県は、中国陝西省・韓国忠清南道と平成23年にそれぞれ友好提携を締結し、令和3年で10周年を迎えます。
両省道とはこれまで、知事の相互訪問や、次世代を担う青年の交流、文化財保護などの専門分野における交流、東アジア地方政府会合など、多様な交流を重ねてきました。
今回は、その歩みと両省道とのつながりを紹介します。
友好提携の経緯と両省道の紹介
中国陝西省
隋(581~618年)や唐(618~907年)の都・長安が置かれていた「中国のシルクロード起点の地」
平成20年以降、訪問団の相互派遣や青少年スポーツ交流などにより交流を重ねてきました。平成23年9月2日、陝西省人民政府高級顧問が来県し、「日本国奈良県と中華人民共和国陝西省の友好提携締結に関する協定書」に署名し、友好提携関係を樹立しました。
兵馬俑(へいばよう)
写真提供:陝西省
秦の始皇帝陵の一部としてユネスコ世界文化遺産に登録されています。
明代城壁(みんだいじょうへき)
写真提供:中国駐大阪観光代表処
西安市内を約14kmにわたって囲む城壁で、4方向にそれぞれ城門があります。
大雁塔(だいがんとう)
写真提供:中国駐大阪観光代表処
唐の高僧・玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)がインドから持ち帰った経典などを保存するために建立された塔です。
韓国忠清南道
かつて百済(紀元前18~660年)の都が置かれていた地
平成22年開催の「平城遷都1300年祭」と「世界大百済典」への相互出展などにより交流を深めました。平成23年10月26日、忠清南道知事が来県し、「日本国奈良県と大韓民国忠清南道との友好提携協定書」に署名し、友好提携関係を樹立しました。
公州(コンジュ) 宋山里古墳群(ソンサンリ)
写真提供:忠清南道
熊津(ウンジン)時期(475~538年)の百済の王と王族が埋葬されている古墳群です。
扶餘(プヨ) 定林寺址(チョンリムサジ)
写真提供:財団法人 百済世界遺産センター
百済固有の寺院建築がなされていた寺院跡で、高さ8.3mの石塔が残されています。
礼山(イェサン) 修徳寺(スドクサ)
写真提供:忠清南道
韓国の代表的な観光名所で、奈良県の飛鳥寺ともゆかりがある千年の古刹です。
奈良とのゆかりの地 両省道とのゆかりがたくさん!
陝西省
①平城宮跡
唐の都・長安をモデルとした平城京の宮跡です。平成20年の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席(当時)の来県時に贈呈された「友誼(ゆうぎ)之舟」と「鑑真和上の胸像」が、天平うまし館に展示されています。
②唐招提寺
唐から来日し、日本に仏教の戒律を伝えた鑑真和上ゆかりの寺です。かつて戒壇(かいだん)(戒律を授けるための場所)のあった陝西省の浄業寺(じょうごうじ)に袈裟(けさ)を奉納するなど、現在も交流が続いています。
③薬師寺
写真提供:一般社団法人奈良県ビジターズビューロー
金堂の薬師三尊像は初唐の影響を受けた傑作です。また、玄奘塔には唐の高僧・玄奘三蔵の遺骨が納められています。
④御蓋山(みかさやま)
遣唐使が唐への渡航前に、山に向かって航海の安全を祈りました。
遣唐使の阿倍仲麻呂が長安で詠んだ「天の原ふりさけ見れば春日なるみかさの山に出でし月かも」という歌は中国でも有名です。
⑤高松塚古墳
男女群像の構図やその持ち物が、唐の永泰公主墓(えいたいこうしゅぼ)の壁画に似ています。
忠清南道
1法隆寺
百済から仏教が公伝した後、仏教を広め、国の礎を築いた聖徳太子ゆかりの寺院です。
2當麻寺
金堂に安置されている四天王像は、開創時に百済の地から飛来したと伝えられています。
3飛鳥寺
百済の僧や寺院建築の技術者が建立に関わっています。また、忠清南道の礼山にある修徳寺と姉妹寺院の関係にあります。
4元興寺
平城京遷都に伴い、飛鳥から新築移建された寺院です。その屋根瓦の一部には、百済の瓦博士が造ったとされる日本最古の瓦が現役で葺(ふ)かれています。
5石上神宮
写真提供:石上神宮
石上神宮に伝わる「七支刀(しちしとう)」は、百済で造られたと考えられています。平成22年に忠清南道で開催された「世界大百済典」に、七支刀のレプリカと復元品を出展し、好評を得ました。
これまでの交流状況
奈良県友好交流を担う次世代養成事業
平成25年から、国際交流や異文化理解に関心のある奈良県青年が両省道などを訪問し、現地学生との交流や奈良とのゆかりの地の視察などを通して交流を深めてきました。
韓日文化キャラバンin奈良
友好協力関係を深めることで、より緊密なパートナーシップを築いていくため、駐日韓国大使館、忠清南道と共催で令和元年に初めて奈良県で開催しました。両国の伝統公演のステージなどを通して、約1,500人の来場者が文化交流を楽しみました。
忠清南道 伝統芸術団「魂」
青少年スポーツ交流
平成29年からこれまでに3回、次代を担う奈良県と陝西省の青少年が互いの国を訪問し、水泳や卓球などのスポーツ交流を行い、相互理解を深めてきました。
専門分野交流
平成26年から橿原考古学研究所の研究者を陝西省の西北大学へこれまで6回派遣し、文化財保護などの専門分野における技術交流を行い、人脈を構築してきました。
東アジア地方政府会合
平成22年から開催している東アジア地方政府会合に、両省道からも参加し、地域振興や社会保障、観光振興など、地方政府が抱える共通の課題解決に向けて議論を深めてきました。
HP・SNS紹介
県では、10周年記念HPや公式SNSアカウントを開設し、県内の両省道とのゆかりの地の旬情報などを発信しています。今後、10周年記念事業などの情報も発信していきます。ぜひ、アカウントの登録をお願いします!
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