平成29年9月6日(水)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日の案件は、平城宮跡歴史公園オープンに係る1件です。
 知事から発表していただきますので、よろしくお願いします。


平城宮跡歴史公園 平成30年3月24日オープン
《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 それでは、発表案件をご説明申し上げます。

 お手元に資料が配られていると思いますが、朱雀門ひろばという名前をつけましたが、平城宮跡歴史公園の県営公園分です。来年の3月24日にオープンになります。朱雀門ひろばの東側には国営公園の平城宮跡歴史公園の国営公園部分がありますが、それも同時に開園いたしますので、その発表は国土交通省において本日、記者発表が行われるものです。県営公園分についてご説明を申し上げます。

 その次のページを開いていただきますと、ちょっと見にくい図ですが、平面図があります。全体国営公園に指定されましたのは、その一番色がついている、一番外の枠の線、青色で描いていますが、122ヘクタールあります。国営公園区域ということになります。そのうち青い部分、大極殿の周り、北のほうから南の朱雀大路ひろばまで青い点線が囲まれている相当広い部分が今回、開園区域になります。施設ができますのは、この朱雀大路の南側になりますけれども、後で簡単に国営部分をご説明申し上げますが、開園という形では国営公園開園がこの大きな点線になります。今までは国営公園予定区域ということで、公園区域の中での予定区域ということでありましたが、このたび公園区域として青い部分、現状は南は今度著しく朱雀門、南は著しく変わるんですが、北の方は現況とそう変わりませんが、一体となって国営公園としての管理が行われる予定です。

 県の部分ですが、この南のほうの西と東に分かれますが、西と東の西分3.1ヘクタールが開園するものです。位置関係は、以上です。

 その内容ですが、その次のページを見ていただきますと、先ほどの朱雀大路の西側地区と通常呼んでおりますが、その地区の3.1ヘクタールのパース、朱雀門が右上に見えまして、ここに書いてありますように幾つかの施設を県営公園としてつくります。ランドマークになりますのは、この実物大遣唐使船を水に浮かべた形のこしらえになります。館の名前は、一番上の天平みはらし館というのがありますが、みはらし館の北が展望デッキイメージと、こう書いていますが、朱雀門と第一次大極殿が見えるデッキを新たに設ける予定にしております。また、その地区ではジョギングやサイクリングの拠点ステーションを置く予定です。従来からありますVRシアターなどもリニューアルして提供いたします。

 天平みつき館というものがありますが、そのみはらし館の南です。みつき館とうまし館というのが二つ並んでいるような格好ですが、みつき館というのは観光案内・物販棟です。県内の観光情報を提供するのと、特産品や物品を販売するということです。みつき館の物販コーナーイメージが中にありますが、みつき館の中でこのような木質系の天井の高いいわゆる物販特産品コーナーが設けられる予定です。

 中の広場を挟みまして朱雀大路のほうへ参りますと、うまし館という飲食・交流棟を予定しております。レストラン、カフェ、交流スペースのようなものです。ここから遣唐使船へ乗船いただく通路をつくる、乗船、船乗り場を奈良県でつくりました。レストランのイメージですが、レストランのこの下と、レストランとカフェがありますが、うまし館は南北に長いわけですが、レストランはこの朱雀大路の見えるほうのテラスになっております。朱雀大路が見える、だから東側を向いたレストランということです。それから、カフェはそのうまし館の西側、天平つどい館の南、これは何と呼んでいるのか、遣唐使の見える広場のほうへ向いたカフェを置く予定です。

 天平つどい館というのが、両館、うまし館、みつき館を挟んでおります。団体で来園された方々が集合できることですが、ちょっとこの地図では見にくいんですけれども、つどい館のパースがあります。これは上のうまし館の北にできる南北の館を東から見たもの、朱雀大路から見たパースです。団体集合場所のイメージはその中にありますが、団体のところから入ってきたところです。これが県営公園区域、3.1ヘクタールの内容です。

 その次は、国営公園区域というのがありますが、お手元に渡しました資料でまいります、この中へ出ておりますが、平城宮いざない館という名前、ネーミングになっております。この朱雀大路の東側北の部分です。朱雀大路の、まず大路はこのように整備されます。朱雀大路の両側の柳の並木は国営公園として国が10分の1で整備をしていただいております。その東が、この朱雀門の右側にいざない館ができますが、これはきょう国土交通省で発表されておりますが、この平城京あるいは平城宮跡というようなものはどのようなものであったのかということを、このような形で展示をしていただくことになっております。西側は来られる方のアメニティー中心、東のほうは案内、またさらにその南のほうがまだ県営公園部分です。

