特集1

県民だより奈良
2025年2月号

特集ロゴ
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正しく知っていますか?がんのこと

始動!!

第4期奈良県がん対策推進計画

 がんは、日本人の死因の第1位であり、人口動態統計によると、令和5年には年間約38・3万人が、がんで亡くなっています。また、日本人が生涯のうちにがんと診断される確率は2人に1人となっており※1、県民の生命と健康に関わる重大な問題といえます。
 県では、がん予防、がんの早期発見、がん医療の充実、相談支援および情報提供などの7分野と、これらを支える基盤整備を加えた8分野で総合的かつ計画的にがん対策を推進し、「がんにならない、がんになっても安心できる奈良県」を実現するため、令和6年3月に第4期奈良県がん対策推進計画を策定しました。

※1 がん情報サービスがん統計(2020年データに基づく)

日本人の2人に1人ががんになり4人に1人ががんで命を落としています

がんの早期発見

がん検診を受けましょう!!

がん検診受診率60%を目指します!!

 県では、毎年4,000人を超える人ががんで亡くなっており、死因の第1位になっていますが、がん検診の受診率は低い状況にあります。
 胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸(けい)がんの5つのがんは、検診を受けることで死亡率が減少することが科学的に証明されています。早期のがんは自覚症状がないため、定期的にがん検診を受けることで、症状が出る前に早期発見できます。
 がんは早期発見できれば、治療の選択肢が広がり、治る可能性が高くなり、進行がんに比べて身体への負担や治療費用も一般的に少なく済みます。もし、がん検診で「要精密検査」と判定されても、心配し過ぎず、がんを早期発見できる機会と捉えて、精密検査を受けることが大切です。

誕生月や記念の月などを決めて毎年の受診を

 がん検診を特別なことと考えず、年間行事のひとつとして捉え、国が推奨する方法に従ってきちんと受けるようにしましょう。また検診で要精密検査になった場合は、「自覚症状がないから大丈夫」と自分で判断せず、できるだけ早く精密検査を受けてください。きちんと検査を受けて対応すれば、安心して毎日が過ごせますよ。

奈良県健康づくりセンター技師長  中川 泰二さん

奈良県健康づくりセンター
技師長 中川 泰二さん

5がんの検診はお住まいの市町村で受診できます!

がん検診の実施時期、方法などは市町村ごとに異なります。
詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。

問い合わせ先はこちら

がん検診を受けよう!

奈良県民会議を毎年開催

がん検診を受けよう!

「がん検診を受けよう!」奈良県民会議は、がんによる死亡率減少を目指し、がん検診の受診率向上への取り組みを進める実行組織として平成24年10月10日に設立しました。行政・地域・企業・団体と協働し、講演会や街頭啓発キャンペーンなど、がん検診の普及活動を行っています。

「自分の健康は自分で守る」をモットーに 検診を受けましょう

 県では検診受診率60%を目指し、広報誌やがん情報ポータルサイト「がんネットなら」などで情報発信を行っています。また地域の中でがん予防推進員や健康づくり推進員による受診を呼びかける活動を行っています。市町村では、がん検診と特定健診を同時に受けられる体制を整えるなど、県民の皆さんが検診を受けやすいように工夫しています。
 ほとんどの検診は身体への負担が少なく、短時間で検査を受けることができます。また、市町村のがん検診は自己負担もあまりかからず、安心して受けていただけます。ご自身の健康管理の一環として、ぜひがん検診を取り入れてください。

奈良県中和保健所 所長  山田 全啓さん

奈良県中和保健所
  所長 山田 全啓さん

検診の風景
がん検診の普及啓発に取り組む
企業・団体を紹介します

がん検診普及啓発の取組に対する
奈良県知事表彰

 県内のがん検診の受診率向上、がんおよびがん検診に関する正しい知識の普及や理解の促進に功績があり、がん検診を推進するうえで先進的な取り組みを行った企業または団体に対し表彰を行っています。

奈良県知事表彰

令和6年度知事表彰受賞団体

アルフレッサ株式会社
(奈良支店・奈良南支店)

 医薬品の会社として「自分たちが元気でないといけない」という思いから、全社的な取り組みとして定期検診の受診を推奨しています。また、精密検査が必要となった場合にも受診しやすいように職場の環境を整えています。

