令和元年10月25日(金曜日)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日の発表案件は1件でございます。奈良県災害派遣福祉チームの発足についてでございます。
 知事、よろしくお願いいたします。


奈良DWAT発足について《資料》 (新しいウィンドウが開きます。)

知事:
 DWATというんですが、この災害の福祉チームの発足のご報告ですけども、既報でもう流れているところもありますので、きょうは11月1日に発足しますという日付をつけたお知らせになると思います。

 資料に書かれておりますので詳しくは申し上げませんが、このようなチームの需要がありますので、奈良県でのチームの編成を7月から検討しておりました。10月に登録時の研修を実施して登録を順次していただいており、11月1日から発足する段取りになりました。派遣要請があれば行きますよということになりますけども、1チーム5人程度、5日程度の期間で、主に避難所に派遣するということになります。10月29日、来週の火曜日に研修いたしますので、そちらは取材可能でございます。ご報告は、以上でございます。

時事通信:
 DWATなんですけど、ちょうど今、台風複数ありまして、また関東のほうで氾濫が発生して、今後避難などが長期化するものと思われますけれども、そちらに派遣されるお考えはあるでしょうか。

知事:
 はい、DWAT自身、要請があればということですけれども、積極的にこのようなチームができましたので、役に立つようでしたら、コーディネートというか、連絡をしていきたいと思います。台風19号の被災地への派遣は県がやっておりますが、「家屋被害の認定調査が、公務員の業務が膨大になるので助けてくれ」というのが通常多いものですので、それは行政として役に立つチームとして派遣しております。行政ですので、県の職員でなくても市町村の職員でも十分、でもという言い方は失礼ですけども、公務員としては十分役に立ちますので、市町村に呼びかけて、奈良県は割と市町村の参加少なかったんですが、今度は随分参加していただくようになりました。市町村の派遣の研修も県がしたり呼びかけたりしたというので、行くようになりました。支援を十分して、受援がなければないでいいんですけど、お互いさまというセンスでやるように、より積極的に取り組む一環としてDWATもできてきたと理解をしております。

 そのような災害派遣では、ボランティア希望の方もおられます。今度、バスを出してボランティアの派遣をするようなことを考えております。この後にでもボランティア活動の派遣の報道資料の発表をさせていただく予定だと聞いております。ボランティアを被災地に派遣するのに、どこに行っていいかわからないのでまとめてバスを出そうというようなことをします。前もしたことありますけども、県はバスを出します。参加される方は、ボランティアですので自分の宿泊費、1日1万円程度を出してもらうというような仕組みを奈良県はつくっています。それで被災地に行ってまとまって行動して、一緒に帰って来てもらうという仕組みですけど、したがって消防職員も含めて職員の派遣、ボランティアの派遣、それとDWATの編成と続いております。

朝日新聞:
 結局今の質問の答えは、連絡が、要請があれば積極的に派遣したいということですか。

知事:
 そうですね、ほかも行っておられるところもありますし、避難所が長引くと、ウエルフェア(福祉)のDWATの要請が高まってくる可能性があると思います。当座はボランティアが泥を掃くとか家財を片づけるとかという、そのようなニーズが高いと思いますけども、避難が長引くと、「体の調子悪いんだけどもどうすればいいだろうか」みたいな話があると思います。身の置き場も含めて、そのような作業チームになろうかと思います。これから長期化すると、要請が出てくる可能性が高いと思います。


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質疑応答

奈良市宿泊税検討について

産経新聞:
 きのう奈良市で宿泊税導入の方針が決まりました。その受けとめをお願いします。

知事:
 奈良市の宿泊税というのは、県知事の立場で、意見というか所見はありますけども、言う立場にはないと思います。猪奥県議会議員が議会で、「県もしないのか」と、「県税としての宿泊税はどうなのか」とお聞きになられたけども、県はする気はないんですけど。県がしないのはどういうわけかというような質問の答えでもいいですか。要らなければもう言いませんが。

産経新聞:
 お聞かせください、せっかくですから。

知事:
 せっかくと言っていただいてありがとうございます。何か言いたそうに見えましたか。

 市のことは市のことで、賢明な市長と議会ですので、賢明な判断をされると思いますけども、それはそれとして。県はしませんということでございますけども、県のしない理由は、1つは、宿泊税は法定外目的税ですので、宿泊税、外から来られた人に税金を払ってもらう目的税ですので、できれば還元、そのまま返すのではなく、サービスで還元するというのが目的税の基本的考え方です。取ってその泊まられた方にどれだけ効果があるのか。負担と受益の関係を明確にするのが必要になります。

 県の立場からすると、負担をしてもらってまで受益を還元するということではなく、宿泊者、観光の盛り立てをずっとしておりますので、そのほうが大変意味がありますので、奈良市は観光サービスをされるのは、今まで県のやっていることに比べて少なかったように思いますので、されることは大変結構なことだと思います。

 ほかの市などでされているところを見ますと、東京都か大阪府、京都市、金沢市ですけども、観光を随分それぞれされてますよね。例えばというので、観光で必要なアクセス、地域内交通、市の交通局がありますけども、奈良は市の交通局がないので、奈良県がぐるっとバスを走らせている、100円の観光バスを走らせているという実情にあります。これは負担なしの受益還元、負担なしのサービスというつもりです。あるいは、ほかの大きな市はコンベンション施設などがありますが、奈良市はありません。県がつくりました。これはコンベンションですから奈良市のためではありませんけども、奈良市役所に受益するというわけではないけど、来られる方を初め、奈良市の観光業者に受益することであります。これはほかの市に比べて受益を訪問者に与えるというのは大きな大事なことですけど、奈良市の場合、県がそこまでやっているから市は要らないというわけじゃない、「市はもっとされるのは結構ですよ」と繰り返し申しておきますけれども、ほかの取られる市は、その実績が随分おありであるような気がしますので、受益の面での結びつきを、目的税ですので十分県税で取る場合は必要だけれども、そのようなことはもう既にやっておりますからというので取らない。

 もう一つは、奈良県、奈良市もそうですけども、宿泊数は全国最下位レベル、最下位であります。宿泊施設が少ないし、税収の母体が少ないということ、負担ベースが少ないということは、税収を確保するのが難しい。少ないところから取って、必要な大きな受益を還元するというのは、母体の少ないところはより難しいというのが普通だと思います。税収の目的、税源としては、母体の少ないところで取るのは、より難しい税金になるなと思います。県は、そのようなところから取って観光振興するのではなく、まず観光してから税源のもとになるいろいろ消費税を払っていただいたりするのが、観光政策のより望ましい施策ではないかと思っております。それが県税として取らない2つ目の理由です。

 3つ目は、奈良県の場合、宿泊者で85%が日本人です。インバウンドがふえても通過型のインバウンドが多いのが奈良県観光の特色でありますので、宿泊者から取って日本人の宿泊者に返すというのは、負担と受益の最初のポイントにもなりますが、より難しいわけです。そのような議論は、市税であっても県税であっても十分しなければいけないと思います。市税の場合は十分された結果だと思いますけども、いい議論がされたと思いますけれども、県の場合はそのような理屈を立てる自信がございませんので、県税は導入しないということです。以上です。