 1ページ目の図でいきますと、右、県営公園区域約10ヘクタールがありまして、3.1ヘクタールが開園ですが、朱雀大路を挟んだ東側というのと、さらに東側、ずっと右の端のほうが県営公園部分で、これが残っております。これは今後の計画になりますが、この開園区域が3月24日に国営公園区域と同時に開園するということのお知らせです。

 説明は、以上です。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、発表案件に関するご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答

平城宮跡歴史公園 平成30年3月24日オープン

NHK:
 今回9年かかって完成するということですが、ここへの期待を率直に一言で伺えればと思います。

知事:
 国営公園は幾つもありますが、これがほとんど集約された最大の国営公園です。国交省の公園の方はそうおっしゃっています。国営公園として10数年前、知事になって最初の年に国営公園の陳情をいたしまして決めていただき、そのこと自身大変思い出深いです。その意義は、国営公園になったこと自身とてもすごいことです。国営公園部分を10分の10で国が今後も整備されます。とりわけ大極殿院が次の、工事が始まっていますので、壮大な平城宮跡になってきます。その朱雀門の南は県営部分と国営部分とありますけど、県営部分の大きな位置を占めるのを開園させてもらいました。これは公園事業の補助が2分の1ありますので、国営公園になったからこういうことができたというふうに思っております。

 ちなみに県の県営公園部分は事業費70億ぐらい、75億ですか、用地買収40億で、35億で整備をしましたが、その75億の2分の1を国費で持っていただき大変ありがたいことです。国営公園事業にならないと、なかなか県単でできなかったと思います。計画も国営公園計画となりましたので、それが一つ国営公園になったというのが大きなことです。

 もう一つはこの平城宮跡、国営公園の意味は、現地、宮都、都跡です。都跡が現地で残っているのは世界でもまれなことです。平安京、長安の都の跡はわかりません。明の都、北京にも南にありましたが、一応跡の造営はされてますが、じゃあ皇帝がどこにいたのかというのはなかなか、まちが重なってますのでわかっておりません。奈良は、都が去った後、現地で残ってこのように保存されており世界でも珍しいです。それを復原という形で姿をもう一度再現しようというのは、これも世界で珍しいと思います。再現ですので、実物はわからない点も多いです。しかし、このようなものであったということを、鈴木嘉吉さんを中心にできるだけの実証を重ねながら、実証でわかるとこはこれだと、設計図が残っていればもちろんいいですが、そういうわけでもありません。ただ、奈良のありがたいところは、同時代よりさらに古い建築物、例えば法隆寺というのが、これより古い建築物が残っていますので、それと余りかけ離れた構造とかではないだろうという推測ができます。構造で独自の工夫されているのは、伝わってきたと言われる長安の都、慶州は慶州跡だから、百済の都は全く残っていません。場所も不明で建物も全部紛失、焼却しているのが世界の歴史です。現地があるというのと、似たような建物が、法隆寺や寺院で残っているのは、もう奈良しかありません。それがすごい値打ちだと改めて思う次第であり、それを国営公園として復原するのは大変ありがたいです。

NHK:
 観光の観点からは、観光客にとってはどんな場所になればいいなという期待をされていますか。

知事:
 観光は、その都度ごと意義のあることを探してホッピングされるのは観光客であります。観光客の方には来ていただいたらありがたいですが、観光客狙いでつくったわけでないと、こう誇り高く言いたいですし、今も言っています。世界の誇る値打ちと、観光客どのくらい来るのかと、随分格差があると私の気持ちからは思います。

NHK:
 観光客に限らず、どんなことを感じられる場所になればいいか、知事の思いをお聞かせください。

知事:
 現地が残っていると、このような広いところで天皇の政治が行われたんだと、行政の場所ですから、そのように感じていただきたいです。大極殿があって、大極殿院があって、朝堂院があって、朱雀門があってと、その構造まではわかっているわけです。あとは大蔵省があって、衆寮があって、式部省があった場所や、カフェみたいなのが東にあったことはわかっています。じゃあどのようなことが行われたかのは、ここ約90年、80年、70年の歴史が、平城宮跡の歴史が藤原京から続いてますので、そのようなことをここで感じていただくといいと思います。ここで7代天皇がおられましたが、聖武天皇の娘三姉妹、女性が3人ここでおられて、道鏡という有名な方もありました。当時の日本の歴史の中心、メーンストリートでありましたので、そのような歴史についてここを見たら勉強する気になったと思っていただくのが、私の気持ちとして一番うれしいです。

