第14回定例会議(令和7年2月13日開催)

開催概要

議決事項

1 令和7年度当初予算案について
<総務課>
2 令和6年度一般会計補正予算案について <総務課>
3  奈良県職員定数条例の改正について <総務課>
4 「奈良県行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用等に関する条例」等の一部改正について <学校支援課>
5  県費負担教職員定数条例等の改正について <教職員課>
6 奈良県教育職員免許状再授与審査会規則の制定について(pdf 578KB) <教職員課>

7

「奈良の学び推進プラン」について(pdf 1370KB)

<義務教育課>

リンクのない事項は、非公開で審議されたものです。

 

 

その他報告事項

1

令和8年度奈良県立高等学校入学者選抜の日程及び検査内容について(pdf 567KB)
<高校教育課>
 2 令和6年度『こころと生活等に関するアンケート』について(pdf 556KB) <義務教育課>
 3 令和8年度奈良県立特別支援学校幼稚部・高等部等入学者選抜・選考の日程について(pdf 91KB)  <特別支援教育推進室>



令和6年度第14回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和7年2月13日 
 15時30分

 

<閉会>
 令和7年2月13日
 17時15分

 

<会議場所>
 教育委員室

 

<委員出欠>
 伊藤忠通(出席)
 田中郁子(出席)
 伊藤美奈子(出席)
 三住忍(出席)
 橋本昌大(出席)

 

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1 令和7年度当初予算案について(可決)

議決事項2 令和6年度一般会計補正予算案について(可決)

議決事項3 奈良県職員定数条例の改正について(可決)

議決事項4 「奈良県行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用等に関する条例」等の一部改正について(可決)

議決事項5 県費負担教職員定数条例等の改正について(可決)

議決事項6 奈良県教育職員免許状再授与審査会規則の制定について(可決)

議決事項7 「奈良の学び推進プラン」について(可決)

 

<議事内容>

○大石教育長 「伊藤忠通委員、田中委員、伊藤美奈子委員、三住委員、橋本委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和6年度第14回定例教育委員会を開催いたします。本日は、委員全員出席で、委員会は成立しております。」

○大石教育長 「議決事項1から議決事項5については、議会の議決を経るべき議案についての意見の申出に関することであり、意思形成過程であるため、当教育委員会においては非公開で審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」

      ※ 各委員一致で可決

○大石教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項1から議決事項5については、非公開で審議することとします。」

○大石教育長 「議決事項6『奈良県教育職員免許状再授与審査会規則の制定』について、ご説明をお願いします。」

○東村教職員課長 「奈良県教育職員免許状再授与審査会規則の制定について、説明いたします。
 令和4年4月に施行された教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律において、児童生徒性暴力等を行ったことにより、教育職員免許状が失効または取上げとなった者に対し、免許状を再び授与するにあたっては、あらかじめ都道府県教育委員会が設置する教育職員免許状再授与審査会の意見を聞く必要がある、また、その審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、文部科学省令で定めると規定されました。これを受けた省令で基本的な事項を定めつつ、その他必要な事項は都道府県の教育委員会規則で定めると規定されたため、今般、奈良県教育職員免許状再授与審査会規則を制定するものです。
 本規則では、審査会の組織、委員の構成、会議の運営、審査会の庶務等に関することを定め、令和7年4月1日から施行することとします。
 以上です。」

○大石教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○三住委員 「この審査会で上がってきた案件は、ゼロベースで再授与するかしないかを決定し、特別に悪いものだけを排除するものなのでしょうか。」

○東村教職員課長 「児童生徒性暴力等を行ったことにより免許失効また取上げとなった職員については、3年経過後に再授与の申請をすることができます。その再授与申請を受けて、この審査会を開くことになるのですが、決定については原則、委員全員の全会一致をもって議決というところになります。考え方については、文部科学省の指針でも示されていますが、児童生徒性暴力等を行ったことにより懲戒免職等となった教員が教壇に戻ってくるという事態はあってはならないというのが、再授与審査会の基本的な趣旨です。そのため、加害行為の重大性や本人の更生の度合い、被害者及びその関係者の心情等に照らし、総合的に判断することになり、再授与を行うためには、少なくとも児童生徒性暴力等を再び行わないことの高度な蓋然性が必要であり、児童生徒性暴力等を再び行う蓋然性が少しでも認められる場合は、基本的には再授与を行わないとなっています。」

