平成30年5月8日(火)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は案件はございませんので、その他のご質問からよろしくお願いいたします。


質疑応答

ゴールデンウィーク中の過ごし方

時事通信:
 連休中はどのようにお過ごしになったのですか。

知事:
 連休中ですか。ぼうっとしてましたが、本は割と読めました。なかなか日ごろ本は置いてあるが、あまりせっせと読めない。連休中はその本をとる回数というか時間が増えます。ほかの書類がなくなるから。つい読んだのを言ってしまう。

 おもしろかったのは、トランプのことを書いた「炎と怒り」、「FIRE AND FURY」。スティーブ・バノンが裏にいるけど、あれはおもしろかったです。

 読んだ本を言うと、筒井清忠さんの「明治史講義」というのかな、明治維新の人の話をたくさん書いたのがあって、それもおもしろかったです。最後に乃木将軍、その維新の人たちのことをそれぞれの学者さんが歴史人物像を書いていて、清忠さんが最後に乃木大将の話、司馬遼太郎と対決するような話を書いていて、司馬史観を打ち壊す、打ちのめすような話があった。前からちょっとそんなことを感じていましたが、それはそれで小さな話ですけどね。

 もう一つおもしろかったのは、「メルケルと右傾化するドイツ」というもの、これは新書ですが、読売新聞のドイツ支局長が書いて、外国で支局長をずっとしたら、ああいう取材の仕方があるのか。ドイツ政治とかメルケルをずっと追っているのです。インタビューもしてるし、ドイツの首相の記者会見、外国の記者も質問ができるんで、メルケルにも質問をしてる。それをずっと追ってて。メルケルとトランプというのはもう対照的ですね。

 メルケルは、東ドイツで20年ぐらい物理学者だった。東ドイツ時代、東ドイツのインテリはそういう人文系の学者は検閲にかかるのでなかなか生きていけない。物理系というか、科学系の、自然科学系の学者だと割と自由であったというので物理を選んだらしい。ノーベル賞はとれないかもしれないけど、相当優秀な学者だったと、こう自分で言ってるらしいんですけどね。だから政治が合理的です。

 アメリカは、今、合理的な考えに反発するような政治がある。反合理主義みたいな流れ、これとても大きな流れで、最近そういう本が出ている。ポピュリズム、トランピズムというのは反合理主義、反知性主義ではないが、反エリート主義です。「炎と怒り」で出てくるのは、ジーニアスズ、要は天才たちという冷やかしの言葉があって、これはオバマさんなんかのことを言っているのだが、IVY出て頭のいい人が頭のよくない人をさげすむような目で見るとか、そういうのが物すごいエネルギーになっているような感じのことを書いてあって、だからジーニアスズの代表がニューヨーク・タイムズとかCNNとかそういうようなことで、しかし最近の、その本には書いてないんだけど、そこからニューヨーク・タイムズをアイパッドで引いてみると、ニューヨーク・タイムズのトップはもう左、反トランプの項目がばっと出てきて、それを押すとまた画像が出てきたりしてすごいなと思って、最近はそんなのも検索しています。

 マギー・ハーバーマンというのが、その本にも出てくるが、ニューヨーク・タイムズは、ぱっと引いたら、上のほうに、向こうは署名者の記者の名前がまずリードのところでばっと名前を出す。そのハーバーマンの名前が出てきて、そういう記事がすごくフォローされている。ところが、最近のほかの記事だと、あれだけ批判しているのにトランプの支持率が下がらない。40%で下がらない。批判の仕方が悪かったんじゃないかと言ってます。どなたか反応される日本のマスコミはないんだろうかというふうに、ちょっと思ったりもします。聞かれてないこともべらべらしゃべってすみませんでした。感想ということで。

時事通信:
 メルケルの知性主義、トランプの反知性主義ということでしたが、知事の政治姿勢としてはどっちが近いですか。

知事:
 近い要素とかね、それでやると、メルケルほどもちろん頭はよくないし、仕事の仕方とかも、読売新聞のドイツ特派員の人が書いているが、メルケルとトランプは、いろいろな違いがありますけど、一つ大きいのは、トランピズムというのは派手にやりたいと、ビッグなことをやれと、こういうのがスタイルだが、メルケルは地味にやれと言っている。地味にやれと言ってこうやっているのは、それはどちらかというとメルケルさんのほうに近いというか、気持ちはメルケル風のほうがいいなと思っているところです。

 それと、合理的と非合理的とか、非常に対極なのでとてもおもしろいという政治のスタイル、今や世界の政治家のスタイルの中でとても対極的なので、そういう意味でもたまたま2冊続けて読んだが、おもしろいなと思いました。

 それから、仕事の仕方は、メルケルさんは最初、ドイツが統合されて最初の選挙に地方から出て通って、その最初の選挙に出たときにコール首相に閣僚にしてもらって、階段を上がっていった。実務中心主義なのです。実務ですごく省の職員のコミュニケーションをとって、色々なことを聞いて、議論させて判断させるというスタイル、それをずっと続けてるような感じです。だからドイツの政治も様々な政治があったが、ある面、4期もされて安定してるような源泉は、地味に緻密に、ドイツ風で緻密に積み重ねるという浮ついたところがないのが安定した政治になっているのかな。ドイツも動いてますからね、右と左、ポピュリズムと実利と、こう動いてますから、その中で政治家の態度とかというのは随分大きいと思います。