産経新聞:
 奈良市がそうやって1人当たり200円とか、出てますけども、取ることによるその影響というのはどうですか、宿泊者の増減とか、そういったところで。

知事:
 よくわかりませんね。今は税制としての議論ですけども、経済的な影響の話は、奈良の宿泊客が少ないのは宿泊施設が少なかったからだと私は思っています。それを排斥をしていたわけですね、奈良県の業者さんは排斥していた。もう明確な事実があって恥ずかしい話ですけど、排斥をしていた。それで伸びなかった。30年間全く伸びなかったのが奈良県の、奈良市の恥ずかしい、特に奈良市ですね、恥ずかしい実情で…。いや、市の責任じゃない、奈良市の業者さんのそういう事実があったということですので、観光振興としては恥ずかしい実績であります。

 そういうことは繰り返しちゃいけないと思いますので、実情は影響がどうかわからないけども、宿泊施設が少ないし、泊まるのもサービス悪いのに税金取るのかという、イメージが悪いと困るなという気持ちはあります。影響があるかどうかの前に、奈良市への宿泊のイメージが悪くならなければいいなと希望をいたします。わかりませんけどもね。いいイメージにはならない感じ、受益のほうが圧倒的に多ければいいけども、来たらものすごくいいことあるぞという、なかなかこれだけの税収で圧倒的ないい影響、いいイメージをばらまくのは難しいんじゃないかなと、私は県としては思いますので、そのような算段がおありになるんだと思いますけれども、なかなか難しい。イメージを損なうことがなければありがたいなとつくづく思います。

産経新聞:
 ということは、その税金で、宿泊税で何億かの収入が入りますけども、それに見合った効果がもし出なければ、それはもう批判の対象になってしまうということになりますか。

知事:
 それは皆様方の判断。それは賢明な奈良市だから、十分考えて、批判は十分お応えになれるんだと思いますけども、批判の対象になるかどうかまで私が言えるわけではありません。

産経新聞:
 県としては、例えばコンベンションセンターをつくったりとか、いろいろ税金を投入しているわけですよね。

知事:
 はい。それも批判される人もいるかもしれませんが。しかし、しないとよくならないですよ、私は信じてます。そういう施設を整備しないとうまくいきませんよ。奈良市は、「うまいものなし、宿泊者・宿泊施設なし」、ないない尽くしだと言われてきた観光地ですから、それを回復するのに、それをいい評判に結びつけるので今、必死ですから、いい評判が続きますように願ってます。

時事通信:
 関連の質問で、この件は、先ほど知事お話の中で、宿泊数が全国最下位レベルで、母体がそもそも少ないのに、そこから宿泊税とってどうするのかと。

知事:
 発言はいつもしんしゃくされてしまうので、「取られますね」と事実を申し上げた。必要ないじゃないと言ったかなぁ。

時事通信:
 私も言ってないです。それは。

知事:
 市のことは全然言ってないつもりだから。それを言ったかのように思われるのは、よくある手だけども。そこまでは言ってませんということを申し上げとかないといけないのかなと。

時事通信:
 全国最下位レベルで、負担ベースは少なく、税収確保が難しい…。

知事:
市の取られ方については、何も申しておりません。

時事通信:
 いろいろおっしゃったような気もしますけど。

知事:
 県税で取る場合はというので。

時事通信:
 県税で取る場合は、はい。拝見していると、荒井知事の宿泊者数増加に対するお考えは、基本的にはホテルの客室数が少なかった。それをふやしていくことによって、宿泊者数を確保していこうということだと理解していますが、一方で奈良市さんの今回のお考えは、そこから宿泊税を取ることによって、それで1泊200円ぐらい取って、利用環境をよくしようということで、奈良県と奈良市の間で宿泊者数、宿泊者誘致に関する考え方で差が生まれてきているのではと思っているんですけども、知事としてはそういうご認識はありますか。

知事:
 いや、それは記者さんのご認識だと思います。

時事通信:
 そうじゃないと思っていますけど。

知事:
 立派なご認識だと思いますけれど。県が宿泊者、宿泊施設をふやす、県有地でふやしたりしているわけですけども、市はそこから税金を取る、大変結構なことだとおっしゃっているのであれば、なるほど、それもお考えだなとは思います。

時事通信:
 私の発言をどうしんしゃくされたかわかりませんが。

日経新聞:
 きのう私も傍聴していましたけど、「なぜ今」というような、もちろんそういう質問も出ていたんですけど、そこに明確な答えはなかったにせよ、未来を見て、先々を見て、要はこれからふえてくる、もちろんメンバーの方からは、「インバウンドがこのまま続くかどうかもよくわからないのにどうなの」という意見が出てましたけど、先々見て、今170万人ぐらい泊まっているんですけど、何年か内に200万人という目標を掲げられていて、それぐらいになるだろうと。ふえてくると税収基盤も安定してくるんじゃないかというような見立てをされてましたが、その辺についてのご意見とかもしあれば。

知事:
 それは市の税金のどこで求めようと、市のお考えだと思いますが、県はその基盤をつくろうということを腐心している、観光政策として投資を持ってこようと。投資で随分腐心をしている、ほぼ県がやっていると自負しておりますが、投資を持ってこようということで、そこで発生する宿泊者から税金を取るのは立派なお考えだとは思います。県がやっているということを事実として私は思っているということは言ってもいいのではないかと思います。批判ではなしにですね、言ってもいいんじゃないかと思うんですけれども、それを県がふやしてくれたらたくさん取れるなと思っておられるなら、それはまた結構なことだと思います。別に反対するわけでもない、県はとにかくふやさないといけない。

 すると、県有地をそのように売ったりすると固定資産税も入るんですよね。固定資産税が入るというのは私どもは願っているところであります。いろんな宿泊施設、民営化、民間の施設があると固定資産税が入る。福祉施設をつくるとかっていうのは固定資産税、委託して何か財団を置くとかというのは、固定資産税が半分で済む。民間が固定資産税フルに払うというのは、大きな市町村の税収のもと、税収養生ということになると県としては考えております。財政が悪いので、固定資産税は一般財源になりますが、宿泊税は目的税ですので、観光目的に使わなきゃいけないから、財政が悪い市にとって固定資産税の税源をふやすのは、県はいろんなとこで腐心をしておりますということも付言をしたいと思いますが、そのほうが市町村の財政プロパーにとってはいい話だと県は思っております。
 県税としての宿泊税についての考えを述べさせていただきました。


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奈良公園バスターミナル当日予約反響について

奈良テレビ:
 前回の知事定例でバスターミナルの当日予約を明日から始めますということになりましたが、バスターミナルの反響とか状況はどうでしょうか。当日予約が平日も可能になったということですけども。

