令和2年8月7日(金曜日)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。

 それでは、ただいまより知事定例記者会見を始めさせていただきます。

 本日、発表案件ございませんので、まずは、コロナウイルス関連のご質問からお受けさせていただきます。


質疑応答
奈良テレビ:
 もうすぐお盆休みを控えていますが、奈良に帰ってくる人、また奈良から帰省を考えている人もいらっしゃると思いますけれども、お盆休みの帰省についてどのようにお考えですか。

知事:
 お盆休みと、GoToキャンペーン(=以下、GoToトラベル)が関係しますので、一緒に所見を申し述べたいと思います。

 帰省につきましては、気をつけてご帰省ください、ふるさとへお帰りくださいという気持ちです。お盆自身、ふるさとへ帰るというのが目的でありますし、ご先祖様にお会いするというのが元の目的だったと思います。お墓参りをされるとか、ふるさとの社寺にお参りするとか、自然を楽しむというのが、このお盆の期間の本来の日本の風習であったと思います。丁稚(でっち)には休みがありませんでしたが、お盆のときはふるさとへ帰りなさいと。

 ふるさとへ帰られるときに、特に東京から帰ってこられると、感染者が多いところから帰ってこられますので心配される方もおられます。ご家族の方との接触には気をつけていただければと思います。特にふるさとで、おじいさん、おばあさんなどが残っておられるおうちも多いと思いますので、おじいさん、おばあさんへ接触しない。家庭内接触というもののパターンが分かってきておりますが、ふるさとへ帰られますと、家庭内のおじいさん、おばあさんとの接触感染というのも、気をつければなくなると思います。そのような生活習慣がまだない、習慣化されていませんので、殊さら気をつけてはいただきたいと思いますが、それさえ気をつけられると、ふるさとにお帰りになるのは大変望ましいことだと私は思います。

奈良テレビ:
 ありがとうございます。そのGoToトラベルについても、またどこかに旅行へ行かれるというのも、気をつけて行ってほしいというような考えでしょうか。

知事:
 GoToトラベルの関係もあり、ふるさとだけではなくお盆を利用して旅行に行かれる方も多いですし、そのような風習になってきております。

 これまでも申し上げたことでもありますが、GoToトラベルの趣旨には基本的に賛成をしております。東京も除外なしが望ましいと思っておりまして、なぜそのように思うのかということですが、新型コロナウイルスは長く近辺に漂っているような様相です。すぐになくならない、そのような相手であろうかと思います。健康のためにも社会活動を止めるわけにもいきませんので、生活と折り合いをつけるという知恵が必要かと思います。その知恵の一環として、いろんな考えの方がおられると思いますが、特にパニックにならないようにと。一人一人だけではなく、特に指導者はパニックにならないようにと。あれも言いこれも言い、とならないようにというのが、この危機管理の要諦だと私は学んできました。司令官は、静かに観察するのがまず第一の義務だと学んできました。そのような観察をしながら、気をつけて行動をすると。望ましくはないですが、長い付き合いになるかもしれないコロナウイルスとの付き合いの中での社会行動については、知恵を出す必要があるかと思います。

 自粛について、いろんな意見があろうかと思いますが、自粛を強要すると、日本独特で割と素直に従順に従っていただく傾向にございます。しかし、最近の傾向を見ていますと、自粛に飽きるとか、自粛に反発するとかという、あるいは表で自粛をして、目につかないとこで伸び伸びと発散するという傾向が出ているようにも見受けられます。これは日本独特かもしれません。私の説が正しいかどうか分かりませんが、社会行動科学のような研究が必要かと思います。外国での動向など、日本や東アジアとはまた傾向が違うと思いますが、社会行動科学的なコロナとの折り合いという研究が必要じゃないかと私は思っています。全面自粛というのはそのような副作用もあるのかなと思い始めております。いろんなお考えがあると思いますので、私が思っているのが正しいかどうか分かりませんが、なるべく自粛は限定してお願いするのがいいかと思っています。

