令和元年6月12日(水曜日)知事定例記者会見

司会:  おはようございます。

 それでは、これより知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日は、まず令和元年度6月補正予算につきまして知事より説明がございます。

 それでは知事、よろしくお願いいたします。


6月補正予算について

(資料はこちらをご覧ください)(新しいウィンドウが開きます。)


知事:
 改めて全体のフレームを説明させていただいて、あと個別の説明をこの資料で、詳しくはしなくてポイントみたいなことを説明させていただきたいと思います。

 まず、この補正のフレームですけれども、基本的な考え方ということですけども、4期目でございますので、この補正だけじゃありませんが、全体で4期目をうまく、これまでの積み上げてきた土台がありますので、それを元手に、4期目はもっとよくなる奈良、どういう表現していいかわかりませんが、回ってきているように思いますし、そのように言っていただく面もありますので、その延長線でもっとよくなるという気持ちでこの補正を組もうということでございます。

 知事選の後の補正でございますので、当初予算はいわゆる骨格予算ということになっておりましたが、どのような内容が補正に入ったかということになりますが、額的には一般会計256億というレベルでございます。説明のフレーム、政策のフレームは、事業内容で栄える「都」をつくる等々、都づくりというネーミングでこの4期目の仕事をしたいと考えております。1期目の知事選出るときに、奈良「新・都」構想という構想を発表して、その資料が残っておりますが、その資料を改めて読むと、その「新・都」構想に従って3期やってきたような気がいたします。できなかったこともあるんですけれども、おおむねその政策ラインで事ができてきたというふうに思っておりますので、初心に立ち返るということも含めまして、「奈良新「都」づくり戦略」ということで政策をまとめていきたいと思っております。

 その新「都」づくり戦略の柱が、この整理されている栄える「都」とか、整理の分類の種類という程度でございますが、ざっと9項目ございます。爽やかな「都」をつくるまでの整理をしております。これは、そのような4期目を迎える県政の考え方ということを整理したということでございます。

 4ページ目に飛びますが、先ほど補正の規模は256億と申しましたが、当初の5,016億と合わせまして5,273億ということでございます。当初予算比は+4.1%ということでございます。規模は、そのときの状況、財政需要とその財政環境に影響されると思いますが、今、全体的にいろいろな財政需要がある件と、財政需要の極端なのは災害でありますけれども、奈良は災害は幸い少ないんですけれども、いろいろ今までしてなかったことが山場を迎えるとか、いろんな財政環境でその波が多少打ちますので、この1年だけで上がった、下がったという報道がどこでもありますけれども、全体を見るといろいろな事情があるというふうに私は思っております。

 最後のページの5ページ目は、一番気にしております財政管理の面では、県債残高、とりわけ交付税措置のない県債残高というのを管理する財政マネジメント、将来にツケを残さないという観点で、交付税措置なし県債残高というのを気にしております。10年間に4,580億から3,665億ということで、915億交付税措置なしの県債残高が減ってまいりました。交付税措置なしの県債というのは県民の負担ということになりますので、将来の県民負担を減らすという努力をこの10年間続けてきておりました。このように今後も続ける必要があるというポイントでございますので、この資料に記したものでございます。

 次に、個別の主な取組ということで、このページで簡単に説明申し上げます。

 さきに申し上げましたように、都づくり戦略という名前でこれからスタートしたいと思いますが、栄える「都」をつくるというのは、奈良県経済の好循環を促し、働きやすく、就業しやすい奈良県にするというテーマで取り組んでおる項目でございます。補正では、ここに挙げておりますような項目を挙げております。

 賑わう「都」をつくるは、奈良が有する自然・歴史・文化資源を活用し、観光産業を振興するというテーマでございます。この今の時期でこのような事項を挙げております。

 愉しむ「都」をつくるは、県民が安心して快適に暮らし続けられる奈良をつくるということでございますので、安心して快適にということで大規模広域防災拠点や治水の話、庭づくりの話などをこの項目で整理しております。

 便利な「都」をつくるは、県土マネジメントを推進し、効率的で便利な交通基盤をつくるというテーマでございますので、道路整備の話、また平城宮跡周辺、これは西大寺駅でございますが、またリニア中央新幹線の接続新幹線、リニア中央新幹線の駅関連の予算等を挙げております。

 健やかな「都」をつくるは、健康寿命日本一を目標に、高齢者、障害者を含む、誰もが健やかに暮らせる地域をつくるということでございますので、福祉人材の確保のほか、新しいものでは出所者の更生支援というのを挙げております。また、スポーツ拠点施設の整備構想についても、新しいものだと思います。

 智惠の「都」をつくるでは、すべての県民が、生涯良く学び続けられ、奈良の歴史文化に親しめる地域をつくるということでございますので、学校の長寿命化のほかに、文化クラスター事業など新しい項目が挙がってきております。

 豊かな「都」をつくるは、県内の農・畜産・水産業・林業の振興、農村活性化、森林を護る施策でございますが、新しい項目として中央卸売市場を核とするまちづくりの推進で、基本計画をつくって整備をするということ、またNAFICの上のほうにセミナーハウスなどをつくるという構想の調査費、整備費を挙げております。それから、森林環境管理体制の構築は、条例をつくるという目標でいろいろしてきておりますので、大分大詰めになってきておりますので、必要な予算を挙げてきております。

 8つ目は、誇らしい「都」をつくるというテーマにしておりますが、南部地域・東部地域の振興の項目でございます。

 爽やかな「都」をつくるということでは、奈良が持つ行政資源を総動員し、効率的・効果的な行財政マネジメントを行い、行き届いた行政サービスを届けるという面で、奈良モデルの分野でございますが、市町村応援補助金という項目が、これは消費税対策でございますけども、ありますのと、奈良モデル推進補助金の実効がぼつぼつ出てきております。それから、県有施設の耐震化などは補正の中で新しく挙がってきている項目でございます。

 以上、補正の内容を、政策の考え方に即して、なぞらえて、整理してご説明をさせていただいた次第でございます。

 補正の説明は、以上でございます。

司会:
 ありがとうございました。

 それでは、6月補正予算案に関しましてご質問ございましたら、よろしくお願いいたします。

 

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質疑応答

6月補正予算について

産経新聞:
 ちょっといろいろこの大きな資料の中で見ていて、私は6月に来たもので非常にびっくりしたのが、リニア中央新幹線の奈良市附近駅から関空につなぐという、このラインですね。大和高田にしても御所にしてもそんなに人口の多い土地ではないので、その需要面とか、そういったことで本当にいけるのかなという思いもあったりもしまして、その辺も含めて知事の思いというか、いつごろの完成を見込んでいるというか、その辺もっと聞きたいんですけど。

知事:
 完成の時期、もくろみと、そのルートの中間駅の話ということで関心を持っていただいてありがとうございます。大阪までのリニア中央新幹線の完成年度が2037年、18年後ということになってますので、その前に完成してもなかなか接続できないから、そのときに接続するというのが完成のもくろみです。18年ありますけれども、関空とリニア中央新幹線を奈良市附近駅で接続するというのが大きな目標でございます。だから中間駅が需要があるからというのが発想ではないわけで、ついでに中間駅も停まるという程度であります。

 完成は、リニア中央新幹線ができないと、このリニア中央新幹線が奈良市附近駅がないと、関空新幹線というのはあまり意味がないと思います。高速バスでもいいわけでありますので。ただ、リニア中央新幹線は新大阪から品川までの内陸鉄道でありますので、インバウンドをとるときの空港接続というのは、品川のほうは多少延びる可能性はあります、近いからね。一方、関空に延びるのは新大阪が拠点になるが、交通の観点からすごくヘビーになる。これはリダンダンシーの観点からしても、結節性を分散させるという観点からも、この奈良市附近駅と関空を結ぶ新幹線路線があれば、インバウンドという需要からも意味があるんじゃないかということであります。インバウンドの需要のほうが、この線路の性格からして、高田とか御所に行く需要よりもはるかに何倍も大きいと思っております。まだ正確な計算をしておりませんが、そのような需要の計算とかをいろいろする必要がありますので、そのような検討調査のための予算ということでございます。

 このリニア中央新幹線自身はリダンダンシーで分散させようという発想のもので、やっと日本も多軸構想という中での構想が実現してきておりますが、この関空直結リニア中央新幹線も多軸、第二軸をつくろうという、インバウンドの国際空港と国内の高速鉄道を結びつけるという構想でございます。たまたま奈良市附近駅ができますので、このような線路の可能性を探るということで構想としては発表しておりますけれども、実現可能性をこの予算で探ろうという考えでございます。

産経新聞:
 今もうルートが、ラインが引かれてますけども、このルートはどういう理由で引かれたんでしょうか。

知事:
 関空に行くときは、素直なルートというとこうなるということです。橋本まで行くというのは、高野山狙いですね、一つは。関空から高野山に行く人が多いんですけど、今、1時間10分ぐらいかかっているんですけども、リニアができると約10分で行くと。

産経新聞:
 橋本までが、そうですか。

知事:
 一応机上の試算ですけれども橋本へ約10分ぐらいで行くと高野山に行くのはすごくよくなる。この構想を発表しましたら、和歌山県知事は大賛成と、出資もしていいよ、どのような事業の実現可能性があるか、その構想を荒井さん練ってください、この計画を練ってくださいというふうに、言われました。これは整備新幹線の構想には入っておりませんので、新しい事業スキームを考えないかんというので割と難しい面もあるんですけれども、それをチャレンジしようという検討の予算でございます。

産経新聞:
 このまず構想をつくって、その上で実現可能性……。

知事:
 構想の実現可能性を探る予算ということで、フィージビリティー調査ということでございます。おっしゃったような需要の予測も入りますし、工事費の計算も入ります。B/Cと言われる、費用と需要が長期的に賄われないといかんというのは当然でありますので、賄うんじゃないかという勘でやってるわけですけどね、それをなるべく客観的に調べようということでございます。

産経新聞:
 できるかできないかということも含めたということになるんですか。

知事:
 できるかできないかって、雨が降るか降らないかというような話じゃないんですよ、言葉尻でありますけれどもね。実現可能性と言っていただいたほうがもう少しまともな感じがします。

