奈良時代から伝わる
漆工芸の技術を受け継ぐ姉弟。
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正倉院や春日大社に今も伝わる漆工芸品には、漆塗りの部分に美しく光る貝をはめ込む、螺鈿(らでん)という技術が使われています。そんな美しい漆工芸の技術が今も奈良で伝えられています。
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まずは螺鈿と呼ばれる貝を用いた装飾です。奈良の螺鈿は厚みのある夜光貝などの貝の板を精巧に加工する技術が特徴です。貝の輝きに奥行きがあり、品格の高い仕上がりになります。さらに、水晶や琥珀(こはく)、タイマイなど、国際色豊かな素材を用いることも特徴ですね。奈良時代に大陸から伝わった貴重な漆工芸品が残る奈良らしい技術だと思います。
貝を切る繁さん
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①まず、漆を塗る土台となるものを形づくります。素地の作り方は色々ありますが私たちは、檜(ひのき)の薄い板を曲げたり重ねたりして、形を作るんです。
②麻布を貼った上に下地を作り漆を塗っては研ぐことを何度も繰り返します。
③螺鈿の原料の夜光貝を糸鋸(いとのこぎり)などで細かく切って文様を作ります。蒔絵(まきえ)の場合は、漆を塗った部分に金粉などを蒔(ま)きます。
④螺鈿も蒔絵も、貝や金粉の上から一旦漆を塗り込めます。
⑤最後に慎重に漆を研ぎ出すと、下から螺鈿や蒔絵文様が姿を現します。
漆というと塗るイメージが強いかもしれませんが、研ぐ作業が大部分を占めているんですよ。
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漆を塗る。この刷毛は人の毛でできていて、漆を塗るには最適。
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さまざまな炭で、表面を研ぐと、下から文様が輝き出す。
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奈良において伝えられてきた良いものや伝統的な技術を後世に伝えていきたいと思います。その中で大学で学んだ金属工芸なども融合させたもの作りをしていきたいですね。(繁さん)
螺鈿など奈良らしい技術を取り入れ、日々の生活が豊かになるような、日用品も作っていきたいと思います。そして、技術を高める努力をひたすら続けたいですね。(寧子さん)
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漆器の技術にも、作り手のそれぞれの生き方が反映されてしかるべきだと思います。昔からの方法で伝統を守るだけでなく、現代の漆のスタイルも見つけて欲しいです。ただ、美的遺産が多く残る奈良に暮らす者として、社寺の行事で使われる用具など昔から変わらないものは、これからも変えずに受け継いでいくことが必要だと思いますね。
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牡丹唐草双鳥文螺鈿箱(ぼたんからくさそうちょうもんらでんばこ)
北村 昭斎
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螺鈿蒔絵箱(らでんまきえばこ)「カテドラル」
北村 繁
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螺鈿箱(らでんばこ)「若菜」
小西 寧子
繁さんと寧子さんの作品を間近に見られるのは、
北村 繁・小西 寧子 二人展
所 髙島屋大阪店6階ギャラリーNEXT
時 10月23日(水)~29日(火)
問 髙島屋大阪店
TEL 06-6631-1101(代表) |
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