食品衛生検査所の概要

食品の安全性確保

県内に流通する多くの生鮮食品(畜産物、農産物、水産物)の流通拠点として、「奈良県食肉センター」、「食鳥処理場」、「奈良県中央卸売市場」の3つがあります。
奈良県食品衛生検査所では、これらの施設における監視指導、検査等を実施することにより、日々、食品の安全性の確保に努めています。

 

「3つの施設」

食中毒などの防止のためには生産から家庭までの一貫した衛生管理が必要です。
牛や豚は食肉センターに、鶏は食鳥処理場に、生きているものが搬入され、食肉・食鳥肉となり、精肉店、食肉製品工場、飲食店へと流通されます。
農場で採れた野菜などは、中央卸売市場で食品として「せり」にかけられた後、量販店や小売り店舗等の店頭あるいは飲食店にて提供されます。
食肉センター・食鳥処理場・中央卸売市場の「3つの施設」は、「生産衛生(農場)」と「食品衛生(家庭)」をつなぐ重要な位置にあります。

◆奈良県食肉センター 
 食用の獣畜をとさつ解体する施設として、平成2年に開設された県内唯一のと畜場です。食肉卸売市場として、せりも行っています。

◆食鳥処理場
 県内の大規模食鳥処理場は、平成25年に廃止されました。食鳥検査員を配置しない小規模食鳥処理場は、保健所が監視にあたっています。     

◆奈良県中央卸売市場
 奈良県の食品市場の拠点として、昭和52年に開場しました。多数の仲卸店舗や、関連商品店舗、加工場施設があり、食品の安定供給を担っています。

「3つの仕事」

上記3つの施設は、「生産物」が「食品」へと変わる重要な場所です。
これらの施設で、私たちは「生産物」が、安全で衛生的な「食品」となるよう「3つの仕事」(検査・監視・衛生指導)を行っています。

◆と畜検査
 食用の獣畜(牛・馬・豚・めん羊・山羊)は、獣医師であると畜検査員によって、病気ではないか、 食用にして問題がないか、1頭ごとに食品としての安全性を厳密に検査されます。

◆食鳥検査
 大規模食鳥処理場で処理される鶏は、獣医師である食鳥検査員によって、病気ではないか、 食用にして問題がないか、厳密に検査されます。

◆市場食品検査
 中央卸売市場で流通している食品は、一定の資格を有する食品衛生監視員によって、衛生的に問題がないか、厳密に検査及び監視されています。また、市場内業者に対し、食品の衛生的取り扱いに関する講習会等も実施しています。    

「3つの規制」

私たちの行っている検査・監視・衛生指導は国で定められた「3つの規制」にしたがっています。

◆と畜場法
 食用の獣畜をと畜場で衛生的に処理し、全頭検査するように義務付けています。と畜場の施設・設備の衛生管理についても厳しい基準を設けて規制しています。

◆食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(食鳥処理検査法)
 平成3年に施行された法律です。衛生管理基準の設定や検査制度などにより、食鳥肉の衛生確保を図っています。

◆食品衛生法・食品表示法
 食の安全性確保等に関する規制が講じられています。中央卸売市場内での監視・検査、食肉センターの食肉残留薬剤検査等は、これら法令に基づいて実施されています。