奈良支店 支店長辻井 政男さん

奈良支店 支店長
辻井 政男さん

奈良県医療福祉生活協同組合

 地域の施設や集会の場で健康講座や健康チェックを実施し、地域の人々と触れ合いながらがん検診の受診を呼びかけています。年8回の検診デーはすぐに申し込みが埋まるほど反響があります。

代表理事・理事長 榎並 憲治さん

代表理事・理事長
榎並 憲治さん

がんの治療について

がんになっても

安心して治療が受けられる

 県では、がん診療の拠点となる病院(県全体と地域の拠点として、国および県が指定する計9カ所)を整備し、がん患者が県内のどの地域に住んでいても「質の高い」がん医療を受けられる体制を構築しています。
 がん診療の拠点となる病院では、地域の医療機関などと連携しながら、専門的で高度ながん治療を行っています。

県内のがん診療の拠点

 

これからのがん治療

がんゲノム医療

 

 がんゲノム医療は、主にがんの組織を用いて、多数の遺伝子を同時に調べ(がん遺伝子パネル検査)、遺伝子の変異を明らかにすることにより、一人一人の体質や病状に合わせて治療などを行う医療です。
 令和5年4月に奈良県立医科大学附属病院が県内では初めて「がんゲノム医療拠点病院」として国の指定を受けました。

県内のがんゲノム医療の提供を推進しています

 がん遺伝子パネル検査は、がんの標準治療を終了されたがん患者さんや標準治療がない種類のがんに罹患(りかん)された方に対し、遺伝子の変化を検査して一人一人の体質や病状に合った治療法を探す検査です。がんゲノム医療によって、がん患者さんの治療の選択肢が広がる可能性があります。さらに奈良県立医科大学附属病院では、医師の主導による治験を行い、がん遺伝子パネル検査にひも付く薬剤の開発にも力を注いでいます。
 奈良県立医科大学附属病院には腫瘍内科があり、抗がん剤のスペシャリストであるがん薬物療法専門医の育成を担っています。そうした専門医が県内のがんゲノム医療連携病院と連携し活躍しています。また、がん遺伝子パネル検査の対象となる患者さんを受け入れられる体制を整えています。

新しいがん治療薬を見つけましょう冊子 奈良県中和保健所 所長  山田 全啓さん

                                                               奈良県立医科大学
                                                               がんゲノム・腫瘍内科学講座
                                                               教授 武田 真幸さん

小児・AYA世代のがん医療について

 小児やAYA世代と言われる15歳から39歳までの思春期・若年成人は、他の世代に比べ、がん患者数が少なく、さらに多種多様ながん種を含むことから、診療などの経験が蓄積されにくい傾向にあります。国は小児やAYA世代のがん患者さんが安心して適切な医療や支援を受けられるよう、診療体制を構築しています。県内では「小児がん連携病院」として奈良県立医科大学附属病院、天理よろづ相談所病院の2病院が指定されています。

小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性(にんようせい)温存療法研究促進事業

詳しくはこちらから

 県では、将来子どもを産み育てることを望む小児・AYA世代のがん患者さんなどが、希望をもってがん治療などに取り組めるように、費用の一部を助成しています※。
 妊孕性温存療法の可否については、がんなどの原疾患の主治医と生殖医療を専門とする医師による判断が必要です。妊孕性温存療法という治療法があることを知り、小児・AYA世代のがん患者さんは適切な選択ができるよう、主治医とよくご相談ください。

妊孕性とは

妊娠するために必要な能力のこと

妊孕性温存療法

抗がん剤や放射線治療などで、生殖機能が低下する恐れがあるため、原疾患の治療を開始する前に胚(受精卵)、未受精卵子、卵巣組織、精子を採取し長期的に凍結し、保存すること

温存後生殖補助医療

妊孕性温存療法により凍結した胚(受精卵)、未受精卵子、卵巣組織、精子を用いて行う胚移植などの生殖補助医療のこと

助成の対象となる治療

がんと共に生きる

困りごとの解決をサポート

がん相談支援センター

 がん相談支援センターは、がん診療連携拠点病院などに設置され、看護師、医療ソーシャルワーカー(社会福祉士など)、臨床心理士などの専門相談員が、がんの治療や療養生活など、がんに関わるさまざまな悩みや問題について、がん患者さんやご家族と一緒に考え、情報を探すお手伝いをしています。
 がん相談支援センターはがん患者さんだけでなく、ご家族や、その病院で診察を受けていない方など、どなたでも無料で相談することができます。

