株式会社井上天極堂と県産業振興総合センターは、奈良県内の吉野葛の根から植物性乳酸菌を日本で初めて分離することに成功しました。
クズ(葛)はマメ科の蔓性植物で、根は葛根湯などの漢方薬や、葛餅や葛湯など吉野本葛の原料として古来より利用されてきました。
伝統植物である吉野葛の認知度向上の取り組みの一つとして、株式会社井上天極堂と県産業振興総合センターとの共同研究で、吉野葛の根からヨーグルト用の乳酸菌を分離し『葛乳酸菌』と命名しました。
この乳酸菌を使ったヨーグルトのもととなる乳酸菌粉末は、豆乳ヨーグルトスターターとして、10月3日~5日に開催される食品開発展2018(於 東京ビッグサイト)において発表されます。
(※ヨーグルトスターター:ヨーグルトを作るときに種として加える乳酸菌粉末のことです。乳酸菌は、常温でそのまま置いておくと死滅するので、使用するまで生存するような加工が施してあります。)
特許出願
『葛乳酸菌』は豆乳から滑らかな食感のヨーグルトが作ることができ、試験管レベルの試験で、抗菌性(黄色ブドウ球菌やアクネ菌)や免疫賦活能があることが確認されており、平成30年1月に特許出願しました。
今後の予定
『葛乳酸菌』を使った豆乳ヨーグルトのもとになる豆乳ヨーグルトスターターは平成31年1月に発売予定です。
また、その他の機能性についての研究や牛乳用ヨーグルトスターターなど、新しい商品の開発を行う予定です。
問い合わせ先
◇奈良県産業振興総合センター 生活・産業技術研究部 バイオ・食品グループ
TEL 0742-31-9103(直通)/0742-33-0863(研究支援室)
◇株式会社井上天極堂
TEL 0745-67-1665