500年の時を超えて、今も息づく伝統の技「高山茶筌(たかやまちゃせん)」
奈良県生駒市高山町で作られる「高山茶筌」。抹茶を点てるために使われる竹製の道具で、その歴史はなんと室町時代まで遡ります。
高山茶筌は、高山領主の次男・宗砌が茶道の創始者と言われる村田珠光の依頼により作ったのが始まりとされています。以来、一子相伝の技として、代々受け継がれてきました。茶筌は、竹を細かく割き、湯で温めながら丁寧に形を整え、編み上げて作られます。一つ一つ手作業で作られるため、同じものは二つとなく、その繊細な美しさはまさに芸術品です。
500年の歴史を持つ伝統工芸品で、茶筌作りは高度な技術を要し、長年の経験と勘が求められます。繊細な竹の編み目が作り出す美しい模様は、見ている人を魅了します。
年々原材料となる良質の竹が少なくなっているなど、高山茶筌を取り巻く環境は厳しさを増しています。しかし、伝統を守りながら、新たな挑戦も続けています。