司会:
おはようございます。
それでは、ただいまより知事定例記者会見を始めさせていただきます。
本日の発表案件は2件ございます。1つ目は、橿原考古学研究所の所長就任決定について、もう一つが、NAFICのフードクリエイティブ学科の卒業生2名の開業についてでございます。2件一括で知事から発表いただきます。よろしくお願いいたします。
橿原考古学研究所長の就任について
知事:
橿原考古学研究所長の就任ですが、青柳正規先生にお願いして、8月1日付で就任していただくことになりました。8月1日から来年の3月31日までの有期契約ですが、再任ができるということですので、再任もお願いしたいと思っております。
略歴は資料についていますが、ご存じの方も多いと思いますが、文化庁長官をされていた方です。奈良県との関係では、文化財保護体系推進会議座長や奈良の仏像海外展示企画委員会委員長など、奈良の文化行政に深くかかわってきておられます。また、事情としまして、大変立派な方でいらっしゃいました菅谷前所長から、体調不良を理由として5月末をもって所長職を辞したいという申し出がそれ以前にありましたので、後任を探しておった事情がございます。
NAFIC卒業生の開業について
知事:
NAFICの卒業生の1期生、2期生が開業いたします。1期生でもカフェなどを開業されている方はおられましたが、1期生の優秀生、芝田秀人さんが、曽爾村の村長の息子さんですけども、文字どおり森のオーベルジュレストラン、宿泊施設を備えたレストランを曽爾村で開業されますので、ご紹介をさせていただきます。また、塚原都充(つかはらさとみ)さん、2期生ですが、カフェを明日香村岡で開業されます。資料がついていますのでご参照ください。
発表は、以上でございます。
司会:
ありがとうございました。
それでは、どちらでも結構です。発表案件につきましてご質問ございましたら、よろしくお願いいたします。
質疑応答
橿原考古学研究所長の就任について
NHK:
橿考研、青柳さんの就任の件について、今、略歴のご紹介もありましたが、どういったところを今回、奈良の文化行政に期待されているか、ご期待のところをお伺いします。
知事:
期待ですが、とにかく青柳さん、すばらしい方で、橿考研もやはり日本トップの考古学の研究所ですので、ご興味を持っていただいて、来ていただくのはありがたいことだと思います。橿考研の業績をさらに伸ばしていただけると思います。また、発信力がおありですので、奈良の考古学の研究、また文化財の発信が一段と進むと思っています。これから仲よくさせていただきたいと思います。菅谷さんもよくやっていただきましたが、青柳さんもまた違う意味でご活躍願えるように思っています。
NHK:
橿考研のこの就任人事ですが、選定にあたって何か考えられた点というのはあるんでしょうか。青柳さんを選ばれるにあたって、そういったところは何かあったんでしょうか。
知事:
県の組織の所長でありますので、いろんな、しかも専門性の高いポストでありますので、いろんな人がうまく出てこられないと困るわけであります。しかし、比較的自由に考えられるポストでもありますので、そのような中でたまたまというふうに思いますけども、青柳さんの橿考研へ行っていいよというご希望もあるということを職員が聞いてきまして、それならばというふうになったという経緯でありますので、ご縁があったというふうに思っています。
産経新聞:
これまで橿考研の所長というと、がっつり考古学の人、考古学の専門家という印象があったんですが、青柳さんの一番代表的な肩書は美術史家です。イタリアのポンペイで遺跡の発掘をされているということはあるんですが、国内での発掘の印象があまりないんですけれども、その狙いというか、美術に強い方を……。
知事:
国内の発掘の経験がなかったらいけませんか。
産経新聞:
いや、経験はあります。
知事:
いけないことはないと思います。それと考古学者ですよ。美術史とおっしゃいますが、そうレッテルつけるわけにもいかない人だと思います。青柳さんの本を読むとね、土を掘っていると頭がよくなるというふうに言われたので、どうしてよくなるんですかと聞いた。土を掘ると頭がよくなる、みんなで土を掘りましょうかといった、おもしろいことを言う人だなと思いましたけどね。考古学のイメージは、土を掘っているというイメージだと思いますが。
産経新聞:
美術にね、たけた方を選定されたというのは、何か狙いがあるんでしょうか。
知事:
特に狙いはないですね。青柳さんはとにかくスーパーマンですから、そういう方が橿考研へ来ていただくことはすばらしいと思います。文化庁長官時代もおつき合いがありましたし、いろいろ考えておられる。経歴としては近代美術館長をされていますので、美術史とおっしゃったと思いますが、私の履歴書みたいな感じの話を聞いてみますと、最初は美学を志された。美学だと哲学になるんだって、東大の美学は。だから哲学っていうのはちょっと浮いた感じになるので、美術史のほうになると。美術史、西洋美術史になると考古学に近づいてきますので、ギリシャ、ローマ、それと日本で掘ってられないかな、調べればどっかで掘っておられるかもしれないと思いますが、ギリシャ、ローマで、特にポンペイを掘りに行っていて、ポンペイで掘って随分貢献されたのは有名です。あとはギリシャと中央アジアでも掘っておられるんですよね。だからその掘るという意味の考古学者らしさは随分ご経験があるように思いますね。また、東大文学部長をされてましたので、ご存じだと思いますが、とても幅広い方ですね。現場も持っておりますが、幅広い人は所長として望ましいように思いますけどね。まあ人のご縁だから。
読売新聞:
関連なんですが、知事は文化財とかその研究分野の活用ということを常々おっしゃってますけれども。この青柳さんとは、これまでにそういうお話とか、そういう知事のご要望というのはお伝えになっているんでしょうか。
知事:
最初のおつき合いから、文化資源学というのが出てきましてね、文化資源学。活用一辺倒じゃないんですけど、青柳さんと何度も話しして、ユネスコの文化財の保存の動向も詳しいですね。その動向、ご本尊が変化してるんですね。ご本尊はこうだと決めると、日本はそのまま古いご本尊を信仰する傾向があるのですが、ご本尊が変わってきているのをずっとフォローされてましたね。ご本尊が弾力的になってきたということをおっしゃってました。
文化財の保存と活用というのは、日本もいっとき凍結保存、そのままでした。凍結保存は、僕に言わすと多少木材の文化財というのは自殺行為なんですね、厳しい。凍結保存というのは木が朽ちても何も手を入れないということに通じる考え方で、それじゃなかなか日本の文化財は保存できないというふうに思って、日本の文化財研究者は西洋の文化財保存活用の人たちに、木の文化財の意味を随分説明して、最初の成功が法隆寺ですね。法隆寺に原木はどのくらいあるのかとユネスコが聞いて、2割ぐらいかなと。補強したり、建造当初からある木材というのは2割程度しかなかった。それでも世界遺産に登録されるのはすごく革命的な論争があったわけでありますけれども、それは補強したら凍結保存とまたちょっと違うわけなんです。補強保存ということの考えが木材では欠かせない。
ユネスコはパリにありますけども、ローマの人たちの、石ころが転がってればそのままさわってはいかんというのが凍結保存ですけども、それを上に、もとあった場所に置くというふうなことを、最近ではしています。それはトレーサビリティーという、このようにしたということを証明さえすればいいんだというふうにユネスコの本部が変わってきた。それを青柳さんが、変わってきてるよと、活用こそ保存の主流だというようなことになってきたということを言っておられたというふうに記憶しています。そのようなこと、文化庁長官時代に文化庁での講演でおっしゃっていたのを聞いたことがありますので、それはいい考えじゃないかなと私は思いました。だからといって今回につながったわけじゃありませんが、そのようなお人柄といいますか、考えの人だということをよく存じ上げておりました。
もし凍結保存派がまだ跋扈しているようでは、それは間違いだなと私は思います。無形でもそうですけど、無形の凍結というのはないですよね。こういろいろ見たり再現して保存されるものが無形文化財ですから、そのように世の中変わってきているといいますか、意識が変わっている。というのは、よくユネスコ大使だった近藤誠一さんが言ってたんですけれども、西洋は石の文化だから、石の文化は朽ちないからそのままでいいんだというのがもう圧倒的だから、木の文化というのは見向きもされない、値打ちがないというふうに言われてきたと。その中で法隆寺が通って。日本は木の文化財が多いですけれども、西洋が木の文化財を見直したのは、海に沈んだバイキングの船が出てきて、何百年前かのバイキングの船は、これ文化財かと。こんなにもう形もないような文化財かというふうにいって論争になって、文化財にしようということで木の文化財がやっと見直されかけたというふうに述懐され、まだまだですよというようなのが西洋の文化財保存の保守的な人との対決というふうに思います。
