第3回定例会議(令和5年6月15日開催)

開催概要

議決事項

奈良県教育委員会選奨規程の一部改正について(pdf 61KB) <企画管理室>

2

令和5年度一般会計補正予算案について <企画管理室>

3

6月県議会予算外議案の提案について <高校の特色づくり推進課>
4 奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について <高校の特色づくり推進課> 

5


県立高等学校及び特別支援学校高等部用教科用図書の採択に関する基本方針の改定について(pdf 68KB) <高校の特色づくり推進課>

6

令和6年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について(pdf 4372KB) <学ぶ力はぐくみ課> 

7

学校運営協議会の設置について(pdf 186KB) <人権・地域教育課>

 リンクのない事項は、非公開で審議されたものです。

 

報告事項

1

住民訴訟の判決について(pdf 141KB) <学校支援課>

2

損害賠償請求事件に係る最高裁判所の決定について(pdf 75KB)
<健康・安全教育課>

 

その他報告事項

1

令和6年度奈良県・大和高田市・県立大附属高公立学校教員採用候補者選考試験の出願状況について(pdf 243KB) <教職員課>

2

令和6年度奈良県立中学校入学者選抜実施要項について
1(pdf 3239KB)><2(pdf 2783KB)

<高校の特色づくり推進課>

3

令和5年度 奈良県立教育研究所 教育セミナー2023の開催について(pdf 499KB)
<教育研究所>



令和5年度第3回(定例)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
 令和5年6月15日 
 14時30分

 

<閉会>
 令和5年6月15日
 16時20分

 

<会議場所>
 教育委員室

 

<委員出欠>
 伊藤忠通(出席)
 上野周真(出席)
 田中郁子(出席)
 伊藤美奈子(出席)
 三住忍(出席)

議案及び議事内容

<議案>

議決事項1 奈良県教育委員会選奨規程の一部改正について

議決事項2  令和5年度一般会計補正予算案について

議決事項3  6月県議会予算外議案の提案について

議決事項4  奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について

議決事項5  県立高等学校及び特別支援学校高等部用教科用図書の採択に関する基本方針の改定について

議決事項6  令和6年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について

議決事項7  学校運営協議会の設置について

報告事項1 住民訴訟の判決について

報告事項2 損害賠償請求事件に係る最高裁判所の決定について

 

<議事内容>

○吉田教育長 「伊藤忠通委員、上野委員、田中委員、伊藤美奈子委員、三住委員おそろいですね。それでは、ただ今から、令和5年度第3回定例教育委員会を開催いたします。本日は、委員全員出席で、委員会は成立しております。」

○吉田教育長 「議決事項2及び3については、議会の議決を経るべき議案についての意見の申出に関することであり、意思形成過程であるため、当教育委員会においては非公開で審議すべきものと考えます。委員の皆様にお諮りします。いかがでしょうか。」

     ※ 各委員一致で可決

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、本日の議決事項2及び3については、非公開で審議することとします。」

○吉田教育長 「議決事項1『奈良県教育委員会選奨規程の一部改正』について、ご説明をお願いします。」

○上島教育次長 「奈良県教育委員会選奨規程の一部改正について、説明いたします。
  現規程では、第7条において教育委員会は、被選奨者に対して賞状及び副賞の授与を行う旨が規定されているところです。今回の改正は、副賞という表現について、賞金や賞品の授与を行うと誤解を生じる恐れがあるため、副賞の記載を削除し、賞状のみを授与する旨を定める改正をしようとするものです。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(忠)委員 「副賞とは何か具体的にあったのですか。今は授与していないので、なくそうということですか。」

○上島教育次長 「昨年までは賞状を入れる筒を副賞として位置づけていました。しかし、副賞と言うと金品のような誤解を生じる恐れがあるので、そのような表現は削除するものです。」

