ベテランが指南する、恋の必勝法

古代、若い男女は歌垣で結婚相手を探した。歌垣とは、男女が集まり、即興でつくった歌を掛け合いながら求愛する風習だ。『万葉集』からもそれを知ることができる。

歌垣には、若者だけではなく、歌を教える人がいたらしい。歌には決まったリズムや言葉があったという。現代は著作権などの観点からオリジナリティーを重視するが、古代では、誰もが知っているフレーズをあえて使うことが教養のある人だと思われていたようだ。

歌の枕詞や序詞は、いわばセットになる詞。似た歌がたくさんあるのはそのためだ。作者未詳の歌は身分が低い人物の歌だと認識されがちだが、それは平安時代以降のこと。言葉の使い方から見れば明らかに貴族の歌もある。当時は作者名を残すという概念がなかったのだ。

さらに、歌の手本集は書物ではなく、口伝だったかもしれないという。古代では替え歌を即興でつくることができる人が「頭のいい人」とされていた。「読む」と「書く」を別のものとして考える思考だ。これは文字以前の人々の発想。初期万葉ではそれが顕著に見られる。一方、後期万葉では「書く」ことを前提にしている歌が多いのが特徴だ。

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国づくりの源流「飛鳥京」
~奈良の三都物語①~
日本初の本格都城「藤原京」
~奈良の三都物語②~
天平文化のど真ん中「平城京」
~奈良の三都物語③~
陵墓の位置に現れた皇統意識
~天智系と天武系~
地上に降り立った“照り輝く”太陽神
~鏡作神社・原宮司に聞く
橿原宮周辺に伝承残す、
多氏始祖の謎
環濠集落、そのルーツをたどる
~田原本町「法貴寺遺跡」~
光明皇后より口伝で受け継ぐ、精進念仏の結晶
~法華寺のお守り犬~
切れ味を甦らせる指先
~田原やま里博物館①~
日本茶の奥深さを伝える~田原やま里博物館②~
奈良晒の伝統を守り継ぐ~田原やま里博物館③~
「やすまろさんや!」
~太安万侶墓、発見のエピソード①~
「これはえらいことになる…」
~太安万侶墓、発見のエピソード②~
謎とロマンが語り継がれる金剛山麓
~高鴨神社・鈴鹿宮司に聞く~
考古学調査が解明する
大豪族・葛城氏
お年玉の起源は
葛城山麓の古社にあり!?
纏向遺跡で迎えた、
古墳時代の夜明け
人に振る舞われた、
大物主の恵みし神酒
万葉人のグルメはどんな味?
宮滝式土器から見えてくる、縄文・弥生時代の暮らし
~吉野歴史資料館・ 池田館長に聞く①~
昔時の姿を重ね見る、歴代天皇が愛した神仙境
~吉野歴史資料館・池田館長に聞く②~
時代の変遷が生んだ、都への想い
~歌に表れた万葉人の距離感~
ベテランが指南する恋の必勝法
~奈良時代のプロポーズ①~
名をあかすは、夫婦のしるし
~奈良時代のプロポーズ②~
天照大神がたどった
神宮の候補地・元伊勢
二つの顔を持つ男、不比等
~県立図書情報館・千田館長に聞く①~
不比等が仕組んだ、華麗なるパワーゲーム
~県立図書情報館・千田館長に聞く②~