 限定して自粛をお願いするという意味ですが、奈良県では感染経路の類型を観察するようにしております。感染経路の類型を観察して、類型が分かれば、その感染防止策も限定して分かってくる。この類型にはこのように対応すればいいということが奨励できるわけです。とにかく外出しないようにというよりも、外出する場合でも感染しやすいところに行かないように、友人と会食される場合でも、感染しないような会食パターンにするようにということがだんだん分かってきています。感染の類型を観察することによって、我々に知恵がついてきていると思っています。感染類型を観察して、類型ごとの防止策を奨励し、できるだけ習慣化されると感染のリスクは下がりますよということを申し上げてまいりました。家庭内とか、友人との会食、職場での感染など、これまで発生した類型についての観察の結果を申し述べてきた次第です。

 GoToトラベルのような観光を、自粛すべきか進めるべきかという二分するような話ではなしに、GoToトラベルでも気をつけて行ってくださいよということです。うつさないよう、また、うつらないように気をつけてGoToトラベルしてくださいねというのが、今までの気持ちです。

 今申し上げたことをこれまで言ってきましたが、奈良県のやり方になりますが、感染類型を観察して明確にすることと、類型に応じた明確な注意を差し上げる、それとPCR検査は最初は重症化予防のためにありましたが、早く感染が分かった人はとにかくうつさないようにしてくださいと。若者が感染されるのは、自粛反発の発散があるのかもしれませんが、そのように行動されることはできるだけ差し控えられるのが望ましいと思います。しかし、とりわけうつさないようにということがより望ましいと思いますので、うつさないために感染したら早く見つけて隔離という、この3つを奈良県の大きな方針にしてきております。

 まだ拡散が続いておりますが、基本的にはこのような防御パターンを発見して、それを着実に防御、着実に実行するしか、今のコロナウイルスとの戦い方はないのかなというのが、今のところの観察です。昔からあった一撃論、一撃すれば退散するぞと、脅かすと退散するぞと、そういう敵ではありません。防御、防御ということになると思いますので、奈良県ではこのようなことを実行に移しております。このようなやり方が効果があることを望んでおります。長くなりましたが、以上です。

奈良テレビ:
 ありがとうございます。あと1点、全面自粛には副作用があるとおっしゃっていましたが、県独自で緊急事態宣言を出されているところもあると思いますけれども、そういったことは考えてはいらっしゃらないですか。

知事:
 今の考えを申しますと、そういう宣言はございません。

奈良テレビ:
 ありがとうございます。

毎日新聞:
 昨日県内の薬局店を回ってみたんですが、やはりうがい薬がもう全くなくて、売り切れの張り紙ばかりを目にしました。これは、大阪府知事が効果があるのではないかとおっしゃったことを受けて、急激に買いにくる人が増えたとどの店もおっしゃっていました。大阪府の知事が、明確な根拠がないという話もある中、こういうような発信をした姿勢について、知事としてはどう思われていますか。

知事:
 なぜうがい薬がなくなったの、よく知らないのですが。

毎日新聞:
 吉村知事の発言を受けて、買物客が殺到したと。

知事:
 ああ、そう、うがい薬買いなさいとおっしゃったの。

毎日新聞:
 うがい薬が効果があると。

知事:
 ああ、そう。あまり知らなかったですよ。

毎日新聞:
 知らないですか。

知事:
 うん、知らなかった。だから何とも言えない。

毎日新聞:
 うがい薬は使っていらっしゃるんですか。

知事:
 ああ、風邪を引いたら使いますけどね。のどが弱いから、のどが痛むときはうがい薬を使います。

毎日新聞:
 吉村知事が、特定の成分が入ったうがい薬が重症化を防ぐのに根拠があるんじゃないかという発表をしたことは、ご存じないんですか。

知事:
 知らなかったですね、陳情に行ってましたので。東京に行くと、あまり関西のニュースは流れないのかな。

毎日新聞:
 東京ではやってないんですね。

知事:
 テレビも見なかったし、新聞も見なかったし。すみません、教えていただいてありがとうございます。

産経新聞:
 発表主体は奈良市ではあったんですが、先日、奈良県内でも、夜の街感染が疑われる事案がついに出たかと思うんですけれど、先ほど知事から、もし仮に自粛を要請するとしても限定的に行いたいというお話がありました。もし今後、夜の街感染が広がる、あるいはさらに感染者が確認できたとなった場合に、例えば夜のお店に対して限定的な自粛を要請したりするお考えはありますか。

