平成30年1月18日(木)知事定例記者会見

司会:
 お待たせをいたしました。おはようございます。
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 「奈良大立山まつり」に関する発表案件について、知事からよろしくお願いいたします。


「奈良大立山まつり」について
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 「大立山まつり」が26日から始まりますので、あと8日ということでございます。今年の新しい点などご説明させていただきます。

 「大立山まつり」は、今までの開始から特徴的なのは冬の行事であるということと、伝統行事を集中展示しようということが基本になっております。平城宮跡歴史公園を使用しようということが基本になって続けてまいりました。

 今年は、伝統行事という点では、大立山の由縁になったわけでありますけれども、立山を使ったと。立山は、あまり知られてなかったわけですけれども、つくりものでありますので、つくりものを身がわりにして降りかかる厄を落とすという行事です。伝統行事の厄落とし行事です。奈良では厄落としに大立山を使うものですから、厄落としの立山の大きなものが奈良でありましたので、それを使うものですから、厄を落として無病息災を念じるというストーリーにしたわけです。

 その立山は毎年、広陵町、御所市、橿原市八木町でそれぞれ行われておりますけれども、今回この3つの、広陵町は立山祭、御所市では天満神社立山祭り、橿原市八木町では愛宕祭として行われておりますが、その立山まつりを展示していただくということです。伝統行事立山を、その標榜したお祭りをさらに明らかにするということです。

 立山以外の地域の伝統行祭事をここで集中披露するというコンセプトでございましたので、その展示をずっと行ってまいりましたが、今回の地域行催事の披露展示につきましては6団体が初登場いたしまして、合計では27団体、これまでで最高の団体数になっています。だんじりや獅子舞などの伝統行催事を、季節は多少違っておりますが、冬の平城宮跡歴史公園で集中展示をするということです。

 それで、先に申し上げました大立山の巡行は、毎日、今回3日間になりましたが、19時30分から行います。それとおはやしが例年入っておりましたが、伴奏に和太鼓を入れておりましたが、今回は地元の寧鼓座(なこざ)という民間の団体にお願いをしております。

 それが骨格ですが、今年のもう一つの目玉は、ファミリーで来てもらおうということで、子供さんの縁日や遊具を設置いたしました、こども広場が特徴です。それから、会場の周辺でロードトレインという遊園地列車を走らせておりますが、それも見どころですが、それは有料になります。それから、例年行ってきておりますあったかもんグランプリですが、39市町村で参加していただきますが、コンペ方式で最優秀賞を決めておりますので、市町村では熱が入っていると聞いております。ご当地グルメを展示するということですが、今年はグルメ、あったかもんだけでなく、特産品の展示も行うようになったと聞いております。あったかもんグランプリにつきましては、各地で代表選手を選ぶ予選会が行われてきたと聞いております。甲子園みたいになってきたように聞いております。

 私からの発表は、以上です。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、発表案件に係るご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答

「奈良大立山まつり」について

NHK:
 今、お話にはなかったのですが、お薬師さん大賞を表彰されますが、この大賞の意義、手応え、評判や、今後この大賞に対してどんな思いを持っていらっしゃいますか。

知事:
 失礼しました。お薬師さん大賞を触れなかったこと申しわけありません。今年も行います。お薬師さん大賞の表彰をこの場でするのは、無病息災の先ほどのストーリー、立山は身がわりですと、厄落としですと。年初の願いは無病息災が一番普遍的じゃないですかというストーリーにしたわけですが、厄落としというのは宗教ではなく伝統行事だと理解をして立山を展示する。その時に薬師さんというのは、健康の無病息災にいろいろ尽力されてきた分野の方がおられますので、このお祭りのいわれからして、この場で表彰させていただこうということで、例年3、4名の方を表彰させていただいております。寒い中来て表彰状を渡すんですけれども、そのお祭りの縁起ということで表彰させていただいておりますので、今年も続けさせていただきたいと思います。

NHK:
 評判はどうでしょうか。私が取材する限りは、それほどこう成果が高まっていて、ぜひあれを受賞したいとか、あれを受賞した人があの人で会いに行きたいとか、何か波及すればいいのになと思いますが、いまいち存在感がない。

知事:
 いや、表彰は皆そうなんですけれども、その人に本当によくやっていただきましたという顕彰するのが一番で、その人を宣伝しようとか、宣伝は普通は望まれないと思います。叙勲等であれば、それも名誉なことでお祝い会をされますけれども、表彰自身は毎週ほどいろんな分野でさせていただいておりますが、こちらの感謝を伝えるという行事だけで、ほとんどそれが全てでありますので、だから評判をとってもらおうとか、宣伝をしようとかというのはありませんので、その縁でここでさせていただいているということです。

 表彰者の方に、寒くていいですかということは聞いたことあります。こんなところでなくて、もっと普通の日で、普通の時にしても別におかしくない表彰の仕方ですので、文化会館で表彰したりしてもいいわけでありますので、そういう表彰は常にたくさんありますが、それでもいいわけですけれども、その表彰される方はここで結構ですということを、2年ほど前に聞いたらそういう返事でしたので続けております。表彰される方はあまりそう文句も言われないかもしれませんが、いや、あそこでやるのは嫌だとおっしゃればやる必要はないと思いますが、それだけの話だと思います。