産経新聞:
 あと、ちょっと細かい話なんですけど、知事のこれは今回の選挙のときの公約の中でこのリニアの話も出てまして、リニア中央新幹線排出土砂運搬用専用道路ってあるんですが、これはどういうことですかね、運搬専用道路を活用というふうに。

知事:
 それはね、通路を活用と書いてあるんですけれども、リニア中央新幹線が奈良市附近を通ると、奈良県内の土砂だけで今の試算では760万立米という大きな、膨大な土砂が出るんです。土砂をどこに捨てるかというのは、工事主体のJR東海にとっても大きな関心事で、何百億円もの予算を、排出土砂処理分として使うわけでありますので。奈良県のもくろみは、これはJR東海にも言ってあるんですけれども、大規模防災拠点というのがありますけれども、3ページ目の①ですけど、この大規模広域防災拠点を五條市につくる予定で進んでおります。

 立地の調査も相当進んでおります。国費の調査が入っておりますので、位置の確定ができて、その防災拠点は600メートルぐらいの滑走路があればヘリコプターがおりるという構想なんですけども、東日本大震災の様子を見ていますと、あの規模の大震災があると、この地域では南海トラフの大震災というようなことでありますけども、救難は空の活躍がもう大きいんですね。山形空港が大活躍ということでありましたので、山形空港は2,500メートルあっても一時手狭になったということでありますので、この紀伊半島全体の救難体制を見ますと、南紀白浜空港ありますけども、ちょっと丘の上で大丈夫だと思いますけれども、それでも五條に広域防災拠点があれば、南海トラフの空からの救難救助に使えるんじゃないかという構想を持っております。そのために、ヘリコプターだけじゃなしに、特に物資とかが、人が、救難人員とか救難物資が来るときには、固定翼で来たほうが安定するということはわかっていますので、2,000メートルをつくれないか。

 その2,000メートルをつくるときに、丘の上にあるんですけど、その谷間をね、リニアの土を持っていって埋めたら十分埋まってしまう、余るほど埋まって土が出るということです。また、京奈和自動車道の大和北区間の奈良市から、奈良インターから木津インターのトンネルも80万立米ぐらい出るんですよね。それを持っていくといったようなことが考えられるんです。京奈和自動車道のトンネルのほうが早く着工されるかもしれませんが、その土を持っていけば地ならしができて、滑走路の土台ができる。滑走路のかまぼこ板を置くのは割と安い工事でありますので、そういう構想で滑走路を、2,000メートルをつくろうかというような構想であります。 
 すると、その土砂の運搬は今、京奈和自動車道でダンプでどんどん運ぶということに普通はなるんですけれども、それを専用通路で、例えばベルトコンベヤーで自動的にこの五條まで運ぶことはできないかということも考えております。そういたしますと、その通路ができると、関空に行くリニア新幹線の通路に転用できないかという構想であります。リニアのトンネルは普通の列車のトンネルよりも小さくて済みますし、また常電導なら超電導よりもさらに小さくなるとも言われていますので、それで単線でいけないかと。高田とか御所、五條は単線ですけど、側線を用意すればできるということでございますので、そうすれば、400キロ以上出ますので関空から奈良市附近駅までは20分超で常電導でも来ます。そのようなもくろみで今、構想を持っていると。

 すると、土砂運搬の通路もこの際できたらというふうに思って、そのような調査をこの際しようと。いろんな綿密な調査が要りますので、今申し上げましたような構想の実現可能性が工事的にあるのかどうか、大規模広域防災拠点とリニアの駅と土砂と、うまくいけばうまくつながるということでありますので、それは調査次第ということにもなろうかと思ってますので、私にとっては大事な調査費というふうに思っております。

産経新聞:
 この知事の公約の中にも出ている、今回の図にも出てますけども、まだ開通していない北陸新幹線が描かれて、松井山手の駅なんかが大きく出てまして、ここをつなげるという、そういう何か思いというのもあるわけですか。

知事:
 それは私の個人的な考えで、北陸新幹線が南下してここにつなげばいいじゃないかと言っておりますけれども、京都の人はもう固まっているから新大阪だと、こう言っておられる。京都に来て新大阪だと、京都-新大阪の分がダブルになるから多少無駄のように見えるんですけど。この下につないだほうが、関西空港から北陸にすごく近くなりますよね。京都駅も北陸から、西のほうから入ってぐるっと回って、また西に行く、地下でループをつくるよりも、真っすぐ下におりたほうが工事も楽でしょうと、こう言っているんです。これに対し、いや、それは、と京都府知事などは言っておりますけどね。

 ちなみに、先ほどの2,000メートルの大規模広域防災拠点は、構想は和歌山県知事にも言いましたら、いつできるんだって、早くつくってくれと、こういう反応でしたので、ちょっと勇気をもらって、こんな調査費まで計上して、実現可能性を求めようかということでございます。

時事通信:
 補正予算の全体の件なんですけれども、今回拝見して、例えばこの横長資料の4ページ目ですか、道路整備等の充実にこれ119億円ほどかけていたりを筆頭に、ハード面の整備、インフラ整備というものにすごくお金を使っているように思います。これに対する知事の、どういうお気持ちでこのインフラ整備を重点的にやっていらっしゃるかということを伺えますか。

知事:
 奈良県は今まで使い過ぎなかったですね、使わなかったですね。ちょっとよそとか流れを勉強されるとすぐわかると思うんですけども、京奈和自動車道は和歌山が全通、100%開通ですね。奈良は京奈和自動車道自身も遅れてるということですので、京奈和自動車道の工事区間が奈良に向かってきたので、普通なら工事費が増えるので、その時期に、先ほど財政環境、事業環境と言いましたけども、その工事費が増える時期になってきてるという面があると思います、京奈和自動車道につきましてはね。

 京奈和自動車道ができると、それにくっつける道路とか、168号とかも一緒にできますよというような道路整備の固まりの一つの波が膨らんできている。ほかはまだかというと、ほかはもう済んでるんじゃないのかというのが奈良の情けない状況でございますので、率先してつけているのかと、そんなことじゃなしに、つけていただく環境が出てきたというふうに、ありがたいことだというふうに思っています。

 奈良の道路整備の最大のネックは用地買収です。何度も陳情に行って、何度も言われますけども、荒井さん、用地が取得できてないところは事業費つきませんからねといつもおっしゃいますので、この事業費が用地買収が進んで執行できるかどうかが、奈良県の最大の今の課題であると思っています。ほかの便利で安全な、その前の3の河川、砂防でも78億、緊急内水対策で5億、どんどん増えてきているんですけれども、用地買収があっての公共事業ですので、用地買収がスムーズにいくように本当に願っています。もう過去の、かつての轍を踏まないようにと、奈良はやっぱりなと思われないように、ぜひ用地が出ないかなと。京奈和自動車道は、橿原高田という混雑しているところ、事業化したときは、細切れですけど104件の未買収地がありましたが、現在51件の未買収地が残っております。なかなか大変ですよね、本当の細切れなんですよ。職員にも一々行って写真撮ってきてもらいましたけど、どうして売らないんだろうと思うところが残るんですね。それは奈良だからと、ほかから冷やかされるからかなわないですよ。記者会見で愚痴ってたらだめですけどね。

時事通信:
 わかりました。ただ、一方で、もちろん必要な投資であると、これまでしてこなかったから必要な投資であるという……。

知事:
 してなかった、できなかったからと僕は大体。

時事通信:
 ということなんですけども、一方でインフラ整備、それから例えば今回できる中央卸売市場の再整備とか、先ほどお話にあった関空接続新幹線の整備、また五條の大規模防災拠点の整備なんかは、単年度ではなく複数年にわたって結構大きな予算がつく可能性があると思うんですね。一方で、今回知事の任期中では一番大きな6月補正、肉づけ予算になりますし、また財源を拝見していると、財調基金の繰入金が20億、また県債も118億ほど発行しており、このまま果たして同じぐらいの大きな歳出が続いていって、奈良県の財政は大丈夫なんでしょうかと。

知事:
 大丈夫です、大丈夫です。

時事通信:
 大丈夫ですか、その理由を伺えますでしょうか。

知事:
 大丈夫です、詳しく説明してもいないけど、大丈夫です。余りうそみたいな心配を振りまかないでいただきたいぐらいに思うぐらい、大丈夫です。

時事通信:
 ぜひ、どのように大丈夫なのかということを教えていただければ。

知事:
 県債管理ずっとやってますので、やみくもにフィージビリティーやって、今までいろんなことをやってきますけど、あれだけ使って県債が減ってきているという、実績を見てくださいということが一言ですね。

時事通信:
 ああ、なるほど。

知事:
 自信満々ですみませんね。あれだけしてこれだけ減ったんですよというのが売りですね、今の時点でね。将来も大丈夫ですと、慎重にやりますからと。

 しかし、もう一つは、道路整備できなかったので、今、旬のときにやっとできるようになってきたという事業環境が生じてきたというのと、もう一つはね、防災拠点にしろ大きなのは、しなかったということだと思うんですね。いろんなのをしなかったという点があるんですよね、奈良県はね。ほかでやってるのにどうしてしないのと言われていることがたくさんあるんですよね。それが私、目につくもんだから、できたらしようよということをたくさんやってるという部面もあります。ほかでやっているのを、後でやるメリットは、新しい発想を入れてできるということがあると思うんですよね。スポーツ施設なんかも本当に奈良は貧弱ですから、なくていいのと県民の方に言いたいんですけど、いやいや、皆つくれよとおっしゃるんですよね。それを財政算段して、タイミングはかって、効果的につくるというのが私の役目だと思っています。そのような波が多少来てるということでありますので、波が来るときには国費なんかのいろんなことが、国からすると、奈良の支援というのはごくわずかですけれども、大変助けてきていただいてますので助かります。そのような波があるときは一生懸命追求しないとという、そういう旬が来てるという面があろうかと思うんですよね。事業費の旬が来ている。それは今までしなかったのが、やっと旬が来たかと。できなかったのが、やっと旬が来たのかというような思いですね、今の私にとっては。