少しでも気になることがあれば、ぜひ扉をたたいてみてください

 当センターでは在籍する看護師と医療ソーシャルワーカーが、患者さんやご家族の悩みに寄り添い、一緒に解決策を考えていきます。医師にはなかなか聞けない治療のこと、医療費や生活費などお金の心配ごと、仕事と治療の両立の仕方など、どんな相談でも構いません。具体的な悩みはないけれどなんとなく不安、誰かに話を聞いてほしい、そんな時に来ていただくのも大歓迎です。今はインターネットなどで簡単に情報が手に入る時代ですが、ネットなどには根拠がないものや不安をあおるネガティブな情報も氾濫しています。ひとりで悩まず、まず話をお聞かせください。

奈良県立医科大学附属病院 がん相談支援センター副センター長  中村 由美さん

奈良県立医科大学附属病院
がん相談支援センター
副センター長 中村 由美さん

がん相談支援センタースタッフ

がん患者サロン

 

 がん患者サロンは、がん患者さんやご家族などが集まり、交流や情報を交換できる集いの場です。県内では拠点病院、保健所や患者会などでがん患者サロンを実施しています。療養生活に関する悩みや心配事など、同じ立場で語り合うことで不安の解消につながります。
 また医療従事者によるミニ講義など、がんに関する正しい知識を学ぶ機会もあります。               

家族で話し合いするイラスト

 

がんピア・サポーターによる支援

 がん患者サロンでは、がんピア・サポーターによる支援を行っています。がんピア・サポーターとは、がんの治療体験者やご家族が自らの体験を生かし、悩みや不安に寄り添い、支援をする人のことです。
 県が実施する養成研修を修了したがんピア・サポーターが、県内のがん患者サロンなどで活躍しています。

アピアランスケア

 

 アピアランスケアとは、脱毛や皮膚障害などの外見の変化によって生じる患者さんの悩みに対応し、支援することです。治療を継続しながら社会生活を送るがん患者さんは増加しており、がん患者さんの日常生活を支えるための重要な支援です。
 県ではがん治療による外見の変化に対し、医療用ウィッグや乳房補整具の購入費用の助成を行う市町村に、補助を行っています。詳しくはお住まいの市町村にお問い合わせください。                                                                                                 家族で話し合いするイラスト

がんを正しく知ろう!

がんについて知りたいことは確かな情報源から

 がんと診断されたら、まずがんについて知ることから始めましょう。県では、がん患者さんが療養生活を送る際に役立つ情報をまとめた「がん患者さんのための療養ガイド」や、がん予防、がんの早期発見、がん医療、相談体制や支援制度などのがんに関する情報を幅広く掲載するポータルサイト「がんネットなら」でがんに関する情報を提供しています。

がん患者さんのための療養ガイド 第4版

がん患者さんやご家族の皆さんが、療養生活を送る際に役立つ情報や相談窓口、医療費の支援制度などを掲載しています。

がん患者さんのための療養ガイド 第4版

がんネットなら
(奈良県がん情報ポータルサイト)

県内の医療機関や相談窓口の情報、県内で開催される講演会の情報など、がんに関する情報を幅広く掲載しています。がんに関して知りたいとき、ぜひご覧ください。

がんネットなら

詳しくはこちらから▼

子宮頸がんはHPVワクチンで予防できます
~HPVワクチンキャッチアップ接種の経過措置について~

平成9年度~19年度生まれの女性へ

高校1年相当(平成20年度生まれ)の女性へ

令和7年3月31日までに1回以上接種をした方に限り、残りの接種を令和8年3月31日まで公費で受けることができます。
詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。

詳しくはこちらから▼

県疾病対策課
電話 0742-27-8928
FAX 0742-27-8262
県民だより奈良
2025年2月号

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正しく知っていますか?がんのこと

始動!!

