奈良ゆかりの現代作家展 01 今西真也「吸って、吐いて」

作家紹介

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今西真也《Holiday cracker 39》2024

今西真也《Light 26》2022

 

今西真也(1990年、奈良市生まれ、在住)は、パネルの上に油絵具を重ね分厚い層を作り、それをえぐるように絵筆で彫り出していく、絵画でありながら彫刻的な表情を見せる作品を制作しています。白という色彩が赤や黄の濃い色のうえに重ね合わされ、紗がかかったようなあわい濃淡によってあらわされる繊細な絵肌からは、日本美術における光の表現に通底する感性をうかがわせます。2015年に京都造形芸術大学大学院を修了し、その後は奈良を拠点に国内外のギャラリーやアートフェア等で発表する新進気鋭のアーティストです。

作家メッセージ

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 私は作品を通じて、東洋哲学の「縁起」や「因果」の考えに基づき、世界が常に変化し続ける様子を描いています。揺らぎや不確かさの中に、新たな可能性や再生の兆しを見出すことをテーマに制作を続けてきました。

 今回の展示は、私が生まれ育ち、制作の軸が形作られた奈良での初個展です。奈良という歴史と現代が交錯する独特の文化と時間感覚を持つ場所で育まれた感性が、これまでの作品に大きな影響を与えています。

 今回の展示が、私自身にとっても一つの節目となり、過去10年間の歩みを振り返る機会になればと思っています。ご覧になる方々にも、作品を通じて時間の経過を感じていただき、変化と再生のプロセスを共有できる展示になれば幸いです。

作家プロフィール

1990 年奈良市生まれ、在住。2015年京都造形芸術大学大学院芸術表現専攻ペインティング領域修了。 近年の展示に個展「SHINYA IMANISHI」(2024年、anonymousbuilding/東京)、anonymous art project「collective 2024」(OMOTESANDO CROSSING PARK/東京)、「2023年度新収蔵品展」(2024年、豊田市美術館)、個展「キラキラと曖昧」(2024年、nca|nichido contemporary art/東京)、個展「かー ーか かー」(2021年、nca | nichido contemporary art/東京)などがある。anonymous collection AWARD受賞(2023年)、公益財団法人松浦芸術文化財団 令和4年度現代芸術家助成、シェル美術賞2020グランプリ受賞、第31回ホルべイン・スカラシップ奨学生(2016年)など。

作家HP:https://shinyaimanishi.com

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