NHK:
 ありがとうございます。

奈良新聞:
 ここまでできたら、やっぱり気にかかる、目についてしまうのが県営区域なんですが、県営区域で広場は少し離れていますが、国の展示館のちょうど真ん前ですね。ここは、歴史体験学習館と書いてありますれけども、東側の南のほう、道路に面したところですが、これの目処というか、これも一緒に建ったほうが格好いいかなと思いますが、どうでしょうか。

知事:
 次はここだと思います。どんなものを準備すべきかは、西側は実物大遣唐使船を道端に置く構想で、昔はこんな船が設置されていませんでしたが、先ほど平城宮跡に来ると歴史を思い出すというか、今年阿倍仲麻呂が唐に派遣されて1300年ですので、阿倍仲麻呂はどこでどう行ったかは想像つかないです。しかし、ここに遣唐使船があると、こんな小さな船で行ったのかと思い出していただく仕掛けであります。この東のほうも、先ほどご質問ありましたように、ここで何を感じてもらうかという目標ですが、平城宮跡にあった歴史を感じてほしいということであれば、奈良時代の歴史、由緒のある体験学習の場にできたらと今の時点では思っております。

 今後では、どういうコンセプトを実現するのか、どういう施設として展開する場所であるべきかを勉強して、年度内に文化庁、国交省あるいは県民の皆様に構想のきっかけになるようなものを展示できたらと思います。次はこの東部分の、国営公園区域には枠で囲われてますので、この西の一部、この半分程度が次の構想区域になると思います。朱雀大路に面しており、県営公園区域でもありますので、このような構想で進めるのはどうかということを、県から提示をさせていただくのが次の仕事と思っています。今、それをこの年度内でも示すことができたらと、個人的には思っております。何か構想についてのご参考意見ありましたらお伺いできたらと思いますが、どんなのがいいですか。

読売新聞:
 国営公園のことです。既にこの3月でいざない館ができます。こことのすみ分けをどうするかというのが多分ポイントになってくるのかなと思うんですけれども、そのあたりについては何か、歴史体験というところと、このいざない館にも映像プログラムとか模型とかという話があるので、もちろん決まってないと思いますけれども、イメージ的にはどういうようなものにこれを分けようかなということはお考えでしょうか。

知事:
 朱雀大路を挟んで東と西とになりますので、朱雀大路ひろばの活用はすごく大きなテーマになります。この管理自身は国営公園の管理ですが、県がこの県営公園部分は管理することになりました。その指定管理者の指定は9月議会で、指定管理者の契約をご承認いただくことになっております。また、国営公園も指定管理者を決められるように聞いております。管理としては国営公園部分は国が管理で、県営公園部分は県が管理、指定管理でありますと指定管理料を払うということです。

 そのときに、朱雀大路ひろばを挟んで両翼にありますので、朱雀大路ひろばを有効に活用することを、文化庁と国交省と一緒に協議しながら進めていこうと思っています。合同のイベントをするイメージですが、朱雀大路ひろばを使ったイベントをなるべく活発にして、この場所が親しまれる、人がたくさん来るような広場あるいは公園区域にしていきたいというイメージを持っております。

 したがって、管理は別々ですが、活動は一体的に行われていくと思います。そのイベントがないときでも、来られた人はこの朱雀大路ひろばを渡って両方に行かれることは間違いございませんので、国の展示館に行くのは、展示館のほうの駐車、バスなどは西のほうの県営区域のバス駐車場を使っていただくということになります。通常の動線は、バスで西側に来られると朱雀大路ひろばを渡って東側に行かれるというようになると思います。帰られるときは交流館に寄って、トイレに行ったり一服をしたりして、またバスで帰られるという動線を想定しております。

日経新聞:
 関連で恐縮なんですけど、この平城、平面図にある近鉄奈良線ですよね。春に協定を結んで、現状、近鉄と話し合いがどの辺まで進んでいるのかというのを教えていただけますでしょうか。

知事:
 この平城宮跡内通過近鉄線、地上通過近鉄線ですが、県の意見としては、大宮通りに移転してほしい、あるいは移転する案を提示しています。近鉄は反対されています。では近鉄はどういうお考えなのかということです。ここを通るのは見晴らしがいいからいいだろうと、こう主張されている面があるんですが、近鉄線の北に大極殿院ができて、南の公園部分ができてくると、国営公園区域のこの青い部分が分断されていることは間違いないですので、県としては分断は困りますよと、いいんですかと、こう主張しています。それに対して、分断しても電車に乗った眺めがいいからいいよとおっしゃる方もおられるからと、こう近鉄は言うんですが、県は、それよりも来た人がここで踏切を待ったり、ごうごうと高い架線が見えるのは景色としてもよくないのではないかと、こういう主張を繰り返しているわけです。

