須田剋太(1906-1990) 一面 昭和43年 (1968) 油彩・カンヴァス 45.5×53.0cm
奈良県立美術館40選
絵画(近代・現代)
須田剋太(すだこくた)は、埼玉県に生まれ、独学で洋画を学んだ。昭和22年、兵庫県西宮市に移住。その後、抽象絵画を制作、国画会で活躍した。また、「週刊朝日」に連載された司馬遼太郎(しばりょうたろう 1923~1996)の歴史紀行記『街道をゆく』(1971~1906)の装画を描き続けた。その原画は、司馬とともに各地を旅した現地で作成し、力強い独自の表現がなされている。 本作は、東大寺二月堂から眺望した西にひろがる風景である。須田は、画面手前には下方に見える二月堂湯屋、さらに上に大湯屋へと瓦屋根が続き、上方中央には大仏殿の大屋根へと、東大寺境内をダイナミックに描いている。古建築の瓦屋根と、新緑の自然が融け合った生命感あふれる作品である。
お問い合わせフォームはこちら