知事:
 奈良市の事例は、今日帰ってきてから聞きましたが、夜の街感染かどうかちょっと分からないですね。感染した人がたまたま寄ってそこでうつしたかもしれませんので、もう少し精査が要ると思います。夜の街感染と言っておりますのは、感染予防がされてないということと、感染しやすい遊興パターンだと。夜遅くまで接触型の遊興ということですが、その2つがよく分かりませんので、夜の街で感染したという定義は元から曖昧だと思っておりましたが、その言葉をたまたま使っただけ、夜の街で感染したといっても、感染した人が感染してない人と一緒にその場所に行っただけ、要は会食感染ということになりますが、そういうことが起こり得ますので、その場所として感染しやすい場所という認定ができるかどうかですね。

 それと、基準は、感染しやすい環境にされていると、休業とか開店自粛をお願いするわけですが、もう一つの手法は、そういう場所がありますから気をつけて行かないようにというのも一つのやり方、人からしかうつらない、場所でうつることはないので基本的に場所がなくなってもほかに行けば、ほかでうつられるわけですので、たまたまそういう接触型だと、友人との感染とお客さんの感染というのでは、パターンが違うと思います。

 奈良の場合は、お客様が持ち込んでうつしたかもしれませんし、店が危ないとすぐに言えるかどうか、まださっき聞いたばかりですので、おっしゃるような夜の街で起こったということだけでは、定義が短絡的だったんですが、私の言った「夜の街がない」というのは、そのような感染しやすい場所が奈良ではないという意味で申し上げたんですが、場所として、例えば大阪で発見された、24時間1,000人も集まるような場所は奈良にはありませんので、夜開けておられる飲食店やあるいは接触される場などがあるわけですが、用心されているところと用心されてないところでまたリスクも違うと思います。感染場所、感染経路というのはよく分析しないといけないと思いますので、軽々に言うのはいつも控えておりますが、そのように思います。

産経新聞:
 以前から知事は、情報提供という形で安全を呼びかけるとずっと言っておられるんですが、情報提供という意味で、例えば最近、地方公務員や国家公務員の感染も出てきているかと思うんですけれども、それがどこの所属なのかというのは、基本的に県は明らかにされていないかと思います。

知事:
 国家公務員。

産経新聞:
 国家公務員、あるいは地方公務員の感染が出たときに、例えば所属先自体が発表していても、県では「明言はしない」というスタンスを取られているかと思うんですが、そういう場合に、情報公開という点で県から発信していくというのは、在り方としてどうなんでしょうか。

知事:
 従来の情報公開という、公文書や公の情報と、この感染経路の情報公開って、感染経路の類型をできるだけ情報公開して気をつけてくださいというパターン、先ほど申し上げたとおりですが、それに資するのと、個人情報、濃厚接触者の情報公開などの課題もずっとありました。濃厚接触者、あと感染者の情報公開というのはあります。それは個人情報という言い方もありますが、どのように調和するかという課題です。国家公務員、県議会議員、地方公務員でも同じです。

 なぜその折り合いが大事かと申し上げますと、日本の風習として感染した人にアタックが行きます、SNSとかですね。マスコミではアタックしても、もちろん表には出ないんですが、その情報を見て特定されたら、裏からアタックされるという風習があります。会見の場で「人を攻撃しないように、人権は大事ですから」ということをいつも最後に言っているのは、そのような事例で気を病まれる方が出ておられますので、そういうことは守ろうと。二次被害、三次被害をなくそうという観点ですので、それと情報公開する公の利益とは、いつも同じことですが、そのバランスを図ることが大事だと思って、情報公開することによって用心をしやすいと言われるようなことになるようにと思っております。

 そうしますと、情報公開は類型を公開すればいい。注意の仕方を公開すればいいので、誰が感染したかという興味はおありになると思いますが、興味につられて情報公開をしてはいけないと私は基本的に思っています。週刊誌ではよく書かれますが、公のマスメディアはそういうことを日頃はされていないわけですが、興味につられて情報公開のつるを引っ張るということでなく、世の中の役に立つような情報を積極的に公開していくという姿勢、気持ちの面かもしれませんが、そのようなことが大事かと思っています。