 県としては、この大宮通り移設の具体的な内容、移設をするかしないかで西大寺駅の構造問題に影響しますので、西大寺駅は、大阪、京都へ行く分と、橿原、奈良へ行く分を、地上二層で布施駅のように分けるのが合理的ではないかという案も示しているわけですが、それについても近鉄としては反対だということです。

 では、近鉄の考えはどうですかと迫っているわけですが、それは長年、100年もここにおられる近鉄株式会社の地元貢献の度合いがはかられますよと、近鉄の代案いかんを迫っている状況です。この西大寺駅と近鉄線移設問題、新大宮の踏切問題もあります。新大宮の踏切は京奈和自動車道が奈良インターまで事業化されて、その北の西九条佐保線から、国道24号へ繋がり、奈良インターから新大宮の踏切を通って京都へ行く幹線になるんです。通過幹線になると、この踏切がとても難しい踏切になりますよと。踏切を残すんですか、と言っているんですが、返事がない。それに対して、移設し、大宮通りあたりは地下にして、踏切をなくす方法はどうかというのが県案であります。

 それで進んだかというと、まだ進んでおらず、意見としてそのような対立があるままです。しかし、意見は違うけど検討はするというところまでは合意されましたので、事務的には、今は近鉄はどういう意見ですか、どういうふうにされるんですかということを、協定締結以来事務的に聞いてるというふうになっておりますが、具体的な近鉄案というのはまだ私のとこには届いていません。検討に拍車をかけないといけないかなと、この際、思います。この開園までに案がまとまればとも思いますけれども、ちょっと難しいかもしれません。

NHK:
 知事が近鉄から返事が中々なくて困ってるという対象は、新大宮駅の踏切についてなのか、大宮通りに移設したいという案に対する対案の話なのか、西大寺駅の地上二層化に対する対案の話なのか、どの部分ですか。

知事:
 私の課題は今の3つが大きな課題ですと、こう私の認識ではあるんですが、とりわけ、とりあえず来ないのは、西大寺駅の立交化。県は鉄道を上げたほうがいいでしょうと、こう言っているんですけども、近鉄は正式ではないですが、ちらっと言っていたのは、道路を上に上げたらどうかという案が出ていました。だから、道路を上に上げて西大寺駅がどうなるのかというのは、近鉄から言ってもらわないと、道路を上に上げると西大寺駅問題が解消するというご意見であれば、それを言ってもらわないとというのが、返事が来ないという内容になります。

 近鉄の、この平城宮跡内の通過線の地下化は難しいと思います。これは地下になると水の流れが阻害されるという環境問題があるので、近鉄もそれは知っておられます。県もそれがあるから現線の地下埋設ができれば工事的にはとてもいいわけで、見かけもよくなりますが、これもちょっと正確には本当かなとも思うんですが、木簡があって水の流れを阻害するから地下の木簡が傷むと。じゃ、(木簡を)全部早く出してくれればいいのにと奈文研に言うと、100年かかりますと言うもんだから、文化財というのはそんなものかと。まだ不思議には思っているんですけども。

 そのような状況があるのが平城宮跡なんですが、一つ一つ多少力を入れながら、合理的に。これだけ保存してあるのはすごいことだと思うんですが、木簡も含めて保存するのに、地中保存なのか、地上に出して水につけて保存するのかという問題ですので、木簡の9割は荷札なんですね。それは大事ではありますが、それを検証して、このようなものが埋まってますよということを、この際奈文研に早く掘れませんかというようなことも言ってきたんですが、いや、100年かかって掘りますよと、こう言っておられるので困ったなというのが心境です。

 それで平城宮跡の近鉄線は、あの架線の張ったまま100年もいるんですかということが私の心中にありますので、地中におりれないならば大宮通りに回って、朱雀大路ができると朱雀大路の前に朱雀大路駅というのを新しくつくって、ここは地上で通って、平城宮跡を過ぎたあたりから、24号バイパスのあたりから地下に入ってそのまま直進して、新大宮の南に新新大宮駅をつくって踏切をなくし、そのまま油阪に行って、東向きから登大路駅、甍駅まで延伸するのはどうですかという県案を提示しているわけです。それは近鉄と合意した案ではありませんので、そう大々的には発表してないんですが、県の原案として提示をして、それについて全面反対のような意見です。では近鉄案はどうですか、まず西大寺駅はどのようにされますかと。今の交通課題として、西大寺駅はひどい踏切渋滞だということは多分認めておられると思います。だから近鉄線の平城宮跡内通過はそのままでもいいというご意見が近鉄の中では強いと思いますが、全体の中で世論の動静を気にされていると。