○吉田教育長 「昔はなかったのですか。」

○上島教育次長 「昔は紅白饅頭がありましたが、今は渡していません。」

○吉田教育長 「副賞という記載が残っているので、削除する訳ですね。」

○伊藤(忠)委員 「筒は副賞という程のものではなく、賞状と一体のものですからね。」

○三住委員 「筒は今後も渡されるのですか。」

○上島教育次長 「それについては検討中です。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項1については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項4『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正』について、ご説明をお願いします。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について、説明いたします。
 県立高等学校適正化実施計画の規定に基づき、関係する規定の整備を行うため、所要の改正をいたしました。お手元の資料『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部改正について』に概要をまとめておりますので、まずはそちらをご覧ください。
 この度の改正は、大きく分けると4点ございます。まず一つ目は、学校外における学修等の単位認定の追記です。学校教育法施行規則第100条には第1号『高等学校卒業程度認定試験の合格科目の単位認定』及び第2号『別科の科目の単位認定』の部分があるため、それに当たる文言を追記し、根拠法令との整合を図りました。二つ目は、県立中学校に関わる追記です。県立中学校は、現在、今年度開学した国際中学校と、青翔中学校の二つですが、留学、編入学、転学等の各条文及び様式に中学校を追記することで、県立中学校についても、留学、編入学、転学等に対応できるようにいたしました。三つ目は、県立高等学校適正化実施計画による高等学校の課程・学科の改編です。山辺高等学校全日制課程普通科を総合学科に改編することにより、生徒自らの進路や興味・関心に応じた科目を選択できるようにし、多様な生徒のニーズに対応するための教育課程を実施いたします。また、個々の進路希望に応じて、同校の通信制課程に開設される科目等の履修ができ、柔軟な学びができるようになります。加えて、中学生に対して、学習内容がイメージしやすいように、生物科学探究科を農業探究科に名称変更いたします。続いて、奈良南高等学校全日制課程におきましては、高校生段階で2級建築士の受験に対応できる教育課程を実施する『建築探究科』及び、高校生段階で土木施工管理技士の受験機会の確保に対応できる教育課程を実施する『森林・土木探究科』を設置いたします。最後に四つ目ですが、専攻科の学科の改編についてです。県立宇陀高等学校のラヒホイタヤ科をインクルーシブ幼児教育科に変更いたします。障害福祉の知識・技能を身に付けた保育教諭を育成するため、豊岡短期大学通信制とのダブルスクールを実施します。また、実践的な学びを深めるため、特別支援学校幼稚部等で長期インターンシップも実施する予定です。県立奈良南高等学校専攻科に関しましては、令和6年4月から設置予定であった『建築士養成科』を設置せず、先程申し上げました高等学校の学科の改編で対応してまいりたいと考えております。
 以上の内容の改正を、二条に分けて改正しております。『奈良県立高等学校等の管理運営に関する規則の一部を改正する規則(案)』の資料をご覧ください。第一条では、学校外における学修等の単位認定の追記、県立中学校に関わる追記、県立奈良南高等学校の学科の改編、県立宇陀高等学校専攻科における学科名変更を定めております。第二条では、令和6年4月1日に施行する部分の改正になっておりまます。県立山辺高等学校における課程・学科の改編、県立奈良南高等学校専攻科の学科改編等を定めております。
 学校外における単位認定、県立中学校に関わる追記に関しましては、公布の日からの施行、高等学校の課程・学科の改編、専攻科の学科の改編につきましては、令和6年4月1日からの施行ということになります。これに基づき令和6年度入学者選抜等も実施してまいりたいと考えております。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○田中委員 「新設する学科の内容について、何のために高校に行くかが明確で、建築士になる、土木施工管理技士になる、というように自分の進みたい道への道しるべのような学科の特色が鮮明に出ていて、非常にいい改正だと思いました。」

○伊藤(忠)委員 「専攻科の名称変更について、元々ラヒホイタヤという名前で考えておられた教育内容は、幼児教育のインクルーシブよりももう少し幅広かったように思うのですが、そのあたりはなぜこのように変更されたのですか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「今回、管理運営規則上ではラヒホイタヤ科という名称が消えますが、ここにある介護福祉科、インクルーシブ幼児教育科の二つの科を合わせて、ラヒホイタヤで目指していた趣旨の教育内容を達成していきたいと考えているところです。」