産経新聞:
 もちろん個人情報保護は大事なので、個人を特定する情報を公開する必要はないと思いますが、同時に、例えば市町村などは、うちで出ましたよというのを基本的に公表されています。一方で、県は、市町村から「うちで出ました」という公表がされた後も、県で発表した事例では、この市町村の事例ですというリンクを認めない状況になっていて、これは県や各市町村の発表の基準が違うことになるんでしょうか。

知事:
 県も市町村名公表してるよね。

担当部局:
 県も、感染者の方がどの市町村にお住まいかについては公表しております。恐らくおっしゃっているのは、「どの小学校で感染者が出ました」という具体的な発表をする場合が市町村によってはあるわけですが、県の発表は、あくまでもその感染者の方がどの年代で、どこでお住まいで、どういう職業、小学校の場合は生徒ということになるわけですが、そこは統一した見解で一定のラインで情報を公開していると。そこを紐づけて公表すべきというご意見であろうかと思いますが、単に県が発表するものは、個人情報保護ということもありますので、ある一定のラインで発表させていただきたいと考えております。

知事:
 今の発表パターン、もちろん私にも毎日の発表は届くので、それをずっと見てるんですが、市町村名が書いてあったと思うので、どういうご趣旨のご質問かなと思っていて、市町村名は県の第何例目、田原本町とか。感染経路も推定して出すことが多いんですが、大阪での会食ありとか、そういうことも書いて、だんだんその日のうちに推定経路が分かってくるようになっています。それは誰がと言わなくても、こういうケースに用心しなさいよということを言うには十分な情報です。

 市町村別の分析もしたいと思いますが、今200ほどある感染事例は市町村名を公開しております。それと年代、性別、ステータスですね。学生、会社員などというその後の注意を促すためにはそこそこ大事で、注意を促すには十分なことを言っております。あと、どのように感染したと思い出されますかというのを大事にして、その人のケースを追及するのではなく、類型を集めてこういうケースが何例出てますからこのように気をつけましょうね、と。注意するパターンがだんだん詳細になってきているのが奈良県の実情です。それは学校の名前が分からなくても絶対大丈夫ですので、学校に行って生徒がうつした、うつされたというケースであれば、そのようなケースは学校全部気をつけましょうねと言ってもおかしくない注意になると思っていますので、そのように判断をしています。

産経新聞:
 例えば、先日、市町村の施設等で感染が発生しましたということで、市は、当然そこの施設を訪れられる市民、県民もいらっしゃるということで発表されたわけですが、一方で県は、そういった情報は公開されていなかったので、県民に対する安全・安心のためにどこまで情報公開するのか、市町村と県で基準が違うのかなというのがあったので、その点を質問したかったんです。

知事:
 いや、県の考え方を申し上げた次第です。市町村はどのように違うか、あまり承知していませんが、皆さんから見れば違うように見えるケースもあるということをおっしゃっているように思います。県の考え方は、市町村名は公表していますということ、類型発見のための公表ですので、それをどのように市町村で受けられるのか、それをどのように県民が受けとめられるのかという、次の話になろうかと思います。質問の趣旨がよく分からなかったので、大変失礼しました。

共同通信:
 今ありました陳情の件なんですが、7月末に厚生労働省に診療報酬の件で要望に行かれたと思います。全国的にも珍しい提案だと思うんですが、そのときどのようなやり取りがあったか教えていただけますか。

知事:
 7月末に厚生労働大臣に会っていただきました。奈良県の要請に対して会っていただき、大変ありがたかったです。厚労大臣への陳情行動の様子ですが、かいつまんで申し上げますと、医療機関が疲弊して減収になっていますよと。それは医療機関がコロナ対策のために精力をとられて全体として減収しているということもあるんですが、コロナの対策をしてないほかの医療機関も減収していますよと。患者さんが来なくなったという医療自粛の結果と思われます。コロナ対策費用はコロナ対策費で補填できるわけですが、収入の補填というのは今の交付金ではなかなかできない。今、コロナの影響で医療機関の経営は儲けるようにはなってない、診療報酬で決まっているわけですので、医療が崩壊するとほかの診療に影響しますよということを申し述べました。それについては、そのとおりということでした。