知事:
 はい。この前の会見で申し上げましたことの追加、繰り返しになるかもしれませんが、改善の取り組みをしておりますというのを3つ程上げました。10分当たりの台数を8台から13台、予約の枠を広げたということが1つです。遠くの駐機場、上三橋の駐機場から高畑の駐機場を増やすことにしましたというのが、2つ目です。3つ目は、当日予約、現金払いも認めました、ということです。その効果ということですけれども、土日祝日の当日予約につきましては、わずかな期間の実施・実績ですけれども、それまでは、当日予約は1日30台程度でしたが、この12、13日では1日当たり68台に増えたと、当日予約が倍増したという効果があった。当日予約の効果がぐっと伸びたというのが報告の1つです。次いで、1日30台が68台になって、直近の祝日、22日は85台までになりましたということです。休祝日の当日予約は効果があったという面があります。

 それから、土日祝日については総じて成績は、パフォーマンスはまだいいように思います。バスターミナルが狙った効果の一つは、奥に入るバス台数をできるだけ手前にしよう、県庁東から大仏殿前の混雑をなくそうというのが大きなことでありますので、奥に行っている台数とバスターミナルに来てる台数を比較するというのが一つの大きなメルクマールになります。1日の利用台数が、土日祝日に限りますと、去年の県営の大仏殿前と高畑、両方で県営でやっておりました台数と、このバスターミナルだけの台数というのはほぼ同じぐらいになっています。この10月の土日祝日の統計ですけれども、去年の大仏殿前・高畑の駐車場は193台、1日平均。それが令和元年だと200台という数字ですので、上回っているというほど大きなものではございませんが、上回った数字になっております。

 それから、9月から10月にかけての増嵩ということでございますけれども、9月の土日は、9月28、29日しかありませんが、平均84台でした。それが200台になりましたので2.4倍に伸びている、9月、10月の台数は2.4倍になりましたという報告を受けております。休日のバスターミナルの成績というのは、そこそこになってきたかと思われます。

 平日についてですが、この目的の一つが向こうに行く渋滞をなくそうというので、平日は一般自動車は少なくなりますので、その結果もあって渋滞は余り見られない状況になり、休日の渋滞解消には割と役に立っているという印象を持っています。資料は継続して調べていきたいと思いますので、その動向をご報告できたらと思います。

 平日は、やはり奥のほうへ、昨日か、一昨日も見ましたが、春日大社の駐車場に朝早くから行かれる。春日大社に停まって、昨日かな、甍で全国の精神医学会があって挨拶して帰ってくるときに渋滞してたんですね。ところが結局ぞろぞろと春日大社の駐車場から、アジア系の外国人の方が歩いて大仏殿に行かれるのが見えた。やはりそうかと思って、だから大仏殿前駐車場で降りていたのが、バスターミナルから歩いていくか、春日大社から歩いていくか。結局大仏殿見て、また乗せて帰られる、滞在2時間とか、そんな感じかなという感じがいたします。これは旅行会社の政策になりますので何とも言えないですが、そのように奈良は観光地として大仏を見せたらいいやと思っておられるという感じはいたします。もう腹も立ちませんけれども。そのようなマーケットだという、旅行先というように改めて思います。

 これはまた、そういうマーケットの勢力と格闘しなければいけない面はあると。渋滞という面でもありますし、観光消費という面でも、できれば滞在時間を長くして、滞在を長く消費をしていただきたいという思いは持っておりますので、どのようにそういう、マーケットはマーケットの力としてあります。望ましくはないとは思っても、「もっと泊まってお金を使ってください」と言ってもそうはなりませんので、どのようにアメニティーを改善するかという政策を考えなければいけないと思いますが、完璧、よくできたというほどまでは総じて言えばまだないですけど、土日改善の成果が多少出てますねという報告になります。まだいろいろやればいいことを、気がつくところもありますので、改善を重ねていきたいと思っています。


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旧県立奈良病院跡地活用まちづくりについて

NHK:
 NHK、稲垣といいます。また奈良市のお話しになりますが、旧奈良県総合医療センター跡地のいろいろな方針がなかなか定まらないというような話も出ておりますが、知事としてはどのようにお考えでしょうか。

知事:
 平松町の動向についての所見を申し上げます。取り組みのこれまでの状況です。ちょっとご存じのこともあろうかと思いますけれども、県と市は、ほかの市ともやっているまちづくり包括協定の提携をしております。この平松町も提携の対象にいたしました。協働でまちづくりをしましょうと。県有地でありますけれども、県有地の上にまちづくりを一緒にしましょうというふうにしております。どのようなまちづくりをするか、県が主導なのか、市が主導になるかというのが大きなポイントですが、平松町の周辺の住民の方の意向をずっと県は率先して聞いておりましたが、周辺住民の方の意向は、周辺住民、住宅だけでサービスがちょっと少ないんじゃないかという意向を持っておられる、古いオールドタウンになってきているよと。こういうことで、新しい高齢者に対するサービスなどをしてほしいという要望が多かった、ずっと何年かやってきておりますので。そういたしますと、そのようなものの提供主体は普通は市であることが多いんですね。県有地の周辺の住民であっても(提供主体が)市であることが多いというようなことから市も参画されて、これをどのようにしようかというふうに参画されたという理解をしております。周辺住民のためのサービスを市が乗り出していただいたと理解をしております。それは大変結構でございます。

 県としては、県有地でありますけれども、周辺住民のために有効活用をしていただけたらということに変わりはございません。今後どのようにするかというのは、県が活用すると県全体で利用する施設をつくるとか、なかなか周辺住民の方の意向に沿えないことが普通多いわけでありますので、市が関与され、また県も役立つサービスが入ってくればそれにこしたことはございません。県がやるサービスの一番大きいのは、市が主体的にされた場合には県有地の払い下げは減価をすると、最大2分の1まで安くして払い下げるというのが大きなことだと思います。それは、従来から、これからも変わらないと思います。

 段取りになりますけども、ほかのまちでやっておりますのは、そのようなまちをどのようなことでするのかという基本構想をつくる。これは市が主体ならば市が主体、県が主体のところは県が主体で、合同の基本構想をつくると。公共的な基本構想をつくる。それと、基本計画をつくるという、包括協定、基本構想、基本計画という順番でいくわけでありますけれども、基本計画までいきますと、どういう機能を配置するのか、施設はどういう施設を配置するのか、その手法・役割は誰がするのか。民間がそこで入ってきてもいいんですけども、例えばホテルを建てるということになれば、民間で建ててもらうということで公募をするということになりますので、その事業主体は公募。それを基本計画になりますとスケジュールまで出てくるということで、基本計画までどのようにいくかということになります。

 そのような中で、子どもセンターを早くつくりたいという意向が表明されました。そこで今ちょっと混乱している原因があるかと思います。一つは、ことし7月に市が子どもセンターを令和3年度にオープンをしたいので、先行整備したいというふうに申し越しされました。そのほかの全体は、基本構想はどうなっているのかということになりますので、市のほうの意向としては、民間の事業提案を受けて委ねたい。それは私の感じでは多少無責任に見えるわけであります。