 時流に乗るか時流に逆らうかで政治家の姿勢が随分変わってきますけども、それは国の運命にかかわる話でもありますけどね、時流に乗ると、その時々の選挙には勝つんだけども、国の方向として結果的にいいのかどうかということにもなるのですよね。

 その時流というのは世論ということだけど、世論というのは大層の意見ということにもなるんですけど、民主主義の元手ではありますけどね。それはいつも正しい、歴史的に見ると正しいというわけかどうかわからないというのが歴史の不思議だから、歴史観を持っているとそれに逆らいたくなる政治家も出てくるんだと思うんですよね。

 いいか悪いかは別にして、歴史は後でしかなかなか判断できないからですね。どこの国も同じだなという感じがしましたですね。あんまり時流に乗るのは好きじゃないから、自分のこと言ったら変だけども、そのレベルの人との比較には全くもちろんなりませんけど、いろんなタイプの政治家があるんだなという感じがしましたですね。おもしろかったですね。

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政府要望について

時事通信:
 6月、7月から政府要望の話が始まりますが、今年はどのあたりがポイントだとお考えですか。

知事:
 去年までの政府要望で重点だったのが、具体的には京奈和自動車道の大和北区間の事業化というとても大きな話だったんです。その事業化が認められたので、京奈和自動車道のめどがついたと。完成はもちろん先だけど、京奈和自動車道のめどがついたというのはすごくうれしいことなんです。その陳情が成功するまでに何年間かずっと、陳情をしてきたもんですから、一息ついたというか、ああ、よかったなという感慨が去年ありました。

 一方、地方の予算は、国の予算の方針に沿って動いていると時流をうまく先取りでるので、割と居心地がいいんです。昔からへさき理論と言って、船の「へさき」に立って、誰かが漕いでいると必ずその先頭を切っていくと。「とも(船尾)」に座っているといつも「とも」だし、「とも」にも座らないで船の外におりてしまうと、泳いで船にたどり着くのも大変だという理屈。奈良の県政について、とにかく「へさき」のほうへ座るようにしようと。「へさき」は右向いたり左向いたり、どちらに向くかわからないところがあるから、その「へさき」の方向を読んで、その先の方でボトンと水に入っていても、「へさき」がこちらに来れば拾ってもらえるという意味でもあります。「へさき」は国の方向ということですが、国がどういう方向を向いていくのか。やはり大きな論点は社会保障の動向であったので、思えば、医療とか社会保障のことを奈良県は勉強してこうやってますと、奈良県はその社会保障の方向性の割と「へさき」に座ってるという評価になってきたと感じています。

 国のこれからの動向は、地方創生も大きかったですが、これが言葉だけでなく本当の地方創生になるかどうかは、まだ不明なところがあるように思います。ブーカ(VUCA=「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をつなげた言葉)という今の時代の世相を言う4文字言葉があり、今そういう状況だから、国の船もどちらに行くのかなという中での地方創生の地方を、日本を引っ張っていく大きな原動力にしようと、本当の意味の地方創生、地方分権が国の政治で行われようとしているのかはわかんないんだけど、少なくとも医療とか、ある部分部分では行われかけている感じがしますよね。地方消費税の清算基準もその一環と見ればとても納得感がいくものなんですが、今の国の方向、財政再建の方向がどのようにいくか、財政再建というのは政治的な言葉としては否定する人は誰もいませんが、本当に力強くやるのか、本当の力が入っているのかどうか疑わしいのかという政治姿勢があるように思いますが、財政再建の大きな一つの試金石は、来年の秋の消費税10%増税と、それに対応する経済がぽこっと落ち込まないようになだらかにする政策が大きな政治課題かなと思います。

 来年は参議院選挙も統一地方選もあるので、国の補正が出るんじゃないかと思っています。補正が相当力を入れて出るのかなという感じで、国の政治の中のもう一つのメルクマール(指標)は、積極財政か再建財政かという色合いの違いはあると思います。緊縮というほどではないが、抑制財政か、抑制歳出かということになると思います。政治はどちらかというとばらまきと言われるように、積極財政は似たようなことになりかねないんですが、そうならないで本当に力強い歳出になるかどうかは、経済政策の歳出の知恵にかかってるような気がします。その補正が出たときの歳出の知恵を、国が前の消費税アップのとき、国からはこのように使えと予算がついて、旅行券を配ったりしましたが、もう少しましな消費税対策、増税対策があると考え始めています。そういう知恵があれば、地方もその先兵にさせていただいたら、地域の経済活性化と結びつくので、何かいい手が、知恵がないかと、「へさき」の勉強をしようと県庁内で呼びかけています。こう使うと消費税のショックを和らげることができますよ、消費が余り落ち込みませんよ、というタイプの歳出を、地方から知恵を絞れないかと勉強をしようかと職員の人に呼びかけています。

時事通信:
 今年の政府要望に向けて、地方から地方創生と、10%増税の時のうまい使い道を知恵を出して上げていこうかというお話ですか。

知事:
 消費税が上がるときの、地方の消費税ショック緩和の歳出という知恵が、地方の知恵でもし出れば、予算要望の中にその頭出しのような、へさき理論の「へさき」の前に竿や浮輪を置くことができるのかどうかといったイメージです。何かいいアイデアないですかね。消費喚起は難しいんですよね。消費を刺激する歳出とは何だろうかな、あると思うんですがね。

