このたび、当館館長職を拝命いたしました籔内佐斗司でございます。
私は永年、東京藝術大学で文化財保護と仏像の古典技法研究をしてまいりましたので、奈良の多くの寺社とはたいへん親しくお付き合いをさせて頂いてまいりました。また、県庁職員であるせんとくんの父親として、奈良県にはひとかたならぬご恩を感じてまいりました。
そして、2013年には「籔内佐斗司 やまとぢから」展を当館で開催させていただきましたが、そうしたご縁がこのようなかたちに発展したことをたいへん嬉しく思っています。
当館では、いままでにも意欲的な展覧会を開催してきましたが、これからは奈良県の芸術文化発信の中心施設として、県民だけでなく県外、あるいは海外からもたくさんの来訪者をお迎えできる魅力的な美術館をめざして、県庁や館職員と手を携えて運営にあたらせていただきたいと願っています。
そして当館は、2023年に開館50周年の大きな節目の年を迎えます。奈良県の最大の資産である歴史と芸術文化を存分に活用し発信できるよう、また芸術がもたらす幸せとは何かを、職員一同ちからを合わせて追求してゆく所存です。
みなさまのご来館をこころよりお待ちしています。
2021年4月1日
奈良県立美術館館長
籔内佐斗司