○吉田教育長 「ラヒホイタヤは、フィンランドにある資格です。前知事からの意見もあり、看護学や歯科衛生士など幅広く学び取得するようなフィンランドの国家資格に当たるものを学ぶ科を導入しましたが、資格としてのラヒホイタヤ自体が国においてもある意味では中途半端になって、募集しても集まらないという状況が起こってしまったので、介護福祉士の資格を取得する科に対して、保育教諭のための保育士資格と幼稚園教諭免許状を取得する科にいたしました。これもラヒホイタヤの中に含まれる、幼児ケアということになります。さらには、インクルーシブ教育を推進できるような保育教諭を目指すということで、特別支援学校での長期インターンシップを有給で実施することを検討しています。そのため2学期には、有給インターンシップと幼稚園の教育実習を行うような教育課程を今検討しているところです。」

○伊藤(忠)委員 「インクルーシブ幼児教育科について、豊岡短期大学の通信制とダブルスクールをするということですが、教育課程における時間調整の見通しはありますか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「豊岡短期大学で指定されている科目もございますので、例えば土曜日に2コマほど短大の科目を履修する必要も出てきます。」

○吉田教育長 「豊岡短期大学を卒業するための単位は全部で66単位が必要になります。高等学校の学びは一日6限×5日=30単位時間、ホームルームの時間を引いて29単位時間です。それを2年間ですから、トータル58単位時間になります。その半分未満の28単位時間までは学校外の学修の単位認定ができますが、残りの30単位時間は宇陀高校内で履修しなければなりません。よって、時間割編成はかなり厳しいです。」

○伊藤(忠)委員 「豊岡短期大学の通信制は、スクーリングもありますね。」

○吉田教育長 「豊岡短期大学は、神戸や大阪にスクーリング会場を持っているので、場合によってはそこに行くか、人数が集まれば豊岡短期大学から講師を派遣してもらい、宇陀高校で授業を受ける形でスクーリングを進めます。」

○吉田教育長 「また、幼稚園の免許を取るための科目の半分近くは、奈良教育大学の先生にお願いしています。」

○伊藤(忠)委員 「豊岡に行かずに、奈良近辺で受けられるのですね。あと要別途費用と書いてありますが、費用負担についてはどうなのでしょうか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「豊岡短期大学への学費はかかります。それについては、有給インターンシップなどを活用して、学びながら収入を得て、それを豊岡短期大学の学費に充てることで学生の費用負担は抑えていきたいと考えております。」

○伊藤(忠)委員 「インターンシップは特別支援学校で行うのですか。」

○吉田教育長 「前知事より、大学とか高等学校に有給インターンシップ制度を導入できないかという話があり、我々もかなり検討しました。高等学校において、有給インターンシップを単位化するのはアルバイトを単位化することにつながりかねないので難しい部分があります。そこで、高校卒業後の専攻科でこの有給インターンシップを制度化しようとしているわけです。知的障害の特別支援学校小学部での対応や実践力を身に付けさせるために行う長期インターンシップから、特別支援学校の臨時の実習助手として、例えば1か月間の有給インターンシップにつなげ、その給料は県教委で払うというしくみです。豊岡短期大学の学費は、だいたい2年間で70万円超かかります。例えば、1年次2年次それぞれで2か月間の有給インターンシップを実施するならば、学費の8割くらいはその有給インターンシップでカバーできる可能性はあります。」

○伊藤(忠)委員 「通常授業があるのに、インターンシップに行くような時間と期間はありますか。」

○吉田教育長 「1年生の2学期全てです。」

○伊藤(忠)委員 「2学期は他の授業がないわけですね。」

○吉田教育長 「ないです。その分、夏期休業中に奈良教育大学で授業があったり、土曜日に保育士の資格を取るための授業があったりします。」

○伊藤(忠)委員 「その専攻科に入ると、かなりハードな学習環境になりますね。」

○吉田教育長 「短大の卒業資格を取るので、ハードにはなります。ただ、通信教育なので、テキストで自学自習して単位を取ればいいわけです。しかし、なかなか家庭学習ができない可能性がありますので、通常の教育課程の午後の課程を自学自習の時間にし、教員がサポートして単位を取らせる、午前中は正規の専攻科の授業を1学期と3学期に行う等、そういう単位の組み方をしてダブルスクールを導入していこうと考えています。」

