花きの育種、栽培に関する過去の研究成果

出荷前処理による日持ち延長技術の開発

(1)花壇苗 

花壇苗では、流通・販売の過程で弱光や乾燥等の不良環境下に置かれることがあり、徒長や黄変、萎凋によって商品価値が低下します。そこで、品質(草姿・葉色)を保ちつつ、無潅水でも萎れにくい出荷前処理液を開発しました。

【効果の確認できた品目】 

ペチュニア、インパチェンス、ベゴニア、パンジー

出荷前処理による品質保持効果 
 出荷前処理による品質保持効果

(2)ダリア切り花

ダリア切り花では、糖や植物成長調節剤(BA製剤)の成分量や処理方法が日持ち性に及ぼす影響を明らかにしました。また、栽培環境や流通環境、収穫ステージの影響も調査し、これらの品質管理を組み合わせることにより、十分な日持ち性を確保できる技術を開発しました。

組み合わせ処理  蒸留水 
 収穫9日目のダリア(左:糖とBA製剤の組み合わせ処理、右:蒸留水)

需要期に安定して開花する小ギクや特色ある奈良ブランド菊の新品種の育成

現在の研究課題でもある新品種の育成について、これまで開花時期の年次変動が小さい8月盆用小ギクを3品種、低温期の茎伸張性の良い5~6月咲き小ギクを2品種、わき芽の摘み取り労力が小さい二輪菊を4品種登録しました。これらの品種は県内のキク生産者にご利用いただき、産地の振興に役立っています。

【年次変動の小さい8月盆用品種】         【低温期の茎伸張性の良い5~6月咲き品種】 
春日の紅 春日の鈴音 春日Y2           春日Y1   春日W1
‘春日の紅’ ‘春日の鈴音’ ‘春日Y2'      ‘春日Y1’    
  '春日W1' 
  (流通名:春日の星) 

  (流通名:春日の光)    (流通名:春日の泉) 

芽かきの図   【わき芽の摘み取り労力が小さい無側枝性二輪ギク】
千都の舞  千都の風  千都の恋 千都の粋 
 ‘千都の舞’  ‘千都の風’ ‘千都の恋’ ‘千都の粋(すい)’