 先ほど、国へ陳情して、石井大臣が留任ということが決まりましたので、政務としては石井大臣のみが会うことができました。防衛大臣はまだ決まってなくて、退任されたのでお会いできなかったという事情でありますけれども、石井大臣に、京奈和自動車道に奈良県がもちろん期待しておりますが、大事だと思うのは用地買収ですとお伝えしました。奈良県が、国の直轄事業の国道ではありますけれども、必死で用地買収にかかっておりますということを報告いたしました。

 高田-御所区間で、小さな用地ですけども、104件の用地買収、未買収が残っております。これの買収のめどが立ちますと、高田-御所は工事着工という、事業化されておりますが、工事着工ということになります。ここ2年以内ぐらいで着工にこぎつけたいなと思いますけれども、国の工事は工事が始まると早いです。2年というと厳しいかな、2、3年以内にはと、ちょっとまだ買収だから、そんなことを聞いたら俺は粘るよという人が出てこないとも限らないから、奈良県の場合はちょっと遠慮して、2、3年以内には希望として用地買収を済ませて、着工にこぎつけたいと思っています。奈良の場合は、すごく威力があると思います。

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地方消費税の清算基準について

時事通信:
 地方消費税の話にまた戻りますが、全国知事会議では、地方税財源とかの確保の提言案に関しておおむね合意だと伺っているんですけれども、中には地方消費税の清算基準の件で、小池都知事は都道府県間の地方税の制度自体の信頼性を損ねかねないだとか、税収を最終消費地に帰属するという清算基準本来の趣旨から逸脱するんじゃないかとかというようなご趣旨で反論・批判されたと、弊社の記事では上がっておりますが、どのように受けとめられるでしょうか。

知事:
 東京都は地方消費税が減っていくターゲットになっていますので当然そうおっしゃるんですけれども、山田知事が時々、この話ではないですが、知事会が1対46の知事会にならないようにと時々おっしゃるんです。例えばこれも念頭に置くとそんな感じになりかねないんだけれども、一極集中の、あと議論になったのは大学の地方移転、東京都の、東京23区の大学を抑制しようとかいうのが議題になったりもして、これは割と議論盛り上がったんですけれども、すると1対46の話になってくるわけなんですが、地方消費税もそういうことでありますけれども、地方消費税のもう一つの制度上のポイントは、地方消費税という独自税か、地方消費譲与税という国の配分で行われていた時代があるわけなんです。それが譲与税になると国の裁量の余地が入るので独自税ではなくなることを、いろんな工夫をして地方消費税という独自税にしたという経緯があるんですけれども、それが元に戻るよという、知事会は皆それはもとに戻るのを嫌がってますので、東京都もそんなことを言ったら地方消費譲与税に戻りますよということを牽制されたようにもあるんですが、今は地方消費譲与税に戻る雰囲気は全くないですね。

 むしろ私が発言したんですが、このように販売基準に依拠していると地方消費税の存立基盤が危うくなっているじゃないですかと、これは改善しないと地方消費税として独自税の存立がこのような統計に依拠してきたのは驚くべき穴がありましたねという言い方をし始めてますので、びっくりするようなことですよ、こんな統計で配分してたのかと調べるともうびっくりします。

 資料が随分ありますが、これでは地方消費税の存立基盤が危ういと私は思うくらいです。だから今、全面的にドイツのように人口基準にしろという考えはあるけれども、そこまでいかなくてもおかしな統計を使っていることはやめて人口基準にするほうがいいんじゃないかということを繰り返し、項目ごとに洗い出すということを奈良県は提唱しています。井戸知事は、どこがおかしいのかということをじっと見るとわかってきますよと。随分おかしなことがあります、もう一々言っても時間が足りませんけれども、わかってくるとこんなに、私の言葉ではごまかされていたのかという感じがするんです。

 一つだけそれを言っておきますと、どのようにおかしいかというのを、販売と消費が越境している場合です。これは家電を大阪で買ったり東京で買って、奈良とか埼玉で消費する場合、越境統計が販売地で統計に全部入っているということはおかしいでしょうと。もう一つは、中間消費と最終消費が二重計上されているケースが、中間消費、これは余り税制で注目されないですが、例えばガソリンということであったら、ガソリンを県庁とか皆様の会社の社用車に売ると、ガソリンのスタンドの統計は皆ほとんど90何%小売になっている。ところが、消費の実態を見ると半分ぐらいは卸なんです。販売統計は日本の卸と小売を、清算に適すように卸と小売を分けてないんです。これは致命的な欠点です。卸と小売を分けていないのに、卸を小売に計上しているのを清算基準に使うって、よくこんなことしてきたなと、もうびっくりする、あきれるぐらいのことです。中間税が二重計上されているわけです。北海道が人口基準があがるとすごく税収が減るのがわかって調べたら、農機具の販売というのは最終消費になっている。農機具の販売は、農機具でドライブするのは最終消費だけれども、農地を耕すのは最終消費じゃないですよね、中間投入として販売しているんです。それを農村の農業の清算と、これは仕入れ工場で農機具の購入は控除するんですが、農機具の販売というのはすごく大きいんです。それをみんな計上して、これ二重計上じゃないですかという言葉を使ったのですが、二重計上を販売統計でしているんじゃないかということ。先ほどのガソリン、それから重油もそうですが、重油を最終消費でするのは、家で重油で暖をとるのは最終消費だけども、ハウスで重油をたくのは最終消費ではないんです。それを最終消費に計上して、ハウスの農家の所得の消費も統計すると二重計上になるですよ。それで数%北海道の場合は説明できるんです。

 だから医療費のような、これは大きいんですけれども、非課税控除で非課税の統計上、消費税は出てこないんだけど、そこまでに奈良の病院で医療機器を購入しますが、医療機器の購入は小売で計上されているんです。しかも販売をその都度、消費税を払っているから、医療機器には消費税がかかるから、消費税はその段階で納められているわけです。東京や大阪でつくったら、そこで蔵出しみたいにつけて納められている。それがどこの消費に回っていて、控除されて回っているのかというのは、非課税の場合は、全くあやふやです。理屈もないまま計上しているのです。おかしいじゃないかというのが印象です。よくこんな統計で清算してたなということが幾つもある。それをちょっとずつ知事会の勉強会で言ったりすると、わかる人はわかってきている。おかしいなという感じです。今3つ思い出すものを上げました。二重計上というのと、非課税の重複というのと、一番わかりやすいのは販売と消費の越境です。通販なんかはそれで、わかっているところを少し除去しました。

 もう一つおかしいのは、従業員の代替使用を入れたのは、料飲税が変わったときに激変緩和で入れた経緯がある。それを激変緩和で入れたのがいまだに従業員基準が残っているものがある。料飲税の激変緩和だったら、料飲のサービスの従業員だけにすればいい。工場の従業員も入れて従業員基準とする、おかしいじゃない。工場の従業員を入れた理由は全くないですと、こんな感じで言いたいです。それが残っている。みんな料飲税の激変緩和で従業員基準、代替基準が入ったと、皆それは認識している。工場をどうして入れたのと言ったら、工場を入れたら激変緩和の数字が合っただけの経緯で、この4つはとてもおかしい。

司会:
 よろしいでしょうか。
 それではこれで知事定例記者会見を終了させていただきます。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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