○三住委員 「国は、一回失効したら二度と再授与しないという考え方の法律にはしなかったのでしょうか。」

○東村教職員課長 「いろんな議論はされたとは思いますが、結果的にこういう規定が入ったということは再授与を認める余地を残したということだと考えています。基本的には、再授与しないということですし、その再授与が適当であるということの証明は、申請者自身が行うということになっており、証明ができない限りは再授与しないという制度になっています。」

○橋本委員 「各都道府県に同じようなこの審査会が設置されて、規則が設けられるというのは、大体横並びで進んでいるのでしょうか。そうであれば、この規則は雛形的なものがあるのかと思いますが、それと奈良県のものはそう変わらないのかどうかの質問が1つと、この同じような規則が作られているようであれば、今後この審査会の5人以内という委員の確保は困難ではないのかどうかというところの2点をお伺いできればと思います。」

○東村教職員課長 「法律の施行が令和4年4月のため、最速で令和7年4月に再授与の申請が出てくるというのは全国共通です。近畿では滋賀県が既にこの規則を制定しています。審査会の組織運営に関する基本的な事項は文部科学省令で定まっており、さらに詳細な事項である委員の構成や、非公開とすること、守秘義務等については、文部科学省の指針で定められています。本県の規則は、この指針に沿った規定としつつ、それ以外の事項で、会議の招集は会長が行うこと、庶務部局をどこにするか等については、本県の他の審査会と同様の規定としています。今後、定められていく団体の規則も文部科学省の指針に沿ったものになると思います。
 2点目のご質問について、委員の構成である医療、心理、福祉、法律等の分野については、文部科学省の指針で示されています。基本的には再授与申請自体がほぼないと思っていますので、本県ではあらかじめ委員を選任することをせず、申請があった後に委員の選任に当たろうと考えています。」

○橋本委員 「委員に任期があって常にスタンバイしているわけではなく、案件があれば設置されるということですね。」

○大石教育長 「審査会は委員5人で組織し、会議は会長が招集するとありますが、会長はどのように決まるのでしょうか。」

○東村教職員課長 「委員に集まっていただいた場で委員の互選により会長を選任いただき、その場を閉じた後に、引き続き会長が会議を招集するという手続きで、1回目を開きます。」

○大石教育長 「委員の互選で会長が決まるというのは、どこで定めていますか。」

○東村教職員課長 「文部科学省令第4条1項で『審査会に会長を置き、委員の互選により選任する』と定まっています。」

○三住委員 「弁護士会でも、除名されて何年かすればまた申請はできますが、申請したということは聞いたことがないです。申請があれば資格審査会や各地の弁護士会において審査しますが、あまり意味がないという気がします。」

○大石教育長 「免許状を再授与されても採用されるかどうかは別問題ですし、なかなかハードルも上がっていると思います。」

○橋本委員 「委員さんもなかなか大変なお役になると思います。」

○大石教育長 「省令で決まっているので、規則でも整えておかなければならないということです。」

○大石教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

      ※各委員一致で可決

○大石教育長 「議決事項6については可決いたします。」

○大石教育長 「議決事項7『奈良の学び推進プラン』について、ご説明をお願いします。」

○𠮷中義務教育課長 「『奈良の学び推進プラン』について、説明いたします。
 プラン案につきましては、12月から1月にかけて行いましたパブリックコメントに加え、1月8日に市町村教育委員会教育長を対象といたしましたプラン案の説明会においても、ご意見を頂戴しております。また、1月20日の定例教育委員会でも、ご意見を頂戴いたしました。いただきましたご意見を反映し、奈良の学び推進プランを修正しております。今回修正いたしました箇所を中心に、プランの最終案を説明させていただきます。前回、1月20日の定例教育委員会後に修正した箇所は2ヶ所です。
 まずは、資料8ページをご覧ください。(6)特別支援教育の充実の推進方針について、前回の定例教育委員会でいただいたご意見により、『共に過ごす』に変更しています。
 次に、12ページをご覧ください。2点目は、(1)キャリア教育の充実の推進方針です。1月8日に実施いたしました説明会におきまして、市町村教育委員会教育長から職場体験や、インクルーシブ教育の充実に加え、これからの社会を見通し、キャリア教育を進めていくことの重要性についてご意見をいただきました。前回の案におきましても、体験活動だけではなく、各教科等においても、キャリア教育を充実していくことを記載しておりましたが、インターンシップ教育など、体験活動の充実はもとより、各教科等の学習においても、子どもたちの社会的職業的自立に向けて、資質・能力を育むことの大切さがより伝わりますように、赤字のように修正を行っております。
 なお、このプランにつきましては、本日いただきましたご意見を基に再度修正し2月県議会で報告させていただきたいと考えております。
 以上です。」