時事通信:
 満面の笑みで答えていただいていますけど、確かに今年度、国のほうでもたしか防災に関して有利な補助金等が出ていると思いますけれども、ただ一方で財政面拝見すると、たしか近年はちょっと、昨年度が10年間で最高でしたか、ことしもそれぐらいの予算を立てていらっしゃいますけれども、長期的には奈良県、人口減少になっていって、だけど県税収入の柱は個人住民税だろうと思うんですけども、長期的には細っていくんじゃないかと思うんですけれども、それを踏まえても財政大丈夫なんですか。

知事:
 最初に挙がっていた栄える「都」って、奈良県の特徴は経済が弱いということですね、ベッドタウンでありましたので。ベッドタウンだと、先ほど、今おっしゃいましたように、個人住民税が税金の、税源の主役ということであります。法人住民税とか消費税というのはなかなか主役にならなかった。余りにも消費税の配分基準が合理的じゃないというので突っかけに行って、多少合理的になってきたと。法人事業税も偏在が是正されてきたというのがありますけども、もっと基本的なのは税源涵養に努めるということで、これもしなかったことだと思いますが、税源涵養に努めるのは経済活性化、経済活性化すると、雇用があって、企業が来て、経済があると所得税、法人税、固定資産税。固定資産税なんか市町村潤いますからね、土地をほったらかしてる奈良県ということが、もっと有効に利用したらというのが都市計画マスタープランの大きなテーマで、いろんな幸せがだんだん目に見えてきているので、この際できることはしたいというのが4期目の県政の方向です。

 今おっしゃったようなのは、課題というのはみんな関連しているんですよね。それをみんなバランスよく解きほぐすようなことをしたいというのでこのように整理しているものでありますけれども、今の財政管理については、やっぱり経済の好循環がないと税源涵養ができず、将来的にもたないよということはおっしゃるとおりなんで、それがちょっと兆しは出ているようには思うんですけどね。工場立地とか有効求人倍率が、経済がちょっと熱くなっている、温度が上がっている、奈良県にとっては珍しいことなんですよね。今までなかったんですよと言いたいぐらい。別に自慢するわけじゃありません、情けないということが、よくなってきたのがうれしいなと思ってるだけなんですけどね。それが続くようにと本当に願っているんですよ。経済は、それは世の中安定してきてるというのも大きなことでありますけれども、そのときに安定してきてる中で経済活性化の努力してる地域とそうでない地域で、今の時代の差が出てきているということですね。

 奈良の経済の産出、生産のほうで成績が上がらないのは、大きな企業、パナソニックとシャープが大きな生産高でありましたが、それが随分奈良県の生産が縮小したというのが大きな要素でありますけども、逆に開業率が全国13位なんですね。開業率という統計はね、全国13位。それが小さな個人が商売を開業されているということもわかってきておりますので、そういう人が少しずつ奈良で商売をしていただくと消費にも結びつくしというようなことがデータで見えてますので、それをちょっとずつでも応援するというのを県政の中で経済活性化の大きな目標にしております。

時事通信:
 インフラ整備と、それから経済活性化策というのを組み合わせて、奈良県を……。

知事:
 もう絶対関係があるんです。奈良をずっと見ていただきますと、道路がよかったらもっと商売繁盛するのにと思うとこばっかりですよ。だから商売繁盛しないというのは、道路つくらないという県政の罪があったと私は今思っています。

 道路をつくると、中和幹線なんか一つの例で、何十年、30年かかって中和幹線できたけれども、あの周りの商業施設の立地なんか、ロードサイドだからちょっと限界がある、それでも中和幹線の栄え方を見ると、ああいう道路が幾つも走っていると随分違うのにと思います。さらにまちの中の道路、商店街うまくすると商店街が栄える、そういうことをしなかったというのが残念ですけど、いよいよしようかと。

産経新聞:
 すみません、私、10年ぐらい前に橿原に住んでいまして、橿原市に、中和幹線で非常に便利になってよかったんですけど、ただ一方で、三輪山の近くまで結構大きな商店が建っていって景観が崩れてるんじゃないかなという思いもする。

知事:
 全くそういうことはありません、全くそういうことはありません。もっとよくなりますよ、三輪のほうは。

産経新聞:
 外の人が奈良県に求めるものというのは、結構そういう、古代と変わらない風景というのを求めてくる。

知事:
 求め方おかしいんじゃないかな。そういうの、本当に楽しんでもらうのは、古代はあんな古臭いのは、古代を楽しんでもらうのはまた楽しんでもらい方あるから。景観悪いでしょう、橿原は特に悪いでしょう、景観。感じられませんでしたか。景観、ものすごく悪いでしょう、橿原市内。

産経新聞:
 どこがですか。

知事:
 橿原市。

産経新聞:
 市内全体がですか。いや、そんなことないですよ。

知事:
 そんな、よく言われますよ、断然悪いですよ。また写真見せてあげますよ。あんなに景観悪い、24号とか景観悪いとこなんだから。それを改善しようと。来られる人皆そういって、景観の悪いところが目につくって。遷都1300年のときにみんなから言われた。なかなか改善できない。京都は随分改善していますよ。そんな道路つくってどうこうという話じゃないんですよ、もう断然景観悪いから。景観よくするということは、新しくつくると景観よくできますよ。

産経新聞:
 そのバランスをね、どうするかということは考えておられるか。

知事:
 バランスは重々。今まで悪かったということで、今まで悪かったからよくしようということなんです。今まで本当にひどかったんだから、景観についても。

産経新聞:
 これだけね、非常にこのわくわくするような話がいっぱいあるんで、わくわくするようなね。

知事:
 ああ、そう。いや、わくわくしていただくとありがたいですけどね。

産経新聞:
 うん、話が、改革はすごくわくわくしますけど、ただ一方でやっぱり何というかな、古代の景観が残っているというのは奈良県のいいとこなので。

知事:
 古い考え方ですよ、今までの奈良に住んでいる人は、そのままがいいと思ってる人はそう思っている。もっと景観改善するのにも、それすごくアクティブにしないと景観改善できないですよ。ほったらかすと看板でも余計に立てよう、立てようというのが奈良の今の実情ですよ。

産経新聞:
 ああ、そうですか。

知事:
 それわかるでしょう、住んでおられたら。わかりますですよ。もうそれを長年見てるから、もう容赦できないというのが今の感情ですよ。近鉄奈良駅前でも、京都駅の前と見たら全然違うじゃないですか。比較してくださいよ、皆さん。自分のところだけ見ないで、ここも、ここも、3つぐらい見ると絶対わかりますよ、奈良の遅れてきたところがわかります。

産経新聞:
 いや、もちろんだから、例えばリニアの支線がですね……。

知事:
 話変わりますね。

産経新聞:
 リニア、ちょっと進めてください。この話は、また。どうぞ。

知事:
 いや、変わってもいいんだけども、楽しい議論だから。

時事通信:
 ちょっと総括的かつ観念的な話になりますけれども、今のような景観の話、それから経済の話、インフラについての話、また知事、冒頭新しい都をつくると、新都づくりであると。また、9つの都の柱立てを示していただきましたけれども、知事の中では今後、奈良県をどういった都にしていかれたいというお考えでこれらの予算をつくられているのかという、また4期目に当たるのかということを簡潔に。

知事:
 18日の時事通信の講演で全て発表したいと思ってますので、詳しくはそのときに資料を、もし配ってよろしければ、18日に発表した資料をお配りさせていただきます。隠しているわけじゃないんだけど、また話、割と大きな話になるということですね。まだ一言で言って小さな記事を書きたがっておられるんじゃないかと思うんだけども、そういうふうにもなかなか言えないから、こんな話が弾むのを、またそれをまとめて書かれるのは大変だと思いますけどね。いろいろ聞いていただいて話が弾むこと自身、私は歓迎なんですけどね。だから今のどんなふうに、大きな質問だということに受け取ったんですけどね。

時事通信:
 大枠で、そうですね。

知事:
 だからそれは一言で言うよりも、全体を見てまた一言、二言、議論になればと思います。18日の時事通信の内外情勢調査会で資料を提出する、今ちょっとつくっているんですけどね。「奈良新『都』づくり戦略」という名前になっています。

時事通信:
 わかりました、楽しみにしています。ありがとうございます。

NHK:
 その戦略というのはどこかで公表されるんですか。

知事:
 18日に公表します。

NHK:
 それは、その講演会で資料として配られるんですよね。

知事:
 そうです。

NHK:
 で、県政記者クラブへの提供というのは、またやっていただくと。

知事:
 持ち込みたいと思っています。

NHK:
 いや、思うんですが、きょうの補正予算での都づくりのお話というのは、多分部分的じゃないですか。

知事:
 そうですね、関連している。そういうフレームの中で整理しました。

NHK:
 全体をぜひ知りたいなというのがあるので、それは。

知事:
 ですので、18日までお待ちください。

NHK:
 なるほど。で、重ねてちょっと知りたかったのが、この都という言葉遣いは、日本の中心としてまた再び奈良が全国をリードしていきたいとか、どういう思いを込めてですか。

知事:
 古都と言われますけども、奈良の値打ちというのはやっぱり都の値打ちでありましたので、普通に、素直に都というのは、いろんなものがにぎわって人が楽しく暮らしてるというようなイメージの都ということであります。今のご質問だと、政治の都をつくるという意味があるのかという趣旨のご質問ですか。

NHK:
 いや、そういう意味ではなくて、奈良県が全国の都道府県をリードするような取組をどんどんすると。

知事:
 いや、そのリードするという意味で政治的な意味が入っているんじゃないかと。その言い方を変えないと、政治的な意味は入っていないというようなことにはならないのでは。

NHK:
 そういう認識を強く持ってはいないですけれども、そういう思いは、じゃあどうですか。

知事:
 思っていないのであれば、質問をもう一度お願いします。

NHK:
 知事が政治的にというふうに捉えたんならば、じゃあその文脈でもいいんですけれども。

知事:
 違います、質問はそういう意味じゃないということで、政治的な意味はもちろんありませんよということです。

NHK:
 だから、人がいろいろ集まって楽しく暮らせるようなという意図、意味でしかないということですね、この都については。

知事:
 もちろんそうです。政治的な意図はもちろんないので、リードするとか、政治的にリードするところはないです。今の地方創生だと模範となりたいという気持ちはありますけれど、いろんな地方創生の模範となりたいという気持ちはありますけれども。