日本はそんな保守的な人に依拠することはないと私は思います。その中で、ユネスコ本部にも行ったことあるんですけども、知事になってからですね。大極殿の保存の仕方というのは、ボッカルディという日本の担当の部長がクレームをまだつける。もうでき上がってもつけてたんですけれども、あれは昔のままじゃないです。昔は掘っ立て柱で瓦を置くだけだから、今の日本の建築基準法ではそういうのは人が入れない、実物大模型で見るだけというふうになるんですけど、それをやめて入れるようにするには、鈴木嘉吉さんの発案か何かで免震構造、掘っ立て小屋仕様だけども、下で免震があって耐震性を維持できたので天皇陛下も中に入っていただいたという経緯があります。ボッカルディはおかしいじゃないかと、あんなのは文化財保存と言わない、復原と言わないと、こう言った。いや、そうなのと言ったんですけど、その横にいた女性の課長がね、それだって復原とも言えるんだと。同じユネスコの中で、このようにしたということさえトレーサビリティーを、トランスピアレンシー、透明性とトレーサビリティーを言っとけば、それも復原と言うんだというふうに、新しい考えをユネスコの職員から初めて私直接聞いたので、ああ、ユネスコも場合によっては変わってきているのかなと思った経験があります。もう10年も前です。
だからどんどん、やっぱり文化財というのは大事ですから、その保存の仕方というのは変わってきているというふうに思いました。青柳さんはもとから弾力的な人でありますし、そのような潮流をフォローされている方ですので、新しい文化財の保存の仕方というのをまた実行していただけるんじゃないかというふうに思います。活用一辺倒ではない方であります。ちょっと長くなりましたが、そのような見聞といいますか、お話、経験がございます。長くなりまして。
毎日新聞:
知事は先ほど、青柳さんについては発信力のある人で、文化財の発信が一段と進むことを期待とおっしゃいましたが、もちろん文化庁の長官されているという部分もあって発信力ある人ということにつながってくると思うのですが、もう少し知事がどういうように思われて発信力がある人というようにお考えなのでしょうか。
知事:
疑っておられるわけではないと思いますが、発信力は、1つは世界的な発信力という意味の発信力があると思います。世界的に著名だと、だから仲間が世界に多いということは、大きな発信力ですね。奈良の文化財というのは、奈良の仏像が世界に行こうというのは、奈良の文化財が世界で認めてもらえるレベルの文化財ですが、我々の自意識が、自覚がなかったかもしれないですね。奈良にいる我々、奈良の文化財の値打ちの自覚がなかったかもしれない。それは世界に行くとどういうように評価されるかというのを、仏像だけではなしにいろんな文化財を世界との交流の中で結果的に発信される。だから発信の意味は、そのように交流の中で発信力が増すというのが私の考え方です。そういたしますと、思い込みを宣伝するのではなしに、向こうに発見してもらうというのが大きな発信力のもとになります。
日本の発信力そのものもそうですが、その値打ちをどのように自覚するかというのは、相手との交流でないとなかなかわからないですけどね。相手がどんなものを値打ちがあると思っているのかということがわかると、あんな値打ちよりもこちらのほうが値打ちあるじゃないかということは、比較するとわかりますよね。文化財の値打ちは比較じゃないかなと思いますけどね。その比較できる仲間とかケースをたくさん持っておられる方が発信力があるというように私の定義では思うところがありますので、だから抜群だと思います。
毎日新聞:
青柳さんは知事と同い年で。大学も一緒で、卒業は一つ先輩になられるんですかね。何かもともとから交流があって、今回の話も何か知事から一本釣りしたみたいな要素があったりするのでしょうか。
知事:
そうでもないですね。経緯は、思い出せば、青柳さん、橿考研に来てもいいと言ってるよというのを聞いたのから始まったのですけどね。
毎日新聞:
それはいつぐらいに聞かれたんですか。
知事:
今年に入ってからです。今年のいつごろか、年の初めではなかったと思います。職員に打診してもらって内諾を得たのが5月末ぐらいですが、それは菅谷さんが5月末で退任ということになって、病気になっておられたので、できるだけ来てもらうということであったのですけども、本当に来ていただいてたのですが、もう来れなくもなってきたという情報が入って、退任届が出たということで、後がどうなるのかなというようなことは当然考える中で、そういう状況を青柳さんが知っておられたかどうかはよくわからないですけども、職員から、青柳さんが橿考研の所長だったらというような言い方のように伝わってきましたので、橿考研というのはそれほど値打ちがあるといいますか、考古学の研究所の中で非常に日本のトップではないかと私は思いますけれども、そのようなことを思っておられるのかなというように、その言葉遣いで思ったことがあります。本当に来てもらえるのかというようなところで打診に行って、事情が許せばということだったと思いますけど、5月下旬にはそのような話があったというように聞いております。だからそのようないきさつで、こちらから誘ったことは一度もありません、直接どうかと言ったことはいまだにありません。