○大石教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(忠)委員 「12ページの修正前は、汎用的能力と示されていました。なぜ汎用的能力を削除されているのでしょうか。」

○𠮷中義務教育課長 「第一段落に記載の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力が基礎的・汎用的能力を示しており、整理のため削除しています。その力に加えて、各教科等の学びを通して、基礎的・基本的な知識・技能や論理的思考力・創造力等を確実に身に付けられるよう指導することも重要であり、加筆いたしております。」

○伊藤(忠)委員 「ここはキャリア教育の部分ですので、ご説明いただいたように職業的自立ができるためには、どうすればいいのかが大切です。そういう意味では、基礎的・基本的な知識・技能、それから論理的思考力・創造力等を身に付けること、また、体験活動などで、最終的にキャリア教育を推進するということなので、異論はないです。」

○大石教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

      ※各委員一致で可決

○大石教育長 「議決事項7については可決いたします。」

○大石教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」

○小嶌高校教育課長 「令和8年度奈良県立高等学校入学者選抜の日程及び検査内容について、報告いたします。
 令和8年度入学者選抜につきましては奈良県立高等学校入学者選抜基本方針に基づきまして、入試制度を変更しています。
 まず、令和8年度から現行の特色選抜と一般選抜を一本化し、一次選抜とします。一次選抜の学力検査は、令和7年度入試、つまり今年度実施の入試の一般選抜の学力検査の日、3月11日より約1週間程度早い3月4日としたいと思います。また、この令和8年度入試から第1希望、第2希望制をとりますので、第1希望については第一出願期間に、第2希望については第二出願期間に出願することにより、一次選抜の出願期間は少し長めの設定で15日間を見ております。第2希望については、第一出願期間に定員を充足しなかった学校に対して出願できるとしています。
 また、特別選抜は2月と3月に実施します。まず、2月9日に実施する特別選抜では全国募集特別選抜を行います。また、一次選抜と同じ時期である3月に実施する特別選抜につきましては、インクルーシブ教育推進特別選抜、外国人・帰国生徒特別選抜、成人特別選抜を行います。なお、基本方針の中にありますスポーツ・文化活動特別選抜及び中高連携教育推進特別選抜につきましては、選抜における公平性の担保等、まだ検討の必要がございますので、令和8年度入試では実施しないこととしています。
 続いて、二次選抜につきましては3月24日に検査を実施します。また、追検査は一次選抜と二次選抜の間の3月17日に検査を実施いたします。これは、追検査を受検した者が不合格であった場合に、二次選抜の受検が可能になるような設定をしています。また、山辺高等学校通信制課程選抜は、全国募集特別選抜と同じ時期に行います。山辺高等学校通信制課程二次選抜については、全日制課程・定時制課程の二次選抜と同じ時期、3月18日から25日の期間に実施します。
 なお、入試日程を少し今より早める理由ですが、選抜が一本化することに伴い、現行の2月中旬に行っている特色選抜と3月中旬に行っている一般選抜の間である2月下旬から3月の上旬に設定することが自然であると考えております。また、現行の制度では、二次募集の合格発表が3月の下旬であるため、様々な配慮を要する生徒について、中学校からの情報等の引き継ぎや、高校における入学後の指導、配慮や支援等を検討するための期間が必要ですが、今の日程では引継ぎや検討を行う期間が十分とれないという課題がありました。それを解消するためにも入試日程を少し前倒しできないかと検討を重ねてまいりました。また、近隣府県においても、大阪府や京都府、滋賀県等が奈良県と同様に選抜を一本化し、実施時期も早める方向になっています。令和8年度以降の入試につきましても、他府県の動向も踏まえながら引き続き調整を続けて行きたいと考えています。
 続きまして、『令和8年度奈良県立高等学校入学者選抜における各高等学校の検査内容』について説明いたします。全日制課程普通科につきましては、原則国語・英語・数学・理科・社会の5教科の学力検査を実施します。普通科の中でも特に特色のあるコースを設置している添上高等学校普通科人文探究コースや桜井高等学校普通科書芸コース、普通科以外の学科を持つ学校については、5教科もしくは、国語・英語・数学の3教科と面接等の学校独自検査を実施することとしています。学校独自検査の内容としては、検査内容にもありますように、面接、作文、実技検査、また学校の独自問題が設定されています。また、定時制課程につきましては、国語・数学・英語の3教科及び面接、通信制課程につきましては、作文または面接を選択することとしています。
 なお、現行の大和中央高等学校選抜のA選抜・B選抜は、一次選抜の他の定時制課程と同様の入学者選抜の実施となり、現行の入試制度とは少し変わる形になります。
 以上です。」