 その対策の一環として、奈良県の医療機関に適用される診療報酬について1点10円の単価を11円に上げたいと検討していますということと、その意見を、高確法(高齢者の医療の確保に関する法律)13条についての意見を述べたいと申し上げました。大臣からは、高確法の13条と14条の関係とか、法的な解釈などについてのご示唆をいただきました。それは事務的にその解釈の内容についてもう少し勉強してと思い帰りましたが、高確法13条の意見については申し述べさせていただきたいと言ってきたというのが概略です。

共同通信:
 意見書の提出は大体8月のいつ頃になるか、もう決まっているんでしょうか。

知事:
 今のスケジュールですが、保険者協議会にかけなきゃいけないというので、7月の28日だったか、1回目の保険者協議会にかけました。8月の末頃に第2回目の保険者協議会にかけて意見を聞いた上で、8月中に厚労省に奈良県意見を言うようにしたいと思っています。

共同通信:
 直接厚労省に出向いて意見を言うのか、それとも郵送などになるのか、どのような形になりますか。

知事:
 意見を言うのは、事務的で大丈夫だと思います。今までの政治的な意見ではなく事務的な意見です。法律に書いてある意見ですので、手続を踏まえて意見を言いたいと思います。

時事通信:
 今の質問に付随して、県の医師会などからいろいろ意見が出ているかと思うんですが、それについてはどのような受け止めをされていますか。

知事:
 医療機関は診療報酬のアップというのは普通は賛成されますし、お医者さんからはありがとうという声を私は直にいただいているんですが、奈良県医師会は全国一律と言っておられるようです。これは日本医師会と軌を一にしようという動きだと思います。奈良県に適用される診療報酬については、前回下げることで物議を醸しましたが、今度は上げるということでも物議を醸すどうか分かりませんが、全国一律が望ましいと言っておられることは聞こえてきます、直接ではありませんが。

 私は、全国一律はあまり望ましくないと思って、このような診療報酬が望ましいという意見を言いたいと思ったわけです。全国一律というと、今申し上げましたコロナの対策費用が増えると、費用を補填するという交付金の措置ができますが、収入については、コロナのための治療自粛であり、コロナに感染すると困るから近所の診療所にも行かないという方があって、結局その診療所なり医療機関が疲弊してくると。医療は、日本はカツカツで保たせていますので、医療機関が疲弊すると結果的にはよくないことがあろうかと思います。そのときに、全国一律に疲弊しているのかどうか、コロナで一律に疲弊というのはちょっと違うのかなと思います。

 例えば、例に出してきました岩手県は、最近までコロナ感染者の発生がありませんでした。医療機関は、コロナのために疲弊したとは言えない立場であろうかと思いますが、そのような県でも全国一律で診療報酬を上げるとなると、普通は皆さん方、便乗値上げじゃないかとおっしゃるようなケースじゃないかと私は思っています。全国一律は、便乗値上げを共連れにするというような副作用があるんじゃないかと私は思っています。それぞれの地域別の医療機関の疲弊を判断して、それに応じた診療報酬が望ましいと思っております。

 それと、この案は、保険者の方からは患者の負担が増えるんじゃないかという意見があります。これは承知しております。患者の自己負担が10分の1増えることになるわけです。じゃあ医療機関の疲弊崩壊を放っておくのかというと、患者さんの負担を増やさないでやる、しかし、疲弊を防止するというのは交付金でやりなさいという意見があります。交付金というのは、今の日本の財政だと借金でいたしますので、後世の納税者負担になるか、現世の保険者、利用者負担になるかの違いなんですね。

 今の時代の利用者の負担になるか、後世の納税者負担になるか、これは冷静な判断が必要です。日本の社会保障は後世の納税者負担にどんどん追いやってきていますので、これは外国と大いに違うところです。現世の福利厚生はなるべく現世で、高齢化が進むとあふれることがありますが、なるべく現世代で持つようにという、国の経営のためにそういう心がけが必要かと私は思っております。できるだけ現世の負担でできるところはするようにと、それを超えるところはやむを得ず後世の負担になってもしようがないと。後世の負担第一という考え方はあまり健全な思想じゃないと私は思っています。

