第323号(令和4年5月1日)

E-夢 はっしん!  奈良県教育委員会メールマガジン

 

目次   令和4年5月1日(日曜日) 第323号

巻頭言

  ◆「世代」  県教育委員会 教育委員 田中 郁子

 

今、学校では・・・

◆未来のスペシャリスト養成中!!(奈良県立磯城野高等学校)

◆「ありがとう」のあふれる学校に(王寺町立王寺南義務教育学校)

 

奈良県の先生になろう

 ◆奈良県次世代教員養成塾4期生 第6回講座

 

 

保健師のひとくちアドバイス

◆春のメンタルヘルス特集

 

 

すくすく給食!おすすめレシピ

◆(上北山村・中学校

白ごはん・牛乳・三色丼(鶏そぼろ・炒り卵・ほうれん草の和え物)・田舎汁・フルーツポンチ

 

報道発表資料

 


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発行:奈良県教育委員会事務局


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●「世代」

県教育委員会 教育委員  田中 郁子

 

 90年代のバブル期を経て、失われた20年のあと、一時的にアベノミクスで立ち直りかけた経済界は、コロナ禍に振り回されて未だ出口が見えてこない。教育もしかり、詰込み・暗記・偏差値重視の教育から、ゆとり教育を経て脱ゆとり、そして混迷の時代を生き抜く力の育成へと変遷が続く。
 企業内においても、教育を受けてきた年代によるギャップが目立ち始め、上司には部下が見えず部下には感覚や気合だけで語る上司の指示が飲み込めない。昔の「24時間戦えますか」のフレーズはワークライフバランス世代に通用しない。結果うんざりし、あきらめた上司は職場を去り、ストレスを受けた社員は長期欠勤となる。これまでも世代間ギャップは多少あったが、ITによりコミュニケーションのとり方が大きく変わり実社会と触れ合う機会の少ないまま成人となった層が社員の多くを占めるようになって、企業風土の醸成や社是や経営理念を浸透させる社員教育にも様々な工夫が必要となってきた。ITが達者、自由な発想ができる、興味を持てばどんどん上っていく、この世代の特性を掴まえてそれを引き出すにはどんな教育が必要なのか。主体性がなく他者からの否定を恐れ、物事の是非を示すことの少ない世代に自己肯定感がもてる教育とはどんな教育なのか。それを考えていく中で、その一端を今回の東京オリンピック、北京オリンピックに垣間見たような気がする。他人と比べず、自分の納得との闘いに挑む姿、切磋琢磨をしながらも自分を極めるスタイル、他者がチャレンジすることへのリスペクト、その結果に駆け寄り皆でハグする姿は美しかった。競争しか知らない金・銀・銅しかいらない世代には、まことに羨ましい眩しい光景であった。

 

 

 

 

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 農業系と家庭系の専門高校である奈良県立磯城野高等学校と、今年度からスタートをした王寺町立王寺南義務教育学校の2校を紹介します!!

 

●未来のスペシャリスト養成中!!

奈良県立磯城野高等学校

 

 磯城野高校は農業系4学科と家庭系3学科を有する専門高校です。それぞれ特徴ある学びを展開しています。一部をここで紹介します。


農業系学科

 農業科学科・施設園芸科では農業分野における人材育成活動の一つとして、JGAPの認証に取り組み、一昨年度はミニトマト、昨年度は柿で認証を取得しました。特にミニトマトでの認証取得は奈良県初でした。

【おいしいミニトマトができました】

磯城野1


    バイオ技術科では、5年以上前から地域の特産物である味間いもを活用した商品開発に取り組んできました。そして、今年の2月にその苦労が実り、ならコープより味間いもポタージュを販売することができました。

【味間いもポタージュ】

磯城野8

※味間いもポタージュを詳しくごらんになりたい方はこちら


 環境デザイン科は全国レベルで活躍しています。第59回技能五輪全国大会造園競技で銀賞を受賞、高校生では日本1位となる成績でした。また全国トレース技能検定では全国検定振興機構理事長賞を受賞、これは日本2位となる成績でした。