 それから、新大宮駅の踏切は、あまり移設について、自らは言い出されないわけですが、新大宮駅の上なり下なり、道路を通せというふうに思っておられるかもしれません。しかし新大宮は現道を地下で通すと、大宮通りとの西九条佐保線と交差ができませんよね。あそこを連続、道路を上下にするというのはちょっと考えられないので、近鉄線を地下にするほうが合理的だと。道路は、西九条佐保線と大宮通りと平面交差しないと、京奈和自動車道を北に、東のほうに持ってくる意味がありません。そこを(道路が)下をくぐって近鉄線をそのままにしとけという意見のようですが、ちょっとそれは交通体系上許しがたい案だと思います。交通体系上、鉄道も義務はあるでしょうということを言っているんでが、そのあたり新大宮駅の東の踏切についてはあまり意見をおっしゃらない。

朝日新聞:
 具体的な対案を示されてないので話は進んでないということが現状だと思うんですけれども、来年の3月ですので時間もないと思うんですが、この話を前進させるために県としてどういうアクションをしていきますか。

知事:
 3月24日に開園するときに何か進捗があったほうがいいなと、今の話で思いましたので、少し進捗が出るようにこの秋から年初にかけて頑張ります。折衝を今まで検討の協定までは結んでくれたんですが、そのあとは直接折衝があまりないままと聞いていますので。開園を(間近に)控えたら、先ほどの朱雀門広場、東と国営公園内を走っている近鉄線がどうなるのか、県民の関心が上がってくると思いますので、それに何かの形で応えられるように少し努力をしてみたいと思います。どのような答えになるかはまだわかりませんが、進めるように努力してみたい。今までその点まであまり考えなかったんですが、難しいなと思ったままであったことは確かなんですが、少し努力してみたいと思います。

朝日新聞:
 その努力というのは、どういう形なのか。

知事:
 努力は、例えば朱雀大路の東の構想は、県の構想案を内部で固めて提示するというようなことだと思いますし、近鉄線の移設については、折衝をもう少し密にするということから始めるのかなと思っています。反対をされていることはわかっていますが、対案が出てこないという状況で、対案はありますかということを事務的に聞いていましたが、対案がそろそろ出るのではないかということを、レベルを上げて折衝することが普通考えられますので、そのようなことから始めるしかないのかなと。反対の人はそのまま放っておいたらいいんだからね、向こうからアクションはないんで、変えろというこちらから多少アクションしないといけないのかなと思います。

朝日新聞:
 もう一つ、3月24日にオープンして、設備がかなり整う、観光客の方にとってもうれしいものになるかなとは思いますが、実際にバスをおりて歩いてこの平城宮跡を楽しめるのかというようなことは別問題だと思います。平城宮跡を歩く、観光するというのは、コンテンツを楽しめるというアトラクションが同時にないと、がっかりポイントになってしまう可能性が大いにありますので、それはどのようにお考えですか。

知事:
 そうですね。平城宮跡全体の楽しんでいただき方というのはいろいろ考えがあると思います。一つ、してはいけないと思っていますのは、テーマパークみたいに大きな遊戯機具を入れるという楽しみ方はしたくないと思っています。往時のままを楽しんでいただくという手があるのかということに知恵を集中しなければならない。往時のままこの交流施設を、バス停留所などは往時のままではありませんが、往時を偲びながら楽しんでいただくという、今の知恵を出す必要があろうかというふうに思っています。すると往時のよすがが何か展示されないといけない。室内展示ではなしに、現物展示が可能であるというのは、大極殿院ができるとすごいことになると思いますが、時間はもちろんかかります。それから、朝堂院がもしできると近鉄線まで肉薄するわけでございますけど、これだって往時の姿が見えるとすごいと。

 そこでやり方、流儀になると、朱雀大路ひろばのイベントが一つのモデルになる可能性があると思います。往時をしのぶイベント、今、天平祭を幾つも四季折々にやっていますが、それをここで常時できるというようなことが発想の延長です。そのようなことができるように、この平城宮跡を利用したイベントに力を入れてきた面もあるわけですが、施設を、機具を置く楽しみ方ではなしに、天平衣装で歩くなど、ここで天平時代のお祭りをしのぶようなイベントを常時できるだけ多くするような仕組みはないかといった、ソフトで対応しようというようなことは今始めております。朱雀大路でそのようなことをやって、平城宮跡の中の部分に展開できるのかという手法で考えていきたいと思っています。