 消費が膨らむかどうかは、心理的なことが大きいような気がします。金持ちと余りに格差が出ると、全体の消費量はそんなにふえません。金持ちはお金を持っているだけ使うかどうかはわかりません。ニューヨークの金持ちがテレビで、自分は人より1,000倍も所得が多いが枕を1,000個持ってるわけじゃないと。1000分の1の所得の人と枕の数はそんなに変わらないんだという言い方をしていました。消費の分野では自家用機で飛んだりする消費というラグジュアリーな消費はあるが、それは一つの消費のタイプ。一般の身の回りの消費は、背広やシャツを1,000倍持つわけではなく、その消費がうまく展開するのに、戦後の経済は言ってみれば中間層の所得を安定させて、中間層の所得で経済を回すというような経済政策が中心でした。今もそうですが、どのように中間層を精神的に安定させて、消費に向かわせるかという知恵になると思います。

 今まで所得がふえるから貯金をするのも大事だけど、お金も使おうというので消費が伸びてきたところがありますが、所得が伸びない中で消費に向かえる心理とはどのようにつくられるのか、ですね。消費は、象の鼻という理論があります。象の鼻というのは、横軸に所得のレベルを、富裕層と普通、そうでない層を横軸、この所得の増減を縦軸にとると、象の背中と、象の鼻の根っこと、象の鼻みたいになるという統計のことです。象の鼻の先は、超富裕層の所得が伸びてるという鼻の先なんです。鼻の根っこは、地面にさらに下がっているかもしれませんが、先進国の中間層、所得が伸びない層がそのあたりだと。象の背中は、中国などの新興国で、所得がものすごく伸びる、所得のレベルは低いんですが、その増分はすごく高いと、この象の背中に似ている。政治的にトランピズム(米国トランプ大統領の政策や発言の根底にある考え方や政治姿勢)が突っ込んでいるのは象の鼻の根っこだと。そのため40%の安定したサポーターがいるという理論、政治にも結びつく理論なんです。

 日本も実はそのあたりの人が多く、だから消費もふえないんですが、アメリカはまたちょっと消費の形態が違う。本来中間層というのはサラリーマンだから、日本はとても穏健な感じですね、象の鼻の根っこの人たちはね。アメリカはとてもFURY(フューリー)、怒りの人たちがそのあたり。同じことは先進国だからヨーロッパにもそういう層があり、日米欧に象の鼻の根っこの人がいて、これがポピュリズムに結びついているというような見方が象の鼻理論で、また政治へのあらわれ方がアメリカ、日本、ヨーロッパでも違うんですが、根っこは似ているところがあるのかもしれない。象の鼻の根っこばかりけんかしててもしようがないし。

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東アジア地方政府会合について

奈良新聞:
 東アジア地方政府会合ですが、今年はどこでしたか。

知事:
 奈良でします。成都で去年やっていただいてとてもよかったんですが、また奈良で。分科会等は忠清南道、韓国でしていただく予定。中国もこんなに情報的になってくれば、またしてくれるかもしれません。

奈良新聞:
 朝鮮半島の状態が動いていますが、例えば北朝鮮の地方政府に参加してもらう考えはありますか。

知事:
 発想として考えたことなかったです。状況が変化すると、あり得るかもしれないですね。政治状況によりますが。

 エピソードで思い出すのは、高松塚の星図、上の天文図の北緯がわかるんですね、北斗七星の角度でですね。それが平壌の近く、38度の少し南だという事実なんですが、余り日本では言わないんですが、どうして高句麗の人が日本へ来て、向こうで見たものを描いたのか、緯度なんて概念は日本にないから勝手に描いてと思ったのか。

 高松塚に眠ってる人は誰かわからないんですね、いまだに。皇后陛下が、「いかならん皇子が眠りいましけん闇の星宿図ある石棺」という歌を高松塚が発見されたときに詠まれたんですが、すごい歌ですよね。「いかならん皇子が眠り」、いまだにわかんない。きのうはルネ・マルタンの永遠の道という音楽が春日大社で始まりましたが、不思議な音楽ですよね。ユーラシア音楽みたいな、奈良にぴったりだと感じました。

 だから大陸とつながるのに一番の先頭といいますか、天皇陛下がおられたからだと思いますが、大陸のさらに西のほうとつながっていた時代があったという奈良の特色が、その文物が、文化財がどんどん残っているというのが一つありますし、東アジア地方政府会合と一緒にやった東アジアの未来を考える委員会の委員長に平山郁夫さんになってもらったんですが、最晩年、平山郁夫さんの鎌倉の家に行ったときにエピソードを言われました。平山さんが北朝鮮の人を飛鳥寺に案内し、これはあなたたちの祖先がつくられた日本最古のお寺で仏さんですよと言ったらすごく喜ばれたと。平山郁夫さんが原爆病の後遺症で、もうこれからは家を出られないんだとおっしゃったときに、北朝鮮から見舞いの電報が来たって。どうしてわかったんだろうと言っておられたから、おもしろい。

