奈良新聞掲載記事集

令和6年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和5年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和4年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和3年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和2年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

家庭菜園も一年の計は元旦にあり

 みなさま、あけましておめでとうございます。家庭菜園などで「今年は何を作ろうかな。」と考えておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは栽培計画の立て方について役に立つポイントをお話しします。
 ポイント(1):栽培時期を考えましょう。この世には多くの作物があります。また、それぞれに異なった品種があります。例えばキャベツには、春キャベツに適する柔らかい品種や、かたくて甘みが強い寒玉系品種があります。作物と品種ごとに生育に最も適している時期は異なります。種苗メーカーが出版しているカタログや種袋・苗札には、種まきや収穫の時期を示した図や説明文が書かれていますので参考にしてください。
 ポイント(2):必要な面積を考えましょう。葉や枝が横に広がるのか、それとも縦に伸びるのか、などを考えて植える場所や本数を決めましょう。例えば、夏野菜のナスは日光が大好きです。Yの字型に枝を伸ばしていき、多くの葉に日光を当てると元気に育ちます。一方で、1本の苗が大きく広がるので、あまりにも多くの苗を植えてしまうと人が通るスペースがなくなってしまいます。では、ナスの南側にトウモロコシを植えるとどうでしょう。背の高いトウモロコシは日光を遮る壁になってしまいます。この場合は、ナスとトウモロコシを離したりしてどちらにも日光が当たるようにしましょう。
 ポイント(3):堆肥を入れる時期を考えましょう。堆肥は土づくりに有効な資材です。ただし、入れる時期と作物によってはマイナスに働く場合もあります。例えば、ダイコンなど根菜類を栽培する直前に堆肥を入れるのはマイナスです。「完熟」と書かれた堆肥であっても、土の中に入った後に分解が進んでいきます。この分解の時に「酸」が発生し、作物の根を傷める場合があるのです。この害を避けるためには、堆肥を入れた後、別の作物を作ってから根菜類を栽培しましょう。

 

左からレタス、早生黒大豆エダマメ、ブロッコリー

【豆知識】大和高原地域の一つ、標高300~400mに位置する宇陀市では一年を通じてどのような作物が栽培されているかご存知でしょうか。ホウレンソウが代表的ですが、その他にも、冬から春にかけてはレタス、春から夏にかけては早生の黒大豆エダマメ、夏から冬にかけてハクサイやブロッコリーが栽培されています。大和野菜研究センターでは、農業者やJAならけんと協力し、「レタス、黒大豆エダマメ、ブロッコリー」の輪作体系の研究を行っています。品種と栽培の時期、肥料などを工夫し、一つの畑でレタス→黒大豆エダマメ→ブロッコリーが順番に栽培できるよう研究しています。また、レタスに使用したマルチをそのままはがさずに、黒大豆エダマメ、ブロッコリーを順に作付けする「マルチのリユース(再利用)」の研究にも取り組んでいます。この技術を用いれば、マルチを張ったり取り外したりする手間や経費を少なくすることができます。

 

 

平成31年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。