第39号(平成16年)

平成16年度


奈良県保健環境研究センター年報


No.39


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b006lis 論文

  1. イオンクロマトグラフによる公共用水域の亜硝酸性窒素とアンモニア性窒素の迅速・高感度測定法の検討と窒素化合物の挙動       P.39-P.47
    松本光弘・武田耕三・木本聖子・平井佐紀子・兎本文昭・仲澤喜代重
     公共用水域の亜硝酸性窒素(NO2--N)とアンモニア性窒素(NH4+-N)の測定にIC法の適用を検討した。この結果、NO2--Nの測定ではEC検出器とUV検出器を併用し、注入量50μLでNO2--Nの目標定量下限値である0.01mg/Lをクリアすることができた。また、NH4+-Nの測定ではEC検出器を用い、分離条件を最適にすることにより、Na+濃度が100mg/L共存している場合でも、NH4+-Nの定量下限値として0.02mg/Lまで精度良く測定することが可能であり、目標定量下限値である0.05mg/Lをクリアすることができた。奈良県内の4水系の公共用水域試料216検体について、NO2--NとNH4+-NをIC法と従来法により測定した結果良い一致が認められた。また、奈良県内の4水系における窒素化合物濃度(全窒素:T-N、NO2--N、NO3--N、NH4+-N、有機態窒素:Org-N)の挙動について検討を行った。大和川水系では無機態窒素濃度>有機態窒素濃度、淀川水系と紀の川水系では有機態窒素濃度=無機態窒素濃度、新宮川水系では有機態窒素濃度>無機態窒素濃度であった。
  2. アルカリイオン化検出器付きガスクロマトグラフによる尿中ニコチンの簡易迅速定量       P.48-P.51
    田中健・米田正樹・大橋正孝・森居京美・大前壽子・芳賀敏実・素輪善典
     アルカリイオン化検出器(NPD)付きガスクロマトグラフによる尿中ニコチンの迅速な測定法を開発した。分析法はアルカリ性下、トルエン-キシレン(1 : 1)混液による液-液抽出後、有機溶媒層の2μlをガスクロマトグラフに注入した。内部標準物質にはキノリンを用いた。ニコチンの平均回収率は99-104%で、定量限界は5ng/mlであった。
  3. 喫煙習慣と尿中カドミウム濃度       P.52-P.55
    田中健・米田正樹・大橋正孝・森居京美・大前壽子・素輪善典・芳賀敏実
     喫煙者26名、非喫煙者38名の尿中カドミウムを測定した。尿中カドミウム濃度は喫煙者及び非喫煙者とも加齢と共に高くなったが、いずれの年代においても喫煙者の方が高値であった。しかし、喫煙者の中でも最も高濃度でも2μg/gクレアチニン未満であり、健康暴露基準である5μg/gクレアチニンを超えるものはなかった。

b007lis 業務調査報告

  1. 大和平野地域における大気中のオゾン層破壊物質について       P.57-P.59
    北村栄治・安村浩平・岡田作・米田勝彦
  2. 平成16年度奈良県水道水質外部精度管理調査結果について       P.60-P.65
    中山義博・浅野勝佳・山本圭吾・松本光弘・兎本文昭・仲澤喜代重
  3. SFEおよびGC/MSによる農作物中の残留農薬の一斉分析法について       P.66-P.73
    植田直隆・伊吹幸代・宇野正清・素輪善典

b009lis 短報

  1. 奈良県における環境放射能調査(第13報) (2004年4月~2005年3月)       P.75-P.76
    岡田作・北村栄治・安村浩平・米田勝彦
  2. 農薬類68成分一斉分析の検討(GC/MS項目)       P.77-P.78
    浅野勝佳・松本光弘・兎本文昭・仲澤喜代重
  3. 食品中のプロピレングリコールの分析       P.79-P.80
    大橋正孝・米田正樹・素輪善典
  4. LC/MS/MSによる食品中の過酸化ベンゾイルの分析       P.81-P.82
    米田正樹・田中健・大前壽子・森居京美・大橋正孝・素輪善典
  5. 光触媒を用いた農薬の分解について       P.83-P.84
    植田直隆・伊吹幸代・宇野正清・素輪善典
  6. 鶏肉中に含まれるニューキノロン系抗菌剤の分析法の検討       P.85-P.86
    伊吹幸代・植田直隆・宇野正清
  7. 奈良県の2004/2005シーズンにおけるインフルエンザ流行疫学       P.87-P.88
    北堀吉映・井上ゆみ子・中野守
  8. 保育園におけるYersinia enterocolitica 血清型O8群による食中毒事例       P.89-P.90
    橋田みさを・榮井毅・中山章文・山本安純・竹部久勝
  9. 食中毒関連事例における黄色ブドウ球菌の毒素遺伝子保有状況       P.91-P.92
    榮井毅・中山章文・竹部久勝

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