茶の栽培・加工等に関する研究

一番茶に特化した輸出向け有機栽培体系の確立

県内茶産地では台湾やアメリカ向けの輸出に対応できる茶の生産に取り組んでいますが、出荷先はさらに需要が見込める有機栽培(JAS有機)茶を求めています。生産者にとって有機栽培への転換は品質・収量などの収益性での不安が伴うため、病害虫の発生が比較的少なく、高単価で収益の大部分を占める一番茶に特化した輸出向け有機栽培茶の生産に取り組んでいます。

 

        病害虫調査           一番茶摘採期間拡大の検討

奈良県における茶根域制限密閉挿しの検討

生産者が必要な品種苗などを新たに必要とする場合、苗生産者からの購入が基本となりますが、人気のある品種や希少な品種などは苗が手に入らない恐れがあることから、挿し木による自家増殖が必要となります。そこで、茶生産者が自ら挿し木を行うことを目的に、繁忙期を避けた秋挿しによる苗木の自家増殖方法について、培養土を使用した根域制限密閉挿しにより、発根および新梢伸長を改善した効率的な苗の生産方法と定植実証について取り組んでいます。

根域制限密閉挿し試験圃場

吉野葛の科学的評価と栽培技術の確立

奈良県を代表する食材の一つに「吉野葛」があり、その原料であるクズの根は、掘り子による山堀りで供給されています。しかし、近年その資源枯渇、掘り子の高齢化等により、原料の生産は危機的状況を迎えています。そこで、安定的な原料確保のために、クズの根部利用を目的とした栽培技術の確立と吉野本葛の科学的評価を目的とした研究に取り組んでいます。

 

      葛の花                吉野本葛

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