結核の対策
- 結核とは
- 結核患者の支援
- 結核公費負担制度
- 接触者健康診断
- 結核健康診断
結核は、結核菌を吸い込むことによって感染する感染症です。
結核を発病すると、咳、痰、発熱、食欲不振、体重減少、寝汗、だるさなどが出現しますが、風邪の症状と似ているため気づきにくいことがあります。また、症状がほとんどなくても発症していることがあります。
結核患者には、排菌して人に感染させる状態(感染性結核)と人には感染しない状態(非感染性結核)があります。
感染性結核の患者が咳などをすることで、空気中に結核菌が広がり、それを同じ空間にいる人が吸い込むことで感染します。結核菌を吸い込んだ人がすべて感染するわけではありません。
結核菌を吸い込んだ一部の人が感染し、さらにその一部が結核を発症します。
結核は、毎年1万5千人以上の人が新たに発症しており、また3000人近い人が結核が原因でなくなっています。同一病原体の感染症としては、国内最大の感染症です。最近では、高齢者の結核が増加しており、特に注意が必要です。
結核は、早期発見と早期治療、そして確実な治療が必要です。
結核は過去の病気ではありません!!
結核は、全国で毎年一万人以上(平成28年は17000人)が、結核と診断されている感染症です。
日本は、先進国の中で唯一の結核中まん延国という、先進国の中で結核が特に多い国なのです。
結核の治療は長期間(最低6ヶ月)ですが、毎日の確実な内服が必要です。治療終了まで確実な内服ができるよう、保健所では支援をおこなっています。内服や受診・副作用などの確認の他、ご相談にも応じています。
結核に関する治療や検査などの医療費について、個人の経済的負担軽減のため、全額又は一部を公費で負担しています。
公費負担申請は、保健所が書類を受理した日から適用されますので、結核と診断され治療された方は、速やかに手続きをしてください。感染症審査会で承認された内容が公費対象となります。公費負担の承認期間は延長することもできます。
→結核公費負担制度の詳細について(奈良県疾病対策課ホームページ)
結核患者と接触し、感染の危険性がある方に対し、接触者健康診断を実施しています。
保健所または委託契約している医療機関で検査をしています。
保健所が説明した検査内容については無料です。
接触者健康診断は、検査対象となる方の年齢や接触の程度で、検査の種類や検査時期・検査回数が異なります。
結核患者と接触がある方は、保健所にご相談ください。
感染症法には、結核健康診断を実施すべき事業所(施設・学校含む)が定められており、結核健康診断の実施と実施後の報告が義務づけられています。
(従業員の結核健康診断を実施すべき事業所):毎年
学校(専修学校および各種学校を含み、幼稚園を除く)
病院、診療所、歯科診療所、助産所
介護老人保健施設
社会福祉法第2条 第1号及び第3号から第6号までに規定する社会福祉施設
(1)救護施設
(2)更正施設
(3)その他生活困窮者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設
(4)養護老人ホーム
(5)特別養護老人ホーム
(6)軽費老人ホーム
(7)障害者支援施設
(8)婦人保護施設
(9)授産施設
(学校長、施設長が実施すべき結核健康診断)
学校(入学の年度のみ)
高等学校
大学、高等専門学校、専修学校、修業年が1年以上の各種学校の生徒・学生
施設(毎年)
刑事施設に入所する20歳以上の者
施設に入所する65歳以上の者
施設:救護施設、更正施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、
障害者支援施設、身体障害者更生援護施設、知的障害者援護施設、婦人保護施設 等
結核健康診断を実施した事業所は、保健所へ報告をお願いします。なお、報告はインターネットでもすることができますので、下記をご参考ください。
→(報告様式) 結核健康診断報告書(事業者用)
結核健康診断報告書(学校・施設の長用)
結核健康診断・予防接種月報(市町村用)
記入上の注意事項
→インターネットによる報告の方法
市町村では、結核の早期発見、早期治療ができるよう65歳以上の住民を対象に結核健康診断(住民健診)を実施しています。結核健康診断(住民健診)については、お住まいの市町村へお問い合わせください。
最近は、特に高齢者の結核の増加が問題になっています。65歳以上の方は、年1回は胸部レントゲン検査を受けることを心がけてください。