読売新聞:
 そういうことを言っていただかないと、私たちはこの言葉から……。

知事:
 いや、そのうちわかります。勉強すればわかります。

読売新聞:
 それじゃ困りますよ、トップの言うことなので。だって都構想とか、あれだっていろんな意味があるんで。

知事:
 都構想とはまた違います。

読売新聞:
 違うのはわかりますけど。

知事:
 わかるでしょう。

読売新聞:
 発言しないと、言わないとわからないじゃないですか。それを言って、後で私たちが書いて、違うと怒られるんだったら、言ってください。

知事:
 このときにこのように言えといったって、なかなか僕の能力では言えない。思ってることをこれでも一生懸命言ってるつもりなので、これ言ってないと思う、伝わってないよと思われるかもしれないけれど、一生懸命言っているつもりです。

読売新聞:
 今、NHKさんもおっしゃってましたけど、18日に知事さん、出されるっておっしゃいますけど、私たち、これ13日解禁なんで、先に書くわけじゃないですか。

知事:
 これはこれで書いていただいて。

読売新聞:
 だから構想を知らないまま部分的に書かないといけないので、今ここで教えていただきたいんです。

知事:
 部分的ではないです。このようなブランドがあったら十分記事になるじゃないですか。

読売新聞:
 いや、十分記事になるかどうかは私たちが判断するんで。

知事:
 そうですよ。

読売新聞:
 なので聞いているんです。

知事:
 僕は十分に記事になると思っています。

読売新聞:
 どうですか。

知事:
 記事にならない時は、そのように書かれたらいいだけです。

読売新聞:
 そうします。

知事:
 それはそうでしょう。わからない時は、わからないといつも書かれるじゃないですか。

読売新聞:
 わからないと書きたくないからお聞きしてるんです。

知事:
 今、一生懸命言っています。その範囲で書かれるのが記者の才覚では。

読売新聞:
 いや、それをあなたに言われたくないですけど、戦略があるんであれば、それはこれと対なものではないですか。

知事:
 お互いさまだから。

読売新聞:
 意味がよくわからないですけど。

知事:
 僕はよくわかってる、あなたの言うことはよくわかっています。

産経新聞:
 18日に時事通信の何か会合で発表されるという話は。

知事:
 たくさんだからね。

産経新聞:
 選挙のときに知事がおっしゃられた公約を伝えると、そういうような話ですかね。それともまた新しい何か出てくるんですか。

知事:
 いや、公約だけじゃなしに、今度の新「都」づくり戦略のフレームですけれど、フレームだから一言でその意図とかはなかなか言えないんだけれども、そのフレームは、4期目に向かってどういうようにしようかということを整理して発表したいという意図で、今つくりつつあるので、全体としては今日は間に合いません。

産経新聞:
 では、何か新しい、具体的なものがぼんと出るという話ではない。

知事:
 そういう目玉ということではなく、今までやってきたことを体系的に整理しようという意図なので、その整理した項目を、職員と議論してつくろうという意図なので、政策推進の意図という点はそのように、そういうご質問だったらそういうふうにお答えできます。それをまとめてやるから膨大になるわけなので、それをまとめてといっても、ここでアピールするように言えともしおっしゃっているなら、僕はそういう能力はすぐにない、マスコミにアピールするようにわかりやすく言えと、いつも言われているのですが、一言で言わないと書けないよとおっしゃっているように聞こえるのですが、私の能力で一生懸命言っているので、それを解釈して書いていただくとありがたいです。説明不足だと思われたら、それは私の能力の不足というふうに思うだけで、説明していないじゃないかと言われたら、していますよということを言っただけです。

司会:
 予算につきまして、ほかにご質問はよろしいでしょうか。

奈良テレビ:
 知事が、知事になられてから6月補正つけられるのが今回で4回目かと思うんですけれども、一番その金額が大きくつけられたというふうに伺ったんですが、そうなっている理由というのは、先ほどお話しいただいていたようにいろんな時流が合わさったからこれだけの額になったのか、それとも知事の、変な言い方になってしまったら申しわけないんですけれども、集大成みたいな気持ちがあってこれだけ額をいろんなものにつけられたのか、ちょっとそういったところを教えていただけたらなと思います。

知事:
 集大成とか、政治的にアピールしようとか、そういうスタイルじゃないわけであります。今までやれることを、現実にいいことができないと私の仕事をしたことにならないと思ってますので、それが積み重なっていると、ああ、このような時期で、このようになってきたと。先ほどその理由は、お聞きになったので振り返って思うと、事業環境が整ってきた面があるように思いますよというだけの話だと、私の言葉では思っています。だから、その集大成とか、県政とか政治はずっと続きますのでね、この時期に何をやるかというのはとても大事な、この時期にやるべきことをやってないと後世言われちゃうと嫌だなという気持ちはとても強いもんだから、このときにやれること、手柄を立てるとかそんなのでなしに、このときにやるべきことをいろいろ調査してやろうというだけのことでありますので、それが結果的に膨らむときもあるし、事業が膨らまないときもあるしというだけの話だというふうに思っています。4期目の初めで膨らんだという結果になったということかもしれません。あんまり意識しなかったというのが正直なところです。

奈良テレビ:
 ありがとうございます。

毎日新聞:
 予算で2つほど。OECDとの連携というふうに書かれているんですが、荒井さんね、かつて官僚時代には参事官として出向された先でもあると思うんですけども、その際にいろんなね、人脈なり知見なり築かれておられたと思うんですが、そういったものを奈良に引っ張ってこようという狙いもあるのかなというふうに思うんですけども、何かこのOECDとの連携についてもう少し伺えますか。

知事:
 これはどちらかというと、私が主導して連携しようと言い出した記憶はあんまりないんです。職員の人がOECDと接触して、向こうも奈良と協力してやってもいいよというふうに話が弾んだだけのように私は今思っています。OECDに直接このプロジェクトで接触したことはないんです。きっかけになったかもしれないと思うのは、OECDにいて観光委員会なんかもいてたから、向こうで知った人はいるという程度でありますけれども、知った人が気にしてくれた面もあるのかなと、こう推察しているぐらいなので、自分でこれを引っ張ってきたというような、その経緯はございません。

毎日新聞:
 人事交流とかですね、そういった要素も今後あるんでしょうか。

知事:
 できてもいいかなと思っていますが、CLAIR(クレア)という自治体国際化協会でパリに奈良県の職員が出向しています。それから、ジャポニスム2018で春日若宮おん祭とか、ギメの美術館とか、奈良が出展いたしましたので、その際に大阪・関西万博誘致のプロモーションにも参加させていただいたというような最近の経緯がありますので、それとOECDがパリにあって、そういう活動を見て奈良にも注目されたのかもしれない。本日、経緯は調べてきておりませんのですけれども、連携できることはいいことだというふうに思っていますので、このような予算をつけてもらったんだと思います。

毎日新聞:
 それからもう一つ、リニアとか、あとその大規模な五條の話とかは、将来的な話で、本当につくるとなると事業費もね、相当な額になると思うんです。それでそのスキームもね、国の補助が出れば、出ないとまた大分違うんでしょうけども、その大枠の事業費なりあるいは事業期間なりといったような試算も、今回の調査費でされるんでしょうか。

知事:
 そうですね、それが大きな目的です。事業費の総枠と事業期間、区間、それと工事の難易度とかね、フィージビリティーというのはそういう要素が入ってきますので。構想のないところには計画はないというのが大プロの特徴ですが、奈良は大プロが何もなかったので、やっと大プロらしいものが出てきたというような感じです。各地ではこの程度の大プロはたくさんありましたから、それを仕掛けて、とれた県もあるし、とれなかった県もあるわけです。うまくいくかどうかは、これからのいろんな事情、僥幸にもよると思いますけれども。

 私が関与した同じような大プロだと、つくばエクスプレスという、秋葉原から筑波学研都市を結ぶ路線で、竹内知事がこしらえられた案なんだけど、大体1兆円ぐらいの線路だった。そういうのは誰がつくるのか、スキームも何もなかったんですが、結果的にできたんですけども、鉄道の整備というのはそういう整備もあるもんだなという経験があります。つくばエクスプレスの経験が、この関西直結新幹線もできるんじゃないかという私の気持ちに反映されている面があろうかと思う。つくばエクスプレスは1兆円もかかったけども、これは単線なので1兆円はかからないと考えられます。だから、意味があるような線路かどうかというような実現可能性の調査を、おっしゃった事業費、効果、それから主体とスキームなどについてしないといけない。言っているだけじゃ進まないと思います。

 茨城県の竹内知事さんというのは、そういうことにたけておられたから、いろんな政治工作もされましたけれども、それをうまく国を使ってされたというようなことであります。知恵がまだ何重にも要ると思いますけれども、こういう構想から知恵が引っ張り出せる面もある。東京湾のアクアラインも、このつくばエクスプレスも、みんな同じような構想で、皆1兆円構想だったが、皆できてしまった。

毎日新聞:
 で、その試算はいつまでにされるお考えですか。

知事:
 今年度の予算だが、場合によっては数年かかるかもしれない。何がどのように出てくるかわかりませんから。

毎日新聞:
 数年ということは3年ぐらい、そんな意味ですか。もうちょっと先。

知事:
私の気持ちとしては早くと思うんだけれども、今度の任期で何か目処が、実現可能性が、実現しそうだなというふうな目処が出ればうれしいなということです。リニア中央新幹線に奈良市附近駅ができるときにこれがつながっていればいいという先の長い話ですので。しかし、新幹線とか大プロはそのぐらい時間がかかるんです。このリニア中央新幹線だってもう50年前の計画ですから、それがやっと今、日の目を見ると。これからまだ18年かかって大阪までつくるというぐらいになってきています。しかし、鉄道というのは、構想があって計画があるとできるものはできるんだなという印象ですので、そのぐらいの大きな流れの中で、いい計画は実現すると。いい計画に仕立てるのはいろんな知恵が要るということです。