第4期奈良県がん対策推進計画

 がんは、日本人の死因の第1位であり、人口動態統計によると、令和5年には年間約38・3万人が、がんで亡くなっています。また、日本人が生涯のうちにがんと診断される確率は2人に1人となっており※1、県民の生命と健康に関わる重大な問題といえます。
 県では、がん予防、がんの早期発見、がん医療の充実、相談支援および情報提供などの7分野と、これらを支える基盤整備を加えた8分野で総合的かつ計画的にがん対策を推進し、「がんにならない、がんになっても安心できる奈良県」を実現するため、令和6年3月に第4期奈良県がん対策推進計画を策定しました。

※1 がん情報サービスがん統計(2020年データに基づく)

日本人の2人に1人ががんになり4人に1人ががんで命を落としています

がんの早期発見

がん検診を受けましょう!!

がん検診受診率60%を目指します!!

 県では、毎年4,000人を超える人ががんで亡くなっており、死因の第1位になっていますが、がん検診の受診率は低い状況にあります。
 胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸(けい)がんの5つのがんは、検診を受けることで死亡率が減少することが科学的に証明されています。早期のがんは自覚症状がないため、定期的にがん検診を受けることで、症状が出る前に早期発見できます。
 がんは早期発見できれば、治療の選択肢が広がり、治る可能性が高くなり、進行がんに比べて身体への負担や治療費用も一般的に少なく済みます。もし、がん検診で「要精密検査」と判定されても、心配し過ぎず、がんを早期発見できる機会と捉えて、精密検査を受けることが大切です。

誕生月や記念の月などを決めて毎年の受診を

 がん検診を特別なことと考えず、年間行事のひとつとして捉え、国が推奨する方法に従ってきちんと受けるようにしましょう。また検診で要精密検査になった場合は、「自覚症状がないから大丈夫」と自分で判断せず、できるだけ早く精密検査を受けてください。きちんと検査を受けて対応すれば、安心して毎日が過ごせますよ。

奈良県健康づくりセンター技師長  中川 泰二さん

奈良県健康づくりセンター
技師長 中川 泰二さん

5がんの検診はお住まいの市町村で受診できます!

がん検診の実施時期、方法などは市町村ごとに異なります。
詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。

問い合わせ先はこちら

がん検診を受けよう!

奈良県民会議を毎年開催

がん検診を受けよう!

「がん検診を受けよう!」奈良県民会議は、がんによる死亡率減少を目指し、がん検診の受診率向上への取り組みを進める実行組織として平成24年10月10日に設立しました。行政・地域・企業・団体と協働し、講演会や街頭啓発キャンペーンなど、がん検診の普及活動を行っています。

「自分の健康は自分で守る」をモットーに 検診を受けましょう

 県では検診受診率60%を目指し、広報誌やがん情報ポータルサイト「がんネットなら」などで情報発信を行っています。また地域の中でがん予防推進員や健康づくり推進員による受診を呼びかける活動を行っています。市町村では、がん検診と特定健診を同時に受けられる体制を整えるなど、県民の皆さんが検診を受けやすいように工夫しています。
 ほとんどの検診は身体への負担が少なく、短時間で検査を受けることができます。また、市町村のがん検診は自己負担もあまりかからず、安心して受けていただけます。ご自身の健康管理の一環として、ぜひがん検診を取り入れてください。

奈良県中和保健所 所長  山田 全啓さん

奈良県中和保健所
  所長 山田 全啓さん

検診の風景
がん検診の普及啓発に取り組む
企業・団体を紹介します

がん検診普及啓発の取組に対する
奈良県知事表彰

 県内のがん検診の受診率向上、がんおよびがん検診に関する正しい知識の普及や理解の促進に功績があり、がん検診を推進するうえで先進的な取り組みを行った企業または団体に対し表彰を行っています。

奈良県知事表彰

令和6年度知事表彰受賞団体

アルフレッサ株式会社
(奈良支店・奈良南支店)

 医薬品の会社として「自分たちが元気でないといけない」という思いから、全社的な取り組みとして定期検診の受診を推奨しています。また、精密検査が必要となった場合にも受診しやすいように職場の環境を整えています。

奈良支店 支店長辻井 政男さん

奈良支店 支店長
辻井 政男さん

奈良県医療福祉生活協同組合

 地域の施設や集会の場で健康講座や健康チェックを実施し、地域の人々と触れ合いながらがん検診の受診を呼びかけています。年8回の検診デーはすぐに申し込みが埋まるほど反響があります。