奈良新聞:
 時代状況というのが変わってきたら、東アジア地方政府会合の歩み方としては、必ずしも北朝鮮を排除するものではないということですか。

知事:
 環日本海地方政府会合のようなものが、その前からあるんですよね。新潟か、石川県か、ずっとやっている環日本海地方政府会合で、それにはロシアが入っていることは確かなんだね。ロシアと北朝鮮も入っていたかもしれない。事務局は慶州なんですね。慶州の慶尚北道かな、そこが事務局していて、なかなか動かないのでこちらが多少お株をとってしまったんです。ロシアや北朝鮮に声かけてないんですが。環日本海地方政府会合ができたときは、ロシアも北朝鮮もまだ貿易もできたという時代だったと思います。核兵器やミサイルが出てくると、そういう雰囲気は全くなくなったと思いますがね。もし東アジア地方政府会合に入っていただくとしたら、北朝鮮の完全非核化のめどが立ったとき、それ以降だと思います。

奈良新聞:
 韓国の地方政府から声かけ、動きはないですか。

知事:
 ないですね。韓国の人はよく来られますし、期待は高いけれども、韓半島はやはり分断の歴史だったようです。いまだに地域間のファイトがある政治があるように思います。今、国務総理になっているのは全羅南道の知事だった人なんです。全羅南道の知事のとき、総理になる直前に奈良へ来られました。大阪の総領事が全羅南道出身の高校の同窓生だとおっしゃっており、そういう地域性がある国だと思いました。いろんな国情がおありになるから、国情を尊重しておつき合いするしかないと思います。

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平城宮跡歴史公園及び近鉄移設について

NHK:
 1カ月たった平城宮跡歴史公園について、ゴールデンウイークも過ぎて、今、人数含めた手応えと、あとこれまでのところで見えてきた課題を教えていただけますか。

知事:
 国営公園化になり、遷都1300年から最初の施設整備、中央の施設整備は今、進行中ですけど、大極殿院は時間がかかりますので、姿なかなか見えてくるのはもう少し先だと思います。南のほうはできて、朱雀大路はイメージが復原されたというので意味はあるように思います。まだこれからだというふうに思います。あそこの東のほうの整備と、南のほうの整備は国営公園ではないですが、平城宮跡、朱雀門前が一つの交流拠点になるように願っています。

 その中で課題は、中が広過ぎて、見て歩くのが大変だということです。こういう課題は、実物があるからこんなに広かったというのが見せられますが、もう一つはアクセスが悪いということになります。人も住んでないので買えましたが、逆に人の住んでないところはアクセスが悪いというのは当然です。鉄道が走っていることから、アクセスの関係で検討を始めています。

 現在、ぐるっとバスがJRの奈良駅から法華寺の後ろを回って平城宮跡へ入って戻ってきますが、これは私のアイデアでまだ奈良交通と折衝中ですが、西大寺から真っすぐ平城宮跡へ行って、さらに真っすぐ行って、このバスターミナルまで来て、春日大社まで行くルートを検討しています。大宮通りぐるっとではありませんが、大宮通り往復バスというのを検討しております。

 西大寺南口から大宮通りへ出て、JR奈良駅を経由せず春日大社まで真っすぐ来て、春日大社で折り返しで戻るという、大宮通り往復バスというのをアイデアとして提示をしています。

 これは平城宮跡と奈良公園をダイレクトに結びつける青バスというイメージで、貢献できないかと考えており、相談しています。アクセスの改善という意味では、大宮通り往復バスができると、近鉄の西大寺駅や奈良駅から、あるいは新大宮からのアクセスはすごくよくなると考えております。ただし100円バスだから奈良交通の反応はまだわかりませんが、提示しています。

NHK:
 ぐるっとバスの第三弾というか、ぐるっとというか直通バスですけど、三弾目をつくれたらとお考えですか。

知事:
 そうですね、大宮通りバスという路線ができないかと持ちかけてるところです。折衝中なのに話して失礼なことだったかもしれません。奈良交通にプレッシャーをかけてしまいました。

NHK:
 持ちかけて、協議中の段階ですか。

知事:
 協議中の段階です。

NHK:
 反応はどうでしょうか。

知事:
 まだちょっとわかりません。他路線の再編についても全体的に考えましょうと、言っていただいています。というのは、バスロケーションシステムを、観光庁の予算3分の1、県の予算3分の1、奈良交通3分の1で、奈良交通の全路線に3年以内に入れるプロジェクトが始まっています。そのため、バスロケが全部入る前に路線が合理的かどうかを検証していく必要があり、その一環になります。

 地元のバスは、通院、通勤、通学というような生活需要に対応する路線と、観光需要に対応する路線と2種類あって、その発生する曜日とか時間帯とか方向とか随分違うわけです。その需要を一緒に乗せるのは割と難しい面があります。土日の生活需要は、通勤、通学の面では激減するわけで、本数も普通は減りますが、買い物需要とか、また通院需要が増えるかもしれません。

 また観光需要ですが、日本の観光ですと、インバウンドはそれほど曜日に関係ありませんが、土日、連休、祝日にすごいピークをなすのが通常です。ただ、奈良のように観光需要がそこそこ多いところは、観光需要と生活需要では、本来の路線の形態とかダイヤが違うんじゃないかという問題があります。どちらが主かどうかを区別、排除するわけにいきませんので、それを今までは一緒に運んで効率的ということにしてきました。