 これが関西空港がここになくて神戸沖にあれば、こんな構想は出なかった。ここに来たから、そしてリニア中央新幹線ができたから、接続したらすごく日本の交通体系がよくなるんじゃないかという発想なんですけれど、発想が実現するといいかどうかのフィージビリティー、実現可能性の中で効果というのも大きな要素でありますので、採算性にも直結いたしますけれども、それをやっぱり調査しないといけないということであります。

毎日新聞:
 では、そうすると計画をつくるまでがある意味、荒井さんの役目といいますか、お仕事か。本当につくるかどうかという決断は次の方、そんな意味ですか。

知事:
 もし私の代で決断できたらいいけども、なかなかそうはいかないと思いますけれども。つくばエクスプレスでも、事業主体も含めて国が関与してつくってくださいということをうまくこしらえてこられた。昔は何でも国鉄だったけれど、今は民間の主体が出てますので、フィージビリティーというのはとても大事な要素になってきています。その財源のスキームもまだできてないような対象ですが、財源のスキームは大きなポイントです。税制も関係すると思いますけれど。

日経新聞:
 財源事業スキームも、今回のその予算のついた中で、その計画つくる中に入れていくと。

知事:
 入れていけたらと思います。

日経新聞:
 それと、リニアの単線、常電導というのは、まだこれは知事さんの頭の中にあるのか、それとももうこれは。

知事:
 リニア中央新幹線ですか。

日経新聞:
 いや、だから関空新幹線です。

知事:
 この関空新幹線は、リニア中央新幹線ができる前にでき上がってるということはあまり想像できないんですけれども。

日経新聞:
 単線、常電導って、結構具体的な話が出たんで、それは知事さんの頭の中なのか、それともこの計画でそれを軸に考えるということですか。

知事:
 うん、これを軸に考えるということです。土木とか鉄道技術の権威者にアドバイスを受けています。超電導だとちょっと口径が広くなるが、時速は500キロぐらい。常電導だとちょっと小さくなるが、時速400キロ出るよと。電気代がちょっと高いが、常電導のほうがいいんじゃないのというアドバイスを受けて、一応常電導を視野に入れています。常電導だとリニア中央新幹線に接続して乗り込みはできない、いや、乗り込みしたほうがいいよというところまでいくかどうかわかんないけれど、構想のスタートは常電導でやったらどうかと思っています。口径が小さくなると、工事費がちょっと安くなるんじゃないかというもくろみです。

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出所者の更生支援について


共同通信:
 資料5ページの出所者の更生支援のことでお伺いをしたいんですけれど、今回新規事業でつけられていると思うんですが、出所者の更生支援です。これまで奈良県としても検討を重ねていると申しますか、専門家を交えての話し合いはしていると思うんですけれど、今回予算が200万ほどついておりまして、就労の場の検討や社会的対応力の一体的な支援の条例の検討ということもありますけれど、今回の予算で具体的な支援のあり方というのが決まるところまでいくのか、もしそういうふうになるのならば、とても大事な問題だと思いますし、なかなか光の当たらない問題、あと性犯罪や万引きなどは再犯率というのも課題になっておりますし、どのような形に持っていこうかなというのがありましたら教えてください。

知事:
 あるんですけど、まだ構想とか頭で考えている段階ですけども、横田元最高裁判事のもとで、この分野に関心のある人、本当に第一線の人が集まっていただいて2回開催しました。3回目やりますけども、この予算で確定できたらと思いますのは、出所者の働き場を具体的につくるということが固まってくればと思っています。担当は地域福祉課長ですけど、そのように指示をしています。

 具体的な働き方というのは、もう少し調整も要るんですけれども、例えば私のアイデアだけなんで、それで固定されているわけじゃないんですけども、県の公社みたいなところに就職をするということは可能かどうか。県の公社員になりますと、公社住宅が与えられる。公社の仕事はその就労でいろんな仕事をする。仕事があると、収入があるというのを公社員の収入になると。個人で稼ぐんじゃなしに公社の仕事として稼いで給料をもらうというようなパターンは考えられないのかと、これは非常に斬新なことなんですけれども、そのようなことを具体的な方向で検討してくれといって指示をしています。

 そのようになるかどうかはもちろんわからないんですけれども、例えばその仕事の内容が大事でありますけど、公社で請け負うことができるというのは、例えば旧奈良監獄で2年後にホテルができるときの、そのリネンサービスを公社で、民間でもいいんだけど、民間だと大変だからというので公社というアイデアですけども、受けて、そこでリネンのサービスを出所者がすると。実際にリネンのベッドメーキングに行くということでもいいんですけど、リネンのクリーニングをするということでもいいと。そういう仕事の稼ぎの場をつくりたい。

 もう一つは、アイデアだけですけれども、公社に公有林を与えて、そこの山で木を切り出して、バイオマスの切り出しをしてくれということができないか。バイオマスのニーズはありますので、バイオマスの供給は、山は稼げたら切るよ、稼げなきゃほったらかすよという山主ばっかりになってますので、森林環境管理制度とも関連しますけども、公社で積極的に切り出す人をできないか。山守にならないか。

 それから、これは五條のほうに行くと、刑務所の誘致運動を五條市がされた経緯もあるんで、それはなぜ刑務所の誘致運動をされたかというと、在刑務所の人が外に働きにいくときに、柿の作業がとても忙しいときがあるんで、そのときには出所者じゃなしに在刑者の人にしてもらおうかというので誘致された経緯がありますので、この出所者の公社であれば、農業、農繁期の手伝いに行けるというようなこともあります、農業作業ということ。それから自分で農業地を持ってもらって農業の産出をするというのもあります。それから山だと、木の木工、よくありますのは刑務所でつくった家具とかよく売られてますけど、木工をして、つくって売ってもらうと。その技術を手に持ってもらう、木工会社をしてもらうとかというのはあると思います。

 それから、職業訓練で公社でも役に立つようにパソコンとかいろんなことを、世の中で就労したり自分でビジネスするにしても、インターネットで注文して農産物を発送するといったテクニックが身につくような職業訓練も公社でできないかというようなこと、これは発想だけですので、それが実現可能かどうかを調査してくれという予算であります。これは上から発想を飛ばさないとその方向感覚が出ないので、そういう発想で検討してくれないかとまで言っております。出所者の会社、働き場を具体的につくることが目標ということに、地域福祉課長にお願いをしております。

 

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公務員の定数管理ついて

時事通信:
 奈良県の話題と離れまして中央の話題で。先日、財務省が今後の人口減少を加味すると、将来的に地方公務員の人数を3万人減らせると、全体でという試算を公表しましたが、ちょっと各県の知事とかの反応を拝見していると批判的な声も多いようですが、知事はこれに対してどうお考えでしょうか。

知事:
 公務員の数というのは、人事院ができたり、とても大きなことですね。公務員の数はどんなレベルが日本のサービスでいいんだろうか。公務の役割と関係いたしますですよね。北欧なんかのモデルだと、ほとんどが公務員なんですよね。イギリスなんかは病院の職員は皆公務員なんですね。公務サービスはそういうものなので、日本はハイブリッドだから民間と公務サービスをまぜこぜにして、病院でいえば7割民間、3割公務というような組み合わせです。そのときに日本の課題は、民と公の業務をうまくミックスできないかというのが大きな課題ですね。

 その中で出てきているのが、公務をアウトソースした民力活用というアイデアが出てきて、アウトソースしてはどうかというので軽減できると。そのような技術をまぜこぜにして公務員の負担を減らすと、これは働き方改革にもなるし、アウトソースすると財政が助かるかどうかちょっとわかんないですね。アウトソース費も要るからですね。そういうサービスを現時代、高齢者に向かう、やっぱりそういう福祉サービス的なニーズはふえてると思うんですよね、高齢化社会になると。それを公務員を減らす中で、公務的サービスを効率的にしようというのは必ず追求しなきゃいけない課題だと思います。

 その公務員の定数とか財政とかいうようなことだと、合併をしたらうまくいくんじゃないかというのを、平成の初めから、平成の大合併という音頭で地方基礎自治体を1,000にしようということになってきましたけれども、今1,700どまりで、もういいんじゃないかという声が、合併の弊害というのも出てきてるということなので。合併の弊害をなくして公務サービスを効率的にするのが奈良モデルで、地方政治の奈良県と市町村の役割分担を硬直的にしないで柔軟化しようという試みをして、ある程度効果があって、財政にも寄与している。それは定数にも寄与するというふうになってきて、一つのモデルになる可能性、なってきているように思います。

 そのような工夫をしなきゃいけない分野でありますが、3万人減らせるよという一つの試算だと思いますので、どのように減らせるのか。工夫をせないかんというのは、財務省に言われなくても地方政府自身が、税源がない市町村で公務サービスをちゃんとするには、工夫に工夫を重ねないといけない。あんまり見えないから工夫してないんじゃないかというふうに私は辛辣に見るとこもあるんですけども、よく見てもらって、住民の方にも、うちの市役所の人はあんなで働いているのか、もっと働けるんじゃないかという目が行き届くようになるのが地方政治の役割ということなので、それはデータを比較して知らないと、うちはこんなに税金払ってるのにサービスが悪いんじゃないかというような目が地方政治の場で出ればいいなというふうには思いますけれども。その積み重ねで、どの程度の公務員で済むかどうかということになろうかと思います。

 公務員志向の、地方に行きますと就職の場がなかなかないので、公務員の志望が多いことはあります。まちのほうに行くとほかにもあるので、公務員の志望は少ないというような状況、これは世界各地同じようなことですけど、その中での公務員削減と。大都市で減らすのか、地方で減らすのかというようなことも、もう少し見なきゃいけない。地方はなかなか減りにくい面がある。志望も多いし、公務サービスが主たる経済の牽引力になっているとこもありますので、この分野、非常に勉強せないかん分野だと思います。一つの投げかけというふうに思っています。そんなに反発することもないんじゃないかと思います。