日経新聞:
 入場者の見通しを教えてください。

知事:
 まだ決めてない。入場者について議会でいろいろ議論がありました。物議を醸したと思いますが、そういうことをおっしゃったから物議を醸したと思いますが、入場者は有料でもないので数え方というのをどうするのか、予算の効果というのはどうするのかというのが議論の本質だったと思います。イベントをするものの予算の効果はどのように評価するのかというのが、議会でやってもらうべき議論の本質だったと思います。

 行事をしますので、これほどの人数を入ってほしいという願いを込めた目標値を、トイレの数とかいろんな設定が要りますので決めておりますけれども、売り上げ目標というのは全くありませんので、その管理のために用意しなければいけない場所、設備などのための目標というのが基本であります。それを発表していて、たまたま最初の年は、一応数えたわけでございますけれども、いや、もっと正確に数えて、そうじゃないということを証明してやろうという議員さんがおられたので、会派がおられたので物議を醸したわけでございますが、それは数え方の違いということで、県のほうはゲートで調べて、ゲートの出入りがあるのをカウントをしてたわけで、実態を皆さんに知ってもらったら、そういう数え方で何名になったのかというだけの話でございます。

担当課:
 ダブルカウントはないように、延べではないように、会場に入られる方をカウントするという形でさせてもらいたいと思います。

知事:
 会場の朝堂院だよね、朝堂院に入る人をカウントするという手法で計算をしたいと思います。議員の方がまた一緒に計算してもらってもいいんですけれども、できれば精密を期すために一緒にしませんかということを呼びかけたりしています。正確な数字がやはり皆さんには必要でしょうから。どれが正確かわからん数字が出てるということ自身が、何かわざわざ膨らませているかと思われるのも片腹痛いですから。数字の目標というのは、そのサービスをする水準の目標と考えてきておりましたということです。だから、物議を醸すので、その目標が達成した、達成しないとか、それはどういうことなのかということを、その本質は効果があったのかどうかということでありますので、効果があったというのは、またいろんな宿泊者の増加とか、全体の他のことではかるべき問題であります、一つの指標でありますけれども。だからまた県でこういう仕方で数えましたということを公表して、議員にもお伝えして、また議会で議論してもらう種として提供したいと思います。もちろん皆様にも提供させていただきます。

日経新聞:
 「大立山ウォーカー」、いつも立派なものを作られるんですが、奈良以外での配布、大阪とか京都での配布はあるんですか。

担当課:
 「関西ウォーカー」という雑誌におり込んでいる形ですので、全国販売されているものでございます。いわゆる他県、東京の私どものまほろば館であるとか、そういうところも配布しておりまして、全国に向けて配布をさせていただいております。

知事:
 まあ冬場の宿泊の落ち込みを救うという観光政策上の目的も一面ありましたので、他のずっとイベントの結果を見ていますと、関西から来られた場合は宿泊が少ない。関東から来られると宿泊を伴うということは結果が出ておりますので、宿泊の振興のためには東京の売り出しが欠かせないというので、東京プロモーションというのをずっとしてきましたが、東京プロモーションが定着してきているように思います。奈良県の宿泊者の3分の1は関東圏でありますので、それはマーケットとして、関西では家へ帰って寝れるという、それはそんなことだと思います。関東が宿泊では売りということ、関西でも来られていろんな消費がありますので、関西の入り込み客の人も大事なお客様と思っています。

奈良新聞:
 今回メイン会場が大極殿から朝堂院に変更したこと、期間もこれまで5日間だったものが3日間に短縮されたということの意義とあわせて、この祭りを宣伝する一言をいただければと思います。

知事:
 場所が大極殿院から朝堂院に変わりました。南下政策でありますけれども、来年は朱雀門ひろばでできたらと思っています。大極殿院は、大極殿がありましたので、その前でするのに意味があったと思いましたが、何せ遠いし、鉄道も走ってますし、朝堂院に下がると少し便利になる。しかも、大極殿院だとそこで飲食してはいけないという規制がありました。朝堂院でもあるんですけれども、今年1年限りということで、その場で飲食することを初めてお許しいただきました。お祭りを見ながらあったかものを食べられるという設営ができましたので、それが大きな宣伝文句であります。朱雀門前ひろばになると常時そういうことができると思いますので、お祭りと飲食というのは併存するということで楽しみにしています。大極殿院なら、あったかものを食べて、見に行くところは真っ暗でそれだけということでありましたので、アメニティー的には少ししんどかったんですけれども、場所としては大変立派な場所でありました。今度は南へ行って朝堂院ということですので、南下政策のステップになっています。

 それから、期間を3日にしたということは、冬の5日といって張り切って出たんですが、5日はやっぱり厳しいなということです。今までの5日の実績で、冬の平日というのはお客様がすごく落ち込むものでありますので、週末であれば、今までの5日間の実績で週末はそこそこお客さんが来ておりますので、平日はカットしようと切りかえました。営業政策ということになります。

 今年の大立山ですけれども、先ほど申し上げましたように、伝統行祭事の集中展示ということはさらに盛り上がってきてますよということと、大極殿院がほぼ見えるような形であります。北から入ってもらうことが基本になっておりますけれども、南から入っていただくと踏切を越えなきければいけないので余りお勧めではないんですけれども、南の遣唐使船なんかも見えるようになってきておりますので、歴史公園は3月24日に開園いたしますけれども、遣唐使船を見てもらうというのも楽しみでありますと宣伝させていただきたいと思います。

