宇宙食から生まれた衛生管理方法(HACCP※1)で
家庭での食中毒を防止しよう!
宇宙食から生まれた衛生管理の方法は、最終製品の検査によってその製品の安全性を確保しようとするのではなく、製造工程を連続的に管理することによって、個々の製品の安全性を確保しようとするもので、HACCPと呼ばれています。
家庭での調理を管理するにも、HACCPの考え方に基づき、そのポイントを連続して管理することが有効で、以下が「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」です。
皆さん、このポイントを基に日々の食事作りをチェックしてみましょう。
家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
ポイント1は、食品の購入時です。
《管理のよい店で上手に買い物をしていますか?》
- 肉、魚、野菜などの生鮮食品は、新鮮な物を購入しましょう。
- 表示のある食品は、消費期限などを確認しましょう。
- 冷凍・冷蔵など温度管理の必要な食品は、買い物の最後にし、購入したら寄り道せずまっすぐ持ち帰るようにしましょう。
ポイント2は、家庭での保存です。
《冷蔵庫はきれいですか?温度管理はできていますか?》
- 冷凍・冷蔵の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に保存しましょう。
- 冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。7割程度がめやすです。
- 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することがめやすです。また、冷蔵庫の過信は禁物です。冷凍でも細菌は死にません。早めに使い切るようにしましょう。
- 冷凍庫・冷蔵庫に食品を保存するときは、ビニール袋や容器に入れ、肉汁などがかからないようにしましょう。
- 肉、魚、卵などを取扱う時は、取扱う前と後に必ず、石けんをつけて十分流水で洗いましょう。
ポイント3は、下準備です。
《台所はきれいですか?器具は清潔ですか?》
- 生の肉、魚、卵を取扱った後には、手を洗いましょう。途中で動物にさわったり、トイレに行ったり、おむつを交換したり、鼻をかんだりした後の手洗いも大切です。
- 井戸水を使用している家庭では、水質に十分気をつけましょう。
- 生肉や魚を切った後洗わずにその包丁やまな板で、果物や野菜など生で食べる食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。
包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々にそろえて、使い分けるとさらに安全です。
- 解凍は、冷蔵庫の中や電子レンジで行いましょう。室温での解凍は危険です。また、水を使って解凍する場合は、気密性容器に入れ、流水を使います。
- 料理に使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。また、冷凍、解凍を繰り返すのは危険です。やめましょう。
- 包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどは、使った後すぐに洗剤と流水でよく洗いましょう。
ふきんの汚れは、漂白剤に一晩つけ込むと消毒効果があります。
- 包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。たわしやスポンジは、煮沸すればなお確かです。
ポイント4は、調理です。
《下準備で台所は汚れていませんか?調理は十分加熱をしていますか?》
- タオルやふきんは乾いて清潔なものと交換しましょう。
- 加熱を十分に行うことで、もし、食中毒菌がいたとしても殺すことができます。めやすは、中心部の温度が75℃で1分以上加熱することです。
- 料理を途中でやめるようなときは、細菌が増殖しないよう冷蔵庫に入れましょう。再び調理するときは、十分加熱しましょう。
- 電子レンジを使う場合は、電子レンジ用容器、ふたを使い、調理時間に気をつけ、熱の伝わりにくいものは、時々かき混ぜることも必要です。
ポイント5は、食事です。
《手洗いをしていますか?調理後すぐに食べていますか?》
- 清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛りつけましょう。
- 調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。例えば、0157は室温でも15~20分で2倍に増えます。
ポイント6は、残った食品です。
《残った食品は食卓に放置しないで、冷蔵庫で保存していますか?再加熱は十分ですか?》
- 残った食品はきれいな食器、皿を使って保存しましょう。
- 残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
- 残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。めやすは、75℃以上です。味噌汁やスープは沸騰するまで加熱しましょう。
- 時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てましょう。また、ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。
※1 HACCPとは、HA(Hazard Analysis:危害分析)とCCP(Critical Control Point:重要管理点)を合わせたもので、危害分析重要管理点方式と訳されています。
関連情報
・家庭でできる食中毒予防の6つのポイント (厚生労働省)
・パンフレット(PDF824KB) (厚生労働省)
・食中毒を防ぐ6つのポイント (政府広報オンライン)