代表理事・理事長 榎並 憲治さん

代表理事・理事長
榎並 憲治さん

がんの治療について

がんになっても

安心して治療が受けられる

 県では、がん診療の拠点となる病院(県全体と地域の拠点として、国および県が指定する計9カ所)を整備し、がん患者が県内のどの地域に住んでいても「質の高い」がん医療を受けられる体制を構築しています。
 がん診療の拠点となる病院では、地域の医療機関などと連携しながら、専門的で高度ながん治療を行っています。

県内のがん診療の拠点

 

これからのがん治療

がんゲノム医療

 

 がんゲノム医療は、主にがんの組織を用いて、多数の遺伝子を同時に調べ(がん遺伝子パネル検査)、遺伝子の変異を明らかにすることにより、一人一人の体質や病状に合わせて治療などを行う医療です。
 令和5年4月に奈良県立医科大学附属病院が県内では初めて「がんゲノム医療拠点病院」として国の指定を受けました。

県内のがんゲノム医療の提供を推進しています

 がん遺伝子パネル検査は、がんの標準治療を終了されたがん患者さんや標準治療がない種類のがんに罹患(りかん)された方に対し、遺伝子の変化を検査して一人一人の体質や病状に合った治療法を探す検査です。がんゲノム医療によって、がん患者さんの治療の選択肢が広がる可能性があります。さらに奈良県立医科大学附属病院では、医師の主導による治験を行い、がん遺伝子パネル検査にひも付く薬剤の開発にも力を注いでいます。
 奈良県立医科大学附属病院には腫瘍内科があり、抗がん剤のスペシャリストであるがん薬物療法専門医の育成を担っています。そうした専門医が県内のがんゲノム医療連携病院と連携し活躍しています。また、がん遺伝子パネル検査の対象となる患者さんを受け入れられる体制を整えています。

新しいがん治療薬を見つけましょう冊子 奈良県中和保健所 所長  山田 全啓さん

                                                               奈良県立医科大学
                                                               がんゲノム・腫瘍内科学講座
                                                               教授 武田 真幸さん

小児・AYA世代のがん医療について

 小児やAYA世代と言われる15歳から39歳までの思春期・若年成人は、他の世代に比べ、がん患者数が少なく、さらに多種多様ながん種を含むことから、診療などの経験が蓄積されにくい傾向にあります。国は小児やAYA世代のがん患者さんが安心して適切な医療や支援を受けられるよう、診療体制を構築しています。県内では「小児がん連携病院」として奈良県立医科大学附属病院、天理よろづ相談所病院の2病院が指定されています。

小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性(にんようせい)温存療法研究促進事業

詳しくはこちらから

 県では、将来子どもを産み育てることを望む小児・AYA世代のがん患者さんなどが、希望をもってがん治療などに取り組めるように、費用の一部を助成しています※。
 妊孕性温存療法の可否については、がんなどの原疾患の主治医と生殖医療を専門とする医師による判断が必要です。妊孕性温存療法という治療法があることを知り、小児・AYA世代のがん患者さんは適切な選択ができるよう、主治医とよくご相談ください。

妊孕性とは

妊娠するために必要な能力のこと

妊孕性温存療法

抗がん剤や放射線治療などで、生殖機能が低下する恐れがあるため、原疾患の治療を開始する前に胚(受精卵)、未受精卵子、卵巣組織、精子を採取し長期的に凍結し、保存すること

温存後生殖補助医療

妊孕性温存療法により凍結した胚(受精卵)、未受精卵子、卵巣組織、精子を用いて行う胚移植などの生殖補助医療のこと

助成の対象となる治療

がんと共に生きる

困りごとの解決をサポート

がん相談支援センター

 がん相談支援センターは、がん診療連携拠点病院などに設置され、看護師、医療ソーシャルワーカー(社会福祉士など)、臨床心理士などの専門相談員が、がんの治療や療養生活など、がんに関わるさまざまな悩みや問題について、がん患者さんやご家族と一緒に考え、情報を探すお手伝いをしています。
 がん相談支援センターはがん患者さんだけでなく、ご家族や、その病院で診察を受けていない方など、どなたでも無料で相談することができます。