朝日新聞:
 ここはアクセスがあまりよくないですね。七夕でもねぶたでもそうですが、市街地でやります。だから自然と人が集まって買い物がてら行くということが自然と流れでできるんですが、ここは行こうと思わないと行かないですよね。そこで、アクセスをどうするかということを教えていただきたいのと、3月にここは歴史公園がオープンしますね、オープンしてればよかったですね。

知事:
 そうですね、来年お楽しみにということです。

朝日新聞:
 大立山まつりに合わせてオープンしたら人が集まったんじゃないかと思います。

知事:
 今年は間に合いません。しかし、大極殿院工事が始まってますので、朝堂院でさせていただいたんですね。あったかものも朝堂院の中で食べるのは最後だと思います。朝堂院は昔は宴会場所だったので、そのいわれからしても食べていいんじゃないかと個人的には思っていました。大極殿院は聖なる場所でありますので食べないほうがいいかなとも思っていましたが、朝堂院はいいんじゃないかなと。朱雀門を越えますとさらにいいかなと思いますが、だから南で、庶民の楽しみは朱雀門前ひろばでとなってくるのは自然な流れかと思います。

 それから、アクセスですけれども、基本的には朱雀門駅ができればいいんですけれども、まだ進捗していません。その解消のために、ぐるっとバスをずっと走らせています。今年のぐるっとバスは大極殿の後ろの西側に駅を持ってくるので、朝堂院にアクセスされるのは大極殿院通らなきければいけませんけれども、それが一番の近道でありますけれども、大極殿の裏から降りていただくのが一番の近道であります。

 それと、西大寺から歩かれる方も多いんですけれども、西の門から入られて朝堂院へ行かれる方が多いんですが、それと、朱雀門の南へのバスの特に帰りですね、見て帰られるバスが、ぐるっとバスが出ますので、バスの便を西大寺駅であまり待たさないようにするということが大きく改善しなければいけなかった点だと思います。西大寺駅南口で随分列を作って、次に来る方を並んで待っておられましたけれども、それを待たせないで乗っていただくことが大きなことだと思います。

 アクセスはまだ改善余地があると思っておりますので、年々イベントをすると改善しなければいけないなということを現場で考えてくれていますので、だんだんよくなってきていると思いますが、歴史公園が開園すれば、まさしく勝負になると思います。

読売新聞:
 「ウォーカー」シリーズが、大立山まつりもそうですし、あと大芸術祭の時も出てましたけれども、これに対する効果といいますか、どういったことを期待されているかということと、実際にどういう効果があるとお考えでしょうか。

知事:
 「関西ウォーカー」、本当にありがたいんです。これを見て随分来られると思います。いい資料を作っていただいておりますので、大芸術祭もよく知事が写ってたんですが、これには知事出てない。いや、今気がついただけの話です。余り効果はないですけれども。せんとくんがこのような形で出るのが奈良ならではの映像でありますので、「関西ウォーカー」は定番でありますので、「奈良大立山ウォーカー」という名前からして、3日間の行事でこの冊子を出していただくのはとてもありがたいなと思って、いつも感謝しています。

 効果は計れないといえば計れないですけれども、この「関西ウォーカー」の様子を見てますと、すごく威力があるように思っています。それで随分お客さんが来られているように思います。奈良に来て、ああ、こういうお祭りをやっていたのかというのではなく、こういう情報があると随分来られる方の量が違いますので、あとはコンテンツでヒットするかどうかということだと思います。ずっと連続してやっていますと、毎年リピーターも含めて、新規も含めてお客が増えているかどうか、その1日当たりでも、天気で随分違いますが、増えているかどうかというのが一つの大きなメルクマールだと思っています。参加人員に注目して、広報の効果も含めて、コンテンツが良いのが次の年に一番良い印象を持ち越す最大の広報だと思っておりますけれども、それをまたその例年のことを踏まえて、いい編集をしていただいているように思っています。相当影響があるようには感じております。

司会:
 それでは、その他の案件も含めましてのご質問をよろしくお願いいたします。

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奈良市の民泊条例骨子案について

時事通信:
 奈良市で民泊に関して条例の骨子案が出てまいりまして、拝見していると県の条例の骨子案の上に、住居専用地域の制限を加えるのと、それからならまち周辺での制限を加えるという2つが追加されたものなっている受けとめをお聞かせください。

特に住居専用地域を制限するのは奈良県とだいぶスタンスが違うのかなと思います。要は奈良市が一番中心的なところですから奈良の民泊で、そこで住居専用地域が制限されることに対する影響があるかどうかを伺います。

知事:
 民泊法ができましたので、民泊法の趣旨に沿って、あるいはガイドラインに沿って実効条例をつくるというのが、保健所を持っておられます中核市、奈良市と、県の役目です。民泊法の意味をちょっと振りかえりますと、住宅を届け出て宿泊可能にすると、インバウンドも含めて、それには標準的な管理運営をしてもらいます、それは届け出でオーケーです、というのが法の骨子、大骨子であると思います。届け出があるということは、その管理運営の仕方をちゃんと守れば、どこでも、誰でもできるというのが基本だと思います、法の精神は基本だと思います。しかし、制限を設けることもできます。それは区域や期間の制限を設けられる場合は法の趣旨から限られているように思います。それは生活環境悪化防止のためのみに制限できますというふうに書いてあるように思います。 
 中央にも確かめておりますが、届け出であるということ、その制限が生活環境悪化防止のためですよということを法で明示されております。そのため業者の利害調整の要求は、この法の骨子、条例の案には入りません。県の理解はそういうことです。業者の利害、業者の反対があるから、競争相手が出るからといって制限してはいけないということが法の趣旨です。これは法廷闘争にもなると思います、そういう制限をすれば、法を逸脱しているというふうに訴訟を起こす構えもあるように聞いております。それは法違反ということになるんじゃないかというふうに県は理解をしております。