【全国大会銀賞!高校生で日本1位の庭】

  磯城野14


家庭系学科
 本校家庭科にはフードデザイン科、ライフデザイン科、ヒューマンライフ科の3つの科が設置されています。その中でも、ライフデザイン科では、豊かで快適な衣生活を送るための基礎知識と技術を身に付けることを目標とし、優れたデザイン感覚を身に付け、ファッションを通じて自己実現できる力を養い、ファッション業界で活躍できる人材の育成を目指しています。奈良県では唯一ファッション系の専門的な学習ができる学科で、実習を中心に学んでいます。代表的な取組は「作品発表会(ファッションショー)」で、テーマ設定から作品製作までを生徒主体で行っています。さらに作品完成後は、音楽、ショーの構成を考え、自らモデルとなって舞台に立ちます。専門学校講師によるデザインや立体裁断の授業や、プロのモデルのウォーキング講習なども取り入れ、協力し合って作品発表会を作り上げていきます。作品発表会への取組を通して、ファッション業界への興味・関心が高まり、将来の自分の進路や職業について深く考える生徒が増え、また、自分の得意分野を伸ばそうと努力する様子が見られます。

 

【華やかなファッショショー】

磯城野高校3

【ウォーキングレッスン & ドレスの作成中】

磯城野5

 

●「ありがとう」のあふれる学校に -施設分離型義務教育学校の開校-

王寺町立王寺南義務教育学校

 

1 施設分離型の義務教育学校として
 王寺町では、この4月から町内の3小学校と2中学校を、施設一体型と分離型の義務教育学校2校に再編統合した。施設分離型の本校は、太子学舎で第1~4学年の児童が、畠田学舎で第5~9学年の児童生徒が学ぶ児童生徒数約1,000人の義務教育学校として開校した。太子学舎では最高学年となる第4学年での自発的、自治的な活動の充実による成長、畠田学舎では第5,6学年での部分的教科担任制や部活動体験の導入による教科指導の充実と後期課程への円滑な導入が特色となる。また、特に畠田学舎に集まる教職員の専門性や文化の交流、融合による指導力等の向上が、学校力の一層の充実につながることが期待できる。

 

【王寺南義務教育学校 太子学舎】

王寺南1

【王寺南義務教育学校 畠田学舎】

王寺南2


2 両学舎をつなげる情報発信を

 義務教育学校で重視する教育や両学舎における学習活動などを児童生徒はもちろん保護者、地域住民に発信するため、学校通信「王南通信」を発行。環境負荷の大きい印刷配布はせずホームページ掲載のほか、保護者等へメール配信する予定。学舎間が徒歩20分程度の距離であるため、学校通信等による互いの連携のほか、両学舎の児童生徒や教職員が気軽に交流できるようオンライン通信の活用を図っていく。

 

【太子学舎始業式&畠田学舎始業式

王寺南3

【王南通信第1号】

王寺南6

☆「王南通信第1号」を詳しくごらんになりたい方はこちら

 


3 読書活動と道徳教育をつないで
 児童生徒の豊かな人間性を育む上で、想像力の涵養は欠かせない。そのためには読書活動の充実が重要であると考えている。さらに読書活動を心の育ちにつなげられるよう、学校司書と協力した取組を進めている。

 

【太子学舎メディアセンター&道徳コーナー&畠田学舎メディアセンタ-】

王寺南4


4 「ありがとう」のあふれる学校を目指して
 私たち教職員が毎日できる教育活動が校門での出迎え。マスクだからこそ、しっかり目を合わせ笑顔で挨拶をする心地よさを伝えたい。昨年度の王寺南小学校では、挨拶の後「気持ちよい挨拶をありがとう」とつけ加えるようにしてきた。感謝は、相手からの思いやりや心遣いを受け取ったことを感じた証であり、支えられている自覚があってこそ芽生える。他者への思いやりと感謝は表裏一体のものであり、「ありがとう」の言葉があふれる学校は、助け合いや支え合いに満ちた学校であり、まさに楽しい学校であろう。今後もこうした学校づくりを何より大切にしたい。

 

