糖尿病について
糖尿病とは
糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用不足による慢性の高血糖状態を主な特徴とする代謝疾患群です。自覚症状がほとんどないことが多く、気づかないうちに臓器の合併症を起こす場合があります。一方で、糖尿病と診断されても、血糖値を適正な範囲に維持するなどの治療を受けると、合併症を予防し、生活の質を維持して健康寿命を延ばすことができる可能性が高くなります。
糖尿病は、インスリンを産生するβ細胞の破壊・消失からインスリンが絶対的に不足する「1型糖尿病」と、過食、運動不足、肥満やストレスなどの環境因子に遺伝因子や加齢の要素が加わり、インスリンが作用しにくくなることで発症する「2型糖尿病」に大別されます。
糖尿病の合併症
糖尿病の合併症には、糖尿病性腎症や糖尿病性網膜症などがあります。これらの合併症は、重症化すると日常生活に影響を及ぼします。
合併症を地域ぐるみで予防するためには、かかりつけ医による診療では定期的に合併症に対するチェックを行い、タイミングを逃さず腎臓内科、眼科などの関係科と連携する必要があります。
予防と早期発見
2型糖尿病の発症に関連がある生活習慣は、食生活、運動習慣、喫煙などです。糖尿病の発症予防には、適切な食生活、適度な身体活動や運動習慣が重要とされています。
糖尿病は初期には自覚症状が無いことが多く、健康診断で始めて疑われることが多い疾患です。健診によって糖尿病あるいはその疑いのある者を見逃すことなく診断し、早期に治療を開始して継続することで、糖尿病の重症化や合併症の発症を予防することができます。
糖尿病の診療
糖尿病は、早期の時期から合併症を有する時期に至るまで、病態が様々で、必要となる医療が変化します。
かかりつけ医と専門医が密に連携すること、重症化予防を支える歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、管理栄養士、糖尿病療養指導士などとのチームによる診療が必要です。