 それで、奈良市の案ですが、基本的にこの法の考え方、法の精神を理解されて条例案をつくられているように思います。今言われました2点確かに違っているようにも見えます。住居専用地域の扱いと、ならまちの扱いということでございます。住居専用地域は、先ほど申しました法の原則からすると、生活環境悪化防止のためには制限できるということでございます。その実態判断ですが、住居専用地域については、奈良市に宿泊需要が集中していることと、隣接している京都の市町、精華町とか木津川市が制限されるということを踏まえますと、奈良市のスタンスは理解できるように思います。

 2つ目のならまちについては、県と市の協議の過程で、これからも少し市のお考えを聞く必要があると思っています。ならまちで生活環境悪化防止の管理運営をされているところは、業者さんが目ざわりだと言ったところでなかなか制限しちゃいけない、これは訴訟になる可能性があるというふうに私は思いますので、よく考えを聞く必要があろうかというふうに思います。

時事通信:
 奈良市の現状のものでは、ならまちでは業者の反対があるから制限しますと、それは訴訟の対象になり得ますというようなご趣旨でしょうか。ほかに合理的な理由があれば、県としてオーケー、県としても認めないといけないということでしょうか。

知事:
 もう一度よく聞くとはっきりすると思います。一応おっしゃったんだけども、確かめたいと思います。ストレートに言うと訴訟の対象になると私は思いますので、心配をしています。

 そうでないんだと、違うので制限するんだよということであれば、違うやり方もあるかもしれません。歴史的風土特別保存地区に準ずるように、奈良市、ならまちは考えて制限する。業者の利害調整じゃなしに、規制をより強化してやる必要がありますよとというやり方です。学校や、ほかの理由で言われるほうがいいかと思います。それだからいいということではないですが、実態を踏まえて制限の理屈を明確にするという議論をして調整をする必要があると感じております。

時事通信:
 業者の利害調整ということで、ならまちを制限するのであれば、それは訴訟になるかもしれないけれども、ほかに例えば学校とか住環境とかという合理的な理由があれば、それはオーケーで、県としても聞かないといけないということでしょうか。

知事:
 それは実態がどうかということを協議したほうがいいんじゃないかという感覚を今の時点では持っております。業者があそこでこんな商売はやるところでないので来ちゃ困るというのは、法は禁止しているように私は思います。届け出でありますので、そういう言い方ではなかなか制限できないのかなという印象を持ちました。それは実態をそういうことで表現されただけで、真意とか、制限の真意は違うかもしれません。そのためそれはちょっと確かめないと、それはおかしいよと声高に言う必要もないかと今思っております。理解し合えば、ある程度法の精神、法が基本になると思いますので、わかってくると思います。

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今年の抱負と来年の知事選について

時事通信:
 73歳になられるに当たって、この前も聞きましたが、73歳の受けとめと抱負がもしあればお聞かせください。

知事:
 この立場、仕事のことでいいますと、この2日ほど前、月曜日かな、東京に京奈和自動車道の陳情に行ってまいりました。関経連の会長と一緒に数カ所、要職の人に陳情して、非常に当たりがよかったですが、そのような政治は積み重ねという感じがいたします。

 よく地方の、県下の地方議員の人が来られるので話しますが、1つは、地方政治あるいは地方行政の流れ、内容が変わってきているように感じることがしばしばあります。それは変わってきてるという意味は、2000年の地方分権一括法の施行で、地方公共団体、県、市町村の立場が国との関係が変わったと、これが割と大きな意味になったんじゃないかと思います。

 分権するということだけでなく、立場がフラットになりました。国の執行機関たる県、市町村の位置づけが、自分で考えて自分で実行できるのが基本になってきました。財源的な要素はありますが、地方には議会もあるし、意思決定機関があるわけですから、議会はそういう意味で意思決定機関でとても重要であります。地方で地方政治は完結する体系にあったのが、国の差し込みがあって、私の言い方では、すだれ式差し込みがあって執行機関としての位置にすぎなかったというのが、地方分権一括法で随分、20年たちますけども、変わってきたという論者がいます。

 地方自治をさらによくするという必要がありますので、そういう立場が変わったということであります。一つは、小選挙区法と一緒で、伴って国会議員の役割が少し変わってきたかもしれない、小選挙区と地方分権一括法という感じを持ちます。地方政治、地方自治を住民自治というのにもっと重点を置いて、なるべく地域で意思決定ができるように、その情報を、エビデンスをなるべく知ってもらって、議会で真っ当な議論が進むようにという気持ちが、この11年させていただいてますが、より必要かなと思うようになってきました。