○伊藤(忠)委員  「趣旨は賛成ですが、専攻科に入る生徒は大変だと思います。」

○吉田教育長  「この専攻科については、高校を卒業してすぐの学生が半分、奈良で保育教諭を目指すリスキリングの社会人が半分という入学者を想定しております。」

○伊藤(忠)委員 「そのための機会を提供できますね。」

○吉田教育長 「卒業後に資格を持たせることは大きいですね。2年間の通信教育で保育教諭のための保育士資格と幼稚園教諭免許状が取れるのは近畿圏では豊岡短期大学だけでした。まず、短大卒業時に幼稚園教諭の免許を取得し、後に保育士資格の申請をします。実質2年と数ヶ月で保育教諭の資格と免許が取れるということになります。」

○伊藤(忠)委員 「実態としては幼保一体化になっていますので、保育教諭を育てることは意味があります。」

○吉田教育長 「また、基礎免許状を有している者が特別支援学校の教諭の免許状を取るための認定講習というものがあって、昨年度までは1年に1単位ずつ取得していく決まりでしたので、必要単位数の6単位を取得するためには6年かかっていました。小学校のような特別支援学級は幼稚園にはありませんが、6年かかっても、特別支援学校の教諭の免許状をとろうとする幼稚園の先生もおられたみたいです。支援の必要な子どもは幼稚園にもいますので、それに対応するために勉強しようということだと思います。今、特別支援学校の免許状の取得率が低いという実態があります。その対策として、小学校の教員に特別支援学校教諭二種免許状を取得してもらおうということで、先ほどの認定講習を1年間に3科目3単位取得できるようにしました。そのため、2年間で特別支援学校教諭二種免許状が取れるようになります。免許を持っていない小学校の先生全員に努力義務を課しています。インクルーシブ幼児教育科で育成する保育教諭に対しても、特別支援学校教諭の認定講習を受講してもらいたいと考えております。」

○伊藤(忠)委員 「ぜひそのような保育教諭を育成していただきたいと思います。」

○三住委員 「一般の社会人が入学することも可能なのですね。高校を卒業してすぐの学生が半分、リスキリングの社会人が半分という想定とのことですが、それは奈良県在住の方に限らず県外から受検してもいいということですか。」

○山内教育次長 「制限はかけていません。」

○吉田教育長 「この地域で定員オーバーはあまり想定していません。実質高等学校でも少ないので、専攻科に関しては、県外からも受検できます。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項4については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項5『県立高等学校及び特別支援学校高等部用教科用図書の採択に関する基本方針の改定』について、ご説明をお願いします。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「県立高等学校及び特別支援学校高等部用教科用図書の採択に関する基本方針の改定について、説明いたします。
 県立高等学校及び特別支援学校高等部用教科用図書の採択に関する基本方針(案)をご覧ください。本県では平成30年度から『コミュニティ・スクール推進体制構築事業』を立ち上げ、学校運営協議会制度の導入を進めてまいりました。学校評議員制度につきましては、学校運営協議会制度への移行を積極的に推進し、令和4年度末までに、一部の適正化対象校を除きすべての県立学校で学校運営協議会の設置が完了しております。それに伴って、『2 採択手続等について』の(1)イの2行目、『また、学校評議員等に意見を求めるなど』というところを『また、学校運営協議会委員等に意見を求めるなど』という文言に変更させていただきたいと思っております。以上の変更点以外に変更はございません。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(忠)委員 「前回の委員会で、この評議員等を協議会に変えるという話はありましたね。」