 そうすると、お祭りではにぎわいが北まで行くよと。今、難点は広過ぎるということですが、広いのが逆に、昔はこんなに広かったんだということをわかってもらうというのも一つの逆の振り方で、楽しんでいただく、実感していただく一つであろうかというふうに思います。広いことはわかりますが、コンパクトにぎゅぎゅっとまとめてわかるようなものはないというのが、展示館とか、そういう仕組みだと思いますので、室内で昔はこうだったということをわかって、映像展示とかですね。現地に阿倍仲麻呂が行った姿を展示はできないですが、映像で阿倍仲麻呂が行った時代、あるいは唐での様子などは、今は映像展示できるというようなメリットがありますので、この現地と映像、バーチャルを両方組み合わせて、それとイベントをして楽しんでもらうというのが基本的な形になると思います。新しい機械を置いてというよりも、現地を見るのと、今見たイベント、映像の組み合わせあるいは多少の説明、ガイドで楽しんでもらう。(こういったものが、)史跡観光の定番の考え方だと思っております。

 それをこの現地で実行努力をさせていただくのは世界でも珍しいと思っています。ワーテルローとかベルガモンとかエフェソスみたいな史跡は、看板が立っていて、すごく石が残っていますが、しかし何もないですね。トイレもないわけですが、大変な史跡で、歴史をちょっと知った人はすごい感銘を受ける、エフェソスでもベルガモンでもすごいなと思われるわけです。先ほどの話で、歴史を知らないとあまりおもしろみが増さないんじゃないかというふうにも思いますので、この際、歴史を知ってまた来ようと。歴史を知ると、すごく味わいの深さが違う。あそこに聖武天皇が立って朝賀の儀をしたのかというのを想像するという、クリエーティブな楽しみ方を史跡観光ではできます。あるいは、もう一つの史跡観光では、今、お祭りでは墨をつくるとか、木簡を書くとか、そういうことも体験できる楽しみを展開していますが、そのようなタイプの知恵、あるいは昔の官人、女官の衣装を着るとか結構はやっているんですね。なりかわり、なりきりというような楽しみ方で昔の歴史を楽しんでいただくとか。

 もう一度あるかどうかはわかりませんが、すごくよかったのはボローニア歌劇団が来て公演した「トゥーランドット」。「トゥーランドット」は北京の紫禁城を舞台にしています。紫禁城は昔の紫禁城ではありませんが、プッチーニは北京に行ったことはないかもしれないですが、「蝶々夫人」とか「トゥーランドット」のような多少異国趣味のオペラをつくり、その「トゥーランドット」を、後ろに大極殿という興をかけて(公演)するというのはここでしかできなかったものだと思います。国民文化祭を大仏殿前でしたのと同じように、奈良でできるイベントというのは現地があるということですので、例えばここで音舞台というようなものを展開するということも将来あろうかと思います。そのようなタイプのソフトで楽しんでもらうことがこれからの知恵だと思います。

 史跡観光はなかなか難しいですが、やはり史跡ですので、歴史の本質がわかるのが一番史跡管理者としてはありがたいことですので、お客様がどれだけ来たかという観光産業的なのももちろんありますが、かけがえのない史跡ですので、その史跡の意味を展開できる、また感じていただくきっかけをつくるというのが史跡観光の投資だと私は思っております。

読売新聞:
 説明でVRシアターがありましたけれども、大分もうできてから時期もたってまして、例えば今だったらポケモンGOのように、その場で見たらそういう現実の風景に今の風景を組み合わすというものがあるわけですけれども、例えば整備を、実物はいずれ整備されるにしてもかなり時間はかかるでしょうから、先行してそのパースを、例えばスマホで見たら当時の姿が浮かび上がるとか、そういったようなITを使ったものは、何か検討はありますでしょうか。

知事:
 実際のデバイスはできています。東大の先生が何年か前に来られて、ゴーグルマスクのような、かけると、大極殿院などの姿が見える。藤原宮跡のはありました。それをかけたことがあります。平城宮跡は何もないが、藤原宮跡は立ち上がる。飛鳥京跡も立ち上がることはできますが、絵なので、実証性が多少外れててもできるかもしれません。この平城宮跡だったら今のこの眼鏡をかけますと、踏切があるので面用心しなければいけませんが、これを持って歩きなさいと、向こうから阿倍仲麻呂が声かけてくれますよ、吉備真備が話しかけてくれますよといったような遊びが可能だと思います。多少は思っていましたが、具体的には考えたことがありませんでした。

 先ほどの質問と関連して、そのような楽しませ方、楽しんでもらい方も、今のような工夫は余地はあろうかと思います。多少投資が要ると思いますが、この場所が空間ができるというのがとても大きいことで、今の楽しみ方だったら、朱雀門前の朱雀門ひろばでも楽しめる、そこに座って朱雀門の前に立ってますと、外しても朱雀門と柳がありますけど、そこに「奈良の都の八重桜今日九重に匂いぬるかな」という歌とともに、柳ですけども、八重桜がまた今はありませんが、バーチャルで復元されたり、それを歌った「奈良の都は今日九重に」という人とともに現れる。「ああ、そういう歌をこの風景をしのんで歌ったのか」というようなことは、今のアイデアのバーチャルも兼ねて、バーチャルとリアリティーを一緒に見れる場所と、半分リアリティー、半分バーチャルというようなことは今できる面があろうかと思います。

