E-夢 はっしん! 奈良県教育委員会メールマガジン
目次 令和4年6月1日(水曜日) 第324号
◆子ども(宝物)を輝かそう 県教育委員会事務局 教育次長 春田 晋司
◆吉野さくら学園 開校 ~地元の木とともに成長する子どもたち~(吉野さくら学園)
◆いのちを大切にする心と未来を切り拓く力を育む~宇陀高等学校開校~(奈良県立宇陀高等学校)
◆奈良県次世代教員養成塾4期生 第7回講座
◆第1回 令和4年度入試を振り返って(高校の特色づくり推進課)
◆春のメンタルヘルス特集
白ごはん・牛乳・五條の豚肉となすのみそ炒め・大和まなのナムル・奈良の米粉トックスープ
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発行:奈良県教育委員会事務局
●子ども(宝物)を輝かそう
県教育委員会 教育次長 春田 晋司
4月に現職に着任させていただきました春田です。今後、更に心を引き締めて、奈良県の教育政策の充実と発展に尽力してまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
新型コロナウイルス感染症は、未だに収束の兆しを見せず、学校現場においては子どもたちの学びを止めないための様々な対応が続いています。そのような中、日々感染症対策にご尽力いただいている先生方をはじめ学校関係者や地域の方々には、改めて心より御礼申し上げます。
さて、私は、県教育委員会や学校現場で管理職として勤務していた時、私が考える理想の教員像について、先生方に次のような話をしてきました。まず、教員であるという奢りを捨てること。自分は雑巾として自分が出会ったすべての子どもたちを日々磨いて磨いて磨き続け、本来の美しい色で輝かせること。そして、数年先の卒業式に、たとえ自分が汚れて破けてボロボロになったとしても、ピカピカに輝いた子どもたちに心から「おめでとう」と声をかけることができる教員であること。また、『人は、他人からいただいた愛情の分だけ他人に愛情を注ぐことができる』という考えから、常に子どもたちの心の愛情バッテリーをフルに充電することができる教員であること。
教員は、決して自分の言葉や行動で大切な子どもの心と体を傷つけてはいけません。また、自信や夢を喪失させたり、悲しませたりしてもいけません。教員の仕事は、子どもに自己有用感、自己肯定感を感じさせ、生きていく喜びと自信をもたせることであると考えています。子どもたちは、国や地域の未来を支えるかけがえのない宝物です。教育に携わるすべての人たちがこのことを認識し、目の前にいるすべての子どもたちを日々磨き続けてほしいと考えています。
この4月から新しく開校された「吉野さくら学園」と「県立宇陀高等学校」の2校を紹介します!!
●吉野さくら学園 開校 ~地元の木とともに成長する子どもたち~
吉 野 さ く ら 学 園
吉野町立吉野小学校
吉野町立吉野中学校
この春、町内にあった吉野小学校と吉野北小学校の2校が統合して、新たな吉野町立吉野小学校が開校しました。そして、町内で1つの中学校である吉野町立吉野中学校と校舎施設をつなぎ、小中学校が連携して9年間の一貫した教育を推進する施設一体型の小中一貫教育校『吉野さくら学園』として歩み始めました。校舎には地元吉野の木材がふんだんに使われ、子どもたちが使う学習机も吉野材を用いたオリジナルのものであり、全体的に木の温かさやぬくもりを感じることができるすばらしい施設や設備です。
【校舎全景】
【小中接続部分1階 & 小学校棟1階】
吉野さくら学園では、「ふるさと吉野への郷土愛、愛着心あふれるひとづくり」を基本理念とし、「確かな学力、豊かな人間性、たくましい心身を身につけ、自信と誇りをもって未来に向かって力強く生き抜く子どもを育てる」ことを教育目標に、吉野の桜に関わる活動や地元の伝統工芸である和紙づくりに関わる活動など、特色ある取組を進めています。小学生は、桜で有名な吉野山のシロヤマザクラの種を拾い、苗を育てて吉野山に植樹したり、地元の伝統工芸である国栖の和紙づくりの技法を学び、原料の楮を育てて自分の卒業証書用紙を漉いたりする取組を行います。また、中学生は、吉野山で観光案内を行います。これらのことを通して、ふるさとへの郷土愛を育み、自信や誇りを育てます。