【朝の登校風景~いつもだれかにありがとうを~】

王寺南5


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 4月16日(土曜日)に、畿央大学で奈良県次世代教員養成塾の第6回講座を実施しました。「私も小学生だった」をテーマに、子どもたちの遊びと学びについて考えました。

 

 ●奈良県次世代教員養成塾4期生 第6回講座

 

 第6回講座は「私も小学生だった」をテーマに、「小学校6年間の発達特性を自分の成長を振り返りながら考え、子どもたちが学ぶ内容は発達に即して定められていることを理解する」ことが目標でした。

 受講生は、自分が小学生だったころの遊びを思い出し、その遊びにはどんな意味があったのかをグループで話し合いました。その後、実際にビー玉遊びやメンコ遊びを体験し、子どもたちが遊びをとおして体の動かし方を学んだり、遊びのルールを考えることで仲間とのコミュニケーションについて学んだりしていることに気付くことができました。畿央大学の奥田先生から「子どもたちができないときに、なんとかしようと考えるのが教師の役目だ」と伝えられ、「自分が教師として子どもの遊びを指導するときに、どのような遊びをどのように指導したいか」について考えました。

 ビー玉やメンコで遊ぶときは、まるで小学生のように盛り上がっていた受講生のみなさんが、グループで話し合うときは真剣な表情で熱心に議論をしていた姿がとても印象的でした。子どもたちにとって、遊びと学びはつながっていることを、受講生も講座をとおして体験できたのではないでしょうか。遊びの中で子どもたちが様々な力を育んでいるという視点をもって、子どもたちと接することが大切だと学ぶことができたと思います。

 

 【受講生の感想】

  • 遊びという楽しいものから、物の見方などの知識がついたり、コミュニケーションを取ることができたりするなど、小学生の時から何気なく行っていたことが、学ぶことの楽しさに繋がるのだと思った。生徒と共に、もっとこうすればよいのではないかと試行錯誤できたりするので、その時に先生も生徒も新しい発見ができ、教えることの楽しさも同時に感じられると思う。
  • いつになっても遊ぶことは楽しいし、今遊んでみるとたくさんの学びが潜んでいるんだとわかった。それぞれの年齢や身体の特徴に合わせてルールを考えたり、児童たちと考えることで理解が深まっていくと思った。できたことに対する喜びをみんなで分かち合えたらいいなと思った。
  • グループのみんなと遊んだことのない遊びをしたり新しいルールを考えたりすることで、自分が教師になって体育やお楽しみ会などみんなで遊ぶ場面に遭遇したときにどういうことに気をつけるべきなのか、まだ自分らしい答えを導き出すことができたわけではないけれど、なんとなくつかむことができた。
  • 遊びと学びには何かしら関連することがあるので、自分も遊びに加わることで、子どもたちと一緒に楽しく学べると思う。もちろん、勉強は楽しいことばかりではないが、小学生の間は人との関わりを学ぶことにも重点がおかれるので、まずは勉強=楽しくない、強制されるもの、という印象を持たせないためにも遊びを取り入れた学習をさせるのが大事だと思う。先生の立場としても、子どもに嫌々勉強させるより楽しく勉強して欲しい、と考えると思った。
  • 「学ぶことの楽しさ」は、何か知識を得ようとして頑張るということだけが「学ぶこと」ではないということに気づき、学ぶことの楽しさとは、自分は楽しみながらでも身に付けられることがあるというところににあると思います。「教えることの楽しさ」は、子どもたちと一緒に考えたり私自身が提案したりしたルールの中で自然と「学び」を得てくれることだと思います。

次世代教員養成塾

 

 


 


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 新緑がきれいな季節になってきました。新年度が始まって1ヶ月たちましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

 ●春のメンタルヘルス特集


 前回に続き、メンタルヘルスについてお送りします。今回は、ストレスに備えるため、レジリエンスを高め、コーピングスキルを充実させるための方法についてお伝えします。 

 