 その方向はそんなに、3万人減らせといったら減らせられるのかと、そうはいかないとは思いますけれども、工夫をして公務サービス、アウトソースも含めて役所が出す公務サービスのレベルを維持し、また皆様も同じだと思います。働き方改革、3Kと言われないように努めないと、人が集まってこないですよね。働きやすい、働きがいのある職場をつくるというのは共通の課題だと思います。働きがいと働きやすさでサービスが維持できる国になれば、日本はとてもすばらしい国になると思います。

 これは財政の観点から減らさないとというようなことだと思いますけども、私は働きやすいところによい人が来ると。これは総合医療センターに言ってる言葉で、働きやすくしてくれと。医師が働きやすくなると、いい医師が来るぞということを叫んでますので、県庁も、そうか、田舎のほうは比較的公務員志望が多い、安定しているという意味で。公務員なんてサボっちゃだめだよということを職員にいつも言っています。働いてくれなきゃということを、公務員を働かさせるのが僕の役目というふうに思っています。

時事通信:
 まさに今ちょっと伺いたいことをおっしゃったんですけども、働きやすい職場をつくれば来るということなんですけれども、まさに現在、奈良県の採用試験の真っ最中ですけれども、過年度の採用試験の申し込み状況を拝見すると、28年度が全職種の希望者で大体1,000人ぐらいですね。次の29年が802人に減っている。さらに昨年度になると711人になっている。ことし、この間出ましたけれども、現在の申込者が600人ぐらいということで、年々奈良県職員を希望される方が、受験者が減っているわけですね。これってどういうことなのか。

知事:
 景気のせいだと思います。

時事通信:
 景気のせい。

知事:
 民間に行く景気があれば、奈良県内だけでなくても、有効求人倍率は奈良県高いですけど、民間の有効求人倍率は高いですけども、そちらで、すると給料が上がりぎみである。公務員の安定性を求めるか、多少でもいい給料を求めるか、あるいは自分の鍛えてもらえる会社を求めるか。自分の鍛えてもらえる会社を求める傾向が強くなっているんじゃないかと思います。景気が安定してるときが公務サービスの志望者が減ります。今のアラフォーと言われる就職氷河期のときは、公務サービスが殺到されたと思います。統計でも出てると思いますけどね。

時事通信:
 果たして景気の話だけなのかは、ちょっと疑問が残るかと思いますが。

知事:
 僕は景気だと思いますけどね。

時事通信:
 まあそれはさておき、その中でもね、当然奈良県も優秀な職員、新しい新規職員をどんどんと獲得していかなければいけないと思うんですけども。

知事:
 だけど、入るときは入るときだから、中で鍛えないと公務員とか皆、職場もそうだけど、中でどれだけ人材育成能力があるか、今、組織全部試されているんじゃないですかね。

時事通信:
 いい職員採ってくる努力をするよりも、中で鍛えることも重要と。

知事:
 ああ、そのほうが大事だと私は思います。いい人を採ってだめにする職場はだめだと。働きやすくするということは、よい人を育てる職場は、またいい人が来る可能性があるというだけで、パフォーマンスはもうそれに尽きますよね。そこそこ優秀なんだからと思います。

時事通信:
 まさに人事的なことをおっしゃったんですけど、では知事として、今後は職員の優秀な職員を育てていく。

知事:
 育てるのが一番大事だと。

時事通信:
 どのようにして育てていかれようとお考えですか、方針ですけれども。

知事:
 なかなか難しいといいますかね、テクニックは複雑、たくさん要りますけど、育てるのに一番大事なのは、よく漫画でMMLCと言ってますけれども、MMLCって、顔が、ちょっと描くとこんな顔に、MMLCと描いて、これはミッション、モチベーション、リーダーシップ、コミュニケーションという意味なんですけれども、とにかくミッションを与えないと、やる意味がわかんないと。具体的に、なるべく具体的なミッションを与えるのが私の役目でもあるし、各管理者の役目。そのミッションを与えると、モチベーションにつながる。これをやるには、俺もう少し勉強しなきゃというふうになるんじゃないか。リーダーシップって、そういうことを管理するリーダーシップ、これは鼻で、コミュニケーションはいろんな面でこのコミュニケーションする能力がある。このMMLCがあると、その職場もいいし、本人も育ってくるというスキームで考えています。それをずっとこの表をつくって、MMLC、MMLCといって実行しているんですけどね。

 やらないかんというだけの話ですけどね。うまくいくかどうかは、やらないよりはやったほうが絶対うまくいくと、いい職場になると信じて努力を、私としての立場で努力をしているというだけのことです。

時事通信:
 ちょっと最後に1問だけ。先ほどの予算書の話もありましたけど、荒井知事としては、今後奈良県も人口が減っていくと試算されている中で、奈良県庁の職員をふやしていくべきなのか、減らしていくべきなのか、維持していくべきなのか、どういうおつもりですか。

知事:
 ああ、定数管理ということですね。

時事通信:
 定数管理ですね、はい。

知事:
 今まで定数は、過去20年間で20%減ったんですね、2割減ったんですね。今、定員は何人ぐらい、要するに2割減って1,000人ということは、5倍あったから5,000人以上、4,000人台になっているということですね。1,000人減ったと。1,000人減ったから2割能力減になったかというと、私はそうは見えない。全体として能力はアップしているんじゃないか。減らしたからアップしたというわけではないと思うんですけれども、やり方がいろいろ工夫が出てきたんじゃないかと自分では思い込むようにしているんですけどね。それは公務サービスへの期待と、県民の方との対話、このMMLCのコミュニケーションという能力にも関係しますけども、少なくともサービス業だと思ってますので、サービスを提供する意図、気持ちがこのようにありますよということを言うのが第一だし、そのような雰囲気になってきたかなと思います。なってくればいいなと思っています。

時事通信:
 それと、今後も漸減へのトレンドというのは維持していくと。

知事:
 定数管理は、人材の育て方と裏腹でもありますけども、うまい人材の育て方から、先ほどのアウトソースとか、その内容がどのようになるかにも関係してくると思うんですけどね。その業務の内容をよく考えて、よく走れと、こう言ってますけど、よく考える分野が出てきていると。市町村は現業が多いんですけどね、県職になると、現業もありますけど、プレーヤー兼コーディネーターというのもありますけど、プレーヤーばっかりというのはちょっと少なくなって、コーディネーターという調整で考えないかん職務が比較的多いような職場だと思いますので、よく考えてその研さんをせないかんというような職場だと思いますので、よく考えるようにということはモチベーションにもつながってくるというふうに思っています。よく考えて勉強するという気はないわけじゃないんだ、勉強して役に立てば喜びになってきて、それがモチベーションの一つの支えになるというふうに思っています。

 皆同じですね、日本中、皆同じだと思います。そのように人材育成と定数管理が、数から入るんじゃなしに内容を見ながらというふうに、県庁職員働き方改革というテーマで努めているというテーマですけれども、人事課長にそのミッションを、あなたの仕事だよといってミッションを与えています。いつもあなただよということで与えている。

時事通信:
 モチベーションをですね、わかりました。ありがとうございます。

 

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橿原考古学研究所 所長人事について


毎日新聞:
 橿原の県立橿原考古学研究所の所長さん辞任されましたが、地域振興部長の山下さんが兼務されるという形なんですけども、一応県の施設なので、次のトップの方に対する考え方ですね。あと、どのような方がふさわしいか、人選を含めて。

知事:
 まだ白紙ですね。また橿原考古学研究所、とても伝統があって優秀な組織ですので、立派な人がなっていただければいいと思います。菅谷さんはとても立派な方でありましたので、病気で引退されるのはとても残念です。しかし、彼の業績というのはすばらしいものがありますので、橿原考古学研究所の伝統が続くようにと願っています。それにふさわしいような人になっていただければと思います。まだ選考中ということです。

毎日新聞:
 基本は県のほうで選ぶんでしょうか。

知事:
 任命権は、県の職員だから、形式的な任命権は私にあるんじゃないかと思いますけどね。県から給料払ってますから。

毎日新聞:
 一本釣りみたいな形されるのか、あるいは現場で話し合ったもの、上がったものを承認するのかというと、どうなんでしょう。

知事:
 2つのパターンあると思いますが、今までね、県の組織なのに、今までどういうわけか外から押し込んで、俺がやるぞと、こう来た人がいるんだけども、そういうことは避けたいですね。王様みたいな人が来ないほうがいい。

産経新聞:
 じゃ、奈良県出身の人を優先という考え方ですか。

知事:
 そうでもない。立派な人であれば。僕は外国人でもいいかと時々言うんだけどね。別に外国人が選考対象になっているわけではない。

毎日新聞:
 めどとしては、いつぐらいまで。今年度中ですか、ことし中。

知事:
 誰に聞いてもしようがないけど、夏までに何かならないかなという希望は持ってますけどね。

時事通信:
 もう初夏ですけれど。

知事:
 またちょっと涼しくなってきた、暑くなるころということで。皆関心持っておられるんですか。

産経新聞:
 それは関心事ですよね、橿考研の所長は。

知事:
 ああ、そう。

産経新聞:
 やっぱり奈良が全国に誇る施設ですから。

知事:
 そのとおり、奈良が全国に誇る、それは業績が誇っているからということだと思うんですね。よく立派な人が、いろんな職員の人を橿考研に就職してって、いろんな人が来ていただいているじゃないですか、研究者のレベルが高い。

産経新聞:
 もう全国から来てますからね、優秀な。

知事:
 来ておられますからね。そういう組織ですから誇らしいですよ、橿考研の業績は誇らしい。

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奈良市庁舎耐震化問題について

奈良新聞:
 奈良市のほうと県のほうで市庁舎の耐震問題を、前回のときにも少しお話はあったんですけども、今、市会のほうで市長が補強という方向で予算を上げられて、あしたからまた質疑も始まるようなんですけども、改めてちょっと知事のお考えを少し聞かせていただけるようであれば。

知事:
 奈良市庁舎の耐震化問題は、奈良新聞の去年の報道から関心を持って、合理的にやってもらえたらいいなと思って、去年の暮れぐらいにちょっと自分で計算した書類を奈良市の市会議員の人に参考資料で説明したのがきっかけです。で、その後、今度議会に今の耐震補強という案で提案されたということを聞いています。