 それは、その背景には、今繰り返しになりますが、地方分権一括法と小選挙区法でないかと思います。地方の市町村の議員さんなんかが来られて、首長と地方議員と2つ要素があるわけです。これは対立する要素で議論しながら、いい地方政治をするということになりますが、地方議員さんが来られるときにそういうふうに言います。首長に仕事をしてもらうのが議員の仕事だから、足を引っ張るのも議員の仕事だけど、仕事をさせるのも議員の仕事でしょうねという。それを首長が仕事している間は役に立ってると思って、その仕事ぶりをコントロール、マネージするということも議会で必要でしょうという言い方を地方の議員さんにしております。県会議員さんには恐れ多くていたしませんけれども、市町村議員さんには、首長をうまく使って、いい仕事をさせるという地方議会の発展も必要でしょうという言い方をして、県会でも同じことでございます。いい仕事さえさせていただいていれば、地方政治の首長、一つのポイントの首長としての役目を、多少言いわけができるんじゃないかというような気持ちで誕生日を迎えておりますという落ちでございます。そのように心がけたことを、やっぱり継続しなきゃいけないのかなというふうに思います。最近、地方政治についてそういう考えを持つように至っておりますということでございます。

時事通信:
 来年のきょうは74歳になられますが、来年の4月には統一地方選挙と知事選挙とありますが、一般論で、74歳という年齢は県知事として、ばりばり現役の年齢か知事自身はどう受け止めておられますか。

朝日新聞:
 一般論ではだめですよ。

時事通信:
 一般論も伺いつつ、知事自身の考えを。

知事:
 素直に判断しますと、70歳というのは、その元気度というのはね、随分個人差があるなというふうに思います。僕らの仲間の同期でも、くたばっている人もいれば、ぴんぴんしている人もいると。70歳、随分その元気度には個人差があるなという感じがします。

 さて私はどうかということになるわけですけど、まあくたばっているほうかもしれません。一般論ということでは、個人差があるなということですね。自分の個別の判断とすれば、自分がぴんぴん元気かどうかはちょっと、口だけは元気かもしれませんけれども、どうかわかりません。

 その立場の、先ほど申しました感慨と関係するんですけども、地方の首長は地方政治の、議会と大きな役割を果たしているというふうに思いますので、首長は役に立ってないといけないと。役に立ってる限りは働いているよというふうに認定されるということでありますので、仕事で役に立つかどうかが大きなメルクマールだと思います。役に立たなきゃ、自分でやる、やってる必要はないんじゃないかというふうには基本的に思っています。

 任期をいただいた期間以上は精いっぱいやるしかないというので、ちょっとやり過ぎてるかもしれませんが、いろんなことをさせていただいているなという感じはいたします。職員がね、よくこの11年、最初のころから思うとよくついてきてくれてね、最近は仕事ぶりがいいなと言うと、昔のOBがね、昔は悪かったですかと言うんですよね。いや、そうじゃないんだけど、先ほどの地方の政治、県の仕事の役割が随分変化してきたというのは、一つ実感があります。権限が随分、責任が随分おりてきているなという実感です。おりてきてるということは、包括地方行政主体としての役割があるということです。国は縦のすだれ式でありますので。

 この前、その変化を公明党の大会で言ったんですけど、今まではすだれでおりてきて、すだれで体をまとわるような雰囲気でした。しかし今は、国は自分で口とおなかと比較して、国は自分でマフラーとかスカーフをかけて、自分の装いをしますよと。県レベルでは腹巻でおなかを温めますよと。腹巻で温めて、それぞれ違う部位を活用しましょうとなってきましたねというふうに挨拶した。今どきの地方と国との関係では、奈良県もそうですが、一つの例としても多少ありますが、腹巻でおにぎり温めて、これは奈良県産のアイデアです。奈良県産で実行している、食べてるおにぎりですよといって中央へ持っていったら、それはいいやといって法制化したり、制度化したりしてくれる時代になっているように思います。今まではなかったですね、通知でみんな決められていました。今はそういうのはなくなってきて平等だから、アドバイス、ガイドラインはつくるけど、ご随意にとなっています。

 しかし、国の法はこうなっているから、法を逸脱することは地方公共団体できないので、法の明確性というのが大事です。通達ですだれをおろして、このすだれを使えというだけじゃ、ばらばらで国の行政の効率性が達成されなかったというふうに私は思います。地方はまとまって包括政治主体として、知恵を出して包括的に行政を考えなきゃいけないということを地方分権一括法でいっているのが、一番の基本的精神かなと思ってきております。それが現実的になってきてるというふうに学者さんが言い始めてるところがありますので、ああ、そういうふうに見るのがいいと感じております。

 すると、その方向は正しいということで、地方の政治ということをうまく議会と議論を、なるべくいい、建設的で高度な議論をして、地域の福祉、民生を向上させるというのが地方自治の、これは国は構ってくれませんので、地方で達成するしかない。すると、地方差が出ますよね。そうしてやる地方政治が、いい、効率的にやっているところとやってないところと地方差が出るので、これがエビデンスで出てくるようになってきた。地方間の競争というふうになってきている。経済競争というのもありますが、行政競争というのが発生しているというふうに思っています。