毎日新聞:
国立美術館の理事長などをされていると思いますが、ほかの仕事ですね。橿考研の所長になられるに当たって、そちらのお仕事はどうされるみたいなことは、話を聞かれてますか。
知事:
何かバッティングするようなのものはやめられると思いますけども、一緒に併任されるのもあるように聞いております。どのようなことを併任されても、こちらの業務に差し支えなければいいかというように思っております。このような方、人気者ですので引っ張りだこじゃないかと思いますけども、橿考研の所長だったらいいよとおっしゃったということは、その値打ちがあって、やる気が十分おありになるのではないかというように思っております。常駐というわけにはいかないと思いますが、所長としての勤務が十分できるようなことを、勤務の状況ということは考えております。非常勤嘱託職員という立場になりますね、所長として非常勤嘱託職員。
毎日新聞:
任期ですが、とりあえず来年の3月末ということで、引き続き再任もというお話ですが、来年の3月末というのは何故ですか、菅谷さんの任期を引き継いでいるという理解ですか。
知事:
いや、それでもないと思います。菅谷さんの任期は、退職されたのだから5月末で終わっていると思います。
毎日新聞:
そうすると何か意味があるんですか、来年の3月末には。
知事:
年度で、有期契約だということだと思います。有期だから、入ったら年齢まで、何歳までいるというのではなしに、年限を切って有期の雇用契約ということなので、来年3月、あと再任妨げないということは、また1年ごとか。
担当課:
1年ごとに更新です。
知事:
1年ごとの非常勤嘱託職員ですので、この8月1日だったら1年、1年でもいいんですけれども、年度末ということで、年度でこれから切っていきましょうということで、来年は3月、年度末。その次は、また1年の有期になれば、1年間というようになる予定です。
毎日新聞:
わかりました。
朝日新聞:
今のお話は、菅谷さんも同じように年度で切ってやってたのですか。
知事:
退職年齢に達してからは、そうだったのかな。
担当課:
はい、所長としてはそのように。
知事:
退職年齢に達しますと、その後の雇用の形態というのは、そのように有期の契約になる場合も多いと思いますので、菅谷さんもそうだったということですか。
担当課:
はい。
知事:
菅谷さんも退職年齢過ぎてからも所長としていていただきました。
共同通信:
非常勤嘱託職員ということですが、勤務は週どれぐらいの出勤をされるイメージですか。
知事:
個人の名前を出して恐縮ですが、県立大学理事長の北岡さんが同じような立場の県職員です。北岡さんも忙しい方なので、県立大学へ常勤ではありません。物を決めていただく必要があるので、会議をします。奈良に来て私と一緒に会議をすることもあれば、東京での会議もあります。東京の会議の割合のほうが多いかもしれません。だから東京での勤務で会議はあると思います。
今度の青柳さんの場合も、橿原での勤務日もあるし、東京での勤務日、会議を設定して出勤してもらうことを考えてます。東京の場合は、東京事務所で会議をすることになります。これまでに北岡さんは東京事務所で会議をしていますし、私が出席した会議も何度もしました。そのようなことも便宜的にしないといけないと思っています。
どのぐらいの割合になるかは、青柳さんのほかの勤務状況によると思います。だからそれにより実質どのくらい出勤をしてもらうか、ということになります。報告と会議で出勤ということです。非常勤嘱託職員ですので、毎日でなくていいと思います。何日来ないと、という仕事内容でもないので、案件を決めて会議をし、所長の意向を確認することが基本だと思います。こちらに来ていただいていてもそういうことになりますので、こちらでそういう会議をやるか、東京で会議をやるか、ほかで会議をやるかということになると思います。特に精力的な方ですので、バイタリティーあふれる活躍をしていただけると思います。
考古学の世界、いろいろ進展していますので、新しい流れに沿ったいろんな活動を橿考研でしていきたいと思います。橿考研が主流になって今やっていただいている大きなプロジェクトの一つが「出雲と大和」です。来年1月から東京で展覧会をします。