一方、この市役所の建てかえ問題、移転するか現地にするかどうかは別にして、それは市長と市議会のご判断だと思います。判断自身に県が関与することは全くありません。関与することはありません。しかし、まちの大きな機能でありますので、その情報として市議会の人に知ってほしいことが幾つもありましたので、財政の計算とかもその一つでありました。

 最近の状況をもし可能であればちょっと報告いたしますが、ちょっと状況の変化、変化というまでいかないけども、私の周辺での動きということになりますけれども、一つは、積水化学工業の跡地に関心を持っていただいていた三菱地所というところに私が行きました。職員も行ったんですけれども。三菱地所に行ったら、部長と上の顧問が出てきていただいて、事情の説明を三菱地所にしたら、彼らの不動産業の判断としては、現地でこうぐるぐる回して建てるよりも、移転したほうが絶対得だと。絶対という言葉を私の前でもついていたということを、一民間コンサルが言っているだけじゃないかということではありますけれども、そういう言葉があったということであります。

 もう一つは、最初の、去年の暮れのレポートでも言ってるんですけども、今の地域は、市役所のあるところは、前に大きなコンベンションセンターやホテルが建って、後ろがロイヤルホテルで、しかも近鉄が移転する可能性が高まってきています。最終的には、32年度中に決着します。32年度中に近鉄の移設が決まったのにあそこがいいということは、32年度中の判断と今の判断と、また全く違うことになるよというのがもう一つですね。近鉄が高架化して、移設して、朱雀門駅をつくる意欲は近鉄あるように思うんですけど、朱雀門駅には関心があるという程度ですけど、朱雀門駅が西大寺の次の駅として関心があるという情報に接してますので、その移設、新駅ということも視野に入れたまちづくりということも市議会では検討の対象にしていただきたいと。その取り返しのつかないことになったというのを、そのとき知らんかったと言われたら困るから、知らんかったということのないように、デシジョンメーカーに、こういう情報がありますよということまで耳に入れたいというだけの気持ちでありますけれども、今の現地と、その移転先の近鉄線の状況、まちづくりの状況ということでございます。

 今の現地の財政的なのが心配だということでありますけれども、一つは、新聞報道で見ると、仲川市長が北棟は無駄になるじゃないかという報道があったんだけど、北棟は今すぐにでも売れるというのを私知ってますので、北棟は耐震化がありますので。それは一つは、まだ具体的なのは当てになりませんけども、商工会議所が近鉄駅前にありますけど、あそこにホテルを立地するという話が多少出てきておりますので、そうしますと商工会議所を移転しないかんという話になると、北棟というのはいい候補になるということは聞いております、商工会議所からは聞いております。皆可能性の範囲ですけども、そのような話が今出ているということで、北棟は無駄にはなりませんよということが、誤解がないように認識をしていただきたい。

 幾つも言ってきた、もう一つは、緊急防災・減災事業債と言われる耐震補強の予算が今でしかつかないということなんですけど、去年の12月に新しいスキームが国のほうから発表されて、移転についてはつかないということで、その前の説明は、移転はつかないから応急措置でしか起債(緊急防災・減災事業債)が使えないという説明を仲川市長から受けてたんですけども、去年の12月は、移転でも公共施設等適正管理推進事業債はつくんだよと、移転の建てかえでもつくんだよということが国のほうから発表されました。市議会の人は知ってるのかなと思って、それは移転の場合にでも、公共施設等適正管理推進事業債と言われる充当率90%、交付税措置22.5%が、令和2年度までの設計着手で充当可というのが去年12月に出たんですよね。情報というのは本当に大事だと思うんですね。そこまでが国の動き。

 そのときの、その充当率、公共施設等適正管理推進事業債は充当率90%ですけども、10%とかで充当できないところは一般単独事業債になるんですけども、その一般単独事業債の充当残については県の市町村振興資金貸し付けというのを、低利でありますので可能です。県が市町村振興資金、この移転でやるのに金が要るよといったら、市町村振興資金の貸し付けが可能であります。

 それからもう一つは、これ私ちょっと考え始めているという程度なんですけども、移転先の積水化学工業の土地が早く売りたいという情報もありますので、そうであれば、県が土地開発公社で全部取得してしまってもいいのかなと思っています。全部取得してしまって、その一部は朱雀大路の南下と、これは公園の補助がつかないと事業ができませんけれども、できないわけじゃないけど、したほうがいいわけですけれども、その取得のために、その取得の希望はあるよということは積水化学工業に言っています。だからほかにはやみくもに売りませんよという約束をしていただいています。それは朱雀大路の南下する部分ですけども、それと北のほうの朱雀門駅ができる可能性のあるところは残しておいてくださいねということで、積水化学工業は合意していただいています。

 南のほうはどういう地面になるかは、県が全部取得して、市役所が移転するけどお金が調達できないということであれば、今のあるところを売って、そのお金が入らないと買うお金の継ぎ足しも大変だから、その間、県の公社から賃貸として、市役所に賃貸してもいいかというふうに内々思って、これは新しい話です。すると、賃貸であると、そんなに高い金利にはならないと思うし、とても助かるんじゃないかというふうに思っています。それは移転して、まちづくりの奈良モデルの連携の対象になれば、そういうことにもなりますよということを内々考えて、検討を指示しています。

 土地開発公社で全部買収をして、それを今、工場を除去してますけど、それを市役所が移転するということで、令和2年までの設計着手はしてもらったら、その設計着手で工事が始まるときから、県の土地開発公社所有地を低利で賃貸して、向こうのお金の入るまで、入れば買われたらどうですかというような提案も、もし移転も検討するよとおっしゃれば具体的に考えとしてはあります。これは新しい話。そのような情報を総合して、議会で熟議をしていただけたらというふうに思います。

 外から見ての情報の差し込みでありますけれども、もとは奈良新聞で、いろいろ議論を呼んでいると言っていて、普通は移転のほうがいいんだけど。これは病院の建てかえで経験したことですけど、県立病院の現地建てかえよりも移転建てかえのほうが効果抜群だったというふうに思いますし、費用も助かったわけであります。この移転後の敷地というのは、今あそこはとても売れる可能性が高い場所でありますので、あとは市民の便利さとかというようになると思いますが、平城宮跡の前は、もう一つの便利な要素は、近鉄の朱雀門駅という先の話ではなくても、青バスですね、ぐるっとバスの青バスが、今、平城宮跡と奈良公園往復、大仏前を往復してますが、西大寺駅が、南が開発できたら、西大寺駅から大仏前へ大宮通りを直通で行く予定にしております。

 奈良交通は賛成しておりますが、それは奈良市がやっておられます西大寺駅の南口のバス乗降場ができたら、西大寺駅発着で朱雀門前、朱雀門前の南のほうに市役所ができたら、そのまま奈良公園まで行くというルートですから、西大寺駅からすごく近くなる。それはバスですから、南口ができて、この建物が建つ以前にバスが走ると思います。というようなことも勘案して、総合的に判断していただけたらというように思います。

 そのような情報を持っておりますので、情報提供をご参考までという、ちょっとおせっかいでありますけれども、ぜひ熟議というふうにお願いしたいと思います。

産経新聞:
 県の土地開発公社が、今の市役所の場所を役場の移転に伴って買い取るということは。

知事:
 役場は買い取る可能性はないです。

 というのは、不動産屋になるじゃないですか。向こうの買い取りも、公の施設が来るから先に買っておきましょうかと。普通なら、市が、市の公社が買い取って、移転が決まっていれば財政的に大変だから、市の公社の資金繰りでやらせるというのが普通のやり方ですけれども、それは市の公社も大変だろうから、県の土地開発公社がその移転先については介入してもいいよと。

 もう一つ、三菱地所に相談したときに、あそこは、今の現市役所用地はポテンシャルがありますよと、あの場所はと。それで僕は打診に行ったのは、三菱地所自身がね、あそこの開発する可能性はありますかというふうにも聞きに行ったんですよね。それはまだ不明ですと。やるとは決まってませんけれども、自主調査をしますと。自分で、補助をもらって委託調査じゃなしに、自主調査をして土地利用可能性の調査にも着手するということは明言されました。それも大きな、ちょっと言い残しましたが、大きな話ですね。市役所跡地の売却とか開発可能性についても、自主調査をしますということを言われましたので、そのような大手の言葉は多少重たいかなというふうに自分では思います。だから、県が買い取ることはありませんが、三菱地所がどのように、すごく可能性があれば買い取りもしてくれるかもしれませんし、それはまだ明言されてません。自分で調査はしますとまでおっしゃったですから。大きな動きがあるということは、ご質問あったのでご報告というふうに思います。

 この6月議会で議論されるのがその大きな判断だと思いますので、耐震改修でやりますと、それでもう固まってしまって、それで終わりだったらいいんですけど、後、また中で回すということであれば、耐震改修で十分だということであればね、いいんだけど、中でまた建てかえるとなると、20年後、30年後になるにしても、やっぱり奈良市の財政を将来直撃するんだからというように、私から見るとそう思います。市の財政、いろいろ悪いから、何か応援する手はないかということをほかでもいろいろと考えてますので、こういう事業のときには応援するきっかけを見つけることができるとは思いますので、一つの考え方として、県のまだ発表してない考え方も含まれていますので、6月議会近寄ってきたんで、まだ市長にはこの話は具体的にしてませんけれども。

奈良新聞:
 特に仲川市長と、この件について協議されるような可能性は。

知事:
 そうですね、また機会はあると思います。6月議会前にはあんまり具体的に差し込むのもいかんかなという感じもするんですけど。向こうも記者会見で答えておられますので、誤解はあるところもちょっとあるように思いますので、それは、こういう場でありますけども、解くことができたらという思いもあります。

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奈良公園の鹿のごみ誤食問題について

NHK:
 奈良公園の鹿についてなんですけれども、最近報道もされてますけれども、奈良公園で死んだ鹿の胃袋からビニール袋、プラごみが出てきていると。これまで5頭ぐらい出てきているんですが、何でそれが起きているかというと、観光客のビニールをとってしまったり、ポイ捨てされているごみをあさったりして食べているんですね。これは知れば注意できる話であって、何か県として対策を打てないものかなと思うんですが、プラスチックごみを全廃しようという動きが世界的にもありますが、そのあたりも踏まえて何かお考えがあれば。