【桜ばたけ整備 & 吉野山観光案内】
さらには、これからの社会で活躍するためのグローバルな人材を育むことを目指した外国語教育や、情報を適切かつ主体的に捉えて活用していく力を育てるICT教育に取り組むことで、めざす「ひと」づくりを進めていきます。
●いのちを大切にする心と未来を切り拓く力を育む~宇陀高等学校開校~
奈良県立宇陀高等学校
(1)学校の特色
令和4年4月、大宇陀高等学校と榛生昇陽高等学校の歴史と伝統を継承する宇陀高等学校が誕生しました。
本校には、普通科、こども・福祉科、情報科学科があり、いのちを大切にする心と未来を切り拓く力を育み、自信と誇りをもって地域に貢献する生徒の育成を目指しています。
普通科では、ICTの活用やグループワークを通じて学びを深めるとともに、キャリア教育の充実を図り、文系大学等への進学を目指します。
情報科学科ではプログラミングを楽しみながら学ぶことができます。その学びを実社会での問題発見や解決に活用し、小中学校への出前授業や情報コンテンツを用いたイベントの企画など、地域と連携した教育活動を行います。主に、理系大学等への進学を目指し、就職・進学に有利な国家資格の取得もサポートします。
こども・福祉科では、第1学年で幼児教育や介護・福祉の基礎を学んだのち、第2学年から、保育・幼児教育に携わるための学びや介護福祉士国家資格取得を目指す専門的な学び、また、看護・医療を含めた福祉全般についての学びにより、専門知識と技能を習得し、幅広い進路選択に対応します。同科の2・3年生は令和5年度4月から、現在の大宇陀高等学校の校地に建設される新校舎(大宇陀学舎)で学ぶことになります。
【宇陀高等学校の制服】
【榛原学舎(現榛生昇陽高等学校)& 大宇陀学舎(現大宇陀高等学校)】
※大宇陀学舎は令和5年度から使用
【入浴実習室1 設備(座ったままの入浴が可能)】
【情報科学科 授業の様子】
(2)介護の学びは宇陀の地で!~専攻科介護福祉科の取組~
専攻科では、高校を卒業した方が2年間で介護福祉士国家資格取得を目指して学びます。卒業後は、介護福祉士として介護施設等に就職する等のほか、社会福祉士の養成を行う4年制大学の3年次等への編入学が可能です。医師や看護師等の専門職による講義のほか、数多くの施設実習を通して実践力を身に付けることができます。令和5年度からは大宇陀学舎に移り、さらに学びを深めます。専攻科には留学生も在籍しており、互いに切磋琢磨しながら学んでいます。また、高校と合同の授業や、地域の方を講師に招いて地域の生活や歴史などを学ぶ授業等を通して高校生や地域の方と交流を図っています。
【介護実習の授業 & 高校との交流授業】
5月7日(土曜日)に、奈良教育大学で奈良県次世代教員養成塾の第7回講座を実施しました。「理科は好きですか」をテーマに、自然科学の魅力について考えました。
●奈良県次世代教員養成塾4期生 第7回講座
第7回講座は「理科は好きですか」をテーマに、「自然科学を学ぶ楽しさや意義について交流し、学ぶ楽しさを教えるための視点をもつ」ことが目標でした。奈良教育大学の信川先生のご指導のもと、自作の望遠鏡を作成しました。受講生は設計図を見ながら望遠鏡づくりに黙々と取り組み、ものづくりの楽しさを体験しました。また、自作の望遠鏡に遮光フィルターを付けて屋外で太陽を観察し、丸い太陽をはっきりと見ることができ、驚きと楽しさを感じていました。その後、信川先生から望遠鏡の仕組みや宇宙の不思議について講義をしていただきました。「宇宙は何歳?」と質問され、その答えに戸惑いながらも、宇宙への興味関心を高めることができました。
高校生や大人になると、自然科学を学ぶことはとても難しく感じてしまいますが、小学生の頃を思い返すと、自然と触れ合い、さまざま不思議と出会い、「なぜ?」と好奇心をかき立てられたことと思います。受講生のみなさんは、「もし、小学生の子どもたちが目をキラキラさせながら『なぜ?』と質問してきたら、教師になった自分はどのように答えるだろうか」と、講義を振り返りながら考えることができたようでした。
【受講生の感想】
