【原因】
梅毒トレポネーマという病原菌による感染症で、主に性的接触が原因で感染します。
【症状】
感染後の経過した期間により症状が異なります。
・早期顕性梅毒Ⅰ期(感染後3~6週間程度)
感染後、3~6週間の潜伏期を経て、症状がみられ始めます。
感染箇所(陰部、口唇部、口腔内、肛門など)にしこりができたり、股の付け根の部分のリンパ節が腫れることもあります。
治療をしなくても症状は一旦軽快するため、受診せず放置し、検査や治療の遅れにつながることがあります。感染した可能性がある場合や、気になる症状がある場合には必ず検査を受けるようにしてください。
・早期顕性梅毒Ⅱ期(感染から数ヶ月)
治療をせず数ヶ月を経過すると、病原体が血液により全身へ運ばれます。
手のひら、足の裏など身体全体の皮膚や粘膜などに発疹がみられるようになります。
発疹は、治療をしなくても数週間以内に消える場合がありますが、病原体は体内に残っており、治ったわけではありません。また発疹は、アレルギーや麻しん、風しんなどと間違われることもあるため、注意が必要です。
この時期に適切な治療を受けなかった場合、数年後に複数の臓器障害につながるおそれがあります。
・晩期顕性梅毒(感染後数年)
数年を経過すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)がみられることがあります。また、複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死に至ることもあります。
・先天梅毒
妊娠しているヒトが梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に影響を与えます。
死産や早産、奇形が起こる場合があります。