○𠮷中義務教育課長 「令和6年度『こころと生活等に関するアンケート』について、報告いたします。
 このアンケートは、児童生徒の心の状態を客観的なデータで捉えることで、必要に応じて適切な教育指導や支援を行うことに役立てるとともに、個々の児童生徒が抱えている課題の早期発見及び未然防止に繋げることを目的として行いました。
 まず、本調査の資料上段をご覧ください。調査参加学校数及び児童生徒数を示しています。本調査は、毎学期に一度、期間を設け、学校が学校の実態に応じて任意の日に実施しました。6月の調査は、県内公立小・中・高等学校の小学校第5学年以上は悉皆、第4学年以下は希望の児童生徒を対象に実施し、総計326校、70,712名が回答しています。また、令和6年9月の調査は、県内公立小・中・高等学校のうち、本調査の実施を希望する学校の児童生徒を対象に実施しており、参加校数及び参加人数は資料のとおりです。
 次に、6月に実施した公立学校の児童生徒の回答状況についてです。まず、別紙をご覧ください。小学校第3学年以上を対象としたアンケートは、40の質問項目を12の因子と3つの側面で児童生徒の心の状態を客観的なデータで捉えられることが特徴です。令和6年度は、質問項目の見直しのため、1問増やした形で実施しました。資料に戻り、中段をご覧ください。12の因子について、学年別平均値を横置きのグラフで示しています。『生きる力』に分類される各因子は、学年が上がるにつれて、平均値が低下する傾向が見られました。『学校適応』に分類される『友人関係』は、学年毎の平均値の差が小さく、『教師関係』『学習意欲』は学年が上がるにつれて、平均値が低下する傾向が見られました。『こころの不安定』に分類される『身体不調』『情緒不安定』は学年が上がるにつれて、平均値が上昇する傾向が見られました。また、『いじめ』は、学年が上がるにつれて、平均値が低下する傾向が見られました。
 続いて、資料の下段をご覧ください。アンケート結果をどのように活用されているか調査するため、令和6年9月に管理職等に対する事後アンケートを行いました。『アンケート結果を活用できたと思いますか』という質問項目に対して、アンケートを実施した学校の9割以上から肯定的な回答を得られました。具体的には、アンケート結果を職員間での児童生徒理解や、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの相談に係る資料として活用されていることが分かりました。
 令和7年度は、令和6年度のアンケートの実施状況や実施校からの事後アンケート結果を受け、実施時期は令和6年度と同様に各学期に1回実施し、新学期の環境の変化から心の状態が不安定になりやすい1学期の調査については、小学校5年生から高等学校までは悉皆調査、小学校4年生以下は希望調査を実施しようと考えています。また、2学期、3学期は全ての学年で希望調査とし、各学校が実施学年と時期を決めて行っていただく予定です。今後も、効果的な活用方法について調査・研究を進めていきたいと考えております。
 以上です。」

○岡田特別支援教育推進室長 「令和8年度奈良県立特別支援学校幼稚部・高等部等入学者選抜・選考の日程について、報告いたします。
 高等養護学校の入学者選抜の検査実施日は、令和8年度の選抜においても今年度と同時期である令和8年1月22日としました。次に、盲学校高等部、高等部専攻科及び幼稚部、ろう学校高等部及び幼稚部の入学者選考の検査実施日を県立高等学校入学者一次選抜の学力検査実施日の令和8年3月4日といたしました。こちらについては、近年、ろう学校中学部から県立高等学校を受検し高等学校へ進学している生徒がいること、また、ろう学校を受検する生徒の中に、高等学校の入試問題を活用する生徒がいることから、同日に設定しています。その他の特別支援学校については令和8年2月25日を選考日として設定しています。
 以上です。」

○大石教育長 「ただ今の件について、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○三住委員 「こころと生活等に関するアンケートに関して、子どもの自殺件数が過去最高だったというニュースがありましたが、奈良県でもし事例があった場合は原因等について分析されているのですか。」

○辻高校教育課参事 「自殺の原因については学校内で調査等されていると思いますが、詳細な分析は難しい状況です。」

○大石教育長 「保護者からの要望に応じて学校の様子等を調査していますが、原因の究明には至っていないところがあります。」

○伊藤(美)委員 「保護者からあまり広げてほしくないという要望もあり、調査しても原因が特定しにくいことが多いです。臨床心理学の調査結果から、原因は一つではないと思われます。スクールカウンセラーの領域で申し上げますと、子どもたちが自分の心の状態を把握し、しんどいときにSOSを出せるように学校と協力して授業やワークを行っているところもあります。奈良県でもそのような取組を進めていくのはどうかと思います。」

