令和2年3月2日(月曜日)知事定例記者会見


新型コロナウイルスに対する県の対応状況について《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

司会:
 まず最初に、新型コロナウイルスに対します県の対応状況について、本日お配りいたしました資料に基づいて知事から報告させていただきます。

知事:
 本日は、いろいろご質問もあろうかと思いますが、イベントの中止、また休館状況についてまず発表させていただきます。

 イベント、行事の休止状況ですけども、先週末、2月28日現在で177件でございます。県有施設で休館、一部休館の施設は7施設でございます。詳細が次のページ以降で書いております。

 この場をお借りして県民の皆様への注意事項ということになりますが、感染の状況、飛沫感染、接触感染、空中感染、いろいろ言われておりますが、感染の経路は余りはっきりしておりません。濃厚接触などがあると感染の確率は高いと思いますので、今言われておりますような、せきエチケット、いわゆるマスクしたり、手洗いしたり自己防御にお努めいただくよう、それから感染されたかもしれない方は安静、無理せず休むようにというようなことでございます。それから高齢の方や持病のある方は重症化の傾向が強いということですので、お気をつけていただきたいと思います。

 実は、このように県民の皆様へお伝えするというのはごくわずかでございましたが、今までも順次お願いをしておる状況でございますが、直近で厚労省から3月1日版ということで、昨日になりますが、このような感染防止の注意書が届きました。これを読んでみますと、県が先ほど申し上げた内容の延長でもございますので、あわせて県からもこの資料でお願いを申し上げたいと思います。

 今までの感染経路は、不明なところも多いですけども、感染が特定される場所を多少見ますと、小規模な患者の集合、集会などが感染の場所のように思われるところがあるといった事例の報告があると思います。この最初のページの2で書いてありますような、小さな場所で1人の感染者から複数に感染するということですので、そのような場所はどのような場所かというと、換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間で、集団で集まる、記者会見場はどうかとふと思いましたけども、換気がいいというように聞きましたので、マスクもしなくていいよということでした。換気は、ドアが開いているということでしたので、風通しの悪い空間をつくらないということでございます。

 ご家庭内での8つのポイントがございます。それぞれ部屋を分けて、極力部屋で過ごしてください。感染者がおられたときは、限られた方法で、接触されないように、家庭内でマスクもおつけください。家庭内でも手を小まめに洗ってください。換気を定期的にしてください。手で触れる場所は消毒してください。リネン、衣服も感染経路になる可能性がありますので洗濯をしてください。ごみからうつる場合もありますので密閉して捨てましょう。家庭内の注意事項がございますので、私からも重ねてお願いを申し上げたいと思います。

 それから、今、不要不急の外出は避けてくださいということ、感染のリスクを少なくするという全体的な話だと思いますので、このような注意書が届きましたので、今日の報道資料の最後に書いております注意事項にあわせて、このような注意事項の伝達があったことを重ねて私からもお願い申し上げたいと思う次第でございます。

 私からのご報告は、以上でございます。

時事通信:
 新型コロナ対策ということで、政府対応に関する知事のご見解を。この間、基本方針も出され、また、異例の全国一斉の臨時休校の要請というのもありましたが、このあたり知事のご見解をお願いします。特に臨時休校については、結構地方から反発の声もありますが、いかに思っていらっしゃいますか。

知事:
 政府の対応方針、2回総理会見がありましたけども、そちらへの所感ということでございますか。

 一言で言うと、私はおおむね適切だったと思います。なぜかということですが、コロナの感染防止をどうするかというテーマでございます。今まで見るところ、感染経路が不明確、はっきりわかってないということと、ワクチンが未開発ということで、用心するにこしたことはない状況だと私自身は思っております。感染経路の分断、封じ込めというのが基本的な対応になろうかと思います。私は水際作戦というのはあまり効かないと思います。国内にいろんな要素から入ってきますので、今まで日本は水際でとめられるという信仰がありましたけども、これはできないと私は前から思っておりました。クルーズ船のケースがそうですけども、陸上に入っても止められるかどうかが勝負だと思っておりました。

 感染経路でございますが、動物の経路と比較して悪いですけども、豚コレラは地上で今うつっております、だから地上戦になります。中央の長野か岐阜から広がって、それを地上でとめるという地上戦の戦いに今なっております。鳥インフルというのがありました。鳥インフルは空から来るので、比較するのは悪いですが空中戦でありまして、どこでふんを落として、どこの鳥が、鶏が感染するかわからなかったということです。

 今度のコロナは、それと比較して悪いですけど、人媒体でありますので、これは空と地上の両方になってしまう。人は空を飛んで飛行機でおりる、そこから地上を歩くというパターンですので、鳥とか豚などよりもなかなか相手が手ごわいと思います。空中戦と地上戦と両方しないといけない。ですから、空中戦というのは、今どき来るなと、あの地域から、中国から来るなと、こういうようなのが空中戦の一つのパターンですけども、地上に来たときは、その地域を封鎖するとか、交流をとめるとか、激しいのはそのような地上戦になるわけですけど、塹壕戦みたいになるわけですけども、日ごろの生活を維持しながらというのはなかなか難しいことでございます。

 発生状況を見ると、どこで発生するかまだわからないので、先手でやるのにこしたことはないと私は思っております。今、比較的成功しているのが台湾の事例です。台湾の事例を勉強するようにと今朝も指示しましたが、台湾はSARSで随分死者が出たという反省を踏まえて、今、先手対応されています。多分、韓国と随分違うのは、台湾があまり発生をしていないということですけども、学校の休校もガイドラインを作って明確な休校方針を政府で出されております。そのような台湾の成功例が今のところあります。