 この度の、現世の利用者たる保険者の負担というのは、今、保険者の収入でずっとたまってきており、保険者の中にその利潤が発生する状況です。この利潤を今の医療機関の崩壊のために充てなさいということになりますので、それを置いといて後世の納税者負担というのは、あまり健全じゃない発想になるんじゃないかなと私は思っております。保険者集団で余っているその利潤を活用してくださいということのほうが健全な考え方かと思っています。したがって、このようなことは期間限定であることが望ましい。いつまでも1点11円ではなく回復するまでの期間限定の診療報酬単価アップが望ましいと思っています。

時事通信:
 1点11円にするのは、なぜ11円になったんですか。

知事:
 11円にするのは、11円か12円かと検討しましたが、経営の収入の状況について現在、4、5月分が出ておりますが、15%ぐらい減っているんですね。15%ぐらい減っているのを、なるべく普通に回復するには、1点11円でそこそこ回復できるという計算のめどが立っているということです。収入回復の点数という計算ができてきているということです。

時事通信:
 分かりました。ありがとうございます。

朝日新聞:
 橿原の国体の関係で、覚書を先日、市と締結されたと思いますが、橿原国体について知事が今考えていることや、整備の仕方についてビジョンを教えてください。

知事:
 橿原市との覚書ですが、橿原市に県の考え方をどのようにお伝えするかというやり方を模索して、協議の場をつくりましょうと。これは行政協議ですから、市長の権限と知事の権限でできるわけです。協議の中で奈良県の考え方について表明する場ができるということです。それだけのことですが、それを地元の議会とか市民の皆様、あるいは県民の皆様に判断していただく。内容を見て判断することになろうかと思いますので、県の考え方を申し述べさせていただく場ができると捉えております。

朝日新聞:
 整備の案について、これから協議していくということだと思うんですが、今、知事が思い描いている案を教えてもらえますか。

知事:
 まだこれからなんですが、間もなく提示できると思います。もう一つ、亀田市長に、橿原市だけで進められるかどうかは分からないと思っていますよと、地元の事情がありますので他の場所も含めて考え始めますよということを申し上げました。他の場所というのは田原本町のあたり、大和平野中央と言われるような場所です。京奈和自動車道のあるような場所に、もしその地面が手に入れば、そちらも併せて考えますからねとは、この協議が始まっても申し添えています。

 元から交換をして県有地にしてつくりなさい、ということがスムーズに進めば、そこで収まる予定でしたが、まだ先行き不透明です。国体には、もう手を挙げておりますので、国体の主会場あるいは関係する会場はどこであれ用意していかなきゃいけないという我々のミッションがあります。その関係で他の場所も併せて考えますと言っております。その中の一つとして、橿原市の運動公園の案を提示しますよということを、亀田市長が来られたときに改めて申し上げました。橿原市運動公園だけで決まった、と県が考えているわけじゃないということを申し上げております。まだ橿原市運動公園と決まったわけでありませんので、他の場所でも協議をできるということは、案が提示できるというだけの話です。他のところのことも考え始めていますよということを併せて言っております。

 そのような状況ですので、まだ案を述べさせていただける舞台ができたというだけです。今のご質問はどのような案かということですが、まだ私の手元にも届いておりませんので、夏休み明けに案を練っていきたいと思います。

朝日新聞:
 今の田原本のお話は、橿原または田原本という形なのか、それとも橿原と田原本両方を含めてなのか。

知事:
 アンド、オアですね。

朝日新聞:
 アンド、オア、どちらですか。

知事:
 アンドもありますし、オアもあります。

朝日新聞:
 ああ、どちらもあり得ると。

知事:
 橿原でできないと全面的に田原本ということになるので、オアということになりますし、橿原もできるとなっても、田原本でもつくったほうがいいという案もあろうかと思います。その意味で、オア、アンドですね。

朝日新聞:
 県立橿原公園と運動公園の交換案の話もありましたが、あれはどうなったんですか。

知事:
 それはまだ思っています。交換しないと、県有地にしないといい絵が描けませんので、もし県の考え方、案がいいとなれば、全面的に交換をしていただくというのが県の考え方です。

朝日新聞:
 分かりました。ありがとうございます。

毎日新聞:
 今回の国土交通省への要望でもあった、五條に広域防災拠点を新たに2,000メートル級の滑走路を整備していきたいという県のスタンスについて、知事としては将来的には陸上自衛隊の駐屯地の誘致を想定されているということでよろしいですか。