 それには、いつも成績が低い県であったようにも自覚しておりますが、あまり負けたくないなというふうに思っています。大分1位や、7位、1桁の順位のランクインも出てきているので、それの数字見るととってもうれしいです。がん死亡率とか、企業立地とか、医療の救急搬送とか、まだ低いところもありますが、改善を積み重ねると、この10年でずっと数字が上がってきているのがとってもうれしいです。もうそのような時代になってきているんだなと感じております。努力をしないとランキングに差がつくなというふうに思います。それは地方政治のそれぞれ自立的に、包括的にやれよという地方分権一括法の精神から、そういう事情が発生しているように思います。それをよく肝に銘じて地方政治をしなきゃいけないというふうに思っています。

時事通信:
 ありがとうございます。

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鳥インフルエンザについて

共同通信:
 最近、韓国や香川県で鳥インフルエンザの発生が報告されていますが、奈良県内ではありますか。

知事:
 発生については、まだ確認されていません。何年か前に鳥インフルが発生しまして大変でした。冬場になると鳥が飛んで、ふんが落ちて、それを食べて媒介されるというところまで理解が進んでおります。用心をしてもらうようにしておりますが、前は五條のほうで夜中に殺処分に行ったことがあります。当時は郡山保健所の職員が随分奮闘してくれました。大変でした。

共同通信:
 今は注意喚起とか、マニュアルの確認だとかということは、県から指示はされていますか。

知事:
 現場で用心してくださいというようなことを、そんな言い方でしてると思います。

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奈良市の民泊条例骨子案について

毎日新聞:
 昨年12月の県の会議で、知事は、県と市が連携して整合性のとれた条例を作りたいとおっしゃっていて、県としては、宿泊の客室数が少ない現状から、基本的にはウエルカムという条例を作るという方向を示されたわけですが、そういう観点では、奈良市は、ある意味、県の方針に水を差すような部分もあるのではないかと思われるのですが。特にならまちに関しては、知事としてはどういうふうにすべきだという、何かご意見はありますか。

知事:
 水を差しているような感じはしないです。皆さん、そう見ておられるかもしれませんが、そんな感じはしません。よく理解されているように思います。

 歴史的には、昔から業界的に新規参入排除のとても際立った奈良市だった。奈良市長には、その政治的な影響はないと思います。しかも今度の法は、先ほど言ったように、そういう業界調整で旅館を新たに、旅館だって許可制なんです、ちゃんとすればどこでもできるんだからということになりますので、旅館を上回る規制をするのはおかしいですよね。旅館と同等の規制、旅館よりも届け出になるから、多少弱いんですが、旅館のほうがもうちょっと民泊並みにしてくれと、俺たちも頑張るからと言ってもおかしくないような状況になってきてると思います。イコールフッティングというのは、業界で大事な基本線だと思っております。

 だから民泊法が国ですったもんだしてできた、その法の精神を逸脱するとやっぱり訴訟になる可能性もあると思います。今、随分そういう動きもあるように聞いております。各地で既存の業者さんが政治的プレッシャーをかけておられる面があるように思いますが、奈良市長さんにはそういうものは届いていないと思います。そういうものにへこたれない方だと思いますけれども。それは業者の方々の意向でするというのはおかしいように思います。

 そのように思った上で、奈良市とあまり相反してないように、先ほど申し上げましたように思っています。先ほどの理由の言い方は、よく法の精神に沿って言われたほうがいいのかなと感じはありますが、ただそれだけの話でありますので、相当もうほとんど違いはなくなってきているように思っています。法の理解の仕方という点だと思います。新しい法律ですので、業界の方が法の理解の仕方が正確かどうか、正確に思って、反対と吹っかけておられるかもしれません。各地ではそういう状況がありますので。それには法の施行条例を作るということが我々の役目でありますので、法の精神の理解というのは不可欠だと思います。

 その上で、ならまちという場所をどう見るかという、ならまちは人気のスポットでありますので、外国人の方が民泊、いい民泊もあるように聞いております。ならまちのにぎわいを見ますと、良いレストランもできているように聞きます。それを目指して、東京からその食事に行くためにわざわざ来るよという話も最近聞きます。良い傾向だと思います。

 そういうようなまちの中で泊まって、近くのレストランで食べて、フィレンツェなんかは古い街だから大きなホテルは建たないんですが、普通の昔の建物を、向こうは大きな建物だから、ちょっとした貴族の持っていた建物をホテルに改装して、もう駐車場もないような、昔は駐車場もなくて馬車が移動手段だから、大体歩いていけることが普通。ヨーロッパの古い街はみんな街の中で歩いていけるように泊まる。車で来た遠くからの人は、郊外に泊まって街の中へ行くということが普通になっています。それは奈良市全体ではありませんが、ならまちに限ると、そういう街になると思います。町家のあるところは、皆そのようになると思います。周りに泊まって中は歩く。すると、ヨーロッパでは、ごろごろケースを引っ張っているのももう見なれた風景なんですね。駅から列車でヨーロッパ一周をしたことがありますけれども、駅に着くと予約がなくても歩いていける小さなホテルを案内してくれるんです。身なりを見て、この身なりだと、このレベルでいいだろうと、とても安いホテルを紹介して、それは歩いて5分、10分、15分で地図をもらって歩いていくということが普通の旅行スタイルですので、やっと日本もそういう旅行スタイルになってきたかと思います。