- 子どもたちからの質問や疑問をきっかけに、自分の知らなかったことでも自分で調べて子どもたちに答えることが、新しいことを学ぶ楽しさだとわかった。また、実験用具の作り方を子どもに教える時にコミュニケーションをとり、子どもたちと一緒に作りながら教えるところに楽しさがあると思った。
- 自分で作ってみることで望遠鏡の仕組みが分かって面白かった。『体験』から学びにつなげると、楽しいうえに自分の経験と結びつけて考察することができるのでよりよいと思う。
望遠鏡を作るときに難しいところは教え合うことができて良かった。
- 今回、宇宙についてのお話を伺って、全然知らないことを知ることで楽しさを感じることができたので、自分が教員になった時に、子どもたちに新しいことや知らないことを教えて、「楽しい!面白い!」と感じてもらえるようにしたいと思った。
- 望遠鏡を作るときに、分からないことを班の人と協力し、助け合うことで交流ができた。自分で望遠鏡を作ったことでその構造を知ることができ、思っていたよりも簡単な構造であることがわかった。今回の講座を振り返って、子どもたちがどんなことに疑問をもつのかを考える機会になり、自分が教える立場になったときに役立つと思った。
- 一人で黙々と取り組むことも楽しいが、まわりの人と交流をしながら学ぶのはすごく楽しくて、重要なことだと改めて感じた。自分が教えた相手が「ありがとう!」と喜んでくれた顔を見ると、頑張って教えてよかったと自分も嬉しい気持ちになれたことに、教えることの楽しさを感じた。
【望遠鏡づくり】
【望遠鏡で太陽の観察】
※遮光フィルターをつけて観察しています。太陽を直接見てはいけません。
今月から令和5年度入試に向けた【高校入試インフォメーション】が始まります。【高校入試インフォメーション】では、中学生の皆さんや保護者の方々に、令和5年度入試についての情報をお知らせしていきます。
第1回目は、今年の2月、3月に実施された令和4年度入試の内容を振り返ります。
●第1回 令和4年度入試を振り返って(高校の特色づくり推進課)
1 特色選抜(2月に実施)
全日制課程の専門学科、総合学科、普通科の一部のコースで実施する選抜です。令和4年度入試では、公立高校20校で実施しました。実施校や出願者数等については、こちらのページの「令和4年度奈良県公立高等学校入学者特色選抜等実施状況」(2022年2月18日)をご覧ください。
特色選抜では、国語、数学、英語の学力検査を実施するとともに、学校独自検査、面接、実技検査の中から1種類以上の検査を実施しました。
学力検査問題等については、こちらをご覧ください。
2 一般選抜(3月に実施)
定員の全て又は一部を一般選抜で募集する学科(コース)及び特色選抜で合格者数が募集人員に満たなかった学科(コース)で実施する選抜です。
令和4年度入試では、公立高校全日制課程25校、定時制課程4校で実施しました。実施校や出願者数等については、こちらのページの「令和4年度奈良県公立高等学校入学者一般選抜等実施状況」(2022年3月10日)をご覧ください。
一般選抜において定員を定めて募集する学科(コース)では、国語、社会、数学、理科、英語(聞き取り検査を含む。)の学力検査を実施しました。定時制課程及び特色選抜で合格者数が募集人員に満たなかった学科(コース)については、国語、数学、英語の学力検査を実施するとともに、面接又は実技検査を実施しました。
学力検査問題等については、こちらをご覧ください。
3 二次募集(3月に実施)
特色選抜及び一般選抜等で合格者数が募集人員に満たなかったすべての学科(コース)で実施する選抜です。令和4年度入試では、公立高校全日制課程10校、定時制課程2校で実施しました。
4 その他の選抜
県立大和中央高校の定時制課程では、A選抜、B選抜を実施しました。A選抜では、国語、数学、英語の学力検査を実施するとともに、面接を実施しました。B選抜では、面接、作文を実施しました。また、通信制課程では、面接を実施しました。
このほかに、帰国生徒等を対象とした特例措置に関する入学者選抜を実施しました(成人を対象とした特例措置は出願者なし)。
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*担当:高校の特色づくり推進課高校教育指導係(0742-27-9851)
*高校入試に関する情報は、こちらのページをご覧ください。