〈レジリエンスを高めるための要素〉

自分の軸をもつ・・・他者と比較して卑下しない
しなやかな思考をもつ・・・自己肯定感を高くもつ
対応力をつける・・・失敗から学び、成功体験につなげる
人とのつながりを大切にする・・・困ったときに助けを求められる
・セルフコントロールを身につける・・・ストレスに向き合い対処できる
健康なライフスタイルを維持する・・・禁煙・節酒・運動習慣をもつ


〈ストレスに対処するコーピングスキル〉

・ストレスを別のことで解消する
 →気分をしずめる(リラクセーション法など)
 →身体の興奮を静める(運動など)
・ストレスに対するとらえ方を変える
 →前向きに考える
 →評価を変える
 →自分にやさしい言葉を使う 

 

 レジリエンスを高め、自分に合ったストレスコーピングを見つけてみましょう
 次回はおちいりがちな思考パターンとその対処についてお伝えします。

「保健だより」vol.13. 2022.5月号はこちら

 

 

すくすく給食! おすすめレシピ  目次に戻る

 奈良県内の地域の産物や行事食、旬の食材を取り入れるなどの工夫をした、我が町・我が校自慢の学校給食の献立をご紹介しています。以下のレシピをクリックしていただくと、分量や調理の方法を見ることができます。ご家庭でも、ぜひお試しください。

●今月の地域

上北山村・中学校

    上北山村給食

 

●今月の献立

主  食:白ごはん

牛  乳:牛乳

主  菜:三色丼の具(鶏そぼろ・炒り卵)

副  菜:三色丼の具(ほうれん草の和え物)

汁     :田舎汁

デザート:フルーツポンチ

レシピはこちら

 

●献立紹介

上北山村で生産・加工されているこんにゃくを使った献立です。上北山村は地場産物が少なく、給食に取り入れるのが難しい環境にありますが、できるだけ奈良県産の食材を取り入れられるよう、献立作成しています。また、地場産物を使用する日には、給食時間に紹介しています。             
 

 

報道発表資料 4月1日~4月30  目次に戻る

 
 2022年04月28日 令和3年度「県立学校による地域との協働推進事業」及び県立学校による「地域と共にある学校づくり」取組概要をアップしました。
2022年04月28日 令和3年度県立学校による地域との協働推進事業アンケート結果
2022年04月28日 令和4年度スクールソーシャルワーカー新規採用募集
2022年04月27日 令和5年度奈良県公立学校教員採用試験の採用予定者数について
2022年04月27日 令和5年度 奈良県・大和高田市・県立大附属高公立学校教員採用候補者選考試験について
2022年04月27日 令和4年度奈良県児童生徒の体力テスト等調査について

2022年04月26日 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策を講じた水泳指導について

2022年04月25日 令和5年度奈良県公立学校教員採用試験受験案内及び説明会について

2022年04月22日 令和4年度 奈良県立学校施設整備手法等検討支援業務に関する入札公告について
2022年04月21日 令和4年度全国学力・学習状況調査実施状況
2022年04月20日 SDGsに関する取組紹介

2022年04月18日  「高校生スタートアッププログラム」業務委託について

2022年04月18日  令和5年度奈良県立高等学校入学者選抜日程
2022年04月14日  奈良県次世代教員養成塾後期プログラム募集案

2022年04月14日 旧奈良高等学校(法蓮学舎)境界明示及び嘱託登記業務に関する入札公告について 
2022年04月13日 令和4年度第2回定例教育委員会の開催について
2022年04月13日  令和4年度来所教育相談指導員の募集
2022年04月11日  盲学校トイレ洋式化工事の入札公告について  
2022年04月11日  奈良東養護学校トイレ洋式化工事の入札公告について  
2022年04月11日  西和養護学校トイレ洋式化工事の入札公告について  
2022年04月08日  令和4年度「奈良県高校生等奨学給付金(新入生のための早期支給)」の受付を開始しました。
2022年04月06日  人権学習資料「新たなるステージ~なかまとともに~」を掲載しました
2022年04月04日  「ならの教育応援隊」のページを更新しました。
2022年04月01日  新型コロナウイルス感染症にかかる県立高等学校等における今後の対応について  
2022年04月01日  令和4年度 県立学校体育施設開放事業  
2022年04月01日  県立学校の耐震化について


 

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