 民泊と言いますが、住宅の利用だけでなく、そういう街の中のホテルというのは、この社寺が多くて風土の制限があるところには、大変望ましい宿泊形態のように私は思っています。ならまちでいわゆる良い民泊が発生しているのは、旅館でいろいろ、旅館の仕立てでなく、泊まって街を散策して、食事をして、街の人の様子を見ながら過ごすということは、もうヨーロッパの古い街では常態でありますので、望ましいなというのが普通のヨーロッパの人の受けとめですので、旅館に泊まったりホテルに泊まらないとお客さんじゃないというわけではないです。

 そこら辺の、しかもならまちの民家は大変そういうサービスを、他の街でそういうものがどんどん出始めているということです。京都など大都市の街の中で、ヨーロッパをまねて、そういう民家風、ヨーロッパの邸宅のかわりに、それはホテルにすぐなるんですが、日本は民家を宿泊施設にするということもできるようなことでありますので、そういう民泊という形態も出始めている。それにインバウンドの送客業者さんが目をつけて、これは流行ると思って来られたことがこの実情じゃないかと思っています。ヨーロッパ並みに少し近寄ってきたのかなと、そのそういう宿泊形態は望ましく発展する可能性があると思います。

毎日新聞:
 ならまちも、法の規制のもとでもっと活用すべきだと聞こえます。

知事:
 思います。まだ発展する立派な宿泊拠点になるように思います。今のフィレンツェの何とか通りの様子を思いますと。もう玄関もないようなところにごろっと受付があって、泊まるわけです。街に出ると、街の人が野菜を売ったりしている。歩いていて一瞬街の人になったような気分になるんです。街の人になったような気分になってもらえればすごいことですよね。みんなそれを望んで来られる方もおられるということなんですよね。

 それはバックパッカーみたいにお金のない人ばかりではないです。谷中っていう東京の上野の裏の民家の中で、12室の本当の民家を改造した宿泊所がある、澤の屋さんというところで、前からお話ししてた、それが民泊のはしりです。旅館をされてますが、澤の屋さんは食事を出されない。朝ご飯はトーストとハムエッグだけなんですが、案内がとてもすばらしい。次に行くところを自分で聞いて、公衆電話で電話して、次の予約お願いしますっていって、そんなサービス、とっても庶民的なサービスをされて、そこに泊まられる人は、スイスの大金持ちでもそこしか泊まらないという人がリピーターでおられます。

 ならまちの松前さんもそうですが、昔、日吉館がありました。奈良の伝統は日吉館。小さなミニ日吉館ができ始めているような感じがして、それはすばらしいなと思います。日吉館サービスがならまちの中へ展開されるのはすばらしいなと、私の見方からすればそのように思っています。

毎日新聞:
 そうすると、昨日、奈良市さんが示された条例の骨子案に対して、もう少しならまちに対して規制を緩やかにすべきだと県として意見されるお考えですか。

知事:
 緩やかかどうか、今のままでも理屈があればいいのですが、良い民泊を排除するということはないはずだと信じています。緩やかにしなくても、今でも十分緩やかになっていると思います。標準的な管理運営を行っている宿泊事業者については、実施制限の適用除外に奈良市でもされていますので、それはご理解していただいて、ならまちも含めてしっかりと管理運営をされていれば適用除外ですよと、ならまちでもできます、とまではっきり言っておられますので、それは法の精神をしっかりと理解されているように思います。それは大きな点だと思います。

時事通信:
 知事のご認識を伺いたいんですけれども、つまり奈良市さんが住居専用地域とかならまちに制限を加える場合であっても、その例外の規定が家主不在、家主居住型の民泊ですとか、不在型でも2人以上いるとか、そういう条件を満たす場合、除外される、だから住居専用地域を制限したことは問題ないんだというようなことでよろしいですか。

知事:
 基本的にはそういうことです。

時事通信:
 邪魔されないということですね。

知事:
 そういうことですね。それは奈良市の条例にも入っていますということを我々は理解しないといけない。それが基本で、とても大きな点だと思います。ならまちだからといって除外されるわけではないということが明確になってますということです。

時事通信:
 良質な民泊を行う権利というのは、ならまちでも担保されているので問題ないということですね。

知事:
 そういう、それはベリーグッドだと、私の今の理解ではそう思っています。

時事通信:
 しかしながら、そう考えますと、今度は逆に県のほうの条例が、おやっとなってきませんでしょうか。県は、住居専用地域を制限していません。もし奈良市が住居専用地域を制限することが、その例外規定があるからオーケーということであれば、県も住居専用地域を制限しても構わないんじゃないでしょうか。

知事:
 住居専用地域の制限の理由ということになります。近隣との相似性、比較性というのは一つの理由になるかもしれないという感じは持ってますということなんですけれども、それは住居専用地域でも標準的な管理運営をされているところには例外なく実施制限はかかりませんということは基本的に達成されていますので、あとは区域、期間を限って制限するのは生活環境悪化防止のためにはできると、こう法律でなっていますので、一応実施制限はかけないが、特別な理由がある時には制限できますということが、例えば学校の近くは制限する、理由は別にわかりませんが、何かそういうことかもしれないし、何か理由を見つけないと法に実行できないということであるわけでありますので、住宅専用地域の制限というのはもう少し詳細に聞けば理解できるところまで行くんじゃないかなと思っています。

 先ほどおっしゃった、住居専用地区の制限とならまち制限は違うんじゃないかと言われて、本質的に違わないように思いますが、少しよく聞かないと理解がぴたっといかない点もあるかもしれないというような答えをしてるように思います。