 どちらが主かどうか、路線の性格を判断した結果、バスロケーションの表示の仕方もいろいろ違ってくる可能性があるので、検証してくださいということです。

 南のほうの新宮に行くバスについても、バイパス道路ができてきましたが、生活路線という意味があって、地元の集落を回って、バイパスのトンネルとか橋を見ながら走っております。それでお客さんが生活路線で乗りおりすればいいですが、乗りおりせずに観光客で満載になったバスが集落の中を入っていくという状況ですので、ちょっと調整できるかどうか検討してくださいといった類いのことです。

 その過程でバスロケーションの整備や、良いバス停留所をつくれないかを検討してもらっています。路線がフィックスすれば、道端に標柱を立てるだけのバス停留所でなく、もし道端にコンビニがあれば、コンビニの一角をバス停留所用に買収して、コンビニの駐車場からも入れる、屋根つき、ベンチつきのバス停留所ができないかを検討してもらっております。

 バスロケの整備スキームは1、1、1でできたんだけど、バス停留所の整備も1、1、1ぐらいでできないかと、これはまだ職員に言ってませんが考えております。どこをどのようなバス停にすればいいかを考えるときには、バス路線の検証、これは奈良交通のバスだけでなく、コミバスとの組み合わせが要ると思います。ちょっとしたいいバス停ができれば、コミバスもとまって、すぐその後に奈良交通の路線バスが来ると、十津川なり大塔から五條の病院に行くのに乗り継ぎがよくなる、という感じが達成できるかもしれないという発想です。

 そのようなことと、一緒の大きなコンテキストの中で、大宮通りバスの、ぐるっとバスの直線化という路線の再編の検討もお願いしております。

NHK:
 バスロケーションシステムは置いといて、歴史公園だけに限って見ると、人の入りが当初何となく想定していたものより少ないから、もっと公共交通をしっかりしなきゃという発想もあるんですか。人の入りはどうだったですか。

知事:
 人の入りは、ああいうところだからイベントがあるとふえます。イベントの場所としてはとてもいいと思います。平城宮跡歴史公園も、遷都1300年のときは人の入りがものすごくありました。

 その後、そんなに観光地として奈良公園ほど頻繁に訪れられる公園ではありませんが、だんだん施設が整備されてくると、訪問客も量的なレベルは格段に上がってくると思います。それは確実だから、そんなに心配していません。まだ訪れる動機が、原っぱを見に行くのかと思われる方もおられます。東の整備や南の整備が進んでくると、やはり一見の価値はあるように思います。それは整備に時間がかかるからだと思いますけど。

 首里城も国営公園ですが、あの首里城はコンパクトで随分案内もあるし、サイズが適当だということになります。今度平城宮跡は、朱雀門前が一つの大きなサイズになって、あとは大極殿院です。殿院ができると、大極殿と大極殿院は大きなモニュメントになると思います。その中でどのように楽しんでもらうかが、イベントやフェスティバルなど楽しみ方がいろいろ発見されてくると、お祭りのときはとてもにぎわう場所となるかもしれません。それは確実だと私は思いますが、時間がかかると思います。

NHK:
 私は今現在でも結構見どころがあるなと思って一回ぐるっと回りました。

 一つ気になったのは、そういう絶対そこに行かなきゃという話でなくて、地域の人たちとか観光客がふらっと行ったときに、ランニングコースができないのかなと思いました。あそこシャワー施設とか、実はそういうものもあるのに、あんまりそれがPRされてなくて、ある意味何か皇居でランニングする人たちいますが、ああいう場所みたいなところとしても活用できるんじゃないのかなと思いました。しかし、あんまりそれはPRされてなかったので、もったいないなと思いました。

知事:
 そうですね。もう一つ発想は、あそこ歩けるコースがあったり、小さな子供駅伝をやっております。

 滋賀県かがやってるリレーマラソンしたらどうですかというアイデアが持ち込まれました。平城宮跡の中の歩く通路でぐるぐる回るリレーマラソンしたらどうですかという話です。それも今、検討をお願いしています。ちょっと道幅が狭いという感じはしますが、リレーマラソンでそんなに人数が多くなければ、年代順にやるのか、年代をみんな入れるようにしてという、対抗リレーマラソンみたいなのもほかの地域でされているので、それをあそこでできないかと検討しています。

 イベントをすると、それをきっかけにマラソンを始める人が出てきます。今でも走る人おられますが、奈良マラソンをきっかけに、奈良マラソンに出場するためにマラソンするという人も出てまいりました。

 リレーマラソンを平城宮跡ですると、それをきっかけに今度は子供を走らせるんだというので運動される方もおられるかもしれません。運動と結びついて、そういう場所活用というのもあるかと思います。

 あとは、あそこはサイクリングの拠点でもあります。西の京に行くいい拠点だと思います。利用はまだちょっと報告受けておりません。しかし、だんだん定着してくると、あそこを見て、ちょっとお茶を飲んだりお昼食べて、西の京に行って秋篠川沿いの自転車道がありますので、行って帰ってくるとか、向こうで自転車を置き去りにするということも可能です。