 今まで市民の意向を、まず市は民間にこの部分は委ねるよ、この部分はというとこまで市で固めていただきたいというのが基本的な意向で、市は子どもセンターだけつくる、あとはみんな民間の事業構想に委ねるというのは、多少今までの経緯からすると、逃げてしまった結果になりゃせんかというような感じは持っております。引き続き、基本構想部分あるいは基本計画部分は市が主体的に関与して、県もつき合いますので主体的に関与していただきたいと思います。その上で、県はこのサービスをするべき、あるいは民間にこのサービスを委ねるべき、もし老人への派遣訪問看護ステーションとか老人の通所施設を誘致する、あるいは医療のデイサービスや、夜間サービスを持ってくるとなると、それは市有地でも民有地で払い下げてもいいんですけども、民間の主体になりますと、民間は、あの人を呼んでくるから、そういう話になりがちなので、それは私は望ましくないと。

 市が夜間の診療所を持ってくるという、市民のサービスを考えられているのかどうかというのが一番のポイントだと思っております。その中で、県が提供すべきサービスというのが出てくれば、喜んでさせていただくという姿勢でございますので、基本構想、基本計画は市がやはり引き続き主体的に、子どもセンターだけと言わないで、全体をやっぱり考え続けていただきたいというのが基本的な考え方になります。その上で子どもセンターを早くつくりたいということについて、そこだけ早く変えないかんということについての申し越しがありましたが、そのことについても今、建物の除去と土壌汚染対策工事の準備をしております。来年度からの病院建物の除去工事になります。その敷地整備について、なかなか間に合わないんじゃないかと。そこだけしろと言われても、経費がかさんでしまうというと報告を受けておりますので、全体をやはり整備し、土壌汚染除去した上で配置を決めて、子どもセンターもそこに置くべきというふうにされたらどうかと、令和3年にこだわっておられるのはどうしてかなというふうに思っています。

 子どもセンターは、中核市でやっているところは少ないわけでございますので、児相に熱心なのは大変理解できるんですけども、それは県も、県の児相は奈良市にありますので、その4割ぐらいは奈良市の子供さんの相談でありますが、それはそれで機能しておりますので、市もつくられるのはいいことであると思いますけれども、その急がれる理由というのが多少わからないとこもあるんです。何かほかの理由があって急がれているのか、その熱心なのは大変結構ですというような評価をしております。

 したがって、先行除去というのは追加経費が見込まれますよ、また、スケジュール面でも、令和3年までのオープンは困難ですよって。先行で除却工事をすると、工事全体が長期化します。それは県にも迷惑かかりますけれども、周りの方にも迷惑かかりますよというようなことがわかってきましたので、先行整備の表明を受けて、9月に書面でお伝えいたしました。回答がないから十分検討が進んでおられるんだと思っております。できれば回答が出てから協議に入るのが望ましい姿勢として、市は逃げないぞとおっしゃったら住民の方も安心されるんじゃないかと思いますので、それが望ましいなと私は思っておりますけれども、その回答をいただいて一緒に協議に臨みませんかというふうに呼びかけております。そのように申し越したペーパーが資料としてありますので、お求めでしたら後で配付いたします。

 時間とってもあれだから。この前2時間もとったから。マネジメント悪いから。わあわあとするのは好きなんだけども、ちょっと余計なことも言いそうだから、まずいことじゃなしに楽しくやってしまうので、そのように理解していただけたらと思いますが、(話が)弾むのは基本的にいいことだと私は思ってきた面があるのですが、時間の制約もあるので、今のような説明と、9月25日の資料をお渡しして、また次のいろいろご回答を待ちたいというふうに思います。

NHK:
 そうすると、知事としては子どもセンターだけでなくて、そのほかの施設も含めて全体を奈良市である程度こう……。

知事:
 基本構想までつくって、住民の要望の中身は基本構想に入れるべきじゃないかなと私は思います。すると、住民の方にとってみれば、県でも市でもいいからやってくれと、こういうことになる面もあると思うんですけど、しかし、その周りの住宅の訪問看護ステーションを県が県有地でやるとなると議会なかなか通らないですよね。普通は市がやっているのに、何か理由があるのかと言われると、何もありません。だからしませんというのが普通の回答です。市がやられるのに県有地を安く使ってもらうというのは、県有地の処分として、もう公言したスキームがありますのでね、議会にも通ったスキームがありますので、それを利用していただくのに、喜んで県有地を安く払い下げさせていただきますよということは繰り返し言っています。

 いや、県有地を払い下げ、事業も自分でやれと言われたら、まあよくわかんないんだけど、それはちょっと困るなというようなことですね。いかに跡地であってもですね。あとはみんなのためで、場所がいいと県民全体のため、県営プールみたいなところがあると思います。今度の国体の運動公園もそんなことなんで、それほど広くありませんので、場所柄として周辺の住民のために、周辺は住宅地ですのでね、しかも病院は割と近くに行ってますが、ああいう高度の病院というのはふだんはあんまり使われない、安心ではありますけれども。すると、日ごろの、夜間診療所みたいなのはあったらいいなという声はその当初から聞こえて、これは普通は夜間診療所、今、市がつくっておられますけれども、ほかも大体市でありますので。県が夜間診療所までつくるということは普通はありませんので、それつくられますか、この市の役場にあるのを向こうに移されますかというようなのは、対話の中に入っていて、それに答えなきゃいけないんじゃないかなと私は思いますので、子どもセンターだけですとは、そうはおっしゃらないんだけども、そのようになってくるとちょっとまずいんじゃないかなというふうに。先ほどのようなペーパー、一緒にやりましょう、それはしかし全体の基本構想を示して、できれば基本計画まで固めると大体できますので、そのように思っています。引き続き一緒にはやりたいと思っておりますけれども。


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ハザードマップについて

毎日新聞:
 今回の東日本とか北日本の台風の被害の話なんですけども、あの大雨等で浸水被害が出てまして、いわゆるハザードマップですか、浸水が想定されるところの危険示したものと重なる部分が多いという話もよく聞いてますが、奈良県にね、今回は幸いなことにほとんど被害なかったけれども、奈良県に起きた場合でもね、知事、前々からずっとおっしゃっているように、内水被害みたいなことも懸念されますし、(被害が)出てくることが懸念されますが、このハザードマップの扱いですけどね。奈良県さんの場合にもつくっておられるんですけど、個人の財産なんかに影響を与えかねないという形で、あんまり積極的に公表されてなかったと思うんですが、そこら辺、今後このハザードマップの活用の仕方をどのようにお考えですか。

