開催報告&レポート
第1部 講演
①合同会社WLBC関西 執行役員 福井正樹氏による講演
「働き方改革」コンサルタントとしてご活躍の福井正樹さんより、「ポストコロナにおける働き方改革」についてご講演いただきました。
・「長時間労働=利益」という考え方は古い。生活や社会が変化しているのに経営が変わらない、ということはない。
・今は、無駄を省いた働き方改革を実践しないといけない。勇気を持って「会社の無駄」を排除する必要がある。
・ポストコロナにおいて、今まで以上に「人」を大切にしなければいけない。本当の意味の人の大切さを考えよう。
・貴重な人材が会社へ来てもらえる、育てられる環境の構築が必要である。
・ポストコロナの経営は、「徹底的な人材育成と高効率な働き方」を求められる。
②株式会社大堀商会 代表取締役 大堀正幸氏による講演
自社における「イクボス」への取組を主とした内容、経験談についてご講演いただきました。
・これからは男性の育休が普通の時代になってくる。これに対して、対応できる企業になっていかなければいけない。
・業務の効率化とは、生産性の向上である。「成果物÷労働(時間)」で考えることができる。
・自社では、様々な業務を分析し、数値にして見えるようにしている。
・自社における理想的な業務時間の配分にするため、社内の滞在時間や移動時間の削減を徹底。
・ITの導入やコミュニケーション対策として社内SNSの活用を行っている。
③株式会社長岡塗装店 常務取締役 古志野純子氏による講演
古志野氏の実家である株式会社長岡塗装店。
入社後、社員の悩みを解決できるように多くの取組を実践された経験談についてご講演いただきました。
・「今後、若い職人が育たなければ長岡塗装店はダメになる!」とベテラン職人に言われたのが様々な取組を実践するきっかけ。
・古志野氏は「真剣に雇用する」というテーマの中で動いている。
・社員に対して、自分たちがいる意義を理解し、社員で人材育成をしてもらいたいと思っている。
・「制約がある人や会社に対して、なにかできないか」という思いがある。
・たくさん存在する悩みを1つずつ潰していく。問題を素早く察知し、解決する。そうすると、問題が問題じゃなくなる。
第2部 トークセッション
第2部は、3名の講師によるトークセッションを行いました。会場・オンライン両方において様々な質問が挙げられました。
●働き方改革の取組へのきっかけは?
(大堀氏) 管理職の社員の家庭環境の変化を見て、これからも働き続けて欲しいと考えたことがきっかけ。
●有給休暇の計画的取得のポイントは?
(大堀氏) 自社では、各部門において取得日数を競争させ、チーム戦にしている。
(古志野氏)有給休暇の取得状況を壁に貼りだして、みんなが知っている環境を作り出している。
●優秀な人材の見極め方・面接でのポイントは?
(福井氏)コミュニケーション、キャッチボールができる人。ただ、人材はとってみないとわからないから教育が重要。
(古志野氏)人材は求めるより育成する。素直そうか、明るく笑えるか、どんなボキャブラリーや対応ができるかが大切。
参加者の声
セミナー終了後、参加者である川端運輸株式会社の川端章代代表取締役にお話を伺いました。
今回、事例発表セミナーを知ったのはFAX送付がきっかけでした。
当社は運輸業でありますが、この業界は自社努力のみで「働き方改革」を実現することは難しいと実感しています。
トラックドライバーは朝早くから夜遅くまで荷物を届けるために働いています。そのような職種に対して、「働き方改革」を注力すると、労働時間の削減から給与が減ってしまう。そして、社員が辞めることに繋がってしまう。人手不足が叫ばれるこの業界において、「働き方改革」をどう取り組むのか切磋琢磨しているところです。
ただ、「できない」ばかり言ってしまうと何もできない。
私は経営者として、社員に何をしてあげたいか問われると、「もっと家族を大事にしてほしい」「食生活を規則正しくしてほしい」という想いがあります。その想いを持ちながら、「できない」ばかり言うのではなく、まずは聞いてみようと参加しました。
話の中ではハードルの高い内容もありました。しかし、話を聞いていると、実践するうちに何か見えるものがあるだろう、「今、できること」があるかもしれないと感じました。
このようなセミナーを通して、「働き方改革」を考えるきっかけをいただき、良い勉強をすることができました。
お忙しい中、貴重なお話をいただき誠にありがとうございました。
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