知事:
 陸上自衛隊の駐屯地が奈良県に唯一なかったので、誘致を始めたのが経緯です。防衛省の駐屯地調査のための調査費だったんですが、その調査費で調査しておりますと、五條に場所が見つかってきたという経緯が第一弾です。その場所は、紀伊半島の真ん中に位置しています。陸上自衛隊の駐屯地の目的は防災です。防衛よりも防災です。駐屯地のあるところは防災機能が飛躍的に拡大するので、駐屯地の誘致の目的は防災です。

 最初に陳情したときに、石破さんが防衛大臣だった。自衛隊は防災隊じゃないよと、こうおっしゃった。防災はするけれども、防衛が主たる任務だから防災のためだけに要望に来るのかとおっしゃったのが鮮明に記憶にあります。さりながら、何といっても自衛隊というのは唯一の防災活動を全面的にできる機関ですので、ぜひ展開してくださいと、地方から要求しますと。防災機能のために駐屯ということになりますからといって、要望を重ねてきた経緯があります。防衛のために来てくださいという地域の要望はあまりないんじゃないかと思います。各県の要望は皆、防災機能のためとなる。

 そのような調査をやっておりまして、五條に空からの防災基地が可能だということになりましたので、自衛隊の駐屯ということは抜きにしても防災機能を早くやると。臨時でも自衛隊が駐屯して空から紀伊半島を、南海トラフが起こったときには救難救助に行ってもらえるという発想につながった、これが第二弾です。広域防災拠点を早くつくろうというのが、第二弾。

 自衛隊が来て、駐屯地としてつくってくださいよというのは足が遅いということが分かってきましたので、南海トラフは待ってくれないという思いのもとに、広域防災拠点を県でつくって、いざとなれば、唯一展開できるのは自衛隊なので、自衛隊も展開してもらおうということが大きな目標になってきました。広域防災拠点の国庫補助ということで陳情に行ってきました。

 今年、反応もそこそこありましたので、これからのことになりますが、そのときのご質問は、将来自衛隊の駐屯を呼ぶつもりか、共産党の方がやめろとおっしゃっているテーマですが、最初の自衛隊の誘致が、防災のために呼ぶんですよということが原点ですので、防災のために自衛隊の駐屯もお願いします、救難のときはいいけれども、あとは駐屯しちゃ駄目よと。防災のためにとなりますと、防衛機能もついてくることが共産党の方のご心配じゃないかと思いますが、防衛をどのようにするかということは、自衛隊の中でまた判断されると思います。しかし実際に駐屯があると、防災機能が飛躍的に向上する。よく見てみますと、東日本大震災とか熊本とかいろんなところで空からの救難救助が大きな役割を最近果たしてきております。この紀伊半島には、空からの救難救助基地がないことが分かりましたので、それを僕はアピールしました。

 他にあるのは空港を利用して防災基地を使っているなと。それは自衛隊の基地でなくて民港でも自衛隊が駐屯してやっていることがありますが、紀伊半島はないということをご理解いただいた感じがします。

 だから、繰り返しになりますが、最初は、自衛隊駐屯が唯一ないということが1つ。その次は、広域防災拠点が自衛隊の駐屯以前に要るなということになったと。今後、基地ができたときも将来、自衛隊の駐屯を要望するのかと。防災のための駐屯は、第1回の原点と同じように、要望したいなと思っています。

毎日新聞:
 例えば奈良周辺の駐屯地が移るような、そういう想定をしたことはありますか。

知事:
 自衛隊の駐屯ということについて、それは防災でですか。

毎日新聞:
 防災の観点ですね。

知事:
 防災は、紀伊半島知事会議で、和歌山県、三重県は、ぜひ早くしてくれということで、その共通の3県知事の陳情書も出来上がりましたので、それも持って東京を駆けずり回ってきました。防災拠点を3県で要望するということで回ってきました。それが基本になります。

司会:
 ほかにご質問はよろしいですか。 
 これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集し、質疑テーマごとにまとめています。)

お問い合せ先:奈良県広報広聴課 報道係  TEL 0742-27-8325