吉野杉を使ったお箸
割り箸は、木材を使い捨てる、もったいないものと言われた時期もありました。しかし、実際は、元々処分するだけだった端材を有効に活用する商品なのです。 吉野杉は木目の詰まった美しい木に育てるため、多くの木を植え、成長するにつれ太い木だけを残す間引きを行っています。そうした間引きで出る細い木や、丸太から角材を取った後に残る端材で割り箸はつくられているんですよ。
吉野杉の間伐材 四角い柱を取った残りの吉野杉
菩提という木は7~8年で大きく育ちます。ベトナムでは甲子園球場100個分くらい(約400ヘクタール)の森で植林した材木だけを使って割り箸を製造しています。ベトナムでの製造も8年目を迎え、木を植えて、植えた分だけ使うというサイクルを確立しました。
ささくれの無い、なめらかなお箸になるように、刃物の切れ味に最も注意をしています。また、らんちゅうという形の高級な吉野杉のお箸は、木目や色あいがそろうように選んでセットしています。 材木が端材で全て形が違うので、効率良く加工するのもなかなか難しいんですよ。
世界的な和食ブームもあるので、吉野杉のお箸をもっと広めていきたいですね。また、人手不足から海外に移ってしまった製造拠点を、割り箸発祥の地でもある奈良に戻したいですね。そのためにも、地元の若い人にも、働いてみようかと思ってもらえるよう、簡単に使える機械で製造できるようになればと考えています。
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