それから、これは橿考研ではないですが、青柳さんが参加して、奈良の仏像海外展示企画委員会の委員長をしていただいております。委員会には日本の仏像の海外展示のキーパーソンである文化庁の奥さん、根立さんという方がいらっしゃいます。この二人がいないと仏像は動けないような人たちですが、その人たちが入った委員会があったからこそ、奈良の仏像が海外展示に行ったと思います。青柳さんはそのような人たちと仲間ですので、その会議は、また引き続きしばらくやっていただくことになると思います。10月の大英博物館の展覧会、その後も奈良の仏像世界展示、奈良の文化財の世界発信というテーマがあります。そのため橿考研の所長以上の役目が奈良の仏像の海外展示の委員長ということでもあります。そのような役職はより頼みやすいと思いますので、そのようなこともお願いし続けさせていただきたいと思っています。
産経新聞:
ということは、基本的には東京にお住まいになるということを続けるということですか。
知事:
関東ですね。
産経新聞:
何かあったらそこから通うということに。
知事:
そうですね、何かあったら、また何もなくても通われると思います。世界の仏像海外展示でも割と頻繁に来ていただいていました。第一応接室で会議しますが、よく来ていただいています。
そのような、会議のついでにももちろん来られますし、橿原でも来られますし、北岡さんの場合もそうですけども、非常に的確なご示唆いただきますのでありがたいと思っています。
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NAFIC卒業生の開業について
NHK:
NAFICの件について少しお伺いします。今回2名開業されたということですが、これまでに既に開業されていた方含め、今合計としてどれぐらいの開業者が誕生されているのか教えてください。
知事:
最初の開業は、第1期生の卒業生で、下市町丹生川上神社 下社のそばで、60過ぎの女性が開業されました。
それはこういう形での報告ではないですが、いろんなところでご紹介させていただいています。本来の目的に沿った開業でとてもありがたいです。
それから、下市で開業された人は、ちょっと店移られたか閉められたかと聞いておりますが、私どもにとっては奈良県内での開業が出始めたというニュースです。あと、東京に勤められている方も、もちろんおられます。全体の就職状況ということになりますが、おいおい発表資料としてお伝えしたいと思います。
今回たまたまこの開業が今週の7月11日に開店されるということで、この機会を捉えて発表させていただきました。山の上の本当のオーベルジュレストランということで、一日一組限定で完全予約制というと随分凝ってるなと思います。芝田さんはNAFICの1期生の、首席とかそういう表現はありませんが、リーダーでした。
NHK:
こちら今回2名開業されるということですが、これまでの開業含めて、少しずつNAFICの成果といいますか、芽が出てきているということですか。
知事:
県内の展開でですね。もう芽が出てきているというか、展開をし始めていただいていると思います。
NHK:
あと、つぶさに把握していなくて大変恐縮ですが、これまでも定員割れの問題があったかと思います。今年度についての状況はお伺いしていませんが、今年度についてはどういう状況になっているのか。
知事:
今の時点では、数名申し込みがあったと聞いております。
いままでいろいろ知られてなかったことと、募集についてのテクニックが十分でなかったと担当は反省しております。これから知られてくると評価どおり定着してくると期待をしております。
内容について、最近「月刊専門料理」という雑誌に紹介されました。また後でコピーを渡してもいいけども、NAFICが「専門料理」というのに紹介されて、その中で在学生、卒業生が、なぜこの学校に来たのかという質問で、1人に1台調理台があるという大変ぜいたくな仕組みがあること、それと個人個人に教授をしてもらうということがとてもよかったと掲載されていました。
それと調理学校だけでなく、これは平松さんのセンスですが、経営を学ぶ、だから経営とおもてなしの仕方、ホテルとかレストランをつけて、そこでこの(オーベルジュを開業される)芝田さんも、前で料理を運んだりされてましたので、経営を学べるのがよかったと、述懐されています。