知事:
 プラスチックごみをごみ掃除していただいたボランティアの方の放送は、NHKがされたのですか。

NHK:
 うちもしてますし、各局し始めていると思いますが。

知事:
 各局放送されていたんですね。NHKさんには熱心にしていただいてと思っております。ボランティアも感謝しています。鹿さんがかわいそうだというので、プラスチックごみが落ちていると食べてしまうので、何でも食べられるので、捨てない、あげないということになると思いますので、公園の鹿を相手にする人のマナーというのかな、そういうプラスチックごみが鹿の口に届くところに置かないようにというのが大きなことで、それしかないかもしれないですね。

 何をどうすればいいのかな。すぐに今思いつく手はないんですけれども、交通事故で亡くなる鹿が多いので、30キロゾーンとか、鹿注意看板を立てたり、これは直接県が道路管理者としてできたんですけれども、ごみが鹿さんに届かないようにというのは、すぐにアイデアはないですけれど、何かありましたらね、今のご質問に対しては、今は特段ないんですけれど、関心を持っていますというのが正直なところですが、あれば実行したいと思いますけどね。啓発というのは、捨てないでくださいということを、奈良公園の管理者ですので、そのようにお願いするということはしておりますけれども、それでも食べてますねというご報告だと思います。それは知っておりますけれども、どうすればいいのかなというふうに思っているところですね。

NHK:
 奈良公園に40カ所ぐらい注意看板はあって、鹿が餌をじらすと頭突きしてくるとか、アタックしてくるので気をつけてというのが日本語と英語とで書かれていて、その裏にポイ捨てをしないでくれというのも書いてあるんですけど、見えないんですね、裏なので。なので、ぜひ何か見えるところにそれをわかるように知らせてもらえれば、わかるだけでやらないという人もいるかもしれないので。

知事:
 見てもやらないかもしれない。そんなに慣れていないと。しかし、とにかく捨てる人に知ってもらうこと、知らないで捨てる人もいますから。なぜごみを拾っているのかといったら、鹿さんが食べると大変なんだということを普通に知ってもらうようなやり方があればと思います。ちょっと工夫の仕方はいろいろあると思いますので、また工夫したら取材してください、放送取材してください。

NHK:
 工夫をしていただけるということに受け取っていいですか。

知事:
 工夫は考えてますけれども、知恵を借していただいたらありがたいんだけどね。なかなか悩んでいるところではあります。マナーの話だからなかなか、どこでもそうだと思いますけれども、言ったようにしてもらえないし、インバウンドの人も多いしというようなことですね。

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飛鳥・藤原の世界遺産登録について


朝日新聞:
 先月、5月末に東京のほうで、飛鳥・藤原の世界遺産の登録に絡んで、それに向けて明日香村長と一緒に要望、それから知事のほうから何か決意表明があったというふうに聞いているんですけども、どういったことをおっしゃって、今後その世界遺産登録に向けての話というのが何かこれまでと違ってまた新たに進むような段階になっているのか、どういう段階なのか、ちょっと教えてください。

知事:
 えらい関心持っていただいて。東京は大体、奈良新聞の東京支社だけが取材に来られるんですけどね。当時は自民党飛鳥議連の会合でしたので、飛鳥議連は、飛鳥のいろんな整備にお世話になっています。あんまり開発が進まないようにという法制ができたときからの議連ですので。そのときに、細田博之さんが議連の会長なんですけども、ハッパかけられましてね、飛鳥・藤原の世界遺産、もっと頑張らないと、ほかもできてるのに、手間がかかるから頑張らないとってハッパかけられました。副会長は北側さんって大阪の方ですけども、堺の方、公明党の、あれは百舌鳥・古市の世界遺産登録されて、手間がかかって大変だったけども、奈良も頑張ってくださいという、二人とも温かい激励を受けました。

朝日新聞:
 それは今回ですか。

知事:
 今回、今回。

朝日新聞:
 5月末に。

知事:
 今回。今までにない激励だというふうに思いました。で、飛鳥・藤原が動かなかったことは確かなんですね。県はちょっと本腰入れようかということを内々考えていたところなので、そういう激励に呼応して、藤原・飛鳥の世界遺産登録に邁進しますと、言葉はちょっと忘れましたけど、そのような決意表明ととっていただいてもいいと思いますけども、やりますということを表明いたしました。また、こんな議連がある場所というのは珍しいとこですので、ぜひご支援くださいというので締めくくった記憶があります。

 飛鳥・藤原の世界遺産登録の要素というのは2つの分野がありますが、藤原宮跡は、300人の定員のある小学校と住宅があります。これが世界遺産に登録する支障物件というふうに思われています。それを除去できるかどうかというのが一つのポイントであります。

 すると、細田さんが、そういう報告を私がしたかもしれませんが、後またご発言があって、富士山の世界遺産登録のときに支障物件があったんだと。あったんだけども、それを除去してから登録申請しなくてもよかったんだよと。それを除去するという地元意思を明確にしてくれるだけでも進むんだよというアドバイスがありました。これは橿原市長の大きな役割になってくると思いますけれども、支障物件の除去をユネスコとかに地元意思が明言できるかというのは、一つの要素であると思います。

 もう一つは、飛鳥・藤原の価値をうまくこう説明するというのがあります。飛鳥・藤原はすごく値打ちがあると思いますけども、飛鳥・藤原というのはどういうものだということをうまくまだ説明し切れてないような感じで、またキトラとか高松塚とか新しく発見された古墳もありますし、いろんな全容の中で、飛鳥の全容、また藤原との関係、桜井市の遺跡もちょっとありますが、あのあたりの意味はユネスコに説明するのに、どういう説明ができるのかという課題があります。それが今余りまとまってなかった。

 県は、主導していいのかどうかと。個人的にはちょっと、地元が優先して盛り上がるというか、考えをまとめてくれればいいのになという思いがありました。

 だからいっときの動きとして、万葉文化館というのを、歴史が、やっぱり飛鳥の値打ちは万葉集よりも歴史じゃないかなと、こう私は思うとこがありまして、歴史の検証ということに力を入れた経緯がありますけれども、歴史検証が少し余り進まなかったという思いもありますので、飛鳥・藤原の値打ちの検証はやっぱり歴史をもう少しわかりやすく、全容解明されなくてもわかりやすく説明するというような必要があろうかと思いますので、今よりも多少努力をすれば、それは達成できるのかなと思います。その2つの要素を仕立てて、登録に結びつけるということが課題だと思います。

 段取りを、一つ一つのステップがありますので、次は何だったかな、仮登録だったっけ。

担当課:
 推薦書の作成ですね、推薦書を今つくっています。

知事:
 そのような段取りがありますので、その作業が確実に進むようにしたいと思っています。そのような作業を進めますよという意味の、それしか世界遺産登録の道はないかというふうに思っていますので、今度は県が一生懸命になって、地元の明日香、橿原、桜井というのにまとめてその推薦書を策定できるまで、推薦書だと、それだったら通りそうだなというのが文化庁、ユネスコで日本以外で吟味していただけると思いますので、その吟味に値するような推薦書をつくるというのが今の大きな作業だというふうに、やっと自覚をしたという状況であります。

朝日新聞:
 その推薦書は今つくる、もうつくるっていうことでいいですか。用意しているところだということでいいんでしょうか。

知事:
 作業目標は、推薦書ということ。

朝日新聞:
 邁進しますよと思っている、県としては何年度ごろにはというような目標は。

知事:
 スケジュールですね。

担当課:
 早ければ令和4年度にその方向づけをして、5年、6年での登録を目指してはおりますが、それはいわゆるとらぬタヌキのという話ではありますので、国内での推薦の決定を令和4年を目指しているところではあります。

朝日新聞:
 その5年、6年というのは、令和4年度から行うと。

担当課:
 その後、イコモスですとか、ユネスコのほうでの審議が行われるというところです。順調にいけばという話です。

知事:
 国内から出ていくまでが割と大変ですね。今、文化庁の人にも、そういう議連のとこにプレッシャーかかったら、イコモスは一国一申請にしてくれと言われてますとか言いわけみたいな話で、まあそうだと思いますけども、門は狭いというように文化庁はおっしゃっています。その門をくぐり抜ける、出るまではなかなか大変だということであります。その門を出るように作業をしたいというふうに思っています。

朝日新聞:
 最後に、今回で改めて、その世界遺産登録に向けてまた力を入れていくという認識でいいんですか。これまでの登録に向けての動きがありましたら。

知事:
 登録の協議会があったんだけどね、僕から見てあんまり力が入ってないなと思って、自分で参加してて力入ってないと思うのは変なんだけども、支障物件あるからあんまり無理を言えないのかなと自分で勝手に思ってた面があるんですけどね。それは言いわけになると思いますけどね。だからこの際、その支障物件の除去の明言ということも含めて、やるべきことを確認して推薦書に盛り込むというのが大きな作業。調整は、地元の調整が要ると思いますね。

朝日新聞:
 わかりました。

知事:
 地元の調整が大きな要素だと思いますね。細田議連会長の話だと、富士山の、地元の調整が整ったから申請するまでいかなくてもいいんだよという優しい言葉あったんですけど、その意思を表明しないとですね、地元意思を表明しないとということはアドバイスされましたので、それは頭にちょっと突き刺さっています。

朝日新聞:
 それは、地元と調整をして、支障物件を除去しましょうということで……。

知事:
 しましょうじゃない、すると言わないと。

朝日新聞:
 するということで地元とも調整がとれれば、もう推薦書を出せるという。

知事:
 推薦書の一つのクリアできる要素になると思います。

朝日新聞:
 そのように進めていければということですか。

知事:
 そのように思っています。

司会:
 よろしいですか。

 ほかにご質問はよろしいですか、ないでしょうか。

 幹事社さん、よろしいですか。

 では、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

知事:
 ありがとうございました。

                             
(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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