少しでも気になることがあれば、ぜひ扉をたたいてみてください

 当センターでは在籍する看護師と医療ソーシャルワーカーが、患者さんやご家族の悩みに寄り添い、一緒に解決策を考えていきます。医師にはなかなか聞けない治療のこと、医療費や生活費などお金の心配ごと、仕事と治療の両立の仕方など、どんな相談でも構いません。具体的な悩みはないけれどなんとなく不安、誰かに話を聞いてほしい、そんな時に来ていただくのも大歓迎です。今はインターネットなどで簡単に情報が手に入る時代ですが、ネットなどには根拠がないものや不安をあおるネガティブな情報も氾濫しています。ひとりで悩まず、まず話をお聞かせください。

奈良県立医科大学附属病院 がん相談支援センター副センター長  中村 由美さん

奈良県立医科大学附属病院
がん相談支援センター
副センター長 中村 由美さん

がん相談支援センタースタッフ

がん患者サロン

 

 がん患者サロンは、がん患者さんやご家族などが集まり、交流や情報を交換できる集いの場です。県内では拠点病院、保健所や患者会などでがん患者サロンを実施しています。療養生活に関する悩みや心配事など、同じ立場で語り合うことで不安の解消につながります。
 また医療従事者によるミニ講義など、がんに関する正しい知識を学ぶ機会もあります。               

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がんピア・サポーターによる支援

 がん患者サロンでは、がんピア・サポーターによる支援を行っています。がんピア・サポーターとは、がんの治療体験者やご家族が自らの体験を生かし、悩みや不安に寄り添い、支援をする人のことです。
 県が実施する養成研修を修了したがんピア・サポーターが、県内のがん患者サロンなどで活躍しています。

アピアランスケア

 

 アピアランスケアとは、脱毛や皮膚障害などの外見の変化によって生じる患者さんの悩みに対応し、支援することです。治療を継続しながら社会生活を送るがん患者さんは増加しており、がん患者さんの日常生活を支えるための重要な支援です。
 県ではがん治療による外見の変化に対し、医療用ウィッグや乳房補整具の購入費用の助成を行う市町村に、補助を行っています。詳しくはお住まいの市町村にお問い合わせください。                       家族で話し合いするイラスト

がんを正しく知ろう!

がんについて知りたいことは確かな情報源から

 がんと診断されたら、まずがんについて知ることから始めましょう。県では、がん患者さんが療養生活を送る際に役立つ情報をまとめた「がん患者さんのための療養ガイド」や、がん予防、がんの早期発見、がん医療、相談体制や支援制度などのがんに関する情報を幅広く掲載するポータルサイト「がんネットなら」でがんに関する情報を提供しています。

がん患者さんのための療養ガイド 第4版

がん患者さんやご家族の皆さんが、療養生活を送る際に役立つ情報や相談窓口、医療費の支援制度などを掲載しています。

がん患者さんのための療養ガイド 第4版

がんネットなら
(奈良県がん情報ポータルサイト)

県内の医療機関や相談窓口の情報、県内で開催される講演会の情報など、がんに関する情報を幅広く掲載しています。がんに関して知りたいとき、ぜひご覧ください。

がんネットなら

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子宮頸がんはHPVワクチンで予防できます
~HPVワクチンキャッチアップ接種の経過措置について~

平成9年度~19年度生まれの女性へ

高校1年相当(平成20年度生まれ)の女性へ

令和7年3月31日までに1回以上接種をした方に限り、残りの接種を令和8年3月31日まで公費で受けることができます。
詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。

詳しくはこちらから▼

県疾病対策課
電話 0742-27-8928
FAX 0742-27-8262
※「県民だより奈良」は県内の各家庭にお届けしています。
 市町村窓口、県の施設などにも配置しています。
※点字と声による「県民だより奈良」も発行していますので、必要な方は県広報広聴課へご連絡ください。
 県では、経費削減のために、「県民だより奈良」の裏表紙に有料広告を掲載しています。
 広告の申込・お問い合わせは、株式会社キョウエイアドインターナショナル大阪支社(TEL:06-4797-8251)まで

お問い合わせ

広報広聴課
〒 630-8501 奈良市登大路町30
報道係 TEL : 0742-27-8325
広報制作係 TEL : 0742-27-8326 / 
FAX : 0742-22-6904
デジタル広報係 TEL : 0742-27-8056
県民相談広聴係 TEL : 0742-27-8327 / 
FAX : 0742-22-8653
相談ならダイヤル TEL : 0742-27-1100

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