それと、アグリマネジメント学科との併設がいいことも言われていました。農業のことを学び、その中のインタビューを受けておられる一人に、アグリマネジメント学科に2年間在籍し、その後、フードクリエイティブ学科に再入学された生徒さんがおられます。この人は農業のことを知って、その農業のことをテーブルに生かす、ファーム・トゥ・テーブルという基本コンセプトを答えておられたので、ぜひ読んでいただくと、なぜここを選んだかの値打ちをよく見ておられると感じました。後でコピーをお渡しいたします。そのようないいところが知られてくると、もっと申し込みは出てくるというふうに思っています。
できれば宣伝してくださいよ。あんまり宣伝しないでしょ。一応お願いしておきます。
司会:
それでは、その他の案件も含めましてご質問ございましたらよろしくお願いいたします。
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奈良市庁舎耐震化に伴う移転について
NHK:
奈良市庁舎の耐震問題の件で、まず前提として、積水化学の跡地、去年協定も結ばれて、商業施設などの整備に向けて協議を進めていくという話でしたが、まず今、実際の交渉状況はどうなっているのか、確認をしておきたいんですけれども。
知事:
奈良新聞にはよく出るんですけれども。奈良新聞を読んでいただくとよくわかると思いますが。
NHK:
改めて伺っておきたいなと思います。
知事:
読まれた上で、それ以上のことはあまり僕は奈良市の事情というのは知らないけれども、ここで前回はそのときの思いを申し上げた次第ですけれども、反響がありまして、市議会から、じゃあ全員協議会や議員全部で招いて話をするようにとお誘いがありました。この11日木曜日の午前10時から約2時間程度、荒井の意見を聞こうという連絡がありましたので、その準備をしております。比較した資料をつくって意見を申し述べたいと思ってます。最近の出来事というのはそのようなことですね。
その決定自身にかむことはもちろんないんですけれども、民主主義ですからいろんな情報を議会の中でとっていただいて、情報をできれば将来の奈良市のために役立つように処理をして決定していただくのが願いですので、別に自分の意見をとれとかということは指示もしていませんので、参考意見ですよということになります。私の周りに来る情報から、私の立場というと、そういうことになります。
NHK:
改めてもう1点確認させていただきたいのは、11日の件もありますし、比較の資料を持っていかれると。一部県の職員もご協力されているのかどうかわかりませんけれども、それは最初知事が、市庁舎の問題は市のことですからとおっしゃられたと思うんですけども、公務としてやられているのか、個人としてやられているのか、どちらでしょうか。
知事:
これに行くのは、知事として招かれると思っています。知事の権限というのは、権限とか責任はいろいろありますけど、公人として行かないと、そこの市民が来たら声を聞くよということではなしに、その申し越す中には県の支援の具体的な提案のアイデアも盛り込む予定ですので、私人としてそういうことは言えない立場になりますので、県の知事としてそのようなアイデアがありますからといって提案しようかと思っています。
支援の措置、それはほかの市役所の移転、高田とか五條とか、まちづくりの観点からやっている支援の内容ですので、県としてできる内容はこのようなことがアイデアとしてありますよ、ご考慮してくださいという立場のことを言います。これは県知事としてしか言えないことだと思いますので、公人か私人かというよりも、公人であることは間違いないと思います。
NHK:
今、知事のご発言で、県の支援となるもの、具体的なアイデアを述べるとおっしゃってます。前にも県の公社で買い上げて貸し出すことも考えるとおっしゃってましたけど、11日のときにはどんなアイデアを述べられるつもりですか。
知事:
中身、気持ち。
NHK:
中身の気持ちとして、はい、そうですね。
知事:
中身はそのときに、奈良新聞に聞くなりしていただくのがいいと思いますけれども、また情報は漏れると思いますけれども、事前に言うことはないでしょう。今、作成中です。
また気持ちという点では、県の立場を、特に奈良県は奈良モデルで市の庁舎の建てかえも含めて施設について、ファシリティマネジメントという観点でしておりますので、融通をしてやりましょうということですので、そのことも含めて聞いていただくのはありがたいことだと思います。耐震改修のみありきじゃないでしょうねということが一つのポイント、それは皆さんの立場からもポイントになると思いますね。耐震改修ありきでいいのかという声も当然あると思いますけれども、そのような立場の意見ということになると思います。広くいろんな意見を聞いていただくのは、民主主義的でいいんじゃないかなと私は思っています。
産経新聞:
関連なんですけども、仲川市長が前回の知事の発言を受けて、トップ会談が先だみたいなことをおっしゃられたと間接的に聞いているんですけど、仲川市長から知事に対して何か働きかけはありましたか。
知事:
直接はないんだけどね。
産経新聞:
ないんですか。
知事:
直接はないけど、副知事のところに会談したいという申し込みがあったと聞いています。何かこれも奈良新聞で、当時はその後のほかの新聞も出ましたけれども、市議会方面から知事と会談しろよと促されておられるという記事もありましたし、会談したいという意向もありました。そのときに、ここで言った話かもしれない、そんな密室は嫌だから公開にでもと申し上げた経緯があります。その間、市議会で来いよと言っていただいたので、まずそれが先かなと思います。だからそれまでには面談はしないで、まず市議会の勉強会と思っています。
産経新聞:
その副知事を通じて申し入れがあったというのは、それはオープンの場でということですか、それとも密室でということですか。
知事:
オープンでもいいと言っておられたと聞いています。最初はそうでもなかったと思いますけどね。だけど、オープンでないと会わないよと当然副知事が返事したんじゃないかと思うんですよね、詳細は知りませんけども。そうしたらオープンでもいいと言っておられますがと報告はあったと思いますが。
産経新聞:
そうすると、それには応じるんですかね。
知事:
だから、市議会が先で、そこから応じるにしても、その先になるんじゃないかと私は思っています。
産経新聞:
その順番なんですけども、どうして先に市議会になるんですか。
知事:
当然、市議会に呼ばれたんだから、呼ばれたほうへ行くのがいいんじゃないかと私は思いますね。だって中身がどのようになるか荒井の意見を聞いてあげようというんだったら、皆の前で言うほうがいい、私の意向は私の意見聞いて判断してちょうだいねということが一番の願いですから。そしたら会談しようと。会談の中身はわかんないですよね。ぜひ教えてくださいよ、何を言いに来られるかわかんないのに、事前に会っても何になるかわからないじゃないですか、オープンにしてもね。今おっしゃるのは、先になると、先にこういう話来るから会えよというんだったら、それだったらという話はあるかもしれないけども、何を言いに来られるかわからないのに先にということはないでしょうということですね。普通の話じゃないかと思いますけどね。
産経新聞:
より多くの人に自分の考えを伝えたいという。
知事:
多くの人、とりわけ市議会にはですね。市議会の特別委員会が始まるわけですから。きっかけは、特別委員会があるよということを言われたので。もう少しこのきっかけということでは、この1月か、市議会にこの耐震の話も、市議会の一部の方との勉強会で言ったんですけども、そのときに言ったきっかけは、新年の会であったんですけども、市議会の一部の人がその席におられて、奈良市のことだから近鉄線の移設とか西大寺駅のことは関心が当然あって、近鉄線の移設どうなりましたかと、こう立ち話で聞かれたんですよね、この1月にね。
そのときに、「あれ、11月に近鉄から、西大寺駅高架化の話が来てますよ、あなた方は知らなかったの」と僕が言ったわけ。市長さんのとこは知っておられたはずなんだけど、市議会にいってなかった。11月の話が1月にいってなかった。それで、その話は来てますよと言ったら、それは、市長からは来ないから、君のほうからじかにでも説明に来いと、こう言われたので成立したのが1月の説明会なんですよね。奈良市の近鉄線移設問題についての現状ということを、それは市長に、そのように話しますよ、市議会からそういう話がありましたからといって、市議会に直接話をするきっかけになった。それは市長から市議会への情報伝達が、あれほど大きな課題であるのにいってなかったというのがきっかけでありました。そのときに、市庁舎の移転の話も大分研究が進んでましたので、市長にこの話もつけ加えていいですかということでお許しを得て、その移転の話、長期的な見通しを言った。
その長期的な見通しをそのときに入れるきっかけになりましたのは、昨年の12月21日に、移転しても、移転の施設の実施設計を2020年度まで、来年度中に着手すれば交付税措置が適用するよということが、昨年の12月21日に発表されたんですね。それを市が知って、そんなのないから現地でないといかんと、こう言っておられたのを聞いてたから、しかし、あるのに変えないじゃなしに、もう一度考えられたらというのがきっかけなんですよね。12月21日ですよ、その実施設計に着手すれば、これは十分間に合うわけですから、それなのに変えないというのは、やっぱりそういうことも変えられるかどうか検討した上で変えないというんだったらいいですけども、というふうに思ったのが、その2つですね。その2つが念頭にあるから、1月の市議会で言いに行ったわけです。
その後、そういうふうな考慮がないままのように思いましたので、この幹事さんのご質問で、耐震改修と移転建築の比較を、本当に比較をした上で決定してほしいという思いで、要は移転計画を全然市役所検討してないから、比較資料がないから市議会検討しようがないからというのが市議会の言い分ですから、だからその資料ぐらいは出しますよという流れです。
産経新聞:
仲川市長は情報をセーブしているというような、だからオープンにすべき情報をオープンにしてないと。
知事:
いや、よくわかりませんけども、11月に近鉄が言ったことを市議会は知らなかったことは確かですから、制御された結果かどうかわかりません。市長もあんまり知らなかったかもしれないから、よくわからないです。いや、その制御してるなんておこがましいことは言いませんけど、結果的に知らないまま決まってしまうと、後でわかったら誰が、皆さんも追及されると思いますけれども、みんな知らない、知らないと日本中でやるのは、普通は悔しいですよね。知った上で判断するのが民主主義でしょうと僕は思うもんだから。
しかも市議会の人が、そういう情報があれば教えろと、こう僕に言ってこられたから1月の会が成立したわけですね。今回も移転計画の内容というのは市の中で検討されてないみたいだから、そんな話があるなら直接言えと市議会の方が、行くのは別に何のやぶさかもないですからね。情報提供です、情報提供にすぎませんから。県は、いろんなほかの事例があるし、ほかの市役所移転も助けてますのでいろんな情報があるから、それも参考にされたらというのが基本的なスタンスですから。
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シャープ葛城事業所の閉鎖について
読売新聞:
報道先行で、シャープさんから発表されたわけではないんですが、葛城の事業所が八尾のほうに事業を統合されるというような一部報道出てますが、知事のほうにはそういった何か。
知事:
新聞情報以上のものはあんまりないんですけれども、だから相変わらず正式決定じゃないけどもというふうに報道されて、多分そのような意向ということは担当が聞いて、昨日か、一昨日か、何かそのようなことを、産業・雇用振興部長から私に直接報告がありました。そのときの感想といいますか、前のシャープの閉鎖があって、そのときは退職者が出ると。鴻海、台湾の会社、結局中国の会社だけど、買収したときに退職者が出るというので、奈良在住の退職者の就職あっせんをしようというので、県庁ハローワークをしようということにしたんですけども、今度は退職者は出ないというふうに聞いています。それはある面よかったねと。退職者が出ないと、奈良県がやる退職者あっせんというのはあんまりしなくていいと。
もう一つは、県外に移られることについて集約化されるということで、これはグローバル化だとしばしばあるわけですけども、県としては、その跡地をやはりまた元気な会社が来てくれさえすればいいからということで、ぜひ跡地は住宅ぐらいなるかもしれないけど、せっかく工場になっているから、工場の立地環境は葛城でもよくする計画を持っていますので、ぜひ立地環境のさらによくなるところへ工場進出がありますようにというふうに思います。
今、工場進出は勢いありますので、工場跡地であってもそのままということではないと思いますけど、そのままであればとても楽だけども、廃棄して建てかえるというような工場でもそのサイズが合えば、今まで工場活動してくれてたので、その後が出ればというふうに思います。
積水化学はあのように、あの立地だから公園になりましたし、ファシリティマネジメントはどんどんどんどん、特に郡山の昭和工業団地はパナソニックが草津のほうへ行った後も、積水化学の工場がそこに移ってくれましたし、県内の移動もあるし、県外からの移動ももしあれば、跡地利用を考えようよというふうに今考え始めています。だから移転されたのは寂しいことではありますけれども、退職者が出なくてよかったですねということと、跡地はぜひ活用させていただきたいというふうに今思っています。とりあえずそんなことかな。
司会:
ほかにご質問はどうでしょう。よろしいでしょうか。
幹事社の方、よろしいですか。
それでは、これで知事定例記者会見を終わらせていただきます。ありがとうございました。
知事:
ありがとうございました。
以 上
(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)