奈良県では、県内の野生動植物が生態系の重要な構成要素であり、県民の豊かな生活に欠かすことのできないものと考え、それらを保護していくために「奈良県希少野生動植物の保護に関する条例」を制定しています。中でも特に保護すべきと考えられる12種類の希少な生き物を「奈良県特定希少野生動植物」に指定し、保護を推進するための指針を定めています。
そのうちの1種、コサナエ(サナエトンボ科コサナエ属)は、これまで県内では下北山村の限られた場所でしか確認されていない希少なトンボでしたが、このたび、森と水の源流館(川上村)の昆虫類担当職員 古山 暁 氏より、奈良市内の山あいで発見したと情報提供がありました。
これを受け、古山氏同行の元、県の担当職員が現地確認を行ったところ、コサナエ雄1頭が見つかり、生息が確認されました。古山氏によると、奈良県内のコサナエ属の分布様式と紀伊半島におけるコサナエの隔離分布を考察する上で重要な発見であり、県内におけるコサナエの保護に大きく貢献できる知見であるとのことです。
今後県では、奈良県特定希少野生動植物コサナエ保護管理計画を策定し、来年度より保護管理事業を実施していく予定です。
参考写真:コサナエ♂(下北山村産) 写真提供 谷村勇司氏
※コサナエをはじめ奈良県特定希少野生動植物は、条例により捕獲や飼育が禁止されているのでご注意ください。
奈良県特定希少野生動植物の詳細は下記ホームページまで。
http://www.pref.nara.jp/dd.aspx?menuid=18272