知事:
 ハザードマップに入れること自身への抵抗があるんですけれども、随分担当が赤いハザードマップを積極的にやってくれました。市町村通じていろいろ住民の方と接触して、住民の意向を受けて市町村が抵抗されるケースがほとんどのケースなんですけれども、だんだん赤いハザード部分ができ上がってきております。それの公表が、非公表が前提になっているかどうかということになりますね。ちょっとそれは調整が要るかもしれません。県としては公表は望ましいと思いますけれども、その地価が下がるという身近なこの懸念に対して、いや、今までどんな調停といいますかね、地元と調整してたのかということは確認しなきゃいけないと思います。公表するぞと最初から言うとなかなか、嫌だということで終わってしまう。とにかく知っててもらわないと困るということは事実で確かにあります。ここは危ないとこですよということを説得することから始めていると思います。

 それをご本人だけじゃなしに、そのエリアですか、自治会あるいは市町村が危ないということを、なぜ危ないかということは、水がつきやすいということになりますので、どこからの水が来るのか。そのことを並行してやってきていますので、浸水防止の遊水地ですね。遊水地も、今までほとんど奈良県は地権者が難しくてなかなかできなかったのを、やっと軌道に乗り始めてきたという状況。もっと加速したいと。今度の被害で、外水も大きなのがありましたけど、内水被害が結構あったじゃないですか。浸水の家屋の量からすれば、内水被害のほうが量的には多いかな、よくわかりませんけど、そのように比較したら結構内水被害が多かったと思います。

 奈良県も、大和川の周辺には、主なもので70、80支川がありますので、やっぱり弱い堤防もあるし、大体大和川に入りきれない水があふれるという基本構造ですので、それを内水遊水地で受けざるを得ないというので、やっと2年ほど前から内水遊水地対策をして、緊急対策と称してやり始めて、あしたかな、田原本で初めての起工式があるんですよね。内水遊水地の起工式があした初めてする。もしご興味ありましたらご取材してください。それは田原本は、やはり水つきやすいとこですので、内水遊水地の起工式、町長、きのうどっかで会ったら張り切っておられたですね。国の補助金ももらいながら、県と市町村でやるという内水対策はそんな仕組みですので。外水対策は国が直轄事業でやっていただいているという、これを早期に完成させるというのがとにかく大きな目標であります。

 それと並行して、今おっしゃったハザードマップというのがその関心、危機感を、適切な危機感を持ってもらうために展開しているということなんですよね。言っとくと、そんな知らなかったとはなかなか言えない面があります。とにかく知ってくださいよということ。公表すると地価が下がる、また、危ないところ、またほかに黙って、だまして売るというようなこそくなことにはなると私は思いますけれども。こんな状況だから買われる方もね、ここは赤になってないのと普通は必ず聞かれるんじゃないかと最近は思うんですけどね。買うときはぜひ聞いて買われるのがいいと思いますよ。そういうお問い合わせがあれば答えないかん義務が当然あると思いますので、積極的に答えたいと思いますが、それをどんな形かで壊すのにやぶさかじゃありませんけども、所有者との調整が多少要るのかなという。できるというとこまでちょっと報告受けてないもんだから、まだちょっとその中途的な物言いになりますけど、考え方としては公表望ましいと思ってますけどね。

毎日新聞:
 方向性としてはね。知事、内水対策5年でね、去年だかおととしだかおっしゃいましたけども、それをさらに前倒しして何か補足するなり、そんなお考えとかございますか。

知事:
 前倒しもしたいんだけども、今まだ補正予算で遊水地つかなんだけど、もしね、補正予算がつけば前倒ししないといけない。補正予算がついて前倒しできたらいいなというふうに思っています。

 もう一つは、グレードアップせないかんかというふうに思っています。これはまだ発表してないんですけども、あしたの起工式で言おうかと思ったけど、グレードアップしたいというふうには思っています。グレードアップというのは何かというと、より大量の雨が降ってもあふれないようにするということになりますと、すると今これだけしか掘らないんだけど、もっとこれだけ掘ろうか、あるいはここだけしか掘ってないんだけど、もう一つ横に掘ろうかとかいうふうなことになります。もっとたくさん穴ぼこをつくろうかということになりますので、今のところに決めたところをグレードアップということは、より深掘りできるかというのがこれ、より簡便な方式で、それはちょっと検討をもう指示いたしました。グレードアップの一つとして、深掘りグレードアップというのを検討を指示しました。

 事業費が今の内水対策費で110億ぐらいなんですけれども、それをグレードアップすると、今度の東日本と、今度の浸水で100年に1度の災害だと、大雨だと。100年に1度の雨降るともう確実にあふれますよね、奈良、大和盆地は。もう確実にあふれる。すると100年に1度そのようなこと、並み大抵じゃないけども、一応100年に1度でも備えられないかなというような言い方で検討を指示しています。まだ100年に1度でできますというところまでまだ返ってきてませんけれども、グレードアップはしたいというふうに思っています。

 それはあした挨拶では言おうと思っておりましたが、内水対策。外水もグレードアップを、これは国の直轄遊水地ですけども、お願いしようかと思っています。ちょっと内々立ち話でグレードアップしたい。国のほうは大きな遊水地ですので、ちょっと深く掘るというのは事業費はかさみますけども、陳情ベースになりますけども、場所をとるのはより大変だけども、大きな場所だから深掘りグレードアップは国のほう、5カ所の直轄遊水地ですので、グレードアップのお願いはしようかと思っています。内水遊水地はたくさんありますので、それぞれのグレードアップとなると、地権、権利は市なり県で、主に市で所有権、権限もらいますので、そこを深く掘るのは権限的には問題ないと思います。工事費の話だと思います。そのようなグレードアップから考えていこうかというふうに思っています。

毎日新聞:
 その事業費ですけども、110億がどれぐらいになるようなイメージなんですか。

知事:
 それはまだわかんないから、ちょっと早まって言ってしまった面はあるんですけど、きのう指示したばかりですので。


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奈良公園のゴミ問題について

朝日新聞:
 ちょっと一昔前の話になるかもしれませんけれども、半年ぐらい前に奈良公園の鹿の胃袋からプラスチックごみが大量に出てきたという話がありまして、今ちょっと奈良公園のごみの問題を取材しているんですけれども、やっぱり保護活動に取り組む人たちから話を聞いていると、もうちょっと行政のほうで、昔は奈良公園にごみ箱設置してたみたいですけれども、対応してくれないかという声も聞くんですけれども、知事としては何かお考えはありますか。

知事:
 どんなふうに対応すればいいのだろうか、そこまで聞いてこられたのですか。

朝日新聞:
 ごみ箱を、例えばバスターミナルの余っているスペースに大きいごみ箱をつくるとか。

 知事:
 ああ、ごみ箱が要ると。ごみ箱は、プラスチックごみを捨てる場所が少ないということですか。それは検討できるかもしれません。主に鹿のいるところにごみ箱できたほうがいいように思いますけどね。ごみ箱にね、プラスチックごみはこちらと書いたりね、鹿と一緒に、鹿は読めないけれども、そういう注意とごみ箱というのは一緒にあってもいいかもしれませんね。で、誰がつくるのか。鹿愛護会がそういうことも考えているかもしれませんが。行政といっても、鹿愛護会も行政的なことをしていますからね、鹿せんべいを200円に値上げしたから、そういうことも考えているのかなと思ったりもしたんですけどね。鹿あっての鹿愛護会だからと思ったりもしているんですけどね。また知恵を絞ってと思います。

