郡山城址と、お堀端の西公園、そして永慶寺の境内が格好の“秘密基地”として育った自分にとって、故郷の情景とは、お城祭りの満開の桜や新緑、紅葉、そして桜花グランドから聞こえてくる掛け声に、当時実家で母が教えていたピアノの音色が重なり合ったものが溢れ出てくる。 高校卒業後、奈良を離れ、さらには転勤で東京に移った。そんな自分が2001年に東京で起業し、2004年から結婚式場の運営に乗り出し全国展開を開始した後も、奈良への出店構想は全くなかった。奈良のマーケットの難しさを誰よりも理解していたからだ。それが猿沢の池のほとり、興福寺の五重塔を借景にした素晴らしい場所に巡りあった。そこは歴史を重ねられた魚佐旅館があった場所。「この場所に最も似合う施設を我々で創り上げたい」という思いに駆られ3年越しのプロジェクトがスタートし、昨年7月『KOTOWA奈良公園Premium View』が完成した。プロジェクトを進める中、改めて日本における奈良の存在意義とポテンシャルを認識した。その間、懐かしい友人たちと時間を持つこともできた。新たに動き出したこの「幸せのステージ」が奈良の新たなランドマークになるよう、さらに走って行きたい。
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