○吉田教育長 「それは管理運営規則のことですね。これは、教科書採択の基本方針の中において文言を変えるということです。」

○伊藤(忠)委員 「つまり、関連しているので、合わせるということですね。」

○吉田教育長 「はい、そうです。」

○吉田教育長 「4年に一度基本方針を定めているのでしょうか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「いえ、高等学校については4年に一度ということではなく、県立高等学校と特別支援学校の高等部用ですので、一度定めた基本方針で運用させていただいております。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項5については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項6『令和6年度使用教科用図書採択基準及び選定資料』について、ご説明をお願いします。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「令和6年度使用教科用図書採択基準及び選定資料について、説明いたします。
 令和6年度に使用する教科用図書の採択が適正かつ公正に行われるために、採択基準並びに選定資料を作成しました。なお、この採択基準並びに選定資料については、奈良県教科用図書選定審議会の答申を基に、事務局で整えたものです。
 それでは、資料の冊子をご覧ください。まず、採択基準を資料1ページ、2ページに示しています。県教育委員会として、採択権者である市町村教育委員会等の権限と責任のもと、教科用図書の内容について十分な調査研究を行うとともに、適正かつ公正な採択の確保を徹底し、開かれた採択を一層推進することなどを指導するため、この採択基準を示しております。国立・私立の小学校、また、特別支援学級や特別支援学校において使用する教科用図書の採択についても、適正かつ公正に行うよう示しています。
 続きまして資料3ページからの選定資料についてです。本年度は、小学校において令和6年度に使用される全ての教科等の教科用図書の採択を行います。県教育委員会では、令和4年度に検定に合格した教科用図書について調査・研究し、選定の参考となる資料を作成し、採択権者に送付することにより助言、援助を行うこととしております。
 『内容の程度・組織・取扱い等の特徴』の調査項目について、学習指導要領で求められている学びの実現に向けた授業改善が図られるよう、それぞれの教科書にどのような特徴がみられるのか、3つの観点で調査しました。『主体的・対話的で深い学びを実現するための工夫』『学習の基盤となる資質・能力を育成するための工夫』『現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を育成するための工夫』です。
 資料59ページからは、一般図書について記しています。一般図書は、毎年採択替えができることから、選定の参考となる資料を毎年作成し、採択権者に送付することにより助言、援助を行うこととしております。選定資料に掲載している一般図書は総冊数350冊です。絶版等で昨年度の選定資料より削除した図書が11冊、今年度、新たに選定資料に追加した図書が10冊です。なお、新たに掲載した図書には、網かけをしています。
 50名の調査員が教科用図書の調査研究を行い、6月1日の教科用図書選定審議会にて精査し、作成いたしました。県教育委員会として、本選定資料の提示をもって公正な採択事務への助言、援助としてまいりたいと考えております。
 また、県立中学校及び特別支援学校(小・中学部)で使用する教科用図書については、各学校の選定委員会で調査し、選定した結果を基に、8月の定例教育委員会で採択することになります。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○田中委員 「選定資料の作成は、業務量として重いと感じます。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「調査員の方にご協力いただき、平日2、3回集まり、選定資料の作成に関わっていただきました。」

○岡田特別支援教育推進室長 「一般図書につきましては、毎年採択替えができますので、例年の選定資料に載せているものを引き継ぎます。しかし、供給不能や絶版になっている一般図書がありますので、事前に調査員が、各学校で選定時に支障が出ないよう供給が安定して行えるかということを全て調べています。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「教科によって教科書会社の数が異なりますが、調査員ができるだけ分担しながら、作成に取り組んでおります。」

○吉田教育長 「今回、学習指導要領の変更はありませんが、学習指導要領が変わる時の調査研究が一番大変です。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「調査項目について、以前は多少教科によってばらつきがありましたが、今回は現行の学習指導要領の学びに合わせて、三つの観点で調査いただいています。」

○吉田教育長 「教科用図書の採択において、指導するためのものが、採択基準であり、教科用図書の採択を公平公正に行うため、指導権限で採択基準を作っているんですね。」

○熊谷学ぶ力はぐくみ課長 「はい。選定資料は、助言、援助のために作らせていただいています。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項6については可決いたします。」

○吉田教育長 「議決事項7『学校運営協議会の設置』について、ご説明をお願いします。」

○辻人権・地域教育課長 「学校運営協議会の設置について、説明いたします。
 今回、県立国際中学校・高等学校から、それぞれ、『奈良県立学校における学校運営協議会の設置等に関する規則』第2条第1項により、学校運営協議会の設置について申し出がありました。設置する理由、協議会会則案については配布資料のとおりです。つきましては、学校運営協議会を設置してよろしいかお諮りします。
 なお、本日、学校運営協議会の設置について議決をいただけましたら、設置日を令和5年7月1日とさせていただきます。委員の委嘱については、『奈良県教育委員会の権限に属する事務の教育長専決に関する規定』第2条に基づき、選任させていただき、今後の定例教育委員会に報告させていただく予定です。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○吉田教育長 「ご意見、ご質問が無いようですので、原案どおり議決してよろしいか。」