 あそこはNTTのモバイクみたいなのが拠点になっていますので、その貸し出しも相当あるかもしれません。モバイク風のがはやれば、これも定着すると思います。奈良公園と平城宮跡をモバイクで往復するというのも一つのテーマになります。それと裏のほうの古墳を回って、裏のほうから回るというのも一つの交流拠点のイメージ、コンセプトがありますので、それは意識しております。今の走るという拠点もあるし、サイクルの拠点でもあるということです。

 サイクル拠点には自転車がたくさん置いていますので、どんなふうに利用が伸びるかが課題です。利用の伸ばし方は、また研究させていただきます。

NHK:
 みはらし館に上りましたが、みはらし館からちょうど近鉄線がよく見えました。そこで鳥居みたいな鉄の門みたいな門がどんどんどんとずっと線路沿いにあって、それがすごい景観を損ねているなと思いました。あれ近鉄に何かと聞いてみると、近くに変電所か何かがあって、大きなケーブルを上に上げなきゃいけないからあれだけしっかりしたものをつくらなきゃいけなくて、ほかの線路沿い行くとあんなものないんですよ。あれがないだけでも随分違うなと思ったり、根本的には多分あれを移設すればいいですが、そのあたり何かその後の進捗はありますか。

知事:
 2段建て架線ですが、JRが発足したときは違うポールが立ち出したんですよね。筒になってこう曲がっているようなパイプの架線が、これは1段建てになります。これは高いですが、もちがいいんです。中に電線が走っているというので、余り雨露にさらされないからもちがいい、メンテナンス費用がとてもいいんだという話を聞きました。ほかも2段建て架線が何十年もそのままなのは、そのような投資が要るからされないんだろうなと感じております。

 しかし、レトロっぽくなるからいいのかなと思っておりますが、鉄道会社の投資意思次第だと思います。景観はよくなることには間違いありません。

 究極の平城宮跡内対策は、移設が適切かどうか議論をしなければいけません。これは改良踏切が8カ所出ました。西大寺駅の西が4カ所、東が、すぐ東の佐紀町のところの踏切と、平城宮跡の中と、奈良市役所の横の踏切と、新大宮の踏切と、東で4カ所です。これを道路改良だけでできるのか、鉄道の高架か移設が合理的なのかという論争の協議が始まっています。これは32年度までに鉄道事業者及び道路管理者は改良についての意見を言わなきゃいけないことであります。すでに協議が始まってますし、スケジュールもこんな段取りで三者協議、近鉄、奈良市、県の三者協議を続けますという報告をきのう受けました。

 まず、近鉄さんは、道路整備で踏切が改良できるというお説なので、じゃあどのようにすればいいですかと、こう聞くのもあれなんだけど、道路はおたくでしょうみたいになるので、県で道路改良するとすればこういう改良案になります、しかしこういう難点がありますという形で、その協議の場に出していきたいと思います。

 これは周辺の方の生活に影響しますので、それで大丈夫ですかということをいずれ問いかけることに、まとめてはパブリックオピニオンということになると思います。その協議の過程を、お求めがあれば報告する、公開するということになると思います。全部公開になるかどうかは、個別協議も入ってくるかもしれませんので、それはパブリック対応をどうするかという課題があります。

 32年度に向けて協議を進めなければいけないということで、きのう、そのスケジュール案が来ました。

 そこで、最終的なパブリックオピニオンをお聞きするのに合わせて、協議を進めようというふうに了解いたしています。8カ所の踏切改良の、結局鉄道の高架化か、道路改良かという点です。

 近鉄さんは自己負担を気にされてる面がおありかと思います。鉄道の連続立交の鉄道事業者負担は、平均すると、事業費は不明ですが、事業費の7%ぐらいの負担になります。1,000億の事業費だったら70億です。ほかは国、県、市が負担というのが通常ですので、7%の負担で、しかも鉄道資産は鉄道事業者のものになるわけです。

 東京でちょっと鉄道局とそういう話しすると、普通なら鉄道事業者は率先して手を挙げるんだけどなとおっしゃってました。近鉄のご担当の人も、そのぐらいの負担だということは知っておられるとは思います。だけど財政的な理由が大きいのかなと思います。

NHK:
 7%でも苦しいという、そういう事情がありそうだということですか。

知事:
 かもしれない、ちょっと調べてください。そうかもしれない。その発想は、はっきりもちろんおっしゃいません。そんな経済的理由じゃないと思っております。そんなお金でうろうろする会社じゃないと、こう思っておられるのか、言っておられるかもしれません。

NHK:
 ぜひその協議が本格化したら、公開してほしいなと思っております。

知事:
 ああ、そうですか。

NHK:
 みんな関心を持っていることだと思いますので、ぜひ設定をしていただければと思います。

知事:
 そうですか、協議のスケジュールは、32年度に意見をそれぞれ言わないといけないことは、近鉄さんも意識されてることは確認いたしました。きょう平城宮跡の話から近鉄移設の話に行きましたけれども、協議公開というご要望があったことを踏まえて、協議をしたいと思います。

 県としては、別にはばかることはありませんし、ちゃんとした会議が続くようにしたいと思ってます。そのアジェンダを、これは何を協議するのか、そのアウトプットは何なのかを、やはり関心高いと思いますので、そういう手順を踏んでそのスケジュールを出していきたいと思います。