 よく行政がしたらと、こう気楽におっしゃいますけれども、鹿自身もなかなか管理ができないから、観光客自身もなかなか管理ができないから、やっぱり一緒にやらないとしようがないですね。気のつかれた観光客の方がおっしゃっている、周りの人がおっしゃっていると思いますけどね。鹿を大事にするのはとても大事なことだと思いますので、いろいろ言うことを聞いてくれたらいいんだけどね。あれを食べちゃだめだと言ったら、はいと言ってくれたら、しかと承りましたと言ってくれればいいのですが。またそうもいかない鹿さんだから。

 行政の中で、道路交通で、自動車ではね飛ばしがあったので、鹿ゾーンをつくったりしたケースもありますので、そのようなことで何かできるかどうか考えてみたいと思います。


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平成30年度の市町村決算について

産経新聞:
 決算のシーズンというか、もう決算のシーズンちょっと過ぎてますけども、去年出た平成29年度の市町村の決算で、全国ワーストになった。これはわかりやすく県がまとめている『財政指標にみるあなたのまちの財政状況』で、経常収支比率が97.6%で全国ワースト。全国平均が92.8%なんですけども、今年どうなっているかというのはご存じですか。

知事:
 ああ、ことしのシーズン。

産経新聞:
 要は、平成30年度の決算。まだ県が出してないんですよ。

知事:
 まだ出てないか。前半ぐらいは出てるかな、市町村。

産経新聞:
 いや、例えば埼玉県なんかはね、9月26日の時点で93.何%になって、過去最悪になりましたって注意を呼びかけたんです、ホームページで。

知事:
 それは去年の分。

産経新聞:
 ええ、去年の分です。県がまだ出してないので、もしご存じだったらお伺いしたいなと思って。

知事:
 決算委員会あったけど、あのときは29年度までしか。

司会:
 いや、決算委員会は県の決算ですね。今おっしゃっているのは多分市町村の決算。

産経新聞:
 ああ、そう、市町村の決算。

知事:
 だけど、今は市町村の決算を県がまとめないかんかとおっしゃっているんじゃないの。

産経新聞:
 そうそう。だから毎年発表している分だと思うんですけど。

知事:
 いや、市町村が出てくりゃ、それをまとめてというのが県の仕事で、まとめて公表するというのはね、あれずっと例年やってるけど、遅いんじゃないかというご指摘じゃないか。

産経新聞:
 だから知りたいので、もし知事が把握しておられたらということです。

知事:
 まだ把握はしてないですね。

産経新聞:
 してないですか。

知事:
 うん、関心は持ってますけどね。

産経新聞:
 知事が就任されてね、1期目のときにもう既にこれをつくられているんです。

知事:
 そうそう。

産経新聞:
 で、もうこれ期間持ってやられているのに、全然よくならない。

知事:
 おっしゃるとおり。

産経新聞:
 その状況については、どのように感じられていますか。

知事:
 悲しいですね、悲しい。

産経新聞:
 どうしたらいいんですか、その辺を聞きたいと。

知事:
 どうしたらいいかな、これだけ言っても動いてくれないというのが正直な感じですけどね。県としては、こんな数字も出してなかったですね。で、これ市町村振興課だけど、これ出すぞと言ったら、当時の市町村振興課長は反対した。当時だから誰か、それは何でだといって、出すぞと言ってもうけんか腰で出した記憶があります。市町村のデータを隠すのがおまえの仕事かって、そんな怒り方をした。就任の直後だけど。それでこれを出すことにして、市町村長からは、成績表だといってものすごく嫌われているんだけど、しかし出すのが県の仕事じゃないかと言っていまだに続けているんだけど、それで皆さんのアテンションもいただいたということになるんだけども、悪いのは、どこが悪いですかね。

産経新聞:
 いや、奈良市です。そういう税金(=宿泊税)を増税するみたいな話というのは、もうそういうとこへつながってくるんで。

知事:
 つながってきます。おっしゃるとおりつながる。首長次第だね。一言で言うと首長の熱意次第、首長の姿勢次第だと私は思います。どことは言わないけど、本当に首長の姿勢次第。

産経新聞:
 そうでしょうね。

知事:
 本当にそうですよ。それはね、関連して、悪いところを特化して調べられてもいいんだけども、悪いのは連なっているんでね、徴税率も低い、国保の収納率も低い、ほかの税収の徴収率が低いのと国保の収納率、負担金が低い、皆低いですよ、どこの市とは言わないけど、低いとこは全部低い。どうしてこうなってんの。財政規律のマインドを持ってほしいというのでそれを出した。なかなか言うことを聞かないですね、どこと言わないけども。悲しいですよ、本当に悲しい。

産経新聞:
 もう一言言いたいのは、県としてもね、埼玉県なんか9月の段階でもう出しているわけですよ、ただ暫定値ですけどもね。

知事:
 それはね、多分、毎年奈良県みたいにトレンドでね、毎年こんなふうにやっている県あんまりないんじゃないかな。奈良は一番悪いからそんなん出したって自慢には全くならないんだけどね。

産経新聞:
 いや、僕らとすると、決算のシーズンであるので、その時期に出したいんですよ。

知事:
 ああ。しかしね、もう分析的に書いてくださいよ。決算のね、速報で出すのは、去年はこれがあったという、そのスポットで書かれる。僕はね、決算はそういう性格じゃなしに、中央で参議院、決算委員会ばっかり希望してやってたからよくわかるんで、構造問題にとっかかるというのは決算の一番大きなポイントだと思うから、それはデータを見て、データが正直だということを、よくデータでにらまれているのをにらみ返せと、こういうような感じだもんだから、その資料をつくった。

 というのは、それを分析して、この意味がわかるかと言っていただくのは、僕は一番ありがたい。新しい資料だと、過去の10年間が消えてしまうことがある。去年はこうだったと書かれること、いや、書かれることはもちろんいいんだけども、早く出せと言われるのに抵抗しているわけじゃないんだけども、早く出すのとともに、早いのだけでいいんですね。とこういう気持ちの人が多いから、この10年間のことを振り返れよというのを僕は言いたいということ。

産経新聞:
 そしたら改善につながるような分析をしたいということ。

知事:
 改善、そういうことですね。

産経新聞:
 と、期待していいですね。

知事:
 ええ、そういうこと。それをぜひお願いします。どこが悪いのか、誰がサボっていたのか。もう糾弾しないとならないんじゃないかなと思うほど。県はね、そういうので何年か前に30億かな、無利子貸し付けを財政の悪い御所市と上牧町にやった。30億を高利の借金があるのを無利子で県が貸し付けて、その繰り上げ償還の分の負担も補助金で出した。で、御所市はまだまだ税源の構造が悪いけど、上牧町は一挙に回復しましたよ。全部で30億を出した。それは公債費対策。過去の借金で首が絞まってるところは、それで無利子貸し付けで効くんですよ。ところが、毎年悪いその経常収支比率は、県はいかんともしにくいですよね。