○伊藤(忠)委員 「資料(2)の『生きる力』『学校適応』『こころの不安定』の数値の分析が必要だと思います。また、資料(3)の結果で、特別支援学校ではこのアンケートについてあまり肯定的ではないようですが、その理由をどのように考えていますか。」

○岡田特別支援教育推進室長 「特別支援学校では自分でアンケートに回答できる生徒が対象になっているため、回答した生徒についてはアンケート結果を活用して指導・支援をしています。また、回答していないその他の生徒については、様子観察や保護者との連絡を密にとることにより、子どもへの支援につなげています。そのため、学校によってはこのアンケートを活用した指導支援が難しい生徒がいるため、このような結果が出ているのではないかと考えます。」

○伊藤(忠)委員 「アンケート以外で子どもの心と生活の状態をどのように判断するのかということも検討しておく必要があると思います。」

○𠮷中義務教育課長 「アンケート結果の分析については、今年度の数値をもとに分析したことを学校で生かしていただけるように、また、次年度の実施と活用のお願いも含めまして、講師の先生を交えて、令和7年3月に研修会を実施する予定です。」

○伊藤(美)委員 「私がその研修会の講師を務めます。ここ10年近くよく似たアンケート項目で見てきましたが、大体傾向は変わっていません。友人関係はそれほど発達差がないけれども、教師関係、勉強が好き、学校が好きかどうかという質問項目の数値は下がっていきます。もちろん個人差はあると思いますが、長期的に見てそれほど大きな変化がないと考えると、年齢発達的な特徴かと考えています。」

○大石教育長 「研修会で、各学校で活用の仕方とか、こういう傾向の児童生徒は気を付けようとか、どのように見ようとかいうことをお話いただけるということですね。」

○伊藤(美)委員 「はい。また、試みとして、来年度は最新の結果と過去の結果を同時に見られるような結果レポートの形を考えていますので、より先生方に生かしていただけるといいなと思っています。」

○田中委員 「資料(3)についてですが特別支援学校の結果が厳しく出ています。特別支援学校のアンケート項目の内容について、特別支援学校がどのようなことを子どもに聞きたいのかを把握することも大事なのではないでしょうか。」

○岡田特別支援教育推進室長 「特別支援学校では、全ての児童生徒を対象に行っているわけではないですが、子どもの発達段階に応じて、文章を教員が代わりに読み、口頭で質問するなど工夫をして調査し、活用していただいています。また、このアンケートに対する実情や課題等があれば聞いてみたいと思います。」

○伊藤(美)委員 「特別支援学校や低学年の児童生徒にとって、自分で評価し回答するのは難しいことだと思います。そのため、アンケートの質問項目について、低学年用に数を減らし、言葉もやさしくして対応できるようにしていますが、まだ工夫の余地があると思っています。」

○大石教育長 「また実態を聞いた上で、いろいろな対応を考えていきたいと思います。」

○橋本委員 「去年、九州で高校受検の願書提出が間に合わなかったということが報道されました。今回の入試制度変更に伴って、出願ミスの発生の程度についてどう捉えておられますか。」

○小嶌高校教育課長 「令和8年度入試ということになりますので、今の中学2年生の生徒が受けるものになります。入試の制度については、令和8年度入試から大きく変わりますので、その内容につきましては、決まり次第中学校の先生方や保護者・生徒に向けて分かりやすい資料で昨年の夏頃から公表しているところです。令和8年度入試の大きな変更点としては、第1出願期間と第2出願期間として、1回の選抜で二校出願できるかたちになりますが、そちらについても昨年の夏から説明しているところですので、中学校の先生方とも協力しながら、生徒が不安にならないように引き続き周知に努めていきたいと思います。」

○田中委員 「令和8年度入試は、令和9年の3月に実施する入試でしょうか。」

○大石教育長 「令和8年度に入学する者の検査を令和7年度末に実施します。先程、課長が申したとおり、昨年から順次説明はしておりますが、大きな変更でありますので、引き続き遺漏のないように重ねて説明をさせていただきます。」

○大石教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、その他報告事項については了承いたします。」

 

非公開議案

議決事項1 令和7年度当初予算案について

議決事項2 令和6年度一般会計補正予算案について

議決事項3 奈良県職員定数条例の改正について

議決事項4 「奈良県行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用等に関する条例」等の一部改正について

議決事項5 県費負担教職員定数条例等の改正について

 非公開にて審議

 

○大石教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

      ※各委員一致で承認

○大石教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」