野菜に対する消費者ニーズは多様化しており、ホウレンソウは外見だけでなく、栄養成分、機能性、安全性などに対する関心が高まっています。そこで、中山間地域の寒さを活かして品質を向上させる栽培方法を検討しました。
露地栽培区、雨よけ栽培区、ハウス栽培区(慣行:午後5時~午前9時まで閉め、11月下旬以降は昼夜とも閉め切り)を設け、作期I(10月2日播種)、作期II(10月16日播種)に分けて栽培し、草丈が25cmに達したホウレンソウ(品種:アップライト)を分析しました。
糖含量は、作期2.が作期1.より高く、両作期とも露地栽培および雨よけ栽培で高くなりました(図参照)。シュウ酸含量は作期1.で高く、両作期とも露地栽培で低く、水溶性シュウ酸は露地栽培で高くなりました。アスコルビン酸は作期2.が作期1.よりも高く、その中でも露地栽培で高くなりました。抗酸化活性は、作期1.、2.とも露地栽培で最も高く、雨よけ栽培、ハウス栽培の順に低下しました。
以上のことから、10月中旬に播種し、ハウス栽培よりも低温に多く遭遇する露地栽培や雨よけ栽培を行うことで、糖含量やアスコルビン酸含量が増加することが分かりました。
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