ふるさと奈良への便り

 


 
   救急医療を目指し関西を離れて8年。東日本大震災のあと、縁あって気仙沼で働く今も、年に何度かは奈良に帰省しています。
 昨年末からこの年始にかけ奈良で過ごした帰り道、乗降客でごった返す京都駅でのこと。雑誌を満載した台車を、係員が押してゆき、乗車案内を見上げている男性に接触しました。男性は体勢を崩し、同時に雑誌の束は床に崩れ落ちます。
 係員が「すみません!」と言いながら荷物を拾い始めると、ぶつかった男性も手伝い始め、あれ?と思う間に右を通っていた男性も左から来た男性も作業に加わり、間もなく雑誌の山は元通りになり、台車は売店へ、乗客はホームや改札に散って行きました。
 今回、東京まで新幹線の自由席で立って戻らねばならないのを苦々しく思っていたのですが、この出来事のおかげで穏やかな気持ちで乗ることができました。おまけに座れてラッキー♬ 日本っていい所だな。
 イチロー・カワチ(研究者)という偉い人がいて、日本人が長寿な理由は「社会関係資本」にあるという。この目に見えない地域の財産は「絆」とか、向こう三軒両隣とか、困った時はお互い様とか、人と人の繋がりを指すという。なるほど・・と思った帰り道。
 県外で働く私にとって奈良はまさに“故郷”です。目に見える奈良と、目に見えない奈良がいつまでも温かい故郷であることを願って止みません。
 平成26年、仕事始めの前日に。みちのくより。
 
 
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