 VRシアターも、あの映像は、前のものも良かったのですが、再編集、再構成をして展示いたします。VRシアターは割と人気がありましたので、この北のほうの館では提供いたしますが、今のモバイルのバーチャルも有力な考え方だと思います。ちょっとストーリーを作らないと楽しむことはできないので、国文祭の普照(ふしょう)や、榮叡(ようえい)が、井上靖の「天平の甍」が出てくるのもあそこにふさわしいです。第9次遣唐使船、普照、榮叡が大安寺、興福寺から来て、末席で派遣されてというような。すると遣唐使行事がバーチャルで出るというのは、あそこでできれば、すごいなと思います。現実にも多少のきっかけは、遣唐使派遣イベントというようなものもしたいと思っております。それもバーチャル化するというようなアイデアもあろうかと思います。それは検討したいと思います。ありがとうございました。

毎日新聞:
 この歴史公園に、特に観光客の方にどうやって行ってもらうか、そういう仕掛け、その交通体系も含めてですが、どのようにお考えですか。

知事:
 アクセスが比較的悪いところなんです。多少の駐車場はできますので、団体バスが来ていただくというのが一つだと思いますが、あとは一般の人は大仏殿がメーンのゲートであります。大宮通りにもう一つのアトラクションができると、観光的にはそのような風情になってまいります。その間にホテルやコンベンション施設ができるという大宮通りのレイアウトになっていきます。

 平城宮跡の魅力の質ですが、大仏殿とまた違う魅力があって、史跡観光的な要素、大仏殿は史跡というよりも、文化財観光のような雰囲気があります。それが奈良時代は、行政と信仰、表裏になっていたのが特徴でありますので、そのような今の政教分離の思想からは考えられない、政教一致の奈良時代ということでありましたが、そのような時代もあったねということを歴史はいろいろ変化があるので、それを感じてもらいたいというのが最初のメーンのテーマであります。来てもらうというからには、たくさん来てもらったらいいんですけれども、本質を外して来てもらうのは少し躊躇がありますので、今のような本質を繰り返し訴えてお客さんが定着するようにと願っています。そのようなものが基本的な姿勢であります。

 だから、このアクセスのハンディと余り例がない観光地でありますので、どうなのかと見ておられるかもしれないし、あるいは見るかもしれませんが、平城遷都1300年のときのこの場所、もう何もなかったところで大極殿だけがあって、すごく暑い盛りも1年間やりましたので、大極殿というのはとても珍しかったのでということかもしれませんが、4月に開園をして、開設をして1年間行いました。このアクセスの悪い朱雀門の前もできてない、近鉄線の南にターミナルに駐車場を作って、踏切を越えて北まで歩く。北からも来ることができましたが、ここを歩いて見にとてもたくさんの方が見に行かれた、それだけでもすごく興味を持たれた平城遷都1300年でありましたので、一つのやり方はイベントで関心を持っていただいて、この原っぱも見ていただくというようなのがある面成功したんですけど、原っぱは何度も行けないよというふうに当然なりますので、大極殿だけじゃなしに、このような整備されると徐々に固まってくるので、整備が進むととても定着する可能性が高い史跡観光の拠点だとは思っておりますけれども、それまでの間、歴史の関心を持ってもらったり向上するようなイベントを展開するのが、本筋の魅力展開の手法だと私は思っています。アトラクションを、興味を持っていただくイベントを折々に行うのが基本だと思います。

 アトラクションのアクセスが悪いのは、バス多少改善できると思いますけれども、イベントのあるときは西大寺からここに人を運ぶことになりますが、アメニティーというか、ここに来て何も食べるとこがないなということでありましたが、今度は交流施設ができるとアメニティーは格段に改善されることになると思いますので、それで様子を見て、やっぱりこんなのあると違うなと思ってもらえると私は期待しておりますけれども、やっぱり今までは何もないとこでもよく来ていただいたなというふうには思っていますけれども、そんなようなまだ不明確な見通しではありますけれども、期待は高いものです。

司会:
 その他の質問も含めましてよろしくお願いします。

 

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障害者雇用率について

日経新聞:
 きのう障害者雇用優良事業所の知事表彰がありました。タビオ奈良が受賞して、これは奈良県は民間の障害者雇用率が全国トップということで、改めてその評価と、今後これをどういうふうに発展させていくかという点を教えていただけますか。

