文化財の保存と活用について
文化財は、日本の歴史や伝統、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の充実・発展の基礎をなすものとして、大切に受け継いでいくべきものです。そのためには、文化財の「保存」が適切に行われなければなりません。
奈良県の大きな魅力の一つは、長きにわたり多くの人々の手によって継承されてきた文化財が豊富に存在することにあります。しかし、近年、過疎化・少子高齢化の進行など、文化財を取り巻く社会的環境は大きく変化しています。文化財を守る地域の衰退が懸念され、文化財の修理を担ってきた技術者の後継者が減少するなど、地域の伝統や文化の消滅の危機に瀕しています。
文化財を適切に保存し、未来につないでいくためには、文化財が多くの人々に理解され、支えられることが必要です。この文化財に対する理解を深めてもらうための取組が「活用」になります。
文化財の「保存」と「活用」を車の両輪と捉え、一体的な施策展開を行うため、令和3年6月に「奈良県文化財保存活用大綱」(適用期間:令和3年~令和6年)を策定しました。この大綱は、本県における文化財の保存と活用の基本的な方向性を明確にして、各種の取組を進めていく上での共通の基盤となるものです。
<奈良県文化財保存活用大綱>
・奈良県文化財保存活用大綱(表紙・目次)(pdf 63KB)
・奈良県文化財保存活用大綱(本文)(pdf 843KB)
市町村文化財保存活用地域計画について
平成30 年の文化財保護法の改正により、市町村は、同法第183条の3第1項に基づき「市町村の区域における文化財の保存及び活用に関する総合的な計画」として、文化財保存活用地域計画を作成できることになりました。この計画は、各市町村が取り組んでいく目標や具体的な取組を記載した、「当該市町村の文化財の保存と活用にかかるマスタープラン兼アクションプラン」となります。
県では、この地域計画の作成に向けて、域内の市町村が相互に矛盾なく、同じ方針のもとに取り組んでいけるように、参考となる各種情報の提供や相談、助言などの支援を行っています。
<現在策定済みの市町村文化財保存活用地域計画>
・王寺町文化財保存活用地域計画
・大淀町文化財保存活用地域計画