     ※各委員一致で可決

○吉田教育長 「議決事項7については可決いたします。」

○吉田教育長 「報告事項1『住民訴訟の判決』について、ご報告をお願いします。」

○喜夛仲学校支援課長 「住民訴訟の判決について、報告いたします。
 奈良県立王寺工業高等学校において、違法な分割発注があったとして、損害の賠償等を求める住民訴訟が提起された件につきまして、令和5年5月16日に判決があり、県が勝訴いたしましたので報告いたします。
 訴訟の概要としましては、令和3年7月15日に、阪口保氏他5名により提起されたもので、原告の主張は、令和2年度に、奈良県立王寺工業高校において発注された3件の工事について、一体的に発注できる工事を分割し、違法な随意契約が締結されたことによって、県が損害を被ったというものです。
 損害賠償請求としては、荒井前知事、本件工事の受注者、本件工事発注時の元校長に対して、135万5,860円の支払いを求めるものでした。令和5年5月16日の判決趣旨としては、県に損害の発生は認められず、原告の主張が棄却されたものです。
 原告の主張が棄却されたものの、教育委員会としては、県立高校における一連の不適切な分割発注事案については、重く受け止めており、学校長、事務長に対する注意喚起や、事務マニュアルを作成するなどして、再発防止に取り組んでおり、今後も、再発防止に向けた取組みを継続していくこととしています。なお、原告側は5月26日付けで控訴しました。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○三住委員 「これは1つの会社に発注できる工事を3つに分けたということですか。」

○喜夛仲学校支援課長 「一括して発注できる工事を、意図的に3つの工事に分割して発注したということです。」

○三住委員 「それは3社に発注したということですか。」

○喜夛仲学校支援課長 「結果的には同じ会社が受注しております。」

○三住委員 「何らかの便宜を図る意図があったということですか。」

○喜夛仲学校支援課長 「原告の主張はそのようなものでしたが、判決では便宜を図ったということは認められませんでした。」

○三住委員 「損害はなかったということですが、分割発注自体は違法だったのでしょうか。」

○吉田教育長 「耐震化工事を進めるなかで、複数の付随工事を学校で行う必要がありました。しかし、工事の発注について、一括して入札するのではなく、工事を分割し、見積合わせによる随意契約を行っていました。まず、高田高校で分割発注があり、さらに王寺工業高校でも同様の分割発注が行われていたことが分かりました。この件については記者発表を行い、私が給料の自主返納を行っております。高田高校については住民監査請求だけでしたが、王寺工業高校については、住民監査請求に加え、住民訴訟をされたということです。さらに今回の判決を受けて、控訴されたということです。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項1については承認いたします。」

○吉田教育長 「報告事項2『損害賠償請求事件に係る最高裁判所の決定』について、ご報告をお願いします。」

○新子健康・安全教育課長 「損害賠償請求事件に係る最高裁判所の決定について、報告いたします。
  平成31年4月に県立郡山高等学校の元生徒が、3年次の平成30年4月25日、体育の授業で前屈運動を行っていた際に、体育教諭の補助行為により重度の腰椎椎間板ヘルニアを発症したとして、学校設置者である県に対し、国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償請求をした事件の上告受理の申立てにつきまして、令和5年5月10日に最高裁判所において、上告審として受理しないことが決定され、控訴審判決が確定しました。第1審及び控訴審判決の要旨ですが、本件補助行為は、不適切なものではなく、通常の補助行為により腰椎椎間板ヘルニアの発症は予見できないため、体育教諭に過失はないというものです。なお、この決定をもって本訴訟は終結しました。
 以上です。」

○吉田教育長 「このことについて、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○三住委員 「本件については、色々な状況から過失がなかったということですが、このような行為が適切かどうかといったことについて、国から何らかの指導等はありましたか。」