知事:
 タビオさん、12名雇っていただいてありがたいことです。障害者の雇用率が2.6%で全国1位です。2位、3位が2.4%台だったと思いますので、ちょっと差があいた1位ですのでとてもうれしいです。今まで3位レベルでありましたが、ぐっと28年度に出て、本当にとてもうれしいです。しかも、小規模な事業所の方が積み重ねて障害者を継続雇用していただいているわけでとてもうれしいです。今度は来年の4月から精神障害の方が、母数に入られますので、精神障害を入れた法定雇用率がアップされる予定です。今、法定雇用率は知的と身体だけで2.0%であったのが2.2%になるように聞いております。2.2%になっても、今2.6%でありますので、そこは断トツでありますが、平均以上というのではなく、日本のモデルになるような障害者雇用あるいは障害者施策を志しています。

 セミナーの前に有識者会議をやったが、これからの努力は特例子会社を増やして、例えば銀行や、様々な個別の事業所で2%雇うといっても、50人に1人雇わないといけないので、1人だけ雇うということはなかなか逆に難しいという面がある。しかも、雇い方、継続の仕方というのは逆に難しいので、特例子会社と複数の企業が出資をして合同で雇うというような特例子会社が奈良では余り出ていませんので、とりわけ地元の企業が特例子会社を作ってもらったらいい。ターゲットは南都銀行ですね、南都銀行がつくってくれるといいのにということは働きかけています。

 これは、なかなか動かない。金融機関の地域貢献は大きいのはそういうことだと今、私は思っていますので、昨日の会議で、南都銀行に会議から決議文を出そうかとか、知事会みたいな提案をいたしましたが、お願いしますよと、こちらから陳情書を出そうかとか、というような特例子会社設立の陳情を出そうかとかいうようなターゲットで動いています。

 それが一つの努力のパターンと、もう一つは離職がありますので、離職をされてもその作業に合わない方もおられるので、マッチングと雇う側のトレーニングが必要ですので、よく特別養護学校なんかの学校の先生が来て、児童生徒にこのような訓練をしますと、こういう話があるんですけど、訓練が必要なのは雇う側の訓練が必要じゃないかと。そのようなプログラムはない。ソーシャルスキルを伸ばす訓練、ほかの不登校だけではなく、会社でも様々な過労死に至らないまでにそのチェックをする仕組みや、パーソネル・マネジメントのマネジャー養成のプログラムが日本はないのが特徴ですので、みんな現場でマネジャーに任せっきりで、学校を離れるとパーソネル・マネジメントを訓練されて会社の幹部になる人は皆無である。しかし、現場で訓練されてスキルを身につけて会社を支えたり、県庁を支え、官庁を支えたりされるのが日本の特徴ですが、もう少しソーシャルスキルを雇用者、管理者のほうに学んでもらう訓練が必要ではないか。それはないからどのようにするかといったような議論をしています。そのような、日本にないがすべきではないかという議論を、その前半の会議ではしていました。

日経新聞:
 来年4月から、法定雇用率に精神障害者も入りますが、それを入れても奈良県は首位をキープできますか。

知事:
 精神障害も法定雇用率算定の対象にするというのが、来年4月からだったと思います。それを入れても、法定雇用率は2.0%が2.2%になります。だから今2.6%というのは、地域の障害者雇用率はもう奈良はトップでありますので、その次は2.4%台で、2.5%よりちょっと下だと思います。今のところは大変誇ってうれしく話してますが、大分県なんか奈良県抜かすぞと、こういって知事が頑張っておられると聞きましたので、各県の一つの競争といいますか、競争になってきている面もあります。これは奈良県の事業所、民間事業所がほとんどですが、やっていただいているおかげだと思いますので感謝しています。彼らが雇いやすいように、継続しやすいような環境整備で気づく点があったらしていきたいというふうに思っています。現場がとても零細なので、そういうセミナーをしたりして出てこられて話しをすると、とても感激的です。

 それと、障害者の文化祭とアクティビティーを今度一体開催するということで、就労と住まいと社会活動というので一体化すると、障害者がどんどん出てこられるので本当にいいと思いますが、そんなのをこの一体開催を機会に定着するように、ノーマライゼーションということになりますが、定着するように願っています。奈良県では、そういうようなのをずっと来年以降も続けられたらというふうに思っています。

司会:
 どうでしょうか。ほかによろしいでしょうか。
 幹事者さん、よろしいでしょうか。
 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

お問い合せ先: 奈良県広報広聴課 報道係 TEL 0742-27-8325 hodo@office.pref.nara.lg.jp

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