 きのう聞いたスケジュール案は、県の中のスケジュール案ですが、こんなにべらべらしゃべってますけど、近鉄さんとまだ協議はしていないと思います。奈良市と近鉄さんと、きのう私のところへ出てきた案で協議をしていいかということでしたので、ぜひ協議をして進めてくれるようにということで職員の人にお願いしました。

 今の情報公開、協議公開ということについては、ご要望があったということで、協議のその場としての、そういう情報を提供していきたいというふうに思います。県としては反対する理由はないように思います。

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民泊条例の方向性と飛鳥・藤原の世界遺産登録について

毎日新聞:
 観光客の誘致の件で、民泊条例が6月からスタートしますが、明日香や橿原など、特別な風致の保存地区が6つか7つあったと思います。それは各自治体さんと協議しながら決めていくという方向性だったかと思いますが、方向性としては、県や奈良市さんと同じように最低限の規制をかけるような方向で進めていかれるのか、あるいは個別でここは少し厳しくとか、方向性を教えてください。

知事:
 民泊、世界遺産登録、物は少し違いますが、観光という同じフィールドだと思います。民泊については、あのような法体系になって、国が全部やるぞというような従来のスタイルでなくなってきているような印象を持ちます。条例化の中で国の役目を明確にするという、新しいスタイルのハイブリッドなやり方だと思います。これは医療でも皆そのように法でフレームを作って、実行は法のとおりにしろと、執行機関ではなく、地域の実情に合わせて工夫してやりなさいと。全体のフレームはこれですよと。そのフレームの目的は書いてあります。民泊を推進しようという観点、安全な民泊を作ろうという観点から法ができたと理解していますが、既存の旅館であったり、違法の民泊があったりすることをどのように処理するかは、地方公共団体に任せようというフレームだと思います。

 奈良の場合は、一つは宿泊施設が少ないということ、したがって、違法な民泊も大都市ほど多くないという実情がありますので、健全な民泊を育てようという方向で県は考えておりますが、奈良市も同じような方向だと認識をしています。

 もう一つは、健全な民泊というのは、市民との折り合いという面もありますが、観光地でありますので、観光客がうろうろするのは腹立たしいということを言うのも少し変な、それは市民の権利にはならない感触だと私は思います。外国人がうろうろしたら嫌だという人がいても、それはあまり保護される法的な権利にはならないと思いますが、守ってくれということは達成しなければいけないことだと思います。それは民泊としては、地域の実情に合わせてという中で、奈良県はどちらかというと、毎日新聞さんの判断のカテゴリーでは、推進をしようと思っているのではないかというタイプではないかと思います。安全な、健全な民泊を推進しようというようなことだと私は思います。明日香についても、ほかの地域についても、これは県条例の範囲ですので。

 もう一つは、飛鳥の世界遺産登録、長崎のキリスト教の遺産登録をされたので、ずっと引き続き注目を浴びておりますが、明日香の世界遺産登録ができない理由は、1つは保存地といいますか、これだけ守るという領域が、提示している世界遺産の範囲はこれだけですといった中で、8割ぐらいしか確保できていないということがハンデの一つだと聞いています。世界遺産で守るべきというのは、そこに何か変な旅館や住宅がばさばさ建たないということが一つの守るという意味の、保存という意味の大きな目標になりますので、8割しか史跡指定できていないので、2割どうするのか、規制だけでいいのかというようなことが話題になってると聞いています。これは克服する、全部史跡指定して守る意思をはっきりする。世界遺産になると守るということが一つ大きな目標になりますので、守る意思を確立する体制を整えるということが大きなことだと思います。

 もう一つ明日香の場合は、長崎の世界遺産登録は、多少と言ったら悪いですが、物が残っています。文化財になる構築物が残っていますが、明日香は本当にないんです。ここで宮都があったということだけで、中にこうあって、ギリシャ、ローマのような、あるいはオリエントの遺跡のように、パルミラのように石柱が残ってたり、ごろんと大きな柱の跡が残ってたり、一部が大英博物館にあるというようなものでもないので、天皇の休所と言われるところもカヤぶきの家で、都城というのはなかったです。

 都城は藤原京で初めてできかけましたが、どこまで藤原京の都城の形があったかわからないです。それが平城京の中で形が見えてきたというので、形の見える最初の都城が平城京という、また現地で残っているので値打ちがあるのが平城京。藤原京は、あったことは間違いないのですが、どんなものだったかということの想像もできないというのが、世界遺産登録の、私の個人的な感じから、ハンデになっているのかなという印象を持ちます。これはどのように解消するのか。

 明日香で、明日香を大事だと言った昔の文化人が、真っ暗な明日香を歩いていると明日香の値打ちがわかるという文章を書かれたんですけれども、反論しているわけではないですが、真っ暗な明日香を歩いていても値打ちのわかる人はほとんどいないといって反論しているんです。歴史を読むと、「日本書紀」ができた場所だとか、天皇木簡が発見されたんだとか、天武天皇がこんなことしたんだとかという歴史の造詣のある人は、これがこの場だったんだということだけは確かだから、天武天皇が住んでいたことは確かだから、すごいなと感慨されるんでしょうけど。普通の人は、暗闇の中を歩いていてもすぐにはわからないなという感じがあります。どのように世界遺産の、その意味を実感してもらうかという課題はあるように思います。どのようにすればいいのかな。少し私はアイデアがないですが。