○新子健康・安全教育課長 「裁判所において、本件補助行為については学習指導要領にも記載されているもので問題がないとされており、国から指導等もありません。」

○三住委員 「本件については、予見もできず過失がないということですが、裁判の中で因果関係について医師の見解等は示されたのでしょうか。」

○新子健康・安全教育課長 「第1審における裁判所の判断として、事実経過及び医学的知見等に照らせば、本件補助行為が他の生徒が違和感を抱くほどの強度なものではなくても、既に原告の腰椎椎間板に痛みを生じるには至らない程度の変性や損傷が生じていた場合には、本件補助行為を契機として腰椎椎間板ヘルニアを発症したとしても不自然ではなく、原告については、本件補助行為を契機に腰椎椎間板ヘルニアを発症したと推測される。しかし、教諭が当時原告について、通常の補助行為であっても腰椎椎間板ヘルニアを発症するおそれがあるような状態にあることを予見できたとは認められない、と示されています。」

○吉田教育長 「本件を踏まえ何らかの注意喚起は必要でしょうか。」

○三住委員 「本件のような素養を持つ生徒が殆どいないのであれば、補助行為に関する指導について注意喚起をする必要はないと考えます。」

○吉田教育長 「他にご意見、ご質問が無いようですので、承認してよろしいか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「報告事項2については承認いたします。」

○吉田教育長 「その他報告事項について、ご報告をお願いします。」

○東村教職員課長 「令和6年度奈良県・大和高田市・県立大附属高公立学校教員採用候補者選考試験の出願状況について、報告いたします。
 出願者合計は昨年度に比べ、154名増の1,943名となり、全体の倍率は昨年度比0.3ポイント増の5.6倍となっています。年齢制限を撤廃し定年の1年前までとしたことなどが出願者数、倍率の増につながったと考えています。
 教科ごとの出願状況は、中学校の社会、保健体育、高等学校の美術、書道、保健体育と養護教諭の倍率が10倍以上と高くなり、一方、中学校の理科、技術・家庭、高等学校の農業が3倍以下と低くなっています。
 1次試験は、6月24日に筆記試験、25日に実技試験を行います。
 以上です。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「令和6年度奈良県立中学校入学者選抜実施要項について、報告いたします。
  資料として、国際中学校と青翔中学校の、令和6年度入学者選抜実施要項をお配りしています。昨年度からの変更点を中心にご説明申し上げます。一つ目、国際中学校については、昨年度1日で実施していた適性検査を、今年度は2日に分けて、1日目に適性検査1と2として筆記形式の検査を実施し、2日目に適性検査3として個別面接形式で日本語及び英語によるやりとりを行う検査を実施します。これは、1日で実施すると面接の最終時間がかなり遅くなりまして、保護者の方から不安の声が上がりましたので、これに対応するためでございます。また、面接時間について、昨年度は一人当たり5分程度でしたが、受検者の入れ替え等多少慌ただしいところもありましたので余裕をもって実施し、今年度は7分程度に増やすこととしております。各適正検査の主な内容や検査で見取る力については、昨年度から変更はありません。国際選抜については、昨年度同様、作文及び面接の検査を1日で実施することとしております。青翔中学校につきましては、昨年度から大きな変更はございません。募集人員につきましても、国際中学校、青翔中学校とも昨年度と同じ人数としております。近畿地方の私立中学入試が1月13日土曜日以降に実施され、多くの入試の結果が、1月21日日曜日までに出ると考えられます。県立学校は専願ですが、今年度は、1月23日を出願の締切日と設定いたしました。最後に、出願時に提出する調査書等の様式については、記入のしやすさを考慮して若干変更しております。
 以上です。」

○栢木教育研究所長 「令和5年度 奈良県立教育研究所 教育セミナー2023の開催について、報告いたします。
 教育セミナーは、本県の教育に関する課題の解決を目指して、指導主事、長期研修員等が行った研究の成果を発表するとともに、教育関係者及び教育に関心のある方々と本県教育について共に考える機会としており、平成5年4月の開所以来、今回で31回目の開催となります。
 今年度は、7月24日の月曜日に、『次世代の子どもたちの学びのために』をテーマとして、パート1を集合型及びオンラインで開催します。特別講演では、大阪成蹊大学の教育学部准教授 福岡亮治氏に『教育×笑い=∞(むげんだい) すべての子どもが楽しく学ぶ教育をめざして』と題して、ご講演をいただきます。また、昨年度教育研究所で研究を深めた長期研修員、大学院研修員、特別指定研修員がそれぞれの研究成果の発表を行います。
 パート2は、7月24日月曜日から8月23日水曜日の間、オンデマンド配信として、教育研究所研究協力校が取り組んだ授業の紹介動画や各研修員の研究報告動画など、教育研究所の各係から現場の先生方の日々の指導に役立つ動画等を公開します。また、来所でも体験ラボを開催する予定です。
 参加については、教育研究所Webサイトから申込みフォームで申し込むことができます。教育に関心のあるたくさんの方々に参加いただけるよう、県民だよりや教育セミナー2023のチラシの配布、教育研究所ウェブマガジン等を通じて広報し、子どもたちの未来を見つめ、先生たちの今に寄り添った情報を発信する、実りのあるセミナーにしてまいりたいと考えております。
 以上です。」