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第二阪奈道路のネクスコ移管について

毎日新聞:
 一昨日のミッシングリンクの要望の件ですが、それより前に第二阪奈が平成31年度以降、速やかにネクスコに移管という形になるんですが、今後1年かけて必要な議案等出されると思います。今の公社、県の道路公社、この扱い、それと多大な出資なり借金なんかもあるんですけれども、その扱い含めて方向性をどのようにお考えですか。

知事:
 第二阪奈がネクスコに移るということになると、あそこしか今、道路公社は持ってないので、要らなくなると思います。また別で公社で道路を作るということになれば別ですけれども。だから、そうなれば公社の扱いもその運命をともにすると思います。

 もう一つは、第二阪奈に県は出資金を出しております。大阪府も出しておりますが、他の大阪府と京都府はもう道路の役目ができたんだから出資金は要らないよと、こう言っているんですけれども、県は出資金を返してくれとまでは言わないが、うまく県の京奈和の負担に転嫁したり、負担を軽減するように使えないかという要望はしております。これはどのようになるかわかりません。出資金に固執しても、30年以内で返ってくるので出資金を返せたら返しますというので、それでもう終わってしまうので、幾ら返せといってもそれで終わってしまう、返らないことがあるのは、そういう設計になっているということは理解しております。

 まだもう少し残っておりますので、出資金と、その出資金を出すのに出資債で債権を調達して県はつぎ込んできて、それは30年の第二阪奈道路の効用ということで代替されたともちろんなっているわけでありますけれども、有料道路でありましたが、有料の出資金で返還するという目論見という、出資金で返ってこない出資金は補助金になってしまったと実質上なってしまうと思いますけれども、返ってこないとすればですね。まだちょっと扱いの議論は残っていると思いますが、現実的に考えますと出資金、370億出したのは30年で丸々返るということはちょっと難しいと普通皆思います。だから少しでもというのが県の要求、願いです。

毎日新聞:
 そうすると、公社は道路と運命をともにするということは、基本的に解散するということになるんですか。

知事:
 なくなるということだと思います。

毎日新聞:
 それから、その移管する県としてのメリットというのは何になるんですか。

知事:
 第二阪奈については、県の得することを列挙するのはちょっと品がないかもしれませんが、トンネルが劣化してまいります。30年働いた、あるいは40年、50年。50年たつとトンネルの改修が出てきます。これまた大変なことでありますので、今度は無料になって改修するという負担が出るのはとても大変なことでありますので、有料道路の中で、そのうち有料道路というのもどのようになるかわかりませんが、維持負担、メンテナンスの負担がネクスコに行くということは、とてもありがたいことだと思っています。それが最大のメリットのように思います。

 最初公社で、なかなか昔の道路公団とか西の阪神が作ってくれなかったのを、県が大きな出資をして道路を作ろうということが道路公社の機能だったんですが、そのおかげで生駒からこちらに来る、大立山まつりでもどんどん車で大阪ナンバーが来られるというような時代になってきていると思います。奈良の観光客、中まで詰めてこられるので、それはまた別の渋滞問題になっていますけれども、生駒山をすっと越えられることはすごく効用があった、値打ちがあったと思います。それである面、第二阪奈のこの30年間の役割は相当してもらったと思います。

 ただ、トンネルをつぶすかということになりませんので、できるだけ永続的にトンネルを残していきたい。それは公社ではなく、全体のネットワークの中で残してもらったほうがいいと思います。京奈和もそうなんですけれども。一昨日行った陳情でも、ネットワークが概成されてきているので、ネットワークの形成で、関東、中京、関西と比べると、やっぱり関西が一番遅れているように、ミッシングリンクが一番多いです。茨城あたりの企業立地がブームだそうです。今まで、土地はたくさんあるところですが、土地がないかないかと殺到している。

 それは陳情の時にも言ったんですが、経済の体制が、製造業が、モジュール化されている。モジュールで勝負するようになってきた。電池にしろ、こういうモジュールにしろ、大きな組み立てでは臨海にないと、造船業みたいなものが典型ですけれども、小さな部品は世界中飛び回りますし、部品にアタッチメントする時に、モジュールがどんどん仕掛かり品が飛び回ります。高速道路があれば内陸で、便利なところであれば、内陸のほうで便利だとなってきております。それで内陸の典型であります奈良でも企業立地が増えてきている。ほとんどモジュールだと思います。モジュール革命で日本の産業が息を吹き返している面もあると思います。それは高速道路が欠かせないということを強調。関西は高速道路全体のネットワークが今まであまり熱心ではなかったのかなと思っておりますが、その効用がすごくよく分かってきているように思います。

 関東は、いち早く圏央道を作ってきたので、また差ができてきているなと思っていますので、追いついて圏央道を早く作れば、圏央道でミッシングリンクの最大が大和北区間というように、相変わらず後ろになってしまっていることが残念に思います。それが関経連ネットワーク、圏央道、環状道路が大事だと言うようになっていただいて、放射線道路を早く造れ、中央道路造れと。東京はいち早く中央を造って、もう回りに回ってきている。中央も残ってますけれども、延伸部分も残っていますけれども、環状線も大事だよという点に関経連全体に言っていただいているので、大事な陳情だと思っておりました。

司会:
 よろしいでしょうか。
 幹事者さん、よろしいでしょうか。
 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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