産経新聞:
 だから何とかその改善につながるような分析をお願いします。

知事:
 いや、だから分析したら書いてくれる。

産経新聞:
 いや、書きますよ。

知事:
 そんな取引してるわけじゃないんだけども、分析を、それ自身がすごい分析なんですよ。それはあんまり書かれたことないんじゃないかな。

毎日新聞:
 いや、そんなことないでしょう。

知事:
 ないか、ありがとう。

毎日新聞:
 毎年書いてますよ。

知事:
 いやいや、その特化して改善につながるように突っ込んで。県に突っ込まれると同じように突っ込んで。甘いんじゃないの、といってちょっとけしかけておけば、逆けしかけをしときますけれども、それほど大事な、これこそね、どっかの市でね、財政を考える市民の団体とか何かあったという、どこの市か忘れたけども、出てたですね、どっかの記事でね。奈良県の中のどっかの市で、財政を考えてほしい。その市民の方がそう言っている団体があったですよ。どこの新聞かな、何か書いてあった。奈良新聞かな。そういう市民の関心、将来の子供のためにそんな関心があるんだから、それを首長が真摯に受けてほしいなと思うんですけどね。市長に、県・市町村サミットでは、この資料で分析をいつもしてるから、みんな大概こうやってうつむいて成績表が通り過ぎるのを待っておられる。

産経新聞:
 奈良県以外のところはね、大体出しているんですよ、速報値を9月の段階で。
 で、奈良県はそれを分析するために出さずに、ずっと10月末とかになるわけですから、そこはしっかり分析してください。

知事:
 ああ、そう、なるほど。分析は分析として、資料は資料として早く出したほうがいいんではないかと、それはちょっと検討します。届いていればすぐ出します。全部そろってないかもしれない、想像だけどね。分析してから出すというのもあるけども、いつもね、分析しない資料は資料と言わないんだと言ってるもんだから、どこが分析したんだと言われると嫌だからこうやって分析して出してるのかもしれないけども、むしろ分析は記者さんにお任せして、早く資料を出せよというふうに指示します、あればね。もしないところがあっても、あるものだけでもすぐ出しますよ。

 今日すぐに出すように、市町村から届いていれば出すようにと言う。こんな時期になっているのは、それは去年のもどうして出てないのかと私もちょっと思ってたけど、分析をしてるのかなと思って。こちらのニーズとしては、分析後の資料でもいいやと思った。今みたいに早く見たいとおっしゃるのは大歓迎、うれしいことですので、ぜひその資料を丸ごとだとちょっと物足りないかもしれませんが。

産経新聞:
 もうここまで来たんで、しっかりした分析でお願いします。

知事:
 分析か、ここまで来たから。

産経新聞:
 ええ、分析つけて。

知事:
 ああ、そうか。今の時点で分析できるところは分析してというふうに、だから1年おくれになってね、決算委員会でも、その前の前の年の資料しか出してないということになるんですかね。この決算委員会は30年度の資料。

司会:
 30年度ですね、はい。

知事:
 なら、去年のは出てる。

司会:
 市町村も、もう30年度は、ほぼ出てるのではないかと思われるんで。

産経新聞:
 8月中にはもう来てるんですよ。

知事:
 30年度は出てるんじゃないの。いや、30年度出てたら、思い違いで、私が見たのは29年度のことかと思って今、じゃあ30年出てないのかと思って。

司会:
 各市町村は多分出てると思います。ただ、その分析までは。

産経新聞:
 いや、出てないんです、各市町村のデータが出てないんです。

知事:
 ああ、そう。決算委員会には市町村の資料は出してなかった。

司会:
 出してないです。

産経新聞:
 いや、国には出してるんですけど、公表はしてないです。

司会:
 県の決算委員会には、市のは出してありません。

知事:
 ああ、県の決算だから。
 誰か、市の決算も出せよと言っていただくとぱっと出すんだけどね、参考資料で。

司会:
 市町村振興課にはそれで伝えております。

知事:
 ああ、そうか。出す機会がなかったということで、すぐに出しますよ。できれば分析してと、こう言っておきますけどね。それは失礼しました。いや、まだ市町村から届いてない。一瞬ね、もうこの時期だから普通届いてるのにと思ったんだけども。

産経新聞:
 いや、8月中に届いているはずです。

知事:
 おととしの分まで届いてないとすれば、どっかが市町村から出てきてないんじゃないかなということで、普通なら届いている時期であることは間違いない。それは公表をちゃんとしてないということに尽きると思いますので、直ちに公表いたします。大変失礼しました。


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県庁喫煙所について

毎日新聞:
 県庁の敷地にあるたばこの喫煙所について、たばこ吸われない方、女性、子どもに対し何とかしてほしいという声を聞いてます。県としての対策を、2022年度の健康長寿の計画の敷地内撤去を含めてという話もありますが、その辺どのようにお考えですか。

知事:
 ふわっとしたご質問ですね。

毎日新聞:
 とりあえず、はい。

知事:
 この記事見ました。記者さんが書いた記事と似たような記事で法律違反の疑いという点は、記事には書いてません。ただ、よく見ると人の話として書いてある。現場を指摘したヤマトさんという人が、かぎ括弧で書いてある。「現場周辺で受動喫煙が起きているのであれば、違反して直ちに撤去。」この「起きているのであれば」の『あれば』が皆さんのみそで、いつも用心して見ているから、この見出しは「疑い」ということになります。おかしいところはありませんが、そうかなと思うのが一つの考え方です。それは受動喫煙の事実が起きているかは、周囲の測定実施で今のところは基準以下と言ってきました。しかしこの「疑いが起きているのであれば」というのでこんな記事になるんだからね、事実かどうか、そんなの書いてないじゃないかと、こうおっしゃることあったからね。

 よくこういう記事の書き方が他にもあるから、事実が一番大事だから、この事実は確認しないといけません。私はそういうことは起きていないと思っています。これもこの漏れ出しというのがどんな事実かということにもなる。どうしてこう書くのと言ったら、記事には書いてないよとおっしゃったこともありました。奈良市に市役所の移転指示したんじゃないか、共産党まで質問がありました。指示したとは書いてないよとおっしゃったから、いやいや、元知事をした人が、指示したのであれば地方公務員法違反になる。これも「あれば」と書いてあるなと思いました。だからその事実の確認がまず第一ということを記事の指摘も含めてしたいと思っています。事実が大事だということから始まると思います。どう書かれても違反の記事ではないですので、立派な記事だと思います。あれば違反だと人に発言させるというのがみそだなと思っています。