○吉田教育長 「ただ今の件について、何かご意見、ご質問はございませんか。」

○伊藤(忠)委員 「国際中学校の入学者選抜実施要項の中で、10(5)行動の記録にある、十分満足できる状況にあると判断できる基準とは、どのようなものですか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「評価の規準をそれぞれの学校でもっており、いわゆるABCという評価をしていくわけですが、A評価が十分満足できる状況にあると判断される場合の評価というように設定しています。」

○伊藤(忠)委員 「調査書においてA評価を付ける場合に各学校で何らかの規準をもっているということですが、国際中学校を受検するから評価を甘くするといったことがないようにしてほしいと考えます。複数の先生で話し合って、生徒について評価をしているのでしょうか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「小学校ですので、基本的には担任が評価しますが、担任だけではなく、学年であるいは管理職とともに最終判断しています。よって、個人だけの判断で評価するということにはなっておりません。」

○伊藤(忠)委員 「面接についてですが、作文の外国語は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語となっていますが、面接は英語のみとなっています。これは、国際中学校が英語中心の学びだから、まず英語が必要だということでしょうか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「そう考えていただいて結構です。」

○伊藤(忠)委員 「話す際についても、例えば、フランス語やドイツ語の方が受検生にとっていい場合であっても、英語で話すということですね。ちなみに、日本語と英語は選択できるということですか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「面接の場合、日本語での質問と英語での質問の両方がございます。」

○三住委員 「フランス語やドイツ語の作文について誰が採点するのでしょうか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「教員の中にフランス語等が話せる者がいますので、その者が採点します。」

○吉田教育長 「ドイツ語ができる教員もいるのですか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「おります。」

○吉田教育長 「去年実績はあったのですか。」

○山内教育次長 「はい。」

○伊藤(忠)委員 「中学校のカリキュラムに英語以外の言語はあるのですか。」

○大橋高校の特色づくり推進課長 「現在、中学校ではありませんが、高校の第1学年の時に各言語の基礎的な部分を全て学習します。」

○吉田教育長 「検査において、作文をドイツ語で書いてもいいのでしょうか。授業は日本語か英語を用いるのに、ドイツ語で作文を書かせる理由は何でしょうか。」

○山内教育次長 「作文や面接の在り方を検討していたときは、面接は、比較的簡単なやり取りをしようということで、外国の生徒であっても、日本語のやり取りと共通言語の英語の簡単なやり取りをしようということにしました。一方、作文は志願者にとって、難しいであろうと考え、母語で作文を書いてよいとしました。」

○吉田教育長 「母語しかできなかったらどうするのでしょうか。」

○山内教育次長 「母語しかできないかどうかは、面接における口頭でのやり取りで確認できます。全く母語しか出来なかったら面接は成り立たないと思います。」

○吉田教育長 「そういう意味では英語で書かせてもいいと思います。ドイツ語しかできない生徒も入学を認めていくということですね。」

○山内教育次長 「基本的に面接でやり取りができるなら、受け入れるべきと考えています。」

○吉田教育長「他にご意見、ご質問がないようですので、その他報告事項については了承いたします。」

 

非公開議案

議決事項2  令和5年度一般会計補正予算案について
議決事項3  6月県議会予算外議案の提案について

 非公開にて審議

 

○吉田教育長 「それでは、議案の審議が終了したと認められますので、委員の皆様にお諮りします。本日の委員会を閉会することとしては、いかがでしょうか。」

     ※各委員一致で承認

○吉田教育長 「委員の皆様の議決を得ましたので、これをもちまして、本日の委員会を閉会します。」