毎日新聞:
 そうすると、飛鳥の世界遺産登録に向けて、プロジェクトチームや、それに類することが頭の中におありなんですか。

知事:
 明日香村、橿原市、桜井市と奈良県で、登録に向けた協議会をずっと続けています。今、知事がこんなこと言ってるんだから迫力ないなと思われるかもしれませんが、むしろ課題としてそのように感じてるということが正直なところです。

 一方、間もなく明日香の整備計画、もうじきまた次の10カ年計画の改定が始まります。国営公園もありますので、次の明日香村小委員会というものがあって、国交省ですが、その次のサイクルの10年間計画の案が始まりますので、それに向けて、世界遺産登録だけが大きな目標ではありませんが、明日香の値打ちをどのように認識して保存し、活用するかという課題だと思います。世界遺産に登録されるかどうかは別にして、明日香の値打ちをよく認識をして、保存することと検証すること、展開するということは引き続きの課題だと思いますので、国のほうも国営公園にもしていただいていますので、その国営公園の力を活用して、明日香、藤原の値打ちを資源活用するという課題は、迫力を持って展開できたらと思います。それが世界遺産登録に結びつく一番の道のように思います。

 だからそういうことは、活用というと、例えば高松塚の展示場を作ったりということですので、物の性格上、壁画はとても弱く、壊れやすいので、あのような展示しかできませんので、現物を石をエフェソスの遺跡みたいにごろっと転げさせて、柱が、列柱が立ってるという迫力とは全く違うわけなんです。石棺の中のこんなものがあったよという、これだってすごい、世界にない壁画だと思います。

 それは現物として残っているわけですが、すると世界の交流が頭に浮かびますけれども、それが現地のほうでも発見される傾向があります。同じような壁画のソグド人の墓がウズベキスタンで最近発見されたり、西安の近くで発見されたり、最近ではアフガンと結びつきが奈良は強いと思いますが、藤ノ木古墳の王冠のようなものはアフガンのティリヤ・テペが原産地ではないかと思いますが、黄金のアフガン展というようなものが東京でありますと、藤ノ木とすごく結びつきが強いということがこちらで展開して世界的な流れを見るとか、音楽では、昨日(ムジークフェスト)の音楽は、そちらの結びつきをほうふつとさせるような音楽でしたが、そのようなことを続けるとか、その資源の活用の一つのパターン、形だと私は思いますけれども、こういう列柱があったぞという、そういう伝統的遺跡展示形態はなかなか明日香・藤原ではとれないような気がしますので、世界の遠くにあったもの、何千キロと離れたところのものが、奈良に形でありますということは不思議な世界でありますので、そういう展示もあるのかなと私は思います。そのような中で、日本の国家像、日本の国ができてきたのかなと思います。

 読んだ本の中で、今、日本列島は島になっていますが、太古の昔は、島が全て陸続きだった。オホーツク海や東シナ海は内海だった。ずっと氷河があると海面が下がってくるから、するとみんな陸続きになって、内陸、湖だった。それが海の水が上がってくると、堰が破れて海になった。まず津軽海峡があって、オホーツク海の南が海になって、こちらのほうは瀬戸内海もなかったわけですが、日本海が湖が海になったというような。

 網野善彦さんの出だしでそう書いてあったから。だから、そういう時代があったから、奈良だけではないですが、日本に象も来たし、マンモスも来たし、鹿も、大鹿も来たし、その跡は確かに残っているわけです。石器で、大きな石器は大きな動物をとったとかって。

 そういう列島だからということで、奈良時代になると人が、そういう政治家、文化人も文字を持ってきてくれたからというようなところがありますから。するとそのような文物の交流があった先駆けが奈良のような気がしますので、ユーラシアの文物が奈良にあるのも不思議ですが、もちろんあるからあったんですが、意味はおもしろいです。それが一つの売りだと思います。パルミラのような柱はないですが、物がないから遺産にならないのかというところがテーマです。違う石棺の中の物がありますよというような、これもすごい値打ち、高松塚の値打ちはすごいと思います。ほかにあんなにきれいな壁画はないんだから思いますが、それはなぜ値打ちかというと、それ自身がすごい、それが並んでたというよりも、同じものがユーラシアの向こうにもあったかもしれないというようなことが値打ちのような気がします。

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県議会議長に関する報道について

奈良新聞:
 新聞の一面で連日報道していますが、岩田議長の問題で、昨日、新聞報道自体は否定されていますが、元組長と接触はしていたと。その件に関してご所見をいただけたらと思います。

知事:
 所見というほどのものはないです。どうぞ追及してあげてください。また、反論も当然ありますので。どのように所見を立てればいいのか少しわかりません。訴訟にもなっていますし、新聞報道と訴訟に対し、知事の所見というのは普通あまりないように思います。どうでしょうか。

奈良新聞:
 わかりました。

知事:
 所見の言いようがないような、今のところそんな感じです。

司会:
 よろしいでしょうか。
 幹事社さんもよろしいですか。
 それでは、これで定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

お問い合せ先: 奈良県広報広聴課 報道係 TEL 0742-27-8325 hodo@office.pref.nara.lg.jp

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