病害虫防除に関する過去の研究成果

農薬に頼らない防除体系の確立

農薬に対する抵抗性が高度に発達した害虫の対策として、天敵生物を利用した防除体系を組み立てました。

  • 促成イチゴで深刻な問題になっていたナミハダニを、チリカブリダニなどの天敵製剤で抑制する防除体系を確立しました。県内の多くの農家に普及しています。
ハダニの卵を捕食するチリカブリダニ 
ハダニの卵を捕食するチリカブリダニ 

  • 露地ナスで深刻な問題になっていたミナミキイロアザミウマを防除するため、天敵温存植物フレンチマリーゴールドを植えて土着天敵ヒメハナカメムシを増やす防除体系を確立しました。県内だけでなく、他県でも普及しています。
天敵温存植物を植えたナスほ場 
天敵温存植物を植えたナスほ場 

遺伝子診断技術を活用した病害対策

遺伝子診断技術を用いて農作物に被害を及ぼす病原菌を検出することによって、より的確な病害対策が可能になりました。

  • イチゴ炭疽病菌に感染したイチゴ苗を早期に発見できるPCR検査技術を開発しました。本技術は主にイチゴ親苗増殖圃場で活用され、健全なイチゴ苗の流通に寄与しています。
PCR検査用のイチゴ苗のサンプリング
PCR検査用のイチゴ苗のサンプリング 
  • ダリアに感染する3種類のウイルス・ウイロイドを一度に検出するPCR検査技術を開発しました。同時検出により、検査の省力・低コスト化が実現し、生産現場の要請に対して迅速に対応できるようになりました。
ダリア病害のPCR検査  PCR画像 
ダリア病害のPCR検査