新緑の美しい季節になりました。6月は梅雨でジメジメとするうえ、祝日がないので疲れをため込みがちです。週末には積極的に休息をとってください。春のメンタルヘルス特集も今回が最終となります。今回は陥りがちな思考パターンとその対処についてご紹介します。
●春のメンタルヘルス特集
ストレスがかかっていると感じるときに、自分の「思考」がどう働いているかを考えることで気持ちの変化をもたらすことがあります。
「おちいりがちな思考9パターン」
1 個人化:すべて自分のせいでこうなっていると思い込む
2 他人化:他者のせいでこうなったと思い込む
3 マインドリーディング:相手の気持ちを推測して勝手に思い込む
4 大惨事思考:一つの出来事を「いつも」「すべて」と過剰にとらえ、将来が悲惨であると思い込む
5 無力感思考:自分は非力な人間だと思い込む
6 べき論:「こうあるべき」との固定観念が強い
7 白黒思考:ほどほどという捉え方ができない
8 ラベリング:「あの人はそういう人だ」と決めつける
9 視野狭窄:ネガティブな事ばかりに注目してプラス面を見ようとしない
いかがでしょうか、当てはまるものはありますか?誰しもが持つ「思考」のパターンですが、「自分は個人化とマインドリーディングの傾向が強いな・・・」「あ、またラベリングしてしまっていた」などと自分の思考パターンを自覚することが大切です。その上で思考のパターン変更スキルを試してみてください。
「思考パターン変更スキル」
1「見方を変換する」・・・「もっと前向きな見方をすると・・・」
・ものの見方を生産的な考え方に転換するスキル
2「証拠探しをする」・・・「それは本当ではない、なぜなら・・・」
・自分の思い込みに対する反証をあげるスキル
3「計画を考える」・・・「もし〇〇が起こったら、私は△△する」
・発生しそうな事態に対して、可能な限り有効な緊急対策を思い描くことで、心を落ち着けるスキル
自分の思考パターンを変えるというのは簡単なことではありませんが、思考を整理することで心が楽になるかもしれません。ぜひ一度お試しください。
~終わりに~
逆境を乗り越えるために「自分はひとりではない」「助けてくれる誰かがいる」と考えることは、実践的にも精神的にも大きな支えとなります。カウンセリング窓口などのご質問があれば、教職員課保健師までお知らせください。毎年夏に行われるストレスチェックで、ご自身のストレス度合いをチェックしてみましょう。
「保健だより」vol.14. 2022.6月号はこちら!
奈良県内の地域の産物や行事食、旬の食材を取り入れるなどの工夫をした、我が町・我が校自慢の学校給食の献立をご紹介しています。以下のレシピをクリックしていただくと、分量や調理の方法を見ることができます。ご家庭でも、ぜひお試しください。
●今月の地域
五條市・中学校
●今月の献立
主 食:白ごはん
牛 乳:牛乳
主 菜:五條の豚肉となすのみそ炒め
副 菜:大和まなのナムル
汁 :奈良の米粉トックスープ
※レシピは こちら!
五條市では、豚肉・牛肉・黒米・たまねぎ・赤たまねぎ・きゅうり・ピーマン・なす・かぼちゃ・キャベツ・梅干し・しし肉・柿・梨・りんご等は五條市産を使用しています。地元で生産された食材を使用した献立を、地産地消と五條市の「五」をかけ合わせて、「五産五消献立」としています。6月の第3週の5日間に五産五消献立として献立計画を立案し実際に提供します。
2022年05月26日 令和4年度 奈良県立学校建築物等定期点検業務委託に関する入札公告について
2022年05月25日 令和4年度奈良県教育委員会免許法認定講習の実施について
2022年05月24日 「ならの教育応援隊」のページを更新しました
2022年05月24日 奈良県コミュニティ・スクールアドバイザーの派遣について
2022年05月24日 会計年度任用職員の募集
2022年05月24日 第4回奈良県立高等学校入学者選抜検討委員会の開催について
2022年05月23日 県立学校運動部活動指導員の募集について
2022年05月19日 令和4年度奈良県高等学校体育連盟新本部役員について
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