 日本の制度は、学校の休校ということでいろいろ混乱があると言われて、先ほどいろいろ聞きましたけれども、それほどでもないようなご報告でありました。後でまたご質問あれば報告いたします。そのような、おおむね適切かというように思いますが、日本のやり方はまだ脆弱だと思いますので、このような事態に対応する法制が日本で整備されてない。非常事態法制というタイプの法制ですけども、憲法改正まで要りませんですが、外国に出かけるよりも国内での非常事態の法制を整備すべきだと前から思っております。国内の災害、あるいはこのような感染症の場合などの非常事態法制が整備されればいいなと思っております。国への要望というのはそのようなことで、非常事態法制を整備されたらいかがですかという程度であります。そのほか、政府の対応はおおむね適切、むしろ台湾の例をとりますと、後手に回っているという説もありますけど、後手かどうかわかりません。そういう評判、評価ではいけませんが、では後手か先手かと、どちらかというとこのような不明な敵に対しては、先手で用心するにこしたことはないというのが防御の基本だと私は思っております。以上です。

時事通信:
 台湾の事例が非常に良いということをおっしゃっていましたけども、どういったところを評価されていて、どういったところを勉強されるように事務方にはおっしゃったのでしょうか。

知事:
 一つは先手でやったと。このような緊急事態でのトップの対応がすごく早かったと言われています。蔡英文さんの対応、トップの対応がとても早かったと言われています。これはトップの気迫が大事だということが一つあります。それと具体的な指示が出ていること。学校の休校、閉校も国がガイドラインを作って、それを指示して、例えば感染者が1人出たら休校とか、そういうガイドラインが国から示されたと聞いております。詳細は知らないですけど、日本のペーパーの記事でないから、スマホのニュースで検索したら出てきたので。今、新型コロナのランクがあります。そこをずっと検索するとそういうニュースも出てきていますので少し知ったということでありますけれども、その程度。そのほかもいろいろありましたけど、特に具体的な学校の休校のガイドラインを示されたというようなことと、トップの動きがとても早かったというようなことが印象的です。

 結果は、今、感染の伸び率がもう極めて違うと、低い、抑えられているという成果につながっているというように評価されていますので、やはりそういうことも影響するのかなという、後手はだめだということですね、私が言うのは、先手でやると。何もないときに危険信号を鳴らすのがとても政治的にも勇気の要ることですけども、このような場合は、後で言うのは容易いけども、常に先手が大事だと思います。

朝日新聞:
 県の相談窓口には、今のところ何件ぐらいの相談が最新状況で寄せられているんでしょうか。

担当課:
 2月27日現在で、一般の相談が2,852件。そしてもう一つ、帰国者・接触者相談センターがございますが、こちらにつきましては2月末時点で439件となっております。

産経新聞:
 両方とも2月27日まで。

担当課:
 相談センターのほうは2月29日までです。

朝日新聞:
 これは伸び率というか、どうなんですか。先月の、もう2カ月前か、1月末に奈良で見つかった時はガッとふえて、その後、落ちついてきたとかあるんですか。

担当課:
 第1週は、確かにぐっと伸びまして、その後、少し落ちついてきておりましたけども、先週、先々週でまた少し増加しています。

朝日新聞:
 では、相談の主な内容というのを、主立ったものを教えてください。

担当課:
 こちらで把握しておりますのは、最も多いのが、相談に関する項目では、自身や知人等の感染に関する具体的な内容、旅行者への対応等に関する内容といったようなご相談が多いというように聞いております。

朝日新聞:
 もう1件追加で、知事にお聞きしますが、この前、ホテル・旅館組合の方々が、観光業に打撃が大きいので、行政から何か支援をしてくれないかというので、要望書を出されていたと思いますけども、それについて知事のご所見は。

知事:
 観光業、あと目に見えないんだけど、製造業、奈良県ということではないけど、ネットワーク経済体制になっていますので、武漢の工場を閉鎖すると生産ラインが止まってしまうというようなことで、観光は目に見えた形で、それは奈良だけではなく、全体的に出そびれというのがあると思います。それが経済に打撃があるというように思います。奈良でもキャンセルが多いということは聞いております。コンベンションセンターはまだキャンセルはないですね。延期はあるけどキャンセルはないんですけども、宿泊はキャンセルがある。宿泊も、延期しますということではなく、延期で来られる人もいるかもしれないけども、今、把握できるのはキャンセルという形であります。永久に来られない方もおられる、永久って変ですけど、しばらく来られない方もおられると思いますけど、延期というのは普通あるパターンで、今は底を打っている。しかし、また戻るというのが観光需要の特色ですので、業としてはしばらく我慢ですねというのが基本的な姿勢だと思います、しばらくは。

 しかし、かつかつで営業しているから我慢し切れないよという方には金融支援というのはあると思いますが、支援の仕方というのは、こういう場合の支援の仕方というのはなかなか難しいと思います。これは地域だけではなく、個別の業というだけで、個別の業だと影響を俺も受けたという方はたくさんおられますので、個別の業をピックアップして、あんた困ったでしょうというような手法がなかなかとれないと感じておりますけど、国全体の経済成長とか、周りが悪いと成長が低下しますので、それをどのようにするかというのは一つの大きな課題であろうかと思います。国も考えておられるようですが、なかなか手としては難しい面もあります。とにかく感染をやり過ごさないといけないというのが当面の最大の課題であると。経済的な影響を増大させないためにも、それが一番、もう過ぎたということがわかるまでは、やはり経済が停滞すると思いますので、まず第一の課題だと思います。そのときに、後日救済といいますか、大変だったねと、震災では復興というステージになりますが、このような場合に復興というのか、後日救済ということの手も普通はありますけども、この当面救済という手はなかなか難しい面があるのかなと感じております。

 金融救済が、もし金融ひっ迫で救済があれば、その手はありますよということではありますけれども、どのような救済が望ましいかというところがなかなか議論が深まらない難しい面があろうかというようには、業者の方も感じておられると思います。

NHK:
 先ほど最初のお話の中で、休校に関して混乱はそれほどでもないと聞いていらっしゃるというお話がありましたが、もう少し詳しく教えていただけますか。

知事:
 僕は教育委員会から今朝報告を受けたんですが、どんな混乱ですかと聞いたわけです。教育委員会は、教育現場の混乱があるかどうかということのようです。校長先生がどう対処していいかわからなくて混乱されているといった印象を受けました。その程度かということを確認しております。具体的な混乱の様子があれば教えてくれよと言っています。今のところは、他(の市町村)はどうなってんのということを問い合わせに来られるという混乱のようです。それは混乱と言わないでしょうと、僕は言っています。

 家に子供さんがいるのでお勤めの方などはちょっと困るということですので、これは先ほど確認しました。預かり保育というのがありますが、朝から学校で預かりの方向で現場にお願いをすると教育委員会の次長がおっしゃいました。まだお願いされてない、本日中にお願いをするとおっしゃいました。現場の管理事務の責任は校長先生にあるんですよね、公立学校ではね。私立学校は、中のガバナンスによりますが、校長先生や理事者に分かれているかもしれませんけれども、預かり保育という、学童保育、放課後児童クラブのようなことがありますが、文科省から、学校の先生も暇になるからとはおっしゃっていませんが、時間があるから学校で預かり保育のようなことを手伝うようにという指示が出たようです。それを受けて、朝から学校でも預かる方向で、学校にお願いすると今日聞きました。

 今日中にお願いするということですので、学校の方で時差があると思います。うちはあしたからでもいいよという学校もあると思いますし、今週はだめだという学校もあるかもしれませんが、学校に朝から連れてきてもいいよという方向で学校が対応される。で、学校の先生も預かりをして、放課後児童クラブの担当者にもなられるというように動いています。それを先ほど一生懸命確認いたしました。これが一番大事じゃないのといって確認いたしました。

NHK:
 わかりました。では、特に低学年の子供たちが、親が働いていると行き場がなくなっているという、それに対しては各学校でなるべく対応してもらいたいと。

知事:
 というふうに要請すると、教育委員会がおっしゃいました。どうするのということを、国の動きもありますが、週末を挟んでいましたので、国の動きが伝わっているのかどうか私から確認いたしました。放課後児童クラブというのは学校外の活動ということで、場所が違うこともありますが、学校でも預かるということを、その方向でお願いするんだということを教育委員会の次長がおっしゃいましたので、その点はご報告させていただきます。これは私から見るととても大事なことだと思っていましたので、そのようなご報告をさせていただきます。

NHK:
 国の法整備のところで、国内での非常事態の法制整備をすべきだとおっしゃったんですが、具体的に今の対応だとどういったところが足りないと感じていらっしゃいますか。

知事:
 例えば、学校の休校を決めるのは総理が要請して、実際の責任は教育委員会の壁がありますので、校長先生が管理事務をされているということですが、非常事態だからもう少し直接の要請権限を強くするというような法制があればね。日本は不思議なことに、要請すると現場が動いてしまうので、要請するときの法制があると手続がはっきりするじゃないですか。今突如言い出したと言われていますが、これは推察なんですが、国で政治家が文科省に言うと、教育委員会がうんと言わないのでだめだと、こういう官僚の抵抗が予想されると私は思います。そんなこと言ってられる場合かといって私が要請するということになったような気もするんです、推察ですが。

 法制があれば、国が、非常事態の責任者は普通は総理大臣になるのが通例であると思いますが、要請するとそれに従う、その手順が明記される。非常事態法制は手順が明記されるというのが大きいと思います。今、手順なしでの要請だから混乱があるとかと言われるんで、手順があれば随分違うと思います。

 非常事態はいろんなケースがあると思いますが、今回のケースは例えば非常事態としてもいいかと思いますが、そのような場合には、非常事態法制があれば手順が明確にされるというのが一番大きなことだと私は思っています。

時事通信:
 先ほどの学校一斉休校に関連して、県庁の職員の方にも子供さんが幼くて、ひとり親家庭か共働きかということもあると思うんですが、県庁で子供さんを抱えている職員さんが休みやすくするような工夫など、そういったことをされることはありますか。

知事:
 県庁の職員は、一つは登庁抑制といいますか、そんなに来なくてもいいですよということを促しているようになっています。これも言われているんですが、日本は、こんな事態なのにどうして会社に行くのと。通勤電車で行くのと言われているようなところがある。満員電車は危ないんじゃないのと冷やかされているような国ですから、家では働けないのというのが、これは働き方のパターンが日本独特、とにかく来てないとねというようなパターンがある。こういうときには、非常事態という観念が発生すると、来なくても生産が落ちないような働き方パターンも開発しないといかんと私は思います。

 県庁においては、来なくてもいいから、家で能率は落ちるかもしれないけれども、やっているミッションはこなしてねというようなサブのパターンを用意しとくということはあると思います。それは非常事態があるということを前提に、いろんなサブのシステムを考えるという発想につながると私は思っています。非常事態というのはないんだと、えいやあでやればいいんだと、それが一番僕はいけないケースだと思っていますので、そういうケースがあったときの違うシステムを考え、そのときは登庁しないで、みんなで集まらなくても仕事が、全面的でなくてもはかどるような、滞りがないようにするというのは大切なシステムです。

 大陸のヨーロッパのように、第一次大戦、第二次大戦、レジスタンスというのを経験しなかったですよね。一部の党派ではレジスタンスを地下活動で経験されましたが、レジスタンスという活動がなかったから、サブのシステムというのはあまり、サブのシステムは見えないから、あるかもしれないんだけども、闇のシステムと同義になっていた。明確なサブのシステムというのを確立しないといかんじゃないかというのが私の持論です。

 それは、通勤で満員電車に乗らなくても、その会社の生産性はそんなに落ちないシステムをそれぞれの組織で開発できたらと思っています。県庁は、なるべくサテライトで働く、自宅で働く、あるいは個別の業務の個別のミッション性を確立していないと、そのようなことはできないですよね。なかなか難しい面がありますが、日本は会議をして始まるような業務遂行体制ですので、皆さん(=報道機関)は割と分散的・分離的にされていますので、どんな事態でもとにかく毎日、新聞を発行されるすばらしい組織だと思いますが、そのようなことを見習って分散的に組織が動けばいいなと思います。県庁では、自宅で待機されたりということは抑制的にしてもらうようにお願いしていますのと、出てくるときの子供の預かり場所というのは一つの課題でありますが、具体的にお困りになることの相談を受けて、それではどうされますかと具体的な相談に乗るということになろうかと思います。

 昔、県庁の中で保育所をつくろうかと、組合にこちらから提案したことがあるんですが、県庁まで連れてくるのは組合の総意として嫌だと断られた経緯がありますので、その後はあまりこちらから持ち出すことはございませんでした。しかし、こういうときにはぜひしてほしいという声がもしあれば、対応したいと思います。具体的なケースをもとに知恵を出すということの連続だと思います。

時事通信:
 今のご回答の冒頭で、登庁抑制、あんまり来なくてもいいですよと促しているようになっているというふうにおっしゃいましたけれども、これは既にやっているサテライトオフィスと、それから、あと時差出勤というか、コアタイムを設けてその前後で働くという、あれを周知したということでしたか。

知事:
 サテライトオフィスの実績が上がっているかどうかはちょっと報告受けてないんですけど、上がってない可能性もあります。まだ大丈夫だからといって通勤されてるんじゃないかという感じもします。サテライトでの数がふえたかどうかまだ報告受けてませんが、そのように呼びかけをしていると聞いております。

時事通信:
 今おっしゃったのは、それ以降の、さらに登庁しなくても働けるような体制をつくっていくということを、これからやっていくということでよろしいですか。

知事:
 そうですね、そのサブシステムをつくるというのは、もう少し大きな課題でありますので、これは非常事態のときのサブシステムということにもつながるわけですけれども、何かがあったとき、こういう非常事態があったときのサブシステムということにもつながるということと、日ごろからあまり出勤を全体的に抑制できるかどうかというのと、恒常的なのは2つあると思います。2つとも大きな課題だと思いますので、発想だけはあるんですけども、まだ検討課題というレベルで、具体的に検討を始めたとかというところまではまだ至っておりません。

毎日新聞:
 先ほど休校のガイドラインのことをおっしゃいましたが、そうしますと知事も、今回のことについてはあらかじめといいますか、国のほうでそういった休校のガイドラインというのをつくるのが望ましかったというふうにお考えなんでしょうか。

知事:
 なかなかその休校の場合はできなかったと、日本のは制度的にできなかったというふうに見立てているということであります。教育委員会制度というのがありますし、休校するかどうか、生徒を休ませるかどうかというのも、今の法制だと校長先生の管理事務の権限になっていますから、ガイドラインをつくるという権限もないという文科省の抵抗が容易に予想されますので、それを飛び越えてお願いということをされたんじゃないかなと、これは推察ですので、思っています。だからおおむね適切な対応だというのは、そういう制度の現状を踏まえた評価です。

毎日新聞:
 非常事態の話などもお聞きしていると、そういった休校のガイドラインというのを今後つくっておくほうが望ましいのではないのかなというふうに伺いますが。

知事:
 望ましいと思います。それは非常事態法制の中で処理されるのが望ましいという感じですね。もっと抜本的には、教育委員会制度は要らないんだという議論も前からあったんだけど、それはまだ今のこの時期にやるのは不適切だと思います。もとからの議論として、教育委員会制度はどういう意味かということの一つのケースとして検証されるべきで、この際、じゃあやるべきだというふうには私は思いません。教育委員会制度そのもののあり方というのは、本来的にまだもとからある、必置はどうかという議論があったのを経験していますので、それ自身は議論としてあろうかと思いますが、この際するとちょっと混乱するので、私は不適切だと思いますので、それは非常事態法制の中で教育委員会制度の壁を乗り越えられるかどうかという道がどういう形でできるのかということが、一つの課題だというふうに思います。

 緊急事態でいつも思い浮かべるのは、東北の大震災、大川小学校、校長先生が生徒に集まれと言ったら、生徒は集まって皆、水に流された。あの責任はどうなったのかといつも思うんですよね。あのときに、オーバーテイクというか、そういうことしちゃいかんよというその権限が、非常事態だからという権限があればね、校長先生の権限をなしにして、避難させろという指示者がいた可能性もあるわけ。そのような法制になってないわけです。集めろという権限は校長先生にあって、避難するなと言うのと等しい権限だった、大川小学校長がね。校長先生の罪だったと私は思います。姿見たことないけども、いつも思い浮かべますけど、それは学校の先生はそういう責任、生徒を守るというのを、なかなかこういう非常事態のときには守り切れないというケースが幾つも出ているわけなんですよね。それをどう乗り越えるかというのが一つの法制。だから、今のこのコロナの場合も非常事態ですけども、大川小学校のような場合の、これはもっと緊迫したケースでありますけども、非常事態として法制対処できるかどうかというのは、いつも頭の中にあります。それは、より難しいケースであろうかと思いますけど、それも検討してほしいなと思っています。法制度がないとできないことですから。

毎日新聞:
 その非常事態の法制の中で要請権限を強くするというのは、これは総理大臣の要請権限を強くするというのを盛り込んだ内容と。

知事:
 1つはね、非常事態は、とにかくトップが言わないとだめだと。トップは総理大臣ですから、どのような権限を与えるかというのが一つ大きなポイントになると思います。今の具体的なケースで、学校の休校というような権限をどのようにするかという具体的なケース。大川小学校の、そんなとこに集めてはだめだと、とっさのことだけども、言う権限が誰かにあるかどうかということ。教育長が言えたかもしれないんだけど。管理事務は校長だけど、非常事態の管理というのはそういう頭があるかどうか。非常事態の管理という観念がないんじゃないかと思います、教育委員会とか教育長には。消防団のほうがあると思いますけれども、そのような実態と法制をどう見るか。ケースでいろいろ違うと思います。だから、今度のガイドラインをつくるかどうかというのは、一つのパターンだから、ガイドラインの強制力を強める、持たせるかどうかね、要請力を強めるかどうかというのがポイントかもしれませんけれども、私は具体的にはまだそれだけ研究した上で言っているわけじゃありませんので。

 ただ、台湾はどうなっているのかなという、台湾の法制を勉強してくださいと言ったんですけど、台湾はガイドラインが国から出ているらしいですね。これはスマホでニュースを見ただけで、ペーパーでは見てないんだけども。誰かが投稿しているのが記事になっているんですよね。それで見て、ああ、そういうことがわかるんだなと。今は中国・韓国一辺倒だけども、日本の報道はね。台湾の報道はあんまりないように思いますけど、そういうとこで発見したというので。するとそれは、感染者が1人いれば学校を休校すべきというガイドラインになっているという。これは国のガイドラインだから、教育委員会がどうなっているのか、校長先生の権限どうなっているかは、ちょっと調べてもらわないとと思います。

 日本の制度では、ガイドラインのタイプは、それこそ研究した人が考えられる。今度は全校、全国一斉かどうかというのもポイントになっていたと思いますけれども、少なくとも感染者がその県内に1人いれば、県内は全校休校とか、そういうパターンも、それはちょっと荒唐無稽かもしれませんが、あり得るかもしれない、地域を分けるということであれば。ただ、北海道とか宮城とか突如感染者があらわれるということであれば、空から来て地上に出ると。高知県でも、大阪に行って帰ってきた人が感染してたというようなのがあらわれるという事態からすると、感染者が少なくとも1人あらわれたときは、なるべく感染防止をすごくハイレベルに上げるとかね。

 日本では感染防止のランキングの指標もないでしょう。他からは渡航制限とか、ランク1、2、3、4とか、こう言っているじゃないですか。このような場合の感染防止の対応のランクは、1はこれだ、2はこれだ、学校休校はランクどのくらいになるかわかりませんけれども、そのような事態に、これは事態対処って、非常とつけてもいいんだけど、事態対処のランキングは法制上ないですよね。このレベルではどうするかと、感染症の対応というのは全くない。よく見てる国があると思いますよ、日本はばい菌まいたら物すごく弱いなと、余計にわかった。前から弱いなと思ってましたけども、余計わかったというふうに思います。

毎日新聞:
 それから、もう一つ、奈良県の場合の話なんですが、先週の木曜日に政府が要請、休校のですね、総理が会見されて、奈良県の場合は、教育委員会が翌金曜日の朝に定例の教育委員会開かれて、そこで決められたということなんですけども、その過程で知事に相談なり、あるいは指示とかなんかされたんでしょうか。その辺の意思決定のプロセスにどのようにかかわっておられたんでしょうか。

知事:
 報告はありました、金曜日だったかな。休校の方向で、教育委員会開いた後か、直前だったか、教育長から報告がありました。相談はないです、報告。

毎日新聞:
 ああ、そうなんですか。では、特に指示もされてはいないと。

知事:
 もちろんです。

毎日新聞:
 その点については、何か。報告受けた形になるわけですけども。

知事:
 そうですね。今の教育委員会の壁があるから、普通そのぐらいだと思いますけど。

毎日新聞:
 その部分は、特にご意見としてはないんですか。もうちょっと事前に報告があったらよかったなとか。

知事:
 ありません。それは全国の法制の話だと思います。県の法制じゃないです、条例で好きなようにしてもいいよという法制であれば、例えば教育委員会は奈良県はやめますというようなことを、必置をやめるということになれば。今は法制上、必置と書いてあるんだもん。だから必置制度の検討は参議院時代したことあるんだけれども、当時は必置の是非というのを参議院の文教族でしたことがある、文教族に入れられてしまったから。それがもう沙汰やみになっているから、ちょっと多少思いが残っているという。必置は賛成かどうかというのはあったけども、まだよく知らなかった時代だから、教育委員会制度を。

 だけど、ここに来ると課題はいろいろありますよね、具体的な課題は。どうすればいいかというのは大きな問題だから、国で深掘りして、教育委員会必置の是非というのはもう議論タブーになってきたのかな。よくわかんないんだけど、そんな感じがしますけどね。県の検討課題を超えているように思いますですね。教育委員会制度、法律で必置と書いてあるんだから。必置と書いてある以上は、その制度を活かすしかないわけで、効果がよくなるように、悪いことしていればそれを直すようにということをお願いするしかないと。壁、壁と、こう言ってますけどね、こちらから見ると壁に見えるわけだ。しかし、時々壁の向こうから報告が来るから。

 先ほどの学校の預かりはどうなっているのかということを、教育委員会に本当に真剣に聞いたんです。学校で預かることも考えろというか、具体的な指示はわかりません、文科省から教育委員会には要請があったということを聞きましたので、教育委員会もその業務の一端を担うようになったんだろうということで、その認識を聞いたというのは、つい、けさの話です。それで先ほど申し上げましたように、朝から学校でも児童を預かる方向でお願いするという言葉を聞きました。それは問答の中で聞いたということですので。

毎日新聞:
 わかりました。最後にもう一つ。県職員さんの働き方で、サブパターンですか、サブのパターンを非常時を見据えて用意しておくべきみたいなことをおっしゃられましたが、今の在宅勤務なんかをより促進するというようなことになるんでしょうか、考え方としてどんなことなんでしょう。

知事:
 働き方は、なかなかこの非常事態の働き方ということ自身も十分思いが深まってない、感染防止というのがとにかく喫緊の課題だと思いますので。それは、人と出会うのを抑制するというのがとにかく大事だということだから、働く場所をね、みんな日本人は、外国から揶揄されている。こんな大変だというのに、どうしてマスクして満員電車に乗るんだろうかと言われている面があるから。しかし、これは日本の風景だからどうしようもないんだよという言い返しはできるけれど。大都市の働き方ということにもなりますけど、その感染防止との絡みではですね。

 奈良県に戻ると、自動車通勤の方も多いし、電車もそう混んでないから、そんなに電車で感染というのはまだリスクは低いかもしれないと思います。リスクが低いだけで、ないわけではないと思いますけれども。感染防止のための働き方の変更ということは多少一つの課題でありますけども、先ほど、サブシステムと言ったのは、こういうケースが幾つもある可能性がありますので、一般的なことを予想して、そのサブシステムを用意しないといけないんじゃないかと、これは県庁でも考えられることではありますのでということは申し上げたと思います。それは課題とか、もう少し深掘りしないと難しい話で、それは日ごろの働き方にも連動する話だと思いますので、どのようにするかというのは研究課題だと思います。きょう、この非常事態のときに絡めて申し上げるテーマじゃないのに、ちょっとそういう関心はありますという程度に抑えさせてください。

毎日新聞:
 わかりました。

朝日新聞:
 一応確認で、先ほど政府の休校方針はおおむね適切であったとおっしゃられたということは、県教委も政府に従って要請どおり2日からもう休校を決めたわけですけど、県教委の対応も適切だったということになりますか。

知事:
 政府の対応はおおむね適切。さて県教委はどうか、ということですよね、追加の質問は。

朝日新聞:
 三段論法で言うと。

知事:
 ただ、今割とつらつら不満を申し上げてしまったことがあるから、おおむね適切と言いにくいような前段があったような感じがあるけど。

朝日新聞:
 理論的には適切ということになりますよね。

知事:
 そうだね、どういう表現すればいいのかな。県教委はそれなりに頑張っていただいていると思います。

朝日新聞:
 何でそんな正面から評価できないんですか。

知事:
 また余計なことかもしれませんが、このような事態に対応するのは、体育会系のメンタリティーじゃだめなんだよね。ドイツ人の女性が、日本の弊害、体育会系思想と、こう書いているんですね。それは、実態を無視して行け行けどんどんになってしまう、昔から。ドイツもそんな傾向があるようには思うんだけれども、ドイツ人に言われるのかと思ってその本の書評を見たんだけども、そういう偏見っぽい言葉はやめにして、体育会系というのは行け行けどんどん、行け行けというふうになるので、皆さんとは相入れないとこがあって。皆さん、よく牽制されているんだけど、やっぱり冷静対応というのをね、引くときは引く、休むときは休むというような判断が、体育の生徒あるいは選手に適切にされているかどうか。今いろいろ課題になっているじゃないですか、オーバーワークになりがちだということでね、日本のそういう指導はね。

 だから学校に、今度の学校の休校もそうなんだけれども、家庭学習の、家庭であってはサブシステムを開発する機会ですよと、僕はそういうメッセージにしたいと思う。家庭での学習も大事ですよと。昔は学校に通学なんかしてなかったんだからね。家庭の学習と寺子屋だったんだから。家でおじいさんに論語を読めとかといって口でしゃべっているのが家庭の学習だったんだから。家庭の学習というのは基本になるし大事だというふうに思いますので、この際、家庭での学習態度を。学校に行かないとうちの子勉強しないんだと我々ちょっとそんなとこあったでしょう。あったでしょうと水向けるといかんけども。学校に行くから、先生に言われるから、宿題出るから勉強するんだというふうに育ってきてるとこがあるんだけども、自主的勉強というのは基本で大事だと思いますので、そういう時期だと。

 昔のことを思い出すと、学校の休みのときに学力が伸びて学校に復帰する子と、もうだめになって復帰する子と二人いたなと。二種類いたなと思うんですけどね。家で勉強というか、家でいろんなことを考えてきた登校した人は、顔つきが何か、勉強してきたなという顔つきで冷やかしたことありますけども。僕は逆のほうだったから、家でぼうっとしてたから。ぼうっとするのももちろん大事だなと後で思いましたけどね、家庭の学習も大事だなと今は思います。そのようなことを考えて仕立て上げるチャンスかなというふうにメッセージを送りたいと思います。家庭の学習を充実させるチャンスでしょうねと、申し上げたいと思います。

産経新聞:
 そういう点で言うと、奈良県立図書情報館が今日から閉まっているはずなんですね。

知事:
 ああ、閉まっています。

産経新聞:
 あれはどう思いますか。

知事:
 その点に関係するかどうかわかんないけど、とにかく人の集まる場所は、不特定多数の場所はあまり開かないように、空間をつくらないようにというラインだと思いますので。そのラインでいきますと、図書館へ来て勉強するんじゃなしに、図書をレンタルでも、スマホレンタルで引き出して、家で読書されたらどうでしょうかというふうにお勧めしたいと思います。

産経新聞:
 でも、図書館に行かないと一応借りることはできないので。

知事:
 うん。だからほかに、図書館が唯一の情報源かどうかですね。

産経新聞:
 唯一ではもちろんないんですけど。

知事:
 ないですよね。図書館に実際に行ったり借りている人の割合っていうのは、割とはやってる図書館ですけれども、少ないかもしれない。この際、借りようと思っていたのが借りれないという人も何割か、何%かおられると思います。そのようなことでないような人も、ほかの読書のチャンスですよと。記者さんは図書情報館の常連ですか。

産経新聞:
 昨日、だから慌てて行きましたよ。

知事:
 慌てて行ったの。

産経新聞:
 あしたからはもう、だってずっと借りられない。

知事:
 ああ、休みになると困るから。

産経新聞:
 ええ。

知事:
 あそこは役に立って、情報源ですか。

産経新聞:
 それはそうです。

知事:
 ああ、そうですか。立派なユーザーですね。うれしいユーザーですね。

産経新聞:
 だから例えば、今子供たちがせっかくこういったときにどこへ行こうかとなるときに、図書館へ行って本を借りようかということがあると思うんですよ。

知事:
 子供は来てるかな、時々は行ってたんだけど。

産経新聞:
 何か勉強する子が多いですけどね。

知事:
 子供はあんまり来て……。おじいさんが多かった。年配の人のたまり場みたいな。全部じゃないけど。

朝日新聞:
 自習している中高生はいっぱいいます。

産経新聞:
 そう、自習の子は多い。

知事:
 自習の子はね。

産経新聞:
 確かに本を借りる子はそんなに多くない。

知事:
 自習はね、例えば郡山のアスモの3階か4階にがらっとした広場があるの。あんなとこで自習してるから、かわいそうだと思うんですね。それとか、郡山だからイオンに行くと、みんなで喫茶店で本読んでたりされてるですよね。ああいうなのはカンファタブル(居心地がいい)だからだと思いますけどね。自習するのに、家に帰っても寒いとか、お茶も外で一杯飲んで帰ったらというふうなことかもしれませんけれども。

 あと塾なんかはどうするのかな、今ちょっと思いついたけど。児童の塾というのはあんまりないかもしれないけど、小学校の、郡山の駅前に塾だらけなんですよね。学校に行かなくても塾があるよとはもちろん言いませんけれども、塾は閉鎖するのかな、塾は稼ぎどきだと思って頑張るのかな、ちょっとわかんないんだけど。塾の動向もちょっと調査しときますけれども、今おっしゃったのは、子供の居場所というのが。

産経新聞:
 いや、居場所ではなくて、自習はできなくするというのはありかもしれないんですけども、本が借りれなくなるというのはどうなのかですね。

知事:
 ああ、本を借りる。

産経新聞:
 家にね、持ち帰るわけですから。

知事:
 図書情報館で一つしかないからですね。学校の図書館は借りれると思いますけどね。家で学習するのに図書館で借りるとか、ちょっと本は見ないと何を借りるか頭に浮かばないという人のほうが多いと思いますけどね。こういう本を借りたいなという人があれば学校の先生に相談して、いや、家で勉強しろと言われて宿題出されたけど、もっとほかの本読みたいのということは言われてもいいんじゃないかなと思いますけどね。そんな本、何を読めばいいのって聞いて、じゃあそんな興味があるんだったらこういう本がいいよとかというふうに、学校の先生との対話のパターンが変わってきてもいいかなと思いますけれども。そんな対話を学校の先生としたことないもんな。

産経新聞:
 わかりました。それと話かわりますけども、今、よくPCR検査がどのくらいやっているかとか、韓国はいっぱいやっていて日本はあんまりやってないとか、いろいろ話題になっていますけど、奈良県では何件やっているかは公表してましたか。

担当課:
 昨日までに36件検査してまして、全て陰性です。

産経新聞:
 検査の数をふやしていこうとか、そういう方針みたいなのはあるんですか。

知事:
 検査は持ち込みみたいになっていますので、来られないと押しかけ検査というのはまだないんですけど。あと、クルーズ船から来られた方が何人かおられて、それは感染病床に受け入れてますけど、感染防止は一つは感染者を、隔離と言えば言葉が悪いけど、分離するのが基本だと思います。感染病床が24床あるんですけども、これからもし一挙にふえると、あるいはほかのところからも来るかもしれないから、入院病床を40床にする方向で、40床だったっけ。

担当課:
 24床に追加して、あと40床を確保しております。

知事:
 追加が40床ということで検討してもらっていると。感染病床は隔離、分離が大きな要素でありますので、感染病床の整備も大事かと。非常事態にそういう面で備えてなかったことが明確にわかったわけで、例えばダイヤモンド・プリンセスの患者さんを船内閉じ込め型で、あの中で隔離するのはなかなかうまくいかなかったという実例になっていると思いますので、乗船隔離という、後でそういうことをされたわけですけども、乗船して分離して、地上の感染病床へ送るということを、法制上強制できるのかどうか。陰性だからという仕分けをしたんだけども、全員隔離ということは、それだけの感染病床がなかったわけなので、検査をして陽性・陰性で分けて、陰性でご自宅に帰られたら陽性化したケースもあるので、なかなかこういう事例が発生することを想定してどのようにすればいいかは、非常事態法制の大きなポイントだと思います。

 クルーズ船は今度はみんな断るんだとか、そんなんじゃちょっと荒っぽ過ぎるように思いますけど、来てもそこそこ受けられるのにどうすればいいかを、今回のケースを参考に勉強してほしいなと思いますが。奈良は港がありませんけども、水際対策というのは日本はなかなかきかないと。口では聞こえがいいんだけども、なかなかきかないということを、覚醒剤の密輸で実感していますので、水際対策をやってもいいけど、きかないよと思っておいた方がいいかと私は思いますが。話が飛びましたけども、感染病床の充実というか、増床ということには検討してますという程度です。

産経新聞:
 続いて1点ですけど、台湾の事例を学ぼうということを指示されたというのは、いつの時点ですか。

知事:
 けさです。

産経新聞:
 けさですか。どこの部署を使って、どちらの部署に指示されたんですか。

知事:
 特に休校のことがありましたので、教育振興課長が目の前にいたので、政策推進課、知事公室全般的にはですね。休校のガイドラインというので、関心あるのは学校の法制がどうなっているのかと。教育委員会はあるのかどうかというようなことから、わかりやすいじゃないかと思って、そのぐらいはというので、それは教育振興課あるいは教育委員会。教育委員会はあまり学んでくれないかもしれないから、教育振興課のほうで台湾法制を。具体的な法制の勉強は法務文書課というのを組織つくって、法制の勉強をしてもらうような組織してますので、そちらで勉強して私に教えてもらいたいなというので、勉強してくださいという指示をしました。非常事態法制というのは、台湾は、あれはいつも非常事態のような感じだからね、あると思うんだけど、ああいう国柄だからメンタリティーも強いのかもしれませんけども。それも学べたらと思いますけども、それは国のほうでより学んでいただきたいなと思います、非常事態法制という観点でですね。こういうときにきくんだなと如実に思った次第ですので。

 何か台湾の閣僚で、大臣になった人が、46歳か、若い人がICTの天才だと言われてる人が入って、その人がすごく調べて、デマニュースを撃滅してるんだよね。デマだというのをわわっと撃滅して、デマはデマとして認定して、そんなのは間違いだということを撃滅することをしてて、効果があると。不安を拡大させないと。デマニュースは世の中に常にあるから拡散します。それにおびえる傾向は日本は割と強いからですね。デマのニュースにおびえる傾向を防止するのに、46歳って聞いたけど。

産経新聞:
 30代じゃないですか。

知事:
 36歳か、すみません。すごく若い、IQ180と言われている天才大臣が、そういうことを勉強してデマを撲滅する活動して、きいているようなことも書いてましたので。それはスマホニュースで読んだだけですので、個人が投稿されているのがニュースに流れているということ。あるいはどっかの雑誌に投稿されたのが流れているのかもしれませんけど、ああいう編集があるからよくわかるんでしょうね。役に立ちそうなニュースは勉強の材料だと思いますので、ということです。

毎日新聞:
 観光の振興ですけど、きのうのお水取りでも人出が800人で、例年の2,000人と比べるとえらく減っていると。奈良公園を見ても、お客さんが昼間も含めて少ないなという感じで、奈良だけじゃなく全国的にもそうなんですが、観光の落ち込みがじわじわじわじわ、いつまでかが見えないのがまた怖いところでもあるんですけど、コロナの影響が考えられるんですが、県として観光の振興対策、お考えの部分はありますか。

知事:
 観光の振興は、この波をどうするかと、基盤をどうするかと。構造対策と波対策と、経済も同じなんだけど2種類あって、いっときいろんなことで落ち込むのは、観光だけじゃないけど常ですので。私の感じ、受け取り方は、そんなにじたばたしてもしようがないんだから、日ごろの養生を、日ごろやるべきことをまた点検して備える観光地が立ち上がりが早いと。立ち上がりが早い次のダッシュ、学校を休んで、おまえ頭よくなって来たなという生徒になるように、休みのときにするのが基本だと、私の個別の観点では思っています。

 そのときに、人に助けを求めたら何とかなるという類いの事態ではないので、そういうメンタリティーで奈良県は割と業者さんが動いてることが多かったので、それから脱却するのが一つ大きなことだと思っています。人頼りじゃなしに、自分頼りにされるのが基本だということは、改めて。じゃあ放っておくのかと、そういう言い方するわけね。助けるのがおまえだろうと、こう奈良の人は言うんですけど、助けられないでしょうと、こういうお客が減るのは、とはっきり言うとそういうことだと。しかしそのときには、困ったら先ほどの金融支援とか考えましょうということですので。

 あとは、日ごろの観光振興という切り口でご質問がありましたので、奈良の観光振興の基本は、そういう依存振興、依存メンタリティーの強い業から脱却するというのを常日ごろ言ってましたので、自力をつけることになりますので、行政としても自力をつけることに向かってきたつもりです。行政は行政でやることはやりますよと、業は業でホスピタリティーを上げてくださいねと口酸っぱく言ってきたんですけども、基本動作をすることに尽きると思いますけども。強いところは生き残ると思います、波があってもね。強くするというのが観光振興の基本的な施策の方向だと考えています。

毎日新聞:
 その強くするために、県の施策としてお考えの部分って。従来いろいろされてきましたが。

知事:
 今までやってきたこと全部全部、県の施策じゃないですか。改めて言うまでもないと思いますけれども。強くするため、脱大仏商法とかいろいろ言ってきたじゃないですか、気持ちの上では。だから強くなるのに、行政として強くする、コンベンションセンターをつくることもそうだし、ホテルというのは集合しないと観光地にならないから、ハイエンドのホテルをつくるということをやってきたじゃないですか。業界の期待を受けて何するのかというご質問だったら、あまり期待しないほうがいいですよと、もしそういうご質問であればね。お互いにやることはやりましょうよという協働のメッセージにしたいと思います。こんなときでもやることはありますからねと言いたいと思います、お互いにということでね。そういうメンタリティーこそが発展のもとだと思います。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集し、質疑テーマごとにまとめています。)

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