毎日新聞:
 その対策というのは何かお考えあるんですか。

知事:
 まず、受動喫煙があるかどうか決める前に事実を調べることからやります。

毎日新聞:
 県として、その受動喫煙について調べられるということですか。

知事:
 受動喫煙が起きているかどうかということを調べないと、あれば法律違反なんでしょう。

毎日新聞:
 はい。

知事:
 だから調べないかんでしょう。

毎日新聞:
 それは我々がということですか。

知事:
 いや、法律でその設置者として県が調べないといかんでしょう。記事で一番大事なのは、事実の指摘というのが一番大事になる。見出しは別の人が書いているから何とも言えないんだけどね。

毎日新聞:
 まあそうですね。

知事:
 いつもそれで分けて逃げられるから何とも言いにくいんだけど。
 見出しは見出し部だと、こうおっしゃるから。

毎日新聞:
 逃げてるわけじゃないです。
 まずは事実関係を調べた上で、必要があれば、必要な対策をということですね。

知事:
 当然ですがそういうことです。


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平成30年度の市町村決算について

時事通信:
 先ほどの市町村財政の健全化の話で、以前30億の無利子貸し付けをされてましたが、現状もまだやはりよろしくなっていないというところで、来年度予算とかで市町村の財政健全化に向けた何か知恵の手、そういったものをやるお考えはありますか。

知事:
 まだあんまり出てきていません。この財政体質なんだよね。財政規律を強化するのに、公債費は過去の首長が余計な借金したということで、過去の公債費を行政が持っているケースと、よその離れ家で(例えば)土地開発公社などで隠しているケースです。だからそれがプレッシャーになって県の大きな市でも、そこに決算で出ている以外に凍結負債があるということは大きなことだと思います。

 奈良は割と多いと思います。土地バブルで余計な土地を買ったのが結構ある感じです。それは大きなことです。出すとすごい負担。解消しないといけないので、その解消するのに債権を発行して解消して、毎年そこに債権、負債の償却化の債券発行する手がありますが、そこまでいかない棚上げ状態というのが多いです。それも含めるとものすごく深刻な状態と思います。それは公債費、過去の債務、それで随分痛んできたところがあります。

 もう一つは、それを打破するためにも、経常フローを改善していかないといけません。それは税収と支出のバランスをとっていかないといけません。緊縮的に運営せないけない、これはみんな選挙に行かれている方たちだから緊縮されないのが常であります。これは民主主義の穴と思っていますが、それでもしなきゃいけません。

 国は、大きな税源があるから消費税増税されたり国債を発行して、あと国民の税収が担保というのは国しかありません。地方はそんなこと言えません。この借金全部償うから借金するよ、あるとそのようにおっしゃる。福祉でばらまけ、借金ですればいいよと言っておられるとこがある、これはなかなか財政規律上問題だと思います。だから、財政規律とは、国からもらったお金、税収、支出の奈良県の歳入5,000億のうち、県税収入は1,200億です。奈良県でもそうなんで、それでも回っているわけですね、国から交付税と交付金で回っている。

 市も国の交付税、交付金の中で回せば回ります。でも何か知らないけど、現場で余計な経費があるから大変だと思います。現場の経費を節減するのに一番大きいのは、市町村に負担のかかっている新規のごみとか清掃の投資を一緒にやるならば、県が奈良モデルで応援しますよというのは一つの救いです。行政負担が減ると言って奈良モデルを推進してもらうと、それに乗ってこられている市町村もあるわけです。ごみ処理にしろ、病院にしろ、その節減効果というのは割と大きいと思います。ただそういうやり方で県は助ける理屈が要ります。また直接的に助けるのは無利子貸し付けがあります。ただ経常にだらだら使っていて、県から継ぎ足してくれないかということは、なかなかどこもしないということです。

 だから財政の悪い原因はこれだけやっても改善しないのは、だらだらしているからと疑っています。まず市税の徴収率は、徴収率は上がってきているのにまだ下位のレベルです。それぞれ財政規律と一緒になっています。だから徴税率を上げて財政規律に結びつけようというのに、徴税に行くのは嫌だ、あんな知ってるやつを差し押さえるのは嫌だという首長が多いです。かわりに県が差し押さえるために、県のマルサを派遣しました。県の逆委託を受けて徴税業務をしだして、それは割と奈良モデルの走りになっています。これで徴収率は上がりましたが、先ほどの経常収支比率がなかなか改善しないので、甘えてるのでないかと思ったりします。市町村税制にも辛口だから、もうどれだけでも辛口にしてもいい状況です。

産経新聞:
 全国ワーストですから。

知事:
 長年ワーストだからかなわないです。

時事通信:
 ところで、逆に手を差し伸べるだけでなく、たがをはめるというお考えは何かありますか。

知事:
 たがをはめるのは、県はなかなかはめられない。国が財政指導します。

時事通信:
 奈良県はね、奈良モデルで結構つながっているわけですから、そこを。

知事:
 県が助けるのは、理屈を立てて助けないといけません。県の財政も5,000億のうち自己財源は1,200億しかありません。その中で事業をしながら借金を減らしているわけで、まだ事業をしないでずっとしているという手もありました。しかし医療でも防災でもしないと被害が出るということは身にしみてますので、やることはしないととなると支出は必要になってきます。それをできるだけ効率的にやるしかありません。日本の国柄だったら、国への陳情はもすごく大事です。そういうの(市町村財政)国でランキングされていますが、1,700のうち、奈良で1,700番台幾つもありますよ、情けない。あれが1,600番台、1,000番台ぐらいになれば一挙に回復しますけどね。もう邁進してほしいです。

 いろんなことにおいて、税収、税源涵養などいくらでも助ける道はあります。工場誘致やホテル誘致をあらゆる手でして、一方災害が起こるともっと大変です。災害あると県だけでなく、その当該市町村もダメージを受けて10年立ち上がれなくなるのが実情だから、それを恐れています。だから防災にはすごく力入れなきゃと躍起になっています。でも奈良は、そんなの来ないものって土地を売らない土地柄だから、もうかないません。


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安堵町農業委員会会長逮捕報道について

NHK:
 安堵町の農地転用の事件の話ですが、県として何か事後検証などは対応されていますか。

知事:
 捜査が進んでいるので、捜査のことはあまり知りませんが、記事だと町の中の農業委員会の話だと報道されているので、県は独自で何か考えることは今はやってません。

NHK:
 市街化の承認ですとか、そのあたりは県も審議会というか、ああいったところで議論はされてきたと思います。その議論の過程で農業委員長が持っている土地の審議だったり、利益相反関係だとか、ああいったことが出てきたのか出てきていないのかどうか、そのあたりのところは何か県として。

知事:
 そんな話聞いていません。もしそうであれば捜査対象になり得る話なので、そうであればされていると思いますけども、県のほうはそういうことをした報告もないし、淡々としてきたというふうに聞いてます。そのため別に調査するような事項は発生してません。

司会:
 よろしいでしょうか。
 ほかにご質問はどうでしょうか。よろしいでしょうか。
 幹事者さん、よろしいでしょうか。
 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

知事:
 ありがとうございました。


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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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