2020年9月号
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【vol.28】
薬との関係が深い奈良から海外へ
大和合同製薬株式会社
専務取締役
増田 善謙(ますだ よしかね)さん
薬とのつながり
奈良は地場産業として古くから医薬品の製造が盛んで、県中南部の橿原や高取などには多くの製薬会社があります。弊社も大正時代に創業し、昔ながらの胃腸薬などの置き薬を製造販売しています。
最近では、栄養ドリンクや美容ドリンク、健康食品なども製造しており、新たな販路拡大に積極的に取り組んでいます。
自社商品を海外へ
国内市場の先行きなどを考え、1992年からドリンク剤の海外輸出を始めました。ここ数年で輸出先も増え、今では台湾をはじめ、アメリカ、シンガポール、フィリピンなどへ輸出しています。東南アジアではコラーゲンドリンクなどの美容ドリンクが特に人気で、輸出売り上げの約7割を占めています。
輸入規制は国ごとで異なり、味やパッケージの好みも違うため、その国に合わせた商品を供給できる体制を整えています。市場ニーズの変化などを的確に把握するために、直接現地企業と商談したり、街中の店舗での販売状況を視察するなど、可能な限り「現地の匂いを嗅ぐ」ことを心がけています。
2019年には、これまでの海外展開の取り組みが評価され、「奈良県海外展開リーディングカンパニー(輸出)表彰」をいただきました。
これからも自信と誇りを持って
輸出にはその国の輸入規制への対応や外国語での申請書類作成など、大変なことも多く、国際情勢の変化などで準備したものが販売できない場合もあります。しかし、海外への挑戦は販路開拓以外にもさまざまなメリットがあります。自分たちが製造した商品が海外で愛用されていることで、自社商品に対する自信や誇りが生まれ、社員のモチベーションの向上につながったと感じています。
今後は、漢方薬などのニッチな商品開発を進めるとともに、未進出の国にも商品を輸出したいと考えています。これからも伝統を守りつつ、社員一丸となって、高品質な商品を奈良から提供しつづけたいと思います。
奈良県海外展開リーディングカンパニー(輸出)表彰
海外への輸出で成果を上げている県内企業を表彰し、その取り組みをモデルに海外展開のきっかけとなることを目指し、2017年より表彰。
詳しくは下記URLから。