税源移譲に関するQ&Aのページ
税太郎くんの質問に
博士がわかりやすく解説します。
もくじ
1.税源移譲(ぜいげんいじょう)ってなに?
2.税源移譲でぼくたちのまち(地方)はどうなるの?
3.税金が増えるの?
4.本当に税率を変えただけで負担は変わらないの?
5.いつから変わるの?
6.住宅ローン控除を受けている人はどうなるの?
7.平成19年度の所得税が課税されていない人はどうなるの?
1.税源移譲(ぜいげんいじょう)ってなに?
「地方にできることは地方に」という理念のもと、「三位一体の改革(さんみいったいのかいかく)」が進められてるんだ。「三位一体の改革」とは、1.国庫補助負担金 2.税源移譲 3.地方交付税 の3つを一体的に改革しようとするものなんだよ。
この改革のうちの税源移譲によって、国の財源(税収)の一部の約3兆円が、地方(都道府県・市区町村)の財源(税収)になることになるんだ。
国の財源の一つである所得税の税率を下げ、地方の財源の一つである住民税(個人住民税)の税率を上げることによって、地方の税収を増やすようにするんだよ。
2.税源移譲でぼくたちのまち(地方)はどうなるの?
地方の財源は、主に地方税の他に、国からの交付税や補助金などがあるんだ。
地方自治体が行っている行政サービスの中で、例えば福祉にかかる費用などは国からの補助金をうまく活用しながら行っているんだが、この補助金は一定のルールがあり、当然それぞれに使い道も決められているわけなんだ。
このため、必ずしも地方にとって自主性が高いものとは言えなかったんだ。
国庫補助金の削減と税源移譲によって、地方の自主財源が増えれば、地方は必要な財源を自らが直接確保することができるようになり、住民はその地域に合ったより身近で、より良い行政サービスが受けれらるようになるんだよ。
3.税金が増えるの?
税源移譲による住民のみなさんの負担は変わらないよ。制度上は、下の表1のように住民税の税率が一律になり、表2のように所得税の税率が細分化されるんだ。これにより、合計の税率は、税源移譲前と税源移譲後で変わらないようになってるんだ。
ただし、税源移譲とは違う制度改正が以下のとおり行われているので、税金が増える人もいるので注意が必要だね。
◎景気対策のため、税負担の軽減措置として導入された定率減税の廃止
(所得税は平成19年1月から、個人住民税は平成19年6月から)
◎昭和15年1月2日以前に生まれた方で平成18年中の所得が125万円以下の場合、老
齢者非課税措置の廃止と、それに伴う激変緩和による税額の段階的引き上げ
表1 《住民税の税率》
税源移譲前 |
⇒ |
税源移譲後 |
課税所得 |
税率 |
課税所得 |
税率 |
0~200万円以下 |
5% |
一律 |
10% |
200万円超~700万円以下 |
10% |
700万円超~ |
13% |
表2 《所得税の税率》
税源移譲前 |
⇒ |
税源移譲後 |
課税所得 |
税率 |
課税所得 |
税率 |
0~330万円以下 |
10% |
0~195万円 |
5% |
195万円超~330万円 |
10% |
330万円超~900万円以下 |
20% |
330万円超~695万円 |
20% |
695万円超~900万円 |
23% |
900万円超~1800万円以下 |
30% |
900万円超~1800万円 |
33% |
1800万円超~ |
37% |
1800万円超~ |
40% |
4.本当に税率を変えただけで負担は変わらないの?
3で説明したように、税率は変わらないように設定されているんだが、税率を調整しただけでは、税源移譲の前後によって税額が変わらないとは言えないんだ。これは、所得税と住民税では、人的控除(基礎控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除など)の額に差があるからなんだ。
この差額分だけ課税所得金額が増えることになるので、税率で調整しても税額は上がってしまうんだ。この増額をなくすための措置が調整控除と言われるもので、住民税の増加した分を控除し、税源移譲の前後で税額が変わらないように調整することになってるんだよ。
ただし、人的控除以外の物的控除(生命保険料控除、損害保険料控除など)は、政策的要素を含んだ控除であることから、調整控除の対象外となってるんだ。
5.いつから変わるの?
サラリーマンの人は、平成19年1月の源泉徴収から所得税が低くなり、平成19年6月から住民税の特別徴収が高くなるんだ。
そのほか、所得の種類によって時期が違っていて、整理すると以下の表のとおりになるんだよ。
|
所得の種類 |
所得税の減額 |
住民税の増額 |
サラリーマン |
給与 |
平成19年1月源泉徴収から |
平成19年6月特別徴収分から |
年金受給者 |
年金 |
平成19年2月源泉徴収から |
平成19年6月納税分から |
事業所得者等 |
事業所得・営業所得 |
平成20年3月確定申告から |
平成19年6月納税分から |
6.住宅ローン控除を受けている人はどうなるの?
税源移譲によって所得税額が減少するため、所得税の住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)を受けている人のうち、これまで受けてきた控除額を所得税では控除しきれない人がでてくるんだ。そのため、所得税では控除しきれなかった額を住民税から控除できる措置がとられるんだよ。
この控除を受けるには、毎年3月15日までに市町村へ申告しなければならないので、忘れないよう注意が必要だね。
(例えば、平成19年の所得税で控除しきれなかった場合は、平成20年度の住民税から控除されることになりますので、平成20年3月17日までに申告が必要となります。)
7.平成19年の所得税が課税されていない人はどうなるの?
税源移譲によって住民税が増えた分を所得税を減少させることで、調整しているけれど、平成19年に所得税がかからなくなった人は、その軽減の影響をうけられないんだ。そのため、納付済みの平成19年度分の住民税額から税源移譲によって増額になった分を還付する措置がとられるんだよ。
この還付を受けるには、平成20年7月1日から7月31日までの間に平成19年度分の住民税を納めた市町村へ申告しなければならないんだ。
(この措置は平成19年度の住民税の課税に限り適用されます。また、平成19年中に亡くなられた方や平成20年1月1日に